PTA
ホチキス
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/08/17 (木) ~ 2017/08/21 (月)公演終了
満足度★★★
久しぶりのホチキスは、演劇らしい作品の法廷サスペンスコメディ。完成度の高いものの、再演作品で途中のダレ場が少し長く感じました。それでも伏線の取込み方はいつもの米山さんタッチで安定感あり。大高さんの客演も好演です。
ギプス不動産
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2013/02/27 (水) ~ 2013/03/03 (日)公演終了
満足度★★★★
精神衛生上、とても優れた作品
笑うことは日常において精神衛生上、優れた行為です。あひるばんちゃらのお芝居はその点において、優れています。関村さんの醸し出す言葉遊びと根津さんの「間」の雰囲気、今回もはずれませんでした。
ポツドール『夢の城 -Castle of Dreams』
ポツドール
元・立誠小学校(京都府)
2012/10/25 (木) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
ポツドールの芝居は愛に溢れている
ポツドールのお芝居は愛に溢れている、でもいつも悲しい。
今回の体験も衝撃的な現代を映し出している様に私は感じました。
現代の不条理な人間模様を表現できる方は、三浦さんと園さんと古谷さんでしょうか(それ以外にも才能に溢れたすばらしい方は多いでしょうが、私が存知あげないだけです、すみません)?
かつて、40年前(1960年から70年台にかけて)は日本映画でも映像作家の手でタブーを描くことができました。
今それを表現しようとして頑張っているクリエーターが前者の方々と思いますし、この三浦作品の「夢の城」でも充分なタブーに取り組んでいます。しかし、三浦さんの作家・劇作家として素晴らしいところは、タブー的な状況の空間でエンターテイメントを作り出すところ、しかし、底辺に流れる「むなしさ」や「せつなさ」を毎回、全編通して表現していることは一環しています、そこが「ポツドール」の愛に溢れる芝居と思います。私は観劇して良かったです。
冷凍カプセルと流星群【公演終了!ご来場誠にありがとうございました。】
隕石少年トースター
Cafe Slow Osaka(大阪府)
2012/10/24 (水) ~ 2012/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
今後も期待します
チラシには1時間半の上演時間と記載されていますが、実際の上演時間は2時間15分だと開演直前に聞き、どれほどアイデアを膨らませたのかと多少不安が生まれました。
大阪転勤1ヶ月で初めて観る劇団ですが、以前、東京で劇団名は聞いていましたし、先入観を持たずに観れると思っていた直前だったので、果たしてと思いましたが、芝居の後半の追い込み・伏線のまとめ方は流石です。演出もさることながら濃いキャラの役者さん方の雰囲気と存在感など、キャスティングで既に成功している趣も感じました。本舞台で好きな役者さんは田川徳子さんです、舞台上の安定感が最高でした。
ただ、個人的には、「冷凍カプセル」を用いたタイムパドックス的ネタ(シークエンス)も観てみたかったと思います。
芝居前のBGM(ビートルズのアコースティックカバーで、しかもI WANT YOU)はセンスの良さを感じました。
夏の残骸
突劇金魚
AI・HALL(兵庫県)
2012/10/12 (金) ~ 2012/10/15 (月)公演終了
満足度★★★★
劇団名に惹かれて
劇団名に惹かれて初めての観劇です。
前後する時間の運びと台詞の選択を大事にした戯曲は苦労が伺え、ストーリーテラーとしての醍醐味を感じました。
前半のシーンと同じシーンが繰り返される後半では意味合いの全くことなる状態を自然な形で伝え、観る者に多面的な人間模様を感じさせ、とても不思議なお芝居を堪能しました。
舞台美術もとても面白く、観劇後には「なるほど」と思わせるものであり、音響も照明とてもバランスが良い状態で安心して観劇できました。
役者さんは皆さん良かった、田中さんは「おはよう朝日です」リポーターのイメージのみでしたが、TVより本気演技で素敵でしたし、蔵本さんは女性の可愛さと怖さと特有の情緒不安定を見事に魅せていました。
但し、1h45mという上演時間としては、途中のダレバが少し長いかなと感じました。
関西劇団の現地での初観劇でしたが、この価格でこのクオリティで体験できたことを嬉しく思い、今後も「突撃金魚」に期待します。
リリィ
劇団競泳水着
元・立誠小学校(京都府)
2012/09/28 (金) ~ 2012/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
内面の演技の応酬
台詞と伏線を大事に使いながら、美大受験生と予備校講師の切ない一時期を60分にまとめた佳作です。クオリティは相変わらず高い状態を保っていますが、今回は、川村さんと細野さんの感情の動きを静の演技で見せる難しいお芝居のため、前回の「いと愛し」「わたしのせんぱい」とシチュエーションは似ていますが、観ている側の感情は微妙な取られ方をするかもしれません。
細野さんはまた小顔になったのでは?川村さんの制服姿は衰えない点が気になります。
世界一不幸な男
激弾BKYU
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/09/13 (木) ~ 2012/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
安心して観れる劇団
残念ながらこのコメントを見ていただいても、本公演は観劇できません。もはやすべての回が完売とのことです。長寿劇団だけあって、はずれの無いユーモアたっぷりのお芝居が堪能できました。内容は、「タイトルの主人公に生きる希望を持ってもらおうとする人たちとの交差模様」を描いています。そのテーマとしては、「原発と断捨離と孤独と死」的人生を語っているのかな?こんな書き方すると重く暗いイメージが出来上がりますが、リラックスして涙流して笑えますし、楽しめます。役者さん皆さん素敵ですが、今回は圧倒的に蔵重さんが輝いています。
進化とみなしていいでしょう
クロムモリブデン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/07/28 (土) ~ 2012/08/14 (火)公演終了
満足度★★★★★
観てよかった、本当に。
台本がとても良い、連続した濃いキャラを登場させ、社会問題となった事件をベースに終盤すべてが繋がる展開は圧巻でした。
濃いキャラに合わせた役者さんたちの好演と音響効果、一歩狙いを外すと伝わりにくい意図的な演出を巧みにダンスを取り入れて魅せていく技法はさすがです。
百年の秘密
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2012/04/22 (日) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
費用対効果の高いお芝居
ケラさんの創るお芝居には、いつも見料以上の満足感を得ている。観られた方には賛否両論あると思うが、私にはとても「見応えがあり、映像を巧みに取り入れた格好良さ」は毎回センスの良さに感動する。
今回の行きつ戻りつする芝居構成は、何度リピートしても楽しめると思う。可能であれば神奈川公演も足を運びたいが、キャパが大きくなり過ぎると伝わりにくくなるのでは?という懸念もあるかな?
俺以上の無駄はない
MCR
駅前劇場(東京都)
2012/04/12 (木) ~ 2012/04/17 (火)公演終了
満足度★★★★★
満足の一本
櫻井さんはブラジルの公演で役者として拝見していましたが、「MCR」としては初見でした。
強雨の日で向かうことに一瞬躊躇しましたが、本当に観て満足の一本でした。
面倒くさい人たちの面倒くさいやり取りの中で、その場の状況を笑いながらも「切ない愛しさ」が根底に流れているので、さわやかに泣ける一本です。
まあまあだったね。
あひるなんちゃら
OFF OFFシアター(東京都)
2012/03/02 (金) ~ 2012/03/06 (火)公演終了
満足度★★★★
なんかいいよね
毎度毎度のゆるゆる感がたまらなく良いですね。
かっこつけた台詞や真理をついた台詞を、役者のキャラと合わせた、巧みな演出で、脱力させる手腕は最高です。
今回、「男だけで・・・」というキャッチフレーズは、ちょっと引き気味でしたが、観劇後の感想は、「まぁ、ありですか」と。
今回もおまけ(特典)をもらい、70分笑わせてもらい、個人的な感想ですが、次回もあひるさんは見に行きます。その理由は、間違いなく肩に力入れずに見に行けるリーズナブルなお芝居だから。
吐くほどに眠る
ガレキの太鼓
こまばアゴラ劇場(東京都)
2012/01/06 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★
名作ですが
一昨年の初演を観て、進化の行方を確認するために観劇しました。やはり名作です。
しかし、今回に関して個人的な意見としては「再演が早すぎたのでは?」です。 物語の進行は、語り役の「現在のナオちゃん」以外は成長過程に合わせてどんどん変わって行く演出ですので、初演時の女優さんの名前が確認できず、それでもぐいぐい観客を引っ張る舞台はとても魅力的でした。再演でも初演時と同じ出演者の北川さんと高橋さんが(役柄を含めて)とても良い。但し後半はわかりやすく仕上げているのでしょうが、演劇的というより映像的に変化したように感じました。体感的にも後半が長く、明らかに空気が変わってしまう境目ができてしまったようでした。
全 員 彼 女
TOKYO PLAYERS COLLECTION
王子小劇場(東京都)
2012/01/05 (木) ~ 2012/01/09 (月)公演終了
満足度★★★★
演出力の凄さ
「全員彼女」というタイトルから、いったいどのように物語を展開するのか楽しみにしていました。
観劇後の感想は、短時間のお芝居ながらも「女性と男性の業」をテーマにした深い内容(ちょっと言い過ぎ?)でしょうか、胸にちょっと痛みを伴いながらも楽しんで観劇しました、多分いつの時代も同じようなことで悩みもがいて生きていくのでしょうね。
演劇的な構成で、今回も上野さんの演出力の上手さが光っています。
トーキョービッチ,アイラブユー
オーストラ・マコンドー
サンモールスタジオ(東京都)
2011/12/07 (水) ~ 2011/12/11 (日)公演終了
満足度★★★
何故、曽根崎心中にこだわるの?
前回に引き続き、MOGMOSさんの生演奏で芝居を進行させる、これは小演劇の空間では、とても贅沢な試みです、それだけでもこのお芝居を観る価値はあるのではないでしょうか?
ただ、観劇後の感想としては、再演とは聞いていますが、主人公・徳兵衛のお初との惹かれ合う場面が描かれていない点が違和感として残り、残念です。
二手目8七飛車成り戦法
劇団鋼鉄村松
ザムザ阿佐谷(東京都)
2011/12/02 (金) ~ 2011/12/05 (月)公演終了
満足度★★★★
将棋とお芝居?
「劇団鋼鉄村松」さん、初観劇です、いつも公演期間が短いので見逃していた劇団のひとつです。初日観劇ですが、満員御礼で会場は熱気で外気温との差が激しく汗ばむほどでした。観劇前は将棋のお芝居?とあまり期待できる内容を選択したとは思えませんでしたが、「鋼鉄村松」さんの世界観を堪能し、とても面白かった。「誰の演技がどうこう」というより、話も役者さんも演出も全体的に溶け込んでいる感覚を受けました。アフタートークで「今日の出来は80点」「脚本の面白さを芝居でどこまで表現できるか」というコメントがありましたが、後から思い返して、あの場面が面白かったと思えるのは、演出のみならず脚本が良いからでしょうね、、また数年後に再演して欲しいですね。ただ、観劇席が後方で私の周りではあまり笑いが起きなかったのが残念でした。今日の昼はミラノサンドBにしよ。
彼のことを知る旅に出る
ペテカン
赤坂RED/THEATER(東京都)
2011/11/12 (土) ~ 2011/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★★
初ペテカン
口コミで評判のペテカンさん初観です。今作品初演を見ていないので進化や比較はわかりませんが、観劇後の感想は「とても贅沢な時間を過ごせた」こと、それがとても嬉しかったです。場所であったり、お芝居の内容であったり、音楽であったり、計算している部分も確かに見え隠れが有りますが、私は、泣いて、笑って、気付いて、彼女さんと一緒の旅に同行した気持ちに入ることができました。
しかし、素敵な女優さんは本当に恐いです。
駄々の塊です
悪い芝居
王子小劇場(東京都)
2011/11/17 (木) ~ 2011/11/21 (月)公演終了
満足度★★★★
毎回驚かされます
みなさんもコメントされているように、今回の美術は秀逸でした。役者さんの移動に合わせてカメラをパンしている映像を観ているようで、その演出効果は大きいですね。
毎回「次の悪い芝居はどんなお芝居?」そんな期待を観劇後に思わせてくれる劇団です。ちょっと今回の内容は私好みではありませんでしたが。
ひとよ
KAKUTA
シアタートラム(東京都)
2011/10/21 (金) ~ 2011/10/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
初KAKUTA
KAKUTAさん初観です。「ブラジルの怪物」で桑原さんを観てから、桑原さんの演出作品を見てみたいというのが動機でした。
冒頭の雪を舞台全体のコントラストで映えた印象で引き込ませたり、舞台上の左右、上と見る人を飽きさせない配慮のきめ細かい演出、それに沿った美術、音楽の使いかたなど期待以上のお芝居でした。
このお芝居の観劇を迷われている方や「KAKUTA」を観たことがない方には是非お勧めします。但しシュールさを全面に表したテーマや恋愛至上のテーマの演劇がお好みな方には向かないかも知れません。私はリピートします。
ハイヤーズ・ハイ
劇団ガバメンツ
劇場HOPE(東京都)
2011/10/13 (木) ~ 2011/10/17 (月)公演終了
満足度★★★★★
ベタベタなしつこさと間
15mmtで初観し、期待して拝観しました。私の体調が思わしくなかったので、実際に観ていたときは素通りしたシークエンスも、少し時間が経ってから思い返すと面白い設定で作ってあったなあと今更ですが関心しました。
特に、関西人特有のベタベタな台詞をベタに伏線に用いて、絶妙な間で盛り立てる、最高です。
次回本公演も是非東京公演をお願いしたいですね。
砂利塚アンリミテッド
ホチキス
王子小劇場(東京都)
2011/10/05 (水) ~ 2011/10/10 (月)公演終了
満足度★★★★★
やはりホチキスは最高です
ホチキスは、誰に紹介しても安心して観劇できる劇団のひとつですね。出演しているすべての役者さんたちがすばらしいですが、やはり小玉さんは圧巻です。
ボーナストークの「あのお姿」から今回の母親役(個人的にはドロシーの帰還の時の等身大の役も好きです)とアクは強いですがそこに居るだけでエネルギーをもらえる存在感を醸し出しています。米山さんのパンフ解説を読み、お芝居を観ると、今更ながら母親の存在(その偉大さ)を感じ、既に他界している母に会いたくなりました。