満足度★★★★★
おお、面白いなあ
上演3時間半。休憩込みで4時間弱の長さ。しかしこの作品に限っては必要な長さ。飽きずに全然観れちゃう。
作りはリーディングやみきかせの手際に近く一見シンプル。けれど演出がすごくよく練られている。ト書きの処理の仕方なり、言葉の身体の主体の不一致だったり、リアリズムとは違うさりげなくクールな演出は最後まで徹底していた。
役者もよく本を読みこなし身体に落とし込んでいる。小説ならではの情景描写や丁寧な文語体を、意識的な文語調とさらりとした口語とで織り交ぜつつ発せられてゆく時の感触は他じゃなかなか味わったことがない。とむさんの織り交ぜ方は絶妙すぎてそれだけでもう楽しい。
この重量この料金でこの観客の少なさはもったいないと思わざるをえないレベルの作品。