満足度★★★★★
地に足を着けて、道先を選ぶ
「踊る大捜査線」も見たことがないのに、なぜかこの企画は前回に続き気になって観に来てしまった自分。
前回との関連はあるもののそれは薄く、全く独立した物語として観ることが出来る。
あまりにも淡淡とした導入部にするやかな劇世界への没入を阻まれたけれども、そしてあまりにも朴訥とした息子役の演技に最初は苛立ったけれども。
それが。
いつしか。
近江谷太朗の繊細な父親役とのコンビネーションに、演技であることを忘れさせるほど、二人の関係がするりと腑に落ちてゆくのを感じていた。父子関係が存在していた。
ハナシとしては、40代を迎えて、子供がとにかく人生において自分よりも重要な位置を占めるようになってきたそのターニングポイントに起こるあれやこれやを、、と乱暴に纏めても良いだろうか。その周辺で起こってくる諸問題が、いちいち地に足が着いていてまるで我が身のハネっ返りのようにすら感じられてくるのである。
少し迷ったけど、今年3本目の五ッ星を。