シアターコクーンは素晴らしい
開館当初、中島みゆきが宣伝部長よろしく「何でも出来る可能性を
秘めたホール」と触れ込んでいたシアターコクーン。
久しぶりに、このホールの素晴らしさ、このホールの懐の広さを、
堪能出来た作品です。
詳細はネタバレに書くとして、とにかく世界最高水準のホールと、
言えましょう。
どんな素晴らしい料理も、それを提供する店の雰囲気やサービスに
満足できなければ印象が変わるもの、皿や食器などのハードもしかり。
このホールで提供されていると、格調が高く見えるし、
実際満足度も高いんだなぁと感じました。
最近は蜷川作品や商業演劇に近い御馴染みの俳優さんを
集めただけの作品が多く、食傷気味になって、足も遠のいていましたが、
こういう情報量の少ない作品を上演した時こそ、
その素晴らしさを再確認できるというものでしょう。
作品としては、いわゆる前衛劇なので、非常に難解な作品。
上品な方、知的な方、またそれっぽく見られた方は
「すばらしいわねぇ」と述べられるでしょう。
劇評なら、「五感に訴えかける」「作家性が強く反映されている」と、
きっと書かれるのでしょうが、正直僕には????
玄人好みする作品って言われるのかもしれませんね。
絶賛した「へそのはなし」とは真逆に位置するような作品。
ギリシャ悲劇がベースになっているようですが、
抽象的な表現が多く、全く訳わかりません。
シアターXが専売特許で上演するような作品を、
なんで、コクーンで???って感じではあります。
客席も閑古鳥。シアターXなら程よく埋まる客数。
日本語で上演されても訳わからない内容なのに、
ウズベキスタン語とかイラン語とかインド語とか、
馴染みのない語感と宗教観が入り、僕には忍耐が必要な3時間弱。
敷居が高い作品というか、娯楽性を排除した真面目な作品というか、
芸術性に富んだ作品なんでしょう。
僕の守備範囲からは外れていました。
劇場の評価にも繋がりますが、美術、照明は素晴らしいです。
非常に美しい幾何学的な舞台装置は、表彰物と思います。
「芸術の秋」を堪能するには、ふさわしい作品と思います。
僕は年中堪能しているので、今回はご遠慮申し上げます。
※一旦、評価しましたが守備範囲外な作品なので、
評価をする立場ではございませんでした。
評価を取り消します、失礼しました。