熱海殺人事件3部作
★☆北区AKT STAGE
すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)
2012/11/23 (金) ~ 2012/11/25 (日)公演終了
満足度★★★★
初・逸見伝兵衛 友よ〜を観劇
AKTの代表、逸見輝羊と言えば、熱海では大山金太郎、飛龍では山崎一平と相場は決まっている。その人が木村伝兵衛をやるなんて、当然二枚目半の伝兵衛の出来上がりと想定されたのだが、これがなかなかどうして、カッコイイのだ。持ち前の軽さ(体重のことではない)を武器にグイグイ攻めまくる。こんな伝兵衛もいいよな、と思わせたアンタはエライ!
来月はこの人、つかこうへいの小説を戯曲化した作品、弟よ!に出演とのこと、これもまた大きな楽しみだ。
本日劇場でいただいたフライヤーで、来年早々、扉座のつか版忠臣蔵の再演決定を知った。AKT最古参の武田も今回は出演するという。
またこの劇場に来なくちゃいけないんだね。嬉しい悲鳴です。
笑う門には福来る
LiveUpCapsules
王子小劇場(東京都)
2012/11/16 (金) ~ 2012/11/19 (月)公演終了
満足度★★
今ひとつ訴えたいものがわからない
多面舞台による表現は、音、空気、役者により、上手く出来ていたと思うが、肝心のストーリーが今ひとつ理解できなかった。役者陣はなかなか良かったので、少しばかり残念であった。
全体的に暗い、または淡い色彩が多く、花魁の衣装のみが艶やかであったが、もう少し派手な色遣いがあっても良かったのではないかと感じた。
ByeBye.by
ナルペクト
銀座みゆき館劇場(東京都)
2012/11/09 (金) ~ 2012/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
実に惜しい
縁あって、本劇団の最終公演を観劇させていただきました。
2時間15分にも及ぶ舞台でしたが、全く飽きることなく最初から最後まで観入ってしまいました。ストーリーも楽しめるもので、一人一人の役が生き生きと描かれており、後味の良いお話でした。
今回初見でしたので、本来ならこれからファンになろうかというところでしたが、解散というのは実に惜しいとおもいました。しかし多くの方は役者を続けるとのことでしたので、お名前はきっちりインプットしておきます。また何処かでお会いできたらと思います。
WAR Revolution
劇団EOE
池袋GEKIBA(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
大千秋楽
昨日に続き三度目の観劇。大千秋楽は99%がノンフィクションと化した。終盤になるほどに、役者達の目には涙が滲む。本当に、こいつらは良い今を生き抜いているな!と感じた。
WAR Revolution
劇団EOE
池袋GEKIBA(東京都)
2012/10/31 (水) ~ 2012/11/04 (日)公演終了
満足度★★★★
劇団自身の過去現在未来
この劇団のお芝居はフィクションかノンフィクションかわからないとよく言われているが、本作もまたスポーツものの形は取っているが、劇団の過去現在未来を投射した作品となっている。勿論初めてこの劇団を観る人もそれなりに楽しむことは出来るが、この一年余追いかけてきて初めて見えてくるものも多かった様に感じる。
一年前にやむを得ない事情で卒業して行った熊谷や、かつてのアクション講師の倉田に対する愛情やカムバックコール、いつになってもいいから帰っておいでという主宰の気持ちがよく分かる。
劇団員に対しても同様で、金澤には自分で決めた道を追いかけてごらん、気が向いたらいつでも帰っておいで、菊池にはできることなら続けて欲しいという想いが、木崎にはツートップに続く第三の柱はお前だぞと言っているようだった。
一昨日も実は観たのだが、わずか中一日で芝居が大きく進化していたのも大きな驚きであった。勿論衣装が変わったことも一つではあるが、確実にレベルが上がっていた。このメンバーでやるのはこれが最後との皆の想いが、進化させたのだろう。
明日も行きます。本当の最後の舞台、しかと観せていただきます。
『Fという記号』ありがとうございました。又来年新たな獏天をお楽しみに
獏天
Geki地下Liberty(東京都)
2012/10/21 (日) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ロング Mix Version
今回で獏天は三度目の観劇であるが、これまでの二回は何れも2Version両方を観て来た。今回は一回だけの観劇となったが、千秋楽ということで、ロングMix Versionを見ることができた。途中休憩ありで三時間の長丁場であったが、最初はバラバラに見えた話がクライマックスに向けて次第に収束していく。メッセージ性の高いエンタテインメントであった。AKTの相良さんがとても良い演技をしていたのが印象的であった。
最後にお約束の?グダグダトーク、こちらも楽しませて頂きました。
グッドモーニング・ブルーバード!【ご来場ありがとうございました!】
P・Q・R
恵比寿・エコー劇場(東京都)
2012/10/20 (土) ~ 2012/10/23 (火)公演終了
満足度★★★★
ダンスに魅せられて
実話を元に創られたお芝居とのことだったが、まさに事実は小説より奇なり、ショーダンサーが女子プロ野球選手になるという奇想天外なお話で、楽しんで見ることができた。随所にダンスが入っており、これがまた美しい。一粒で二度美味しい舞台であったと言えよう。主役の宮地真緒さんもさることながら、那須野恵さん、とても素敵でした。
熱海殺人事件
演劇プロジェクトENTER
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2012/10/14 (日) ~ 2012/10/14 (日)公演終了
満足度★★
オーソドックスVER.
オーソドックスVER.を観るのは久しぶりで、新鮮な想いで観劇して来た。学生さんの劇団とのことだが、木村部長刑事と片桐ハナ子婦警はともかく、大山と熊田についてはインパクトが弱かった。台詞の読み込みが浅いと言えば失礼かもしれないが、伝わって来るものが少ない。
また今回は北沢タウンホールという大きな箱であったが、広過ぎて舞台を使いこなせていない印象を受けた。今後の活躍を期待したい。
五右衛門
劇団アニマル王子
武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)
2012/09/21 (金) ~ 2012/09/25 (火)公演終了
満足度★★★
一年ぶりのアニマル王子
昨年の近松ジュリエットで、この劇団がとても好きになったのだが、あれから待つこと一年、やっと『次回作』に辿り着くことができた。今回は正直なところ、前半が少しばかり冗長な感じを受けた。休憩を挟んで後半はスピードアップしてグイグイ攻めてきたので心地よかった。
配役が28人と多く、なかなか役と人が一致しなかったのは私だけであろうか。もう少し配役を減らしシンプルな話にした方が良さそうに感じた。
しかしながら本作は、扱っているテーマが時流にあっており、また最後に大きな救いを感じさせる構成が素晴らしかった。
かたつむり第参部 完結編『彼岸花ノ章』
(有)キィーワード
笹塚ファクトリー(東京都)
2012/09/18 (火) ~ 2012/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
役者陣の素晴らしさ
第一部、第二部を観ていないのだが、十分に楽しめた。夏樹陽子さん、松永京子さん、那須野恵さんなど力のある役者さんが揃い、女の情念をテーマとしている割には、さほどドロドロしたイメージを持たせず話は進行した。
ただ、暗転がやたら多く、その都度こちらも頭をリセットしなくてはならず、気を削がれる感があった。場面展開はもう一工夫あれば更に良くなったのではないか。音響効果は大変素晴らしかった。
クールの誕生
ワタナベエンターテインメント
PARCO劇場(東京都)
2012/09/12 (水) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★
スケールとパワー
もう少しスケール感のある話と期待していたのだが、結構チマチマした内容であった。高度成長期のサラリーマンのパワーは、おそらくあんなもんじゃない。個人的には残念な作品であった。
135分という長丁場にもかかわらず、舞台は変化せず、寂しい。キャバレーの中が見えるようにするとか、シーンを変えることにより、もっと変化が得られたのではないだろうか。
「消える魔球」(第23回池袋演劇祭【大賞】受賞作品・再演)
ラビット番長
あうるすぽっと(東京都)
2012/09/07 (金) ~ 2012/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★
消える魔球の正体は
本作品について語るにはどうしてもネタばれBOXに頼らざるを得ないと思うのだが、意外性ときっちりとした落とし所のあるお話とでも言っておこう。
特に最後のオチは、上手く作られていた。
また、題名の消える魔球の正体も、なるほどとうなづかせてくれる。
流石は池袋演劇祭の大賞受賞作だけのことはある。
熱海殺人事件3部作
★☆北区AKT STAGE
文化学院・講堂(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
売春捜査官
昨日に続けて本日は売春捜査官を観劇。
熊田を演じる松本、万作を演じる嶋とも、流石はベテランの安定した演技を見せた。昨年の寝盗られ宗介で注目を浴びた井上は、一味違った金太郎を演じ、ますます目が離せなくなった。木村伝兵衛役の船越ミユキであるが、一部声がかすれてしまっている。長台詞の連続で喉を酷使しているのだろうが、少しばかり残念であった。那須野恵が抜けて、この役を安心して任せられる女優は船越さん以外に考えられなくなったのだろうが、私としては次は是非高畠さんに演じて欲しいと思っている。
AKTでは忠実につか作品をそのままの形で上演しているが、そろそろ原作をモチーフとした新作にもチャレンジしていただきたい。
おりしも一昨日、西澤周市氏の贋作熱海殺人事件みなしごハッチ物語を観てきた。このような挑戦こそ、今後のAKTにも必要なのではないだろうか。
熱海殺人事件3部作
★☆北区AKT STAGE
文化学院・講堂(東京都)
2012/08/23 (木) ~ 2012/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★
モンテカルロイリュージョン
熱海殺人事件3部作が、半年にわたって3つの会場で開催される。ロングラン熱海祭の始まりである。
まずは、本日モンテカルロイリュージョン、明日は売春捜査官を観に行く。友よ〜はまたの機会に取っておこう。
今回の木村伝兵衛はバイセクシャル役であるが、AKT STAGEきってのカマ芝居の第一人者、杉山圭一が演じる。杉山は昨年の演劇教室発表会時の特別公演(ロンゲストスプリング)でも主役、また先日の旗揚げ公演、広島に原爆を落とす日でも主役のディープ山崎を演じ、もはやAKTの顔となった感がある。ロンゲストや広島の演技も大変良かったが、やはりこの人にはカマに勝る役はない、まさに抱きしめてTonightであった(意味不明?)。
水野婦警には、やはりロンゲストスプリングで共演した高野愛、これもはまり役だ。ただ、高野はアイ子の砲丸投げ選手を演じた時、発声が聞き取りにくかったのが残念である。
だが、今回一番注目株であったのは、速水を演じる浦島三太朗、AKTの役者ではなく客演であるが、本当に良い役者である。AKTに完全にとけ込んでおり、暑苦しいつか芝居に同化している。彼がこの舞台を大いに引き立てていたと感じる。
「ボイルド・シュリンプ&クラブ」(8月)
劇団6番シード
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2012/08/15 (水) ~ 2012/08/19 (日)公演終了
満足度★★★★
主演の二人が素晴らしい
この劇団は初見だったが、主演の二人の演技にすぐに取り込まれ、楽しく拝観することができた。同じ探偵事務所の設定で、二話を連続して上演する形であったが、そのため多くの出演者を要し、観客としては大変贅沢な思いであった。
テンポが非常によく、舞台装置の早替りは気持ちが良かった。さほど大がかりなものではないからこそできた技であろう。
2時間があっと言う間に過ぎてしまった。
「パパ☆アイ☆ラブ☆ユー~It Runs in the Family~」
ファルスシアター
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2012/08/09 (木) ~ 2012/08/12 (日)公演終了
満足度★★★★
笑いの連続
まさに笑いの連続と言って良いだろう。105分間もの間、
笑いのない時間帯はほとんどない。しかし、物語はきちんと進んで行き、そして意外な結末に。イギリスのコメディ作品は初めてであったが、こんなスピード感のある作品ならば、また観たいと思った。
さよなら、なつやすみ
劇団EOE
ウッディシアター中目黒(東京都)
2012/07/27 (金) ~ 2012/07/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
普天間に原爆を落とす日
生まれて初めて同日に同じ芝居を二回 観た。勿論最初から決めていたことではあるのだが。
本作品は今年で三度目の上演、私にとっては昨年初めてこの劇団と出会った作品である。
最初に観た時は、つかこうへいの芝居に似ているなとの印象であった。機関銃のような台詞の嵐、つか作品とよく似た台詞回し。今になって考えると、本作品の初演はつかこうへいが亡くなって間もなくのことであり、もしかしたら、広島に原爆を落とす日へのオマージュだったのではないかとも思われる。そして本作品は三年連続で絶対エースの平澤有彩が主役を演じている。最初は入団したばかりだった平澤であるが、彼女も本作品共に成長し続けている。平澤なくして本作品はありえなかったのではないかとも感じる。
100分間、緊張の連続の舞台であったが、75分経過した時点での5分に及ぶ平澤の長台詞は圧巻であった。
なお本日は、大将が受け付けでお迎えして下さっていた。大変丁寧な応待には頭が下がる。
新・幕末純情伝
RUP
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2012/07/12 (木) ~ 2012/07/22 (日)公演終了
満足度★★★
配役が•••
今年に入って6度目の幕末純情伝、4つの劇団のものを観劇した。今回が最もハコも大きく、有名人も多く、チケットも高い。
では、それに匹敵するだけの出来上がりかと言うと、やや疑問が残る。
主演の桐谷美玲は初演ということで、かなり練習は積んだものと思われるが、殺陣に力を感じさせず、棒読みっぽい台詞も多く残念。先々代、先代の石原さとみや、鈴木杏と比べてもかなり見劣りがした。
一方、つかこうへい門下生の吉田智則、山本亨、神尾佑の演技は流石であった。但し、42歳の神尾が33歳で死んだ龍馬というのは、桐谷との年齢ギャップを考えても無理があったのではないかと思う。軽薄と情熱の塊であった2003年ダブルスでの筧利夫の演技がどうしても頭にあるので、真面目顏の神尾では何だかなぁと感じてしまう。また、度々出てくるエロい台詞も軽薄な筧では許されるのだが、神尾は中年のいやらしさを感じさせ、桐谷にセクハラしているように見えてしまった。
「我が上なる星空」
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ つつじホール(東京都)
2012/07/14 (土) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★
逸見、高野の演技力
広島に原爆を落とす日に続き、観劇。広島に出ていなかった逸見と高野を観るためであった。
ストーリーは正直広島と比較するのは可哀想だが、今ひとつとしか言えなかった。殺陣やダンスは流石のAKT、観ていて気持ちが良い。
逸見と高野、時津、伊澤らの演技力は高いので、次回はつか作品でお目にかかりたいものだ。
「広島に原爆を落とす日」
★☆北区AKT STAGE
北とぴあ つつじホール(東京都)
2012/07/13 (金) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
ディープ山崎ですか
小説版をベースとした話とばかりおもっていたのだが、良い意味で裏切られてしまった。犬子ではなく、ディープ山崎とは。こちらの方が、つかさんの原作に近いのだろう。先日早稲田大学で戦争で死ねなかったお父さんのためにのビデオを観てきたところだが、土人の娘のシーンや四国を菱形の馬鹿げた島なんていうシーン、納豆部隊の話は、まさにそこに原点があり、戦争で死ねなかったから、その後の広島に原爆をに繋がって行ったのがよくわかった。AKTの旗揚げに相応しい演目としか言いようがない。
これからの本劇団の発展を期待している。
今週は、昨日のGFORCEのリングリングリング、週末の新幕末純情伝と、つか作品三連発。もう三回忌なんだなと改めて想う。