しのぶの観てきた!クチコミ一覧

1121-1140件 / 1290件中
広い世界のほとりに

広い世界のほとりに

TPT

ベニサン・ピット(東京都)

2008/10/29 (水) ~ 2008/11/09 (日)公演終了

軽快で開放感のある演出
千葉哲也さんの演出がとても良かったです。キャストものびのびとしていて、2時間40分という長いお芝居ですが、すがすがしい時間でした。

図書館的人生vol.2 盾と矛

図書館的人生vol.2 盾と矛

イキウメ

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2008/10/24 (金) ~ 2008/11/03 (月)公演終了

千秋楽まぎわにやっと観られました
安心して楽しめる、ひんやりブラックユーモアが効いたSF短編集。笑いもいっぱいで、エンタメとして満足。家具のシルエットとホリ幕がきれいだった。

傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~

傾く首~モディリアーニの折れた絵筆~

ジャンクション

赤坂RED/THEATER(東京都)

2008/10/25 (土) ~ 2008/11/03 (月)公演終了

ミュージカルの人気男優さんは本当に人気がある
内田亜希子さん目当てでチケットをゲット。その点では大変満足でした。それにしても高額ですよね。ミュージカル・ファンの女性はすごいなー。お金持ちが多いのかなー。

『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』

『リズム三兄妹』 / 『はやねはやおき朝御飯』

岡崎藝術座

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/10/30 (木) ~ 2008/11/10 (月)公演終了

初日観劇「リズム三兄弟」
不毛の平面に屹立する自己。何が起こるか予想できず、常に驚きをもって観る内に、涙だーだー。朝公演も予約しました。サントラ買っておけば良かった。

1945

1945

the company

世田谷パブリックシアター(東京都)

2008/10/25 (土) ~ 2008/11/03 (月)公演終了

初日&終盤で2度鑑賞
とうとう本日で千秋楽(新潟)。アメリカの新しい大統領ももうすぐ決まりますね。

どんとゆけ

どんとゆけ

渡辺源四郎商店

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/10/16 (木) ~ 2008/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

死刑執行をわが身に起こることとして考える
 死刑という重いテーマを真正面から扱いながら、笑いもふんだんに織り込んだ完成度の高い津軽弁芝居。被害者家族が加害者の死刑をその手で執行する「死刑執行員制度」という架空の設定が、見事に機能していました。

 加害者と被害者家族が死刑執行予定の現場で面と向かって言葉を交わすので、観客は死刑を身近なものとして受け取れるようになります。死刑執行員がいない場合は、その場に同席している拘置所職員が手を下すのが一目瞭然であることから、観客の想像力はおのずと日本で実際に行われている死刑にも及びます。死刑を描いた演劇はこれまでに数作拝見しましたが、ここまで周到な構成は初めて。

 じわじわと死刑執行へと迫っていく時間の中で、登場人物のバックグラウンドを少しずつ明かしながら、気持ちの変化を丁寧に描きます。役者さんの柔らかなコミュニケーションは、感情のリアリティがしっかりと伝わるものでした。

ネタバレBOX

 死刑執行場所は死刑囚(高坂明生)の妻(工藤由佳子)の自宅。たたみの居間に集まったのは死刑囚とその妻、被害者の妻(工藤静香)と被害者の父(牧野慶一)、拘置所職員(ささきまこと)の5人です。一般市民が“死刑執行のしおり”に書かれた手順を実行していきます。死刑囚の最後の望み(トランプで「ゴニンカン」をやる)を叶えるという項目もあり、加害者と被害者家族が火花を散らしながら共同作業をするのがスリリング。

 被害者の妻は絶対に自分の手で死刑を成し遂げたい強硬派で、被害者の父の方は少し気持ちが揺らいでいる様子。拘置所職員が、死刑執行のボタンを押す公務から逃れるために大変な決断をしてきたこともわかり、死刑を執行するということの意味が肩にぐっとのしかかるような重圧感を持って伝わってきます。

 死刑囚は一見、改心して懺悔していたようでしたが、死を目前にして「逃げたい」「俺はまだ若いんだから」「パチンコがしたい」などと本音を垂れ流す様に、人間くささがほとばしり出ました。死刑囚の妻がすでに過去の恋人(?)を2人、自宅で看取っていた(おそらく殺害?)とわかるホラーな展開には爆笑。一筋縄ではいかない脚本です。
 オムライスが「とろとろ」か「ふわふわ」かで言い争うのは女のサガですよね(笑)。女同士の熾烈な舌戦を料理対決で見せたのも巧いと思います。

 最後に被害者の妻は、新しい恋人である職場の上司(畑澤聖悟)の反対をしりぞけて、躊躇していた舅とともに死刑を執行してしまいます。最近観た音楽劇で「愛のために人を殺しても、何も残らない」というセリフがあったんです。ちょっとクサいけど納得でした。それが被害者の妻に伝わったら良かったのにな~。でも作品のてん末としては、やはり死刑は執行されなければならなかったと思います。死刑を執行する人間も死刑囚同様に殺人者になるということを、観客に伝えるために。

 照明が大胆な配色で見ごたえがありました(オムライスを食べるときの照明が真っ赤だったり)。舞台中央奥の壁の絵に、その家にいる幽霊(おそらく死刑囚の妻が殺害した男2人)の顔が描かれていたそうです・・・怖っ!たたみの部屋の周囲には白く塗られた家財道具が山ほど並べてありました。かっこ良かったんですが、席によっては全く見えない人もいたようで、それは残念。
桜の園

桜の園

地点

吉祥寺シアター(東京都)

2008/10/18 (土) ~ 2008/10/22 (水)公演終了

千秋楽にすべりこみました。
やっぱり凄かった。辛らつな「桜の園」。ロパーヒンが可笑しかった。平日昼でも満員。

あなたと私のやわらかな棘

あなたと私のやわらかな棘

ジェットラグ

新宿シアタートップス(東京都)

2008/10/17 (金) ~ 2008/10/26 (日)公演終了

急遽、土曜マチネに伺いました
牧田脚本を中屋敷演出で、というプロデュース公演。いったいどうなっちゃうんだろうと勝手に心配気味だったんですが(笑)、すっごく面白かったです。装置、照明、音響もかっこよかった。

ラ・マレア 横浜

ラ・マレア 横浜

急な坂スタジオ

横浜市中区吉田町 街頭(神奈川県)

2008/10/03 (金) ~ 2008/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

歩いて楽しむ無言字幕劇
とにかく気持ちいい。幸せになりました。

闇に咲く花

闇に咲く花

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2008/08/15 (金) ~ 2008/08/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

ほぼ泣きっぱなし
7年前よりも熱く、身にしみる感動。はつらつとした役者さんが作る、笑いの健やかさは青天井。ギターのソロ演奏に心が震えます。若い俳優に受け継がれていく演劇界の財産だと思います。

三月の5日間

三月の5日間

岡崎藝術座

川崎市アートセンター アルテリオ小劇場(神奈川県)

2008/07/25 (金) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

脚本に忠実でイカした演出
面白かったです。刺激が強いので、できたら夜の公演を見たかったかも…。

劇読み!Vol.2

劇読み!Vol.2

劇団劇作家

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2008/07/22 (火) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

「ハルメリ」鑑賞
日本劇作家協会新人戯曲賞受賞作で、文学座の西川信博さんいわく「演出家にケンカ売ってるような脚本(笑)」。とても面白かったです。演出もばっちり。リーディングであることを見事に生かしていました。

ハナノミチ ※アフタートーク急遽決定!

ハナノミチ ※アフタートーク急遽決定!

青年団国際演劇交流プロジェクト

こまばアゴラ劇場(東京都)

2008/07/17 (木) ~ 2008/07/22 (火)公演終了

初日は暑さ対策が必要でした。
上演時間は2時間弱。客席で扇子であおぐのは気が進まないのですが、初日はどうしても必要なぐらいの暑さでした。

ネタバレBOX

走って紙を破るシーンは面白くて笑えました。無、空虚、孤独などは感じ取れず。
3軒茶屋婦人会  ウドンゲ

3軒茶屋婦人会 ウドンゲ

G2プロデュース

ベニサン・ピット(東京都)

2008/07/10 (木) ~ 2008/07/27 (日)公演終了

女性キャストでも観たい
個人の幸せな思い出ぐらいしか、確かなものはないのかも。だとしたら、今、存分に楽しく生きたいと思いました。赤堀さん、ありがとうございました。

SISTERS

SISTERS

パルコ・プロデュース

PARCO劇場(東京都)

2008/07/05 (土) ~ 2008/08/03 (日)公演終了

満足度★★★★

プレビュー初日観劇
じわじわ。ぞくぞく。前知識ゼロで観るのがスリリングで面白いかも。選び抜かれた言葉を味わいました。充実。二人のヒロインの衣装が素敵。靴がかわいい。

眠れない夜なんてない

眠れない夜なんてない

青年団

吉祥寺シアター(東京都)

2008/06/27 (金) ~ 2008/07/06 (日)公演終了

いっぱい笑っちゃいました
あーもー面白すぎた。平田さんと志賀さんのトークも満喫。

ネタバレBOX

エッチなムードが超ウケる。
混じりあうこと、消えること

混じりあうこと、消えること

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2008/06/27 (金) ~ 2008/07/06 (日)公演終了

自分が今、生きてるのかどうかを
考える1時間20分。確かなものなどないんだなと、しみじみ実感。笑いはもっと増えてもいいんじゃないかな。新国立劇場ではなかなか観られない作風だと思います。大胆な企画に感謝。
パンフレットの座談会に参加させていただいています。よかったらお手にとってご覧ください。

鳥瞰図-ちょうかんず-

鳥瞰図-ちょうかんず-

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2008/06/11 (水) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

キャストがどんぴしゃり。
親しみやすい笑いとたわいない日常会話。じわじわ、ゆっくりと核心に迫って行きます。言葉がとても簡潔。パンフレット掲載用の座談会に参加させていただきました。

ショウジさんの息子

ショウジさんの息子

渡辺源四郎商店

アトリエ春風舎(東京都)

2008/05/22 (木) ~ 2008/05/25 (日)公演終了

満足度★★★★

ここでしか作れない、「生」と向き合った会話劇
 舞台は80歳になる老人・正治(ショウジ)とその義理の息子・真佐彦が2人で暮らす家の居間。壁や家具などのほぼ全てが、コンパネや角材などのおそらく廃材であろう木材でできています。無造作に打ちつけられたような、不器用に組み重ねられたような家具の佇まいがいとおしい。

 ごく普通の人々の日常を描く現代口語劇で、役者さんは実年齢に近い役柄を自然体で演じます。いわゆる“静かな演劇”というジャンルに入る作品です。現代日本で「生きる」ということについて、真っ直ぐ目をそらさずに向き合った戯曲でした。登場人物1人1人を愛情いっぱいに見つめる視線も感じました。

 舞台の上にいる人たちご自身の優しさ、大らかさが体に染み渡るように伝わってきました。青森の方言が話されているからだけでなく、この空気はこの人たちにしか作り得ないものだと思いました。

 作・演出の畑澤聖悟さんが演じるローカル芸人と彼の弟子のカップルは、ちょっと元気が多い目に演技をして、空気をパっと変えるスパイスのような役割を果たしていた気がします。初日だったせいもあるかもしれませんが、少々ぎこちない印象でした。

ネタバレBOX

 はじめのシーンで、ノートを持った真佐彦が電話をかけたのは介護サービス会社(に順ずるもの)だとわかりました。私も介護していた経験があるので、ノートと電話のセットを見ると胸にズキンと来るんですよね。そして真佐彦の病気がどんなものかも(若年性アルツハイマー?)その時点で察しがつきました。だから、正治と酒屋の純平が真佐彦にお見合い相手・由香里を紹介するシーンで、早々と涙がこぼれ出てしまって大変でした(苦笑)。

 正治は真佐彦にこれからずっと一緒に暮らしていくお嫁さんを、真佐彦は自分が居なくても正治が生きていけるように老人ホームを、それぞれにプレゼントすることになります。親しい者同士が小さな食卓を囲む幸せな時間のはずなのに、善意や希望が徹底的にすれ違い続けます。素朴で素直な笑いが散りばめられるので、より一層悲しみが際立ちます。

 一度は意地になって老人ホームに向かった正治ですが、すぐに戻ってきて真佐彦に「一緒に暮らしたい」と頭を下げます。誰かを求める気持ちがあふれて出て、なりふりかまわずに起こしてしまった行動は、不恰好だからなおさら美しいんですよね。ひたむきさに胸打たれます。

 真佐彦が病気のことを告白すると、正治は思わず「(病気は)治るよ!」と叫びますが、真佐彦も観客も、もしかすると正治もそれが叶わないことを知っています。そして、何も言わずに寿司をほうばる男2人。食べるという行為は生きることそのものです。何の解決もなく、明るい未来も見えない結末ですが、そこには今、生きていることを肯定し、愛する覚悟がありました。人生はそんな「今」の積み重ねなのだと思います。

 真佐彦が元ローカル芸人という設定は初演とは違うそうです。由香里が真佐彦のファンで、彼が出ていたラジオ番組を聴いていたというエピソードも新たに書かれたのですね。実際に80歳でいらっしゃる正治役・宮越昭司さんの圧倒的な存在感は言うまでもありませんが、私は由香里役の工藤由佳子さんの正常なのか異常なのかが一見はわからない、不安定で危なげな声とまなざしにも惹かれました。
幽霊船

幽霊船

劇団サーカス劇場

夢の島公園 特設テント劇場(東京都)

2008/05/16 (金) ~ 2008/05/26 (月)公演終了

満足度★★

並外れた努力によって実現した公演。
 書きたいことが見つからない小説家・ミズホシと、第五福竜丸という船にラブレターを書き続けた女・火見子を中心に、ゴミ溜めに集まる奇妙な人々のそれぞれの妄想のような世界が繰り広げられます。

 登場人物はみな雄弁ですが、対話ではなくずっと独白し続けているようでした。意味や設定が、次から次へと上書きされるように変わってしまうのが非常に残念。役者さんの演技はセリフ同様に一方通行な人が多く、あまり引き込まれず。選曲がつぎはぎな印象でした。しかるべき時にしかるべき音・音楽を鳴らす覚悟が欲しいです。

 夢の島公園にテント劇場を建てて、かつての夢の島を舞台にしたお芝居を上演するという企画は、抜群のインパクトでした。劇団メンバーは主宰・作・演出の清末浩平さんと、プロデューサー・俳優の森澤友一朗さんのお2人のみだそうです。多くの方の協力を得て公演が実現したのでしょう。お2人の人徳と並外れた努力がそれを可能にしたのだと思います。アングラ演劇界の層の厚さも実感しました。

 開演前に第五福竜丸展示館に行けてとても良かったです。貴重な機会をいただきました。また、展示館を見た人と見ていない人では感想が全然違うのではないかと思います。
 開演前に体調が思わしくないことを伝えたところ、とても親切に対応してくださいました。ありがとうございました。

ネタバレBOX

 9歳の時に第五福竜丸という船を知り、14年間ラブレターを送り続けた火見子。なぜ“船”を愛するのか、その根拠がわかりません。ミズホシに「ズボン下ズボン下」と言って付きまとう黒崎という男が、一体何者だったのかもわかりませんでした。ミズホシはなぜ本を破かないとだめだったのかしら。主要人物の存在の根拠・行動の動機をはっきりさせて欲しいと思いました。

 黒崎が「船の心臓であるエンジンを取られたから、どうしたって福竜丸は動かない」と言うと、火見子は「私の心臓(ペンダント)を捧げる」と返します。でも火見子はペンダントをミズホシにあげてしまうんですよね。そして福竜丸には「自分の身を焼いて捧げる」ことにします。腑に落ちませんでした。納得できなくてもぐんぐんと引っ張って行ってくれれば楽しめるかもしれないですが、そういう力強さは私には感じ取れませんでした。

 ラストは大きく外に開かれた舞台正面奥に船が現れます。甲板には誇らしげに立つ火見子の姿。白く光る照明に照らされたその風景は美しかったです。できれば火の中に身を投じる演出が見たかったですね。

 『あなたの知らない「東京」が、そこにある』というチラシに書かれたキャッチコピーについて、清末さんがパンフレットに長い文章を書かれています。趣旨は「そうとは限らない」ということで、これには色んな意味でがっかりしました。キャッチコピーなのだから、勇気を持って堂々とほらを吹いてもらいたいものです。

このページのQRコードです。

拡大