夫婦
ハイバイ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/01/24 (日) ~ 2016/02/04 (木)公演終了
満足度★★★★
あまりの滑稽さにワハハと声に出して笑った途端、「ああ、他人を笑うなんて、私ってひどい!」と我に返って複雑な心境に。でもそういう心の動きを自分自身が客観的に観察し、自覚もしている状態でした。舞台と一緒に自分の中でも、自分が主人公の劇中劇が繰り広げられるような体験。
演劇研修所第9期生修了公演『嚙みついた娘』
新国立劇場演劇研修所
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2016/01/08 (金) ~ 2016/01/13 (水)公演終了
満足度★★★★
昭和11年の東京が舞台の三好十郎の喜劇。東北から出てきた女中が無邪気に富豪一家の裏を暴く90分。とても面白かった。チケットが安い!
各人物の陰影が濃いから、出てきた瞬間に空気が変わる。ドタバタ喜劇だけど、笑えない現実も突きつけられて怖くなる。私は戯曲の世界をひたすら誠実に立ち上げるお芝居が好き。研修所公演はありがたい。
三好十郎+宮沢賢治
J-Theater
小劇場 楽園(東京都)
2016/07/25 (月) ~ 2016/08/03 (水)公演終了
書く女
ニ兎社
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/01/21 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
『書く女』は2006年初演。ヒロインに黒木華さんを迎えた全国ツアー。
主な装置は階段のみで上部の横糸たちが天に続く階段にも波打つ浜辺にも見える抽象空間。黒木華演じる樋口一葉は暗闇に灯る小さな光のよう。セリフから小説の風景がありありと浮かび、一葉の作品と人生を合わせて味わえた。私も彼女の「冷笑」が欲しい。
ミュージカル「手紙」
ミュージカル『手紙』製作委員会
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2016/01/25 (月) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
ロミオとジュリエット
東京芸術劇場
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2016/12/10 (土) ~ 2016/12/21 (水)公演終了
満足度★★★
Romeo and Juliet
音楽のアルバムを聴いているようで、そのミュージック・ビデオを見ているようで…お芝居なのだけれど、音楽作品、映像作品のように鑑賞。
Take me out
シーエイティプロデュース
DDD AOYAMA CROSS THEATER(東京都)
2016/12/09 (金) ~ 2016/12/24 (土)公演終了
満足度★★★★
演出が素晴らしい、戯曲も面白い
約2時間10分。プロ野球チームのロッカールームが舞台の2003年トニー賞受賞作。スター選手の告白から巻き起こる事件に米国の現実を映す。対面客席で通路も使う藤田俊太郎演出は臨場感も現前性もバッチリ。テレビも音響もわかりやすい。
場面を重ね、壁を取り除く、演劇ならではの躍動感と立体感に胸熱。俳優は装置を動かし、何度も着替えて、前のめりの演技で飽きさせない。ストレートプレイはそもそも気軽にワクワクして観られる娯楽なのだと証明。そして皮肉も主張もしたたか。
演技の質は色々。でも後半は気にならず。章平さん、Spiさんの場面が秀逸。小柳心さんも好き。良知真次さんは…意外な役回り(笑)。東京公演は21日まで、平日は空席あり。兵庫公演あり。
国際演劇祭 イプセンの現在 tgSTAN『パブリック・エネミイ人民の敵』、アンドレイ・シェルバン『ヘッダ・ガブラー』
特定非営利活動法人舞台21
シアタートラム(東京都)
2016/12/06 (火) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
ルーマニア
約2時間40分休憩15分込み。したたかに拡張、戯画化した演技が見事。ベタな米国懐メロが次々に流れ、超わかりやすい上に笑わせる。まさか赤毛のダイアナを出すとは!芸劇で観た「ルル」に似てると思ったら同じくルーマニアの作品だった。緑の壁が一部透明で、そこから女中が覗き見る。白ソファーに赤カバー、透明の柱など攻めてる美術。照明は意図が鮮明で的確。君主から奴隷に堕ちるヘッダも露骨。序盤は刺激に心踊ったが終盤は冷静に観た。
1万人のゴールド・シアター2016 『金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~』
彩の国さいたま芸術劇場
さいたまスーパーアリーナ メインアリーナ(埼玉県)
2016/12/07 (水) ~ 2016/12/07 (水)公演終了
こまどり姉妹カッコいー
埼玉県が指揮を取って県の施設を使い、プロの演出家、俳優、スタッフによる全力のサポートを受けながら、県民が楽しむ参加型イベントだと思うと、とても、とても贅沢。
蜷川幸雄さんが彩の国さいたま芸術劇場でシェイクスピア戯曲を上演し続けたこと、さいたまゴールドシアター、さいたまネクストシアターという劇団を育てたこと、それらに関わってきた人たちが、今もさいたまに集って演劇創作をしていること…。その総まとめのようだった。そして、ここから何かが始まるんだと思った。
ノゾエ征爾さんの優しさを受け取った。
フォルケフィエンデー人民の敵ー
雷ストレンジャーズ
シアターX(東京都)
2016/12/03 (土) ~ 2016/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★
人間の自由と真実の最大の敵とは?
約2時間5分。初演とは全く違う装置で、初演同様のストイックでわかりやすいセリフ劇。人物の姿、言葉の裏にある本音がくっきり浮かぶ演技がいい。いつ観ても何か発見できる戯曲だわ~。来週のtgSTANと比べるのが超楽しみ。
国際演劇祭 イプセンの現在 tgSTAN『パブリック・エネミイ人民の敵』、アンドレイ・シェルバン『ヘッダ・ガブラー』
特定非営利活動法人舞台21
シアタートラム(東京都)
2016/12/06 (火) ~ 2016/12/11 (日)公演終了
満足度★★★★
12/9にシンポジウム、レクチャーあり
男女4人と、ト書き&プロンプ1人の計5人で約1時間50分(休憩10分込み)という超特急のイプセン。集会のシーンしかゆっくり聞かせる気ないよねコレ!(笑)
観客に雑に話し掛け、演じる役を何度も変え(主役以外)、小道具はずさんなマイムのみ(笑)。
tgSTANはベルギーの俳優だけのカンパニーで、俳優がドラマトゥルグで演出家。興奮!
12/9昼にシンポジウム(https://m.facebook.com/norembtokyo/photos/a.196447033849367.1073741828.196028183891252/692409657586433/?type=3 )、
夜にレクチャー( http://d.hatena.ne.jp/sfjth-tokyo/touch/20161209/p1 )あり。
ヴィジョンズシアター「Hedda Gabler(ヘッダ・ガブラー)」
特定非営利活動法人舞台21
シアターX(東京都)
2016/11/30 (水) ~ 2016/12/01 (木)公演終了
満足度★★★★
ヘッダ・ガブラー
約1時間35分。面白かった!お屋敷での上演が理想だが劇場に簡易な美術を建てての上演。演技が上手くて真剣なほど、滑稽さが浮き彫りになる。人々が激しく対立するほど笑える。ヘッダは女だけど気高い軍人(だから不幸)なのがよくわかった。
ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了
満足度★★★★
第一部から観るが吉。
衣装、照明のデザイン、色分けでスムーズに理解できた。貴族と平民、高貴と下賤、老いと若き、父と息子、新旧など対比山盛り。配役も対照的(特に鍛治直人さん)。大勢の「噂」はネット社会のよう。音楽は鳴る度にドギマギ(笑)。
2009年の『ヘンリー六世』三部作一挙上演、2012年の『リチャード三世』から継続出演の方が大勢(スタッフも継続)。ベテラン俳優の方々が今も現役であることに感謝。若い俳優が息長く活躍できる演劇界であって欲しい。観客には何ができるのかな…。
私的には立川三貴さんと小長谷勝彦さんが素晴らしかった。立川三貴さんはこまつ座『紙屋町さくらホテル』でも感動した。小長谷勝彦さんは元文化座の俳優で、今は静岡県舞台芸術センターSPAC公演でよく拝見。鍛錬し続けてくださる全俳優に再び感謝。
ヘンリー四世 第一部 ‐混沌‐・第二部 ‐戴冠‐
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2016/11/26 (土) ~ 2016/12/22 (木)公演終了
第一部
衣装と音楽に現代風のアレンジがあって楽しい。今日はファルスタッフ(佐藤B作)が可愛らしかった。「続く!」っていう終わり方で、こりゃ第2部も観ないとわからないなと。ハル王子(浦井健治)の変貌が楽しみ。出演者多数で豪華。女優は3人だけなんですね~。
第二部はまた後日。
星回帰線
パルコ・プロデュース
ロームシアター京都サウスホール(京都府)
2016/11/17 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★★
星回帰線
スリリングな現代群像劇で2時間集中できた。登場人物全員が興味深く魅力的。外見の美醜問題は根が深い…イケメンに同情しちゃう。人が身の丈を知るには本気で他人と自分の内側までコミットするしかないのかな。ままならない人生、蓬莱竜太さんのお芝居、面白い。
一緒に観劇した母や「蓬莱竜太さんの戯曲は自分について振り返って考えられるから好き」と。お薦めです。
キネマと恋人
世田谷パブリックシアター
シアタートラム(東京都)
2016/11/15 (火) ~ 2016/12/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
キネマと恋人
面白かった…♪ 映画、舞台、音楽など、人が生み出す芸術への愛情が溢れ出すようでした。終演して劇場から出て行く観客によって、それは外の世界にも届けられるのだと思います。
長い感想書きました:http://shinobutakano.com/2016/11/22/3721/
フェスティバル#2
プロトテアトル
カフェ+ギャラリー can tutku(大阪府)
2016/11/17 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
福島を上演する
フェスティバル/トーキョー実行委員会
にしすがも創造舎 【閉館】(東京都)
2016/11/17 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
満足度★★★
毎ステージ違う内容
体と言葉、中身(意味)がそれぞれに独立した風な演技の、静かな現代劇。家族内のエッチな会話がナンセンス・コントみたいになってて可笑しかった。松田正隆さんの「福島の問題は人類の問題。当事者かどうか、なんてことじゃない」的な発言に共感。
さようならば、いざ
ONEOR8
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2016/11/16 (水) ~ 2016/11/23 (水)公演終了
さようならば、いざ
田村孝裕さん作・演出。約2時間。シンプルな抽象美術と映像の組み合わせで場面転換、情報提供し、ワケありの親戚たちの本音と建て前が露呈する会話劇。
なぜ今このお芝居を上演したのかな…と、主要キャスト降板でボツになったチラシを見て考えることになった。真相には当事者にしかわからないし、当事者が真実を語るとは限らない。
『愚図』
KAKUTA
あうるすぽっと(東京都)
2016/11/10 (木) ~ 2016/11/20 (日)公演終了
愚図
約2時間15分。市井の人々あるいは社会的弱者の群像劇と言えるのかな。飛行機の轟音、ある時期の自粛ムード、ホームレス、特殊清掃、沖縄旅行など。人間関係や会話よりも題材自体がヒントだったかも。『往転―オウテン』から5年。映画「紙の月」「東京難民」思い出す。