満足度★★★
歌に包まれる至福
正直にお詫びします。
なめてました、私。
安奈さん、素敵でした。
女優として「ピアフ」を受けたということは演じるだけでなく、
彼女(ピアフ)を丸ごと飲み込んで昇華させるということ。
演者として差し出さなければならないのは
人に夢を見させるようなキレイで伸びやかな歌ではない。
求められているのはライトの中に立つ彼女の影の濃さにも似た孤独と
幾度も繰り返し堕ち、汚れ、降りかかる悲しみに枯渇しひび割れた心。
そういった彼女という人間の奥行きと陰影が集約されたカタチで声に現れなければ。
ストーリー展開としては駆け足で生涯を追った為、
ピアフに関わる人の描かれ方が通り一遍で深み無く、面白みに欠けると感じた。
が、ピアフ=安奈さんがスタンドマイクに向かう時、
今回求められるモノは其処にある・・・そう感じ、
同じあの空間に居る幸せを味わい包まれる喜びに浸ることが出来た。