温室
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2012/06/26 (火) ~ 2012/07/16 (月)公演終了
満足度★★★★
敵も味方も、嘘も本当も、生死も、、
怖かった~!意味わからない~!けど、面白い!ストーリーも結末も確かにあるのですが、何が本当で嘘なのかわからない…。でも面白かったんです。出演者では山中崇さんが素晴らしかった!
ロビーで戯曲の文庫本を買って、家に帰ってからパラパラと読んでみたんですが、私のような素人にはどう読むのか見当もつかない…やはり深津さんは凄い演出家だと思いました。
ネジ工場
タカハ劇団
駅前劇場(東京都)
2012/06/20 (水) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
現代日本への痛烈な批判も込めたファンタジー
約1時間50分。力のこもった戯曲。一見、ザ・昭和な具象美術の人情劇だが、時間軸にも時代にも一捻りあり。昔懐かしい幸せを望む姿は愛らしいが、それ自体が風刺になっている。現代日本への痛烈な批判も込めたファンタジー。
THAT FACE~その顔
劇団青年座
青年座劇場(東京都)
2012/06/14 (木) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
満足度★★★★
THAT FACE
母と息子が暮らす家に娘が帰って来て、離れていた父もやってくる、ロンドンのある家族のお話。面白かった。やっぱり“依存”が問題なんだよなー。いつも思うことだけど子供の方が親を愛してるよね(例外あるでしょうけど)。約2時間10分休憩なし。
マハーバーラタ 〜ナラ王の冒険〜
SPAC・静岡県舞台芸術センター
舞台芸術公園 野外劇場「有度」(静岡県)
2012/06/02 (土) ~ 2012/06/23 (土)公演終了
満足度★★★★
小雨がスモーク効果に
舞台上舞台で、いつもなら舞台がある場所に客席があり、かなり前の方を選んで鑑賞。手堅いですね。山の上で森の中の芝居。おのずと神聖な心持に。
スキラギノエリの小さな事件
城山羊の会
小劇場 楽園(東京都)
2012/06/06 (水) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
南部高速道路
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2012/06/04 (月) ~ 2012/06/24 (日)公演終了
ことほぐ
intro
生活支援型文化施設コンカリーニョ(北海道)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/04 (月)公演終了
満足度★★★★
“不幸”な妊婦と陽気な仲間たちの夏のファンタジー
演技スペースをぐるりと囲むように、客席が四方に分散して設置されています。床には円の模様が放射線状に描かれ、灰色に塗られた電信柱、ジャングルジム、バス停の看板などが、中央の円を囲みつつ点在。輪郭のはっきりしない円形劇場ともいえます。昭和歌謡が流れる、メラコンリックでどこか空虚な空間でした。劇場に入るなり期待度アップ。
舞台は貧困状態にある妊婦3人が同居するアパートの一室、とはいえ壁がなく、玄関の位置も曖昧です。女性3人の閉じられたひ弱なユートピアに、彼女らとゆかりのある男性たちが入り込んできます。会話に若干のまどろっこしさを感じましたが、ある意味のん気な妊婦たちと、彼女らを叱咤激励する男性陣にはそれぞれに憎めない魅力がありました。
子供ができたことを素直に幸せだと思えない、そして祝福もされない妊婦たちの悲しみ、憤りが、強がり混じりの切実な叫びとして直接セリフで語られる場面もあり、現代日本の若者の疑問や諦念を代弁しているようにも受け取れました。そんな悲壮感が漂う設定に軸を置き続けることなく、余白を多く残しながらコミカルに飛躍させていく演出には、演劇の力を信じて委ねる余裕と意気込みが感じられました。
北海道の盆踊りは子供の部と大人の部に分かれていて、音楽も振付も違うそうです。このことが当日パンフレットに書かれていたおかげで、作品から伝わる意味がずいぶんと味わい深いものになったと思います。
作・演出のイトウワカナさんが開演前にCoRich舞台芸術まつり!およびCoRich舞台芸術!の宣伝をしてくださいました。札幌でも公演登録やクチコミが増えて欲しいです。
シレンとラギ
劇団☆新感線
青山劇場(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/07/02 (月)公演終了
サロメ
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2012/05/31 (木) ~ 2012/06/17 (日)公演終了
満足度★★★★
多部さんが良かった♪
四人の帰り道で賛否は真っ二つ、だったかな。私は賛。最期に向かってサロメの愛にグッと絞られていく。多部さんが良かった♪ 二時間ないので休憩なし。これでもか!ドーン!ダーン!と一気に観られるのもいいかも。ただ、好き嫌いは分かれますね(笑)。
夢!サイケデリック!!
範宙遊泳
アトリエ春風舎(東京都)
2012/04/25 (水) ~ 2012/04/29 (日)公演終了
満足度★★★
空間の使い方が巧みな実験的要素の強い演劇
くらげのようなテーブル、イス、バス停の看板など、天井から吊り下げられオブジェは現代アートのような鮮やかな存在感。照明器具そのものも装飾品のようでした。舞台奥の透明ビニールのカーテンも含め、空間の使い方が巧みだと思いました。奥の階段は当たる照明の色や具合で表情を変え、作品中の意味も変化していました(出入口、結界など)。
アイデアやイメージは個性的だと思いましたし、役者さんも一人ひとりが魅力的でしたが、1時間30分のお芝居を“夢”という1つのテーマで突き進むのは難しかったんじゃないかと思いました。
うれしい悲鳴
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2012/03/03 (土) ~ 2012/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
架空の日本の物語が詩と踊りとともに沁み込んで来る
いつもながら群舞が素晴らしかったです。選曲が個性的で飽きさせません。劇場のロフトを使い、奈落まで続く階段でシャープな空間をさらに広く見せた舞台美術でした。衣裳は一人ずつデザインが異なる現代服ですが、赤、青、緑、灰色と色を合わせることでスタイリッシュに見せていました。ただ、初日(プレビュー翌日)の仕上がりは一体感、緊張感、柔軟性などで今一歩。まだまだこれから成長する舞台だと思いました。
不感症(痛みを感じない)の男と過敏症(何もかもにアレルギー反応)の女を軸に物語は進みますが、彼らを演じる役者さんはあくまでも“代役”で、男のセリフを複数の男優が語ったり、女は2人の女優さんが演じ続けるなど、特定のヒーロー&ヒロインの物語に固定させず、誰にでもあてはまる普遍性を保っていました。
震災以降の空気も含め、日本という国を冷静に見つめる視点を持った社会派戯曲でもあり、演劇が持つ豊かな可能性を堂々と引き出す詩的なセリフも美しかったです。ひょっとこ乱舞の作品はそれほど多くは拝見していないのですが、戯曲は広田淳一さんの最高傑作ではないかと思いました。
オーシャンズ・カジノ
北京蝶々
王子小劇場(東京都)
2012/04/18 (水) ~ 2012/04/30 (月)公演終了
満足度★★★
エンターテインメントに徹した姿勢に乾杯!
船上のカジノを舞台にさまざまな社会問題を提起しつつ、堂々と娯楽に徹した賑やかで楽しい現代劇でした。カジノのラウンジでありながら、マストのある船の形もしっかり表現した舞台美術が見事です。美術、照明、音楽などのスタッフワークのコンビネーションをはじめ、ダンスやステージングも凝っており、華美なパーティーやカジノの熱い勝負をとことん派手に見せる演出が素晴らしかったです。
劇場ロビーにバー・カウンターをしつらえ、天井の照明にカラフルなセロファン(舞台照明用ゼラ?)を入れて、観客が席につく前の空間からムードづくりをしていました。日によってはカジノ・ナイトというイベントも開催し、作品だけでなく演劇公演全体をエンターテインメントとして演出する試みがいいですね。テーマパークのアトラクションのように気軽に楽しめる上質の小劇場演劇って、実は少ないと思うのです。あとは役者さんの演技のレベルが全体的に上がってくれれば…と思いました。
翔べ翔べ翔べ!!!!!バナ学シェイクスピア輪姦学校(仮仮仮)
バナナ学園純情乙女組
王子小劇場(東京都)
2012/05/24 (木) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
緻密に組み立てられたカオスを体験できる過激なアトラクション
チケットを受け取って階段を下り劇場入り口に着くと、壁にビニールが貼られていました。早くもロビーから養生されているんですね。客席のパイプ椅子を含む劇場全体にビニールが張り巡らされています。バナナ学園純情乙女組(以下、バナ学)の客席は安全地帯ではありません。水だけでなく他にも色んなものが飛んでくるのです(観客全員に1つずつレインコートが配布されます)。これを1日3ステージ上演することに、まず驚愕します。凄い!
諸事情により最前列で拝見し、始まるやいなや出演者数人に着替え用の服やタオルを預けられたり、七味まゆ味さんに何やら頼まれたりして、観客というより作り手の一部(演出部お手伝い?)になった気分で拝見することになりました。これまでにバナ学は4作品観たことがありますが、作り手側にぐっと寄りそった(参加した)視点になったのは初めてでした。
開演前はマイクで複数人がアナウンスをし続けています。ツイッターの感想を読みあげたり、鑑賞中の注意事項をノリノリで説明してあおったり、否応なしに恐怖混じりの期待が高まります(笑)。制作さんがバナ学の舞台を「ディズニーランドの“スプラッシュ・マウンテン”みたいなもの」とおっしゃったのには納得でした。アトラクションだと思うとそれなりの覚悟ができますよね。ただし内容はかなり大人向けで過激ですが(笑)。
今回は“おはぎライブ”ד演劇”ということで、シェイクスピア作品など有名戯曲からの引用が多数ありました。でも、セリフが聴き取れることを重視していないし、複数の作品が重なっていたり、全く関係ない(と思われる)要素が次々と加わって来たりして、一度で詳細をつかみ取ることはできない構造になっています。大量の情報を洪水のように暴力的に浴びせ続ける熱いパフォーマンスは、これまでの作品と同様、現代日本を鮮やかに表していると思いました。ただ、私が観客らしい受け身の視点でなかったせいもあってか、限界に挑戦する出演者の雄姿に心打たれ、ちょっとした恍惚状態になるまでに、時間がかかりました。
くろねこちゃんとベージュねこちゃん【ご来場ありがとうございました!!】
DULL-COLORED POP
アトリエ春風舎(東京都)
2012/03/14 (水) ~ 2012/04/08 (日)公演終了
満足度★★★
演劇の特性を活かすアグレッシブな演出
開演前の数十分は2人の女優さんが猫耳や尻尾をつけた可愛らしい衣裳でお茶をふるまい、舞台上でお客様との触れ合いタイムが繰り広げられました。最前列に座っていたのですが、私はちょっと入って行きづらかったです。開演時刻になると会場案内をしていた劇団員の方々も舞台上に出てきて、日常から地続きにお芝居が始まる演出になっていました。会場の空気を和ませ、観客が舞台を身近に感じてきたところで、さらにグっと惹きつける巧みなオープニングだったと思います。
父、母、息子、娘の4人家族のお話でした。父が突然事故で亡くなり、一人になった母は家政夫に家事をまかせ、2匹の猫と会話をしています。母役を男性が演じるので、さっきまでお茶を淹れていた女優さんが猫役を演じても、無理なくファンタジーとして受け入れることができました。
葬儀のために帰ってきた息子と娘には猫の姿は見えません。幻想の猫と堂々と話をして、家政夫に対する態度がコロコロと豹変する母は精神を病んでいるようにも見えるのですが、猫たちが元気に軽快なムードを作るので過度な深刻さは生まれません。娯楽性を重視する演出が成功していたと思います。
亡くなった父も登場する回想シーンでは、猫たちが当時の母を演じ、その回想を母が外から見守る構造でした。ひねりが入った劇中劇で虚構性が増し、家庭内の確執を暴く痛々しい場面でも、冷静に観察できたのが良かったです。
以上のような工夫をこらした演出は刺激的でしたが、谷さんの作品をほぼ10年観てきた者としては、戯曲に物足りなさを感じました。いわばステレオタイプな家族の物語で、私の想像力の及ばない境地へと連れて行ってくれなかったのが残念です。役者さんの演技がおぼつかなくて、私にとっては正視に堪えない場面もありました。私が谷さんの実績と比較してしまうせいなのでしょうが、1人を除き出演者を劇団員だけにしたことで、演技力の未熟さが表面化したようにも思います。
カラフルな照明で空間を派手に、賑やかにしていたのが良かったです。ただ、ある部分だけを照らして空間を分けるような効果も、もっとあっても良かったのではないかと思いました。日本語の歌詞の曲が流れていましたが、邪魔にならずポップなムードになっていたのが個性的で楽しめました。でも音楽が特に印象に残ったこと自体は、作品全体として良かったのかどうか悩むところです。
ミッション
イキウメ
シアタートラム(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
追加公演の回を拝見。
俳優の会話にどう転ぶかわからないスリルが常にあってすごく面白かった!私はこういう演技が好き。小川絵梨子さんの演出で今までと違うイキウメでした。約2時間5分。
旗揚公演「ミント+」
ミントシアター
イワト劇場(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★
友人がかかわっているので拝見
よくできたコメディーでした。装置、衣裳、照明などのスタッフワークで、堂々とファンタジーの世界を作り出していたのが良かったと思います。役者さんが楽しいお芝居にしようと前向きの姿勢だったことにも好感を持ちました。
どうしても地味
箱庭円舞曲
駅前劇場(東京都)
2012/05/16 (水) ~ 2012/05/27 (日)公演終了
満足度★★★★
大阪公演あり。
今よりもっと窮屈になった日本の過疎の村の、不格好で滑稽な人間模様。あっという間に常識化する過激な社会制度や、いつの間にか忘れられ失われる日々の喜びを、地味目の会話にギュっと詰め込んだ現代劇。充実の2時間5分でした。
マームと誰かさん・ひとりめ 大谷能生さん(音楽家)とジプシー
マームとジプシー
SNAC(東京都)
2012/05/11 (金) ~ 2012/05/13 (日)公演終了
負傷者16人 -SIXTEEN WOUNDED-
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2012/04/23 (月) ~ 2012/05/20 (日)公演終了
満足度★★★★
平日ソワレなら残席ある回も
前評判どおり重かったが、良かった。異国の戦争、生活が肉声で届くから自分のこととして考えられる(私はそう)。もし自分が彼/彼女だったらと、彼らの苦悩を知り得ないと知りつつも想像し続けた。休憩含む2時間45分。
カフカの猿~フランツ・カフカ「ある学会報告」より~
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2012/05/02 (水) ~ 2012/05/06 (日)公演終了
満足度★★★★
俳優
キャサリン・ハンターさん。素晴らしい。全席完売のようですが、55分という短いお芝居なので、当日立ち見席にチャレンジしてもいいんじゃないかと思います。