rieの観てきた!クチコミ一覧

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はたらくおとこ

はたらくおとこ

阿佐ヶ谷スパイダース

大阪厚生年金会館 芸術ホール(大阪府)

2004/05/03 (月) ~ 2004/05/04 (火)公演終了

満足度★★★★★

赦すということの意味
この作品を観て、思わず上司に「仕事やめます」となぜか言ってしまったほど、衝撃を受けた作品。・・・当時書いた劇評を一部訂正の上、転載します。
「20代という若さゆえの潔癖さか、誰かを赦すことができず、処理できない気持ちを爆発させ、悲劇が起こす人間を描いてきた長塚圭史だが、この作品の1年くらい前から、男女や家族という人間関係の中での「赦す」ということを描くようになっていた。ただ、それは無償の行為、自己犠牲の行為などでは、けっしてない。彼らは、自分が赦されたいから赦すのだ。また自分にとって都合がいいから赦すのだ。なぜなら、赦さないと、ひとは誰かを愛せないから。だから、自分のためであっても、赦さないより、赦したほうがイイ。
 そして、関係が続くかぎり、その「赦し」は美しいまま残ることなく、生活と感情の中へうずもれてゆく。そして、混沌とした苦しみと、本当の「劇」は、そこから始まる。」

ポルノ

ポルノ

阿佐ヶ谷スパイダース

近鉄小劇場(大阪府)

2002/08/20 (火) ~ 2002/08/21 (水)公演終了

満足度★★★

阿佐スパにしては・・・
大阪・近鉄小劇場にて観劇。阿佐ヶ谷スパイダースが、小さな劇場からやや大きめの劇場に移行しはじめた頃の上演でした。私には、彼らの作品の中では、観劇後にどちらかと言えば爽やかさが強く残る作品。いろんな恋があるけれど、当事者たちの抱える想いはいつも純粋で切ない。狂気が哀しい、いつもの中山祐一郎と、透明感のある小島聖が今でも印象に残っています。

オアシズ×女王陛下「LES FOLIES NIGHTS」

オアシズ×女王陛下「LES FOLIES NIGHTS」

女王陛下

駅前劇場(東京都)

2006/12/21 (木) ~ 2006/12/24 (日)公演終了

満足度★★★★

さすが!
楽しくって、笑えて、でもそんな彼女たちの姿にちょっと切なくて・・・個人的には、クリスマスにぴったりの作品だなぁと思いました。それにしても、やはり光浦さん、大久保さんのショーマンシップと肩の力の抜け方は凄いなぁ。

オイル

オイル

NODA・MAP

近鉄劇場(大阪府)

2003/05/30 (金) ~ 2003/06/15 (日)公演終了

満足度★★★★★

松たか子に圧巻。
初めて演劇を観て泣いた。冒頭と最後の松たか子の切ない表情と科白に圧巻。人間と歴史について考えさせられた・・・。

走れメルス

走れメルス

NODA・MAP

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2004/12/03 (金) ~ 2005/01/30 (日)公演終了

満足度★★★

公開ゲネ拝見。
関係者の方に誘われて、公開ゲネを観るという貴重な経験をさせていただいた公演。オープニングが印象的だったし、深津絵里も良かったけど、他の野田作品と比較すると、少し物足りない気がした。夢の遊眠社のときはどうだったんだろう。

節穴に、ふたつのみだら

節穴に、ふたつのみだら

弾丸MAMAER

シアターVアカサカ(東京都)

2006/11/08 (水) ~ 2006/11/12 (日)公演終了

夫婦愛、でも・・・
 昭和初期。かつて脚光を浴びた美人画家と、婦人運動に傾倒する内縁の妻・松江との夫婦愛の物語。構成はしっかりしているし、役者陣もこの規模の舞台にふさわしい見栄えする演技なのだけれど、すべてが型にはまっている感じだし、長科白が多くて冗長で、登場人物の描き方がひとりよがり。うまく楽しめなかった・・・。

レッツゴーギャング~私が生きる為に必要なもの~

レッツゴーギャング~私が生きる為に必要なもの~

劇団東京ミルクホール

恵比寿・エコー劇場(東京都)

2006/11/01 (水) ~ 2006/11/05 (日)公演終了

満足度★★★

舞台を一体化する演出はさすが。
 友人に勧められた初見の劇団。座長をつとめるさのたかまさは、ワハハ本舗、宝塚歌劇団演出部などを経て、全員が男性であるこの劇団を旗揚げしたらしい。(女性は出演せずに、男性が女性を演じるという徹底ぶり。)若手演出家コンクールでも最優秀賞を受賞した手腕は、なかなか確か。はじめは、客席の約半分を舞台にあげるという荒業で、観客を物語にひきこみ、クライマックスでは派手な日舞で盛り上げる。
 役者陣は芸達者。ギャグもけっしてすべらないし、オリジナルの歌もいい。からりとした演技で、昭和初期に社会変革活動に身を捧げる人々を生きいきと存在させ、生きることに必要なものは何かという普遍的なテーマをつきつける。
 ただ、作・演出と役者を兼ねる座長のさのたかまさ以外は、少々地味か。印象に残りにくい気がする。もう少しひとりひとりをじっくり描き、個々の持ち味を見せてほしい。


 

クローバー:冬

クローバー:冬

ククルカン

TEMPORARY CONTEMPORARY (東京都)

2006/12/07 (木) ~ 2006/12/10 (日)公演終了

満足度★★★

保村大和ならではの何かがほしかった
 元・惑星ピスタチオの保村大和さんが出ていたので、観にいきました。身体のキレがよく、大舞台での演技が映える人なので、こんな小さいギャラリーでどう演じるのか期待大。
 がん患者である兄(保村)と、離婚寸前の妹(中村真知子)、不器用でまっすぐな弟(三瓶大介)とが、月島のマンションの一室で過ごす日々を描いた物語。劇中にデジカメで撮影し、背景に映し出すという、ギャラリーならではの試みもあり。一瞬一瞬を切り取るカメラという存在が、死と向き合う兄の姿とリンクし、生の歓びと哀しさを喚起させる。
 ククルカンは二度目でしたが、恋愛にかわって、兄弟愛を描いても、ククルカンらしい演出。もう少し、保村さんならではの存在感を生かす工夫があっても、よかったんでは、という気がしました。

 

少年ラヂオ

少年ラヂオ

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2006/11/25 (土) ~ 2006/12/25 (月)公演終了

満足度★★★

がんばれ、主役!
今回もまとまっていて、最初から最後まで居心地よく拝見した。ただ、主演ふたりは、まだまだな印象。技量的には問題ないようだが、もっと持ち味を出してほしい。無難な感じがする。完全に、脇役の先輩たちに食われているような気が・・・。

クロスプレイ

クロスプレイ

マシンガンデニーロ

ウッディシアター中目黒(東京都)

2006/12/14 (木) ~ 2006/12/18 (月)公演終了

満足度★★★★

クロスプレイ
 知り合いから勧められた初見の劇団。旗揚げ1年くらいで、また小さいけれど、今までにあまり観たことのない世界観。ここは一見の価値ありだと思います。
 ある救急病院に押し入った強盗と患者たちが繰り広げる物語。実は、強盗はここで以前、違法な臓器移植を受けており、そのヒミツを探ろうとやってきた。そして、強盗ユキコが出会ったのは、マスター(本体)である自分のために自らの臓器を提供するクローン・ミヤコだった・・・!臓器移植、クローン、代理母・・・と医療と倫理にまつわるさまざまなテーマを鋭く斬る社会性と、演劇としての豊かな表現力が、うまく融合していたと思う。
 役者たちが、それぞれ本体とクローンと二役を演じ分けていて、オミゴト。死を厭わずあっけらかんとしているクローンたちと、彼らを救いたいと願うマスターたち。病院側は、クローンたちを可愛がって育てつつも、今後の医療のために、クローンからの移植という選択肢を捨てられない。それぞれが葛藤する中、ミヤコが周囲からの愛の中で毅然として死を選ぶ。途中から泣きっぱなしでした。いろいろなことを考えさせられました。
 主演の劇団員ふたりはもちろんのこと、劇団子の伊奈稔勝さんや、壺会の内海詩野さん、フリーの土田裕之さんとか、気になる役者さんがいっぱいです。

イヌの日

イヌの日

阿佐ヶ谷スパイダース

本多劇場(東京都)

2006/11/06 (月) ~ 2006/11/26 (日)公演終了

満足度★★★

初演のファンだけに。
大阪で『日本の女』を観て、阿佐ヶ谷スパイダースに興味を持ち、その後、『イヌの日』のビデオを観て、ファンになった。思い入れのある作品だけに、初演にあった濃密な空気感や、現実と非現実とのギャップみたいなものが足りない気がした。ただ、ヒロセがなぜ同級生を閉じ込めたのか、その理由となる背景が描かれていて、それは良かった。
役者の中では、今回、ヒロセを演じた伊達暁の、制御できない感情を抱え込む辛さというまともま部分と、狂気との散らつかせ方が良かった。しかし、内田滋が前に出すぎていて、バランスがとれてない感もあったり、全体として役者の関係性はもう少し追及してほしかったかも。

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