満足度★★★★★
共依存
年相応の実力派役者さんによる地に足のついた素晴らしい作品でした。
ネタバレBOX
共依存の母娘が、少し距離を置くことで環境を変えようと結論づけてみる話。
せっかく出会った男性を死なせてしまうとは、お芝居とは言えきついことしますね。
お母さん、長女、次女、不思議な田辺さん、30代以上の女性陣が素晴らしく感動しました。もっともっと色々なお芝居に出てほしいと思いました。
タレント志望の次女の娘がオーディションの練習をするシーンで無理に笑顔になろうとする作り笑いが、先日駒場東大前駅付近で見掛けたフルーツ箱売り商法の若い女性の笑顔とそっくりで、気持ちはこもっていないけど必死でする作り笑いとはこういうものかと心底納得しました。本当に素晴らしかったです。
満足度★★★★
ルドビコ女学院
みんな仲良さそう。
ネタバレBOX
女子高の恋愛事情みたいなものがあったり、主役争いがあってギクシャクしたりしたこともありましたが、演劇部全体で発表会に向けて協力することになったのに、発表会当日もう一人の主役が台風の影響で崖から転落して死んでしまい混乱した主役の生徒でしたが、友人の死を認め、前向きに生きていこうと決意する話。
死んだ女子高生役の人は次回は別の生徒になっているのでしょうか、気になります。
途中にある恒例のホームルームのダメ出しも楽しかったです。終演後のイベントでは、お客参加型しりとりに具体的に参加させていただきました。
次の予定が入っているような可愛い生徒とそうでもない個性的な生徒、みんな仲良さそうで何よりでした。むしろ先生の一人が今回の公演でもきんちょーしーでうぶなのが不思議でした。
満足度★★★★
愚かな人間
懲りない人間、愛すべき人間
ネタバレBOX
生まれて、おばあさんのお葬式に出て、父親に連れられておじいさんを見舞って、野球やって、父親の浮気現場を見てぐれて、父母が離婚して、ラーメン屋で修行して、結婚して、子供が生まれて、独立して、母親を肝臓癌で亡くし、その葬式で父親を拒絶して、ラーメン屋を発展させ、子供を連れて父親を見舞い、キャバクラに通って浮気して、離婚して、ラーメン屋を潰し、子供の婚約者から結婚の報告を受け、肝臓癌になった元妻を見舞い、元妻の葬式に出掛け、子と孫の見舞いを受け、死ぬという男の一生は、元妻の葬式で焼香を許されたことや、息子が自分の葬式を出してくれたという違いはあったものの、おじいさんやお父さんと同じ失敗を繰り返す愚かしくも懲りない人間の生き方そのものでした。
随所に息子の嫁さんの計らいがあったことや、第三者からは惚けたように見える行為も本当は素晴らしいことだったりすることが分かりましたが、同じシーンを最大三回見るのは心身ともに結構疲れました。
満足度★★★★★
活きがいい!!
今風の活きのいい若者集団という感じで好感が持てました。
ネタバレBOX
研究所のある島に所長のお坊ちゃまが夏休みに遊びに来た話と、アンドロイド研究に関するDVDを盗んだ犯人を捕まえるという話が一緒になっていましたが、前説で話の筋にはあまり突っ込まないようにと言われていたので、深く考えずに素直に目の前の現象を楽しみました。
黒ひげ危機一発は、お坊ちゃまが当たらないような裏技でもあるのかなと思いながら見ていましたが結構お坊ちゃまが引き当て、それでも手心を加えるという心理を活かして笑いを取っていてさすがだと思いました。バットひん曲がり事件を考えると、やはり裏技があるのかもしれませんね。
アンドロイドたちはキノコ頭に眉を整えた今風の格好、ネジ式アンドロイドはネジの大きさが絶妙で可愛く、金属製のロボットは実に旧式のロボットらしい佇まいで素晴らしかったです。
研究者の好みや劣等感が反映する貧乳ネタも面白かったです。
いじめについての、立ち向かう、言葉で主張し続ける、逃げるは、どれも正しく、あれで良かったのだと思いました。
満足度★★★★
一発芸
面白いのと面白くないのがありました。
ネタバレBOX
ショートコントというか、主に一発芸のオンパレードという感じでした。面白くないものは削ぎ落として、1時間45分を1時間30分ぐらいに抑えればもっと良くなるのではないかと思いました。
山ちゃん似の人以外は概して素人っぽかったです。座長の塩澤剛史さんはサービス精神が旺盛なのだとは思いますが、ツッコミが説明し過ぎでキレが悪く、しつこく感じました。
図書館がどうのというメインテーマについては全く考えもしませんでした。純粋コント集で良いのではないでしょうか。
満足度★★★★★
瞬間
転機
ネタバレBOX
上演時間80分、全ては75分ぐらいからでした。
アウシュビッツで働かされていたユダヤ人が自分の妻の死体を発見しても黙々と無感動に処理する姿を見て、ユダヤ人は劣った民族だと信じ切っていたヘースが、人間は極限状態になると皆そうなるんですよと教えられて、それまで何を聞かれても冷静だった態度が一変、全てを理解して心を乱して、「そうではなーい」と大声を発する瞬間、この言葉を引き出すための75分でした。
今回は完全版とのことでしたが、長かろうが短かろうが、ユダヤ人についてどう思っていますかという最後の質問とその回答、そして説諭と乱心がこの作品の全てです。
真人間にして処刑するというのも、ある意味残酷です。
今回は、あまりにもヘースにきつく当たる様子が目立ってしまい、2013年3月の「若手演出家コンクー2012 最終審査」のときに感じた、尋問しているポーランド人たち自身がソ連の支配下に置かれた現状に順応しようと腐心している様子があまり感じられませんでした。逆に、精神科医に無理しないでくださいなどと言われるとちょっと緩んだところもあって、実際にはどこに密告者がいるか分からず、本当なら絶対に気を抜かないだろうになと思いながら観ていました。
精神科医役の西尾さんのぼくとつとしたしゃべり方「○○ですよ」も、以前のヒトラー役で流暢にしゃべるのとはまた違って良かったと思いました。
満足度★★★★
超満員
気の利いたのとそれほどでもないのがありました。
ネタバレBOX
11のコント集。
お金に弱い分かり易い表情と、約束を守る冷徹さの対比が面白いスナイパーの話や、調停におけるバカバカしい応援団の話があったかと思うと、どちらが植物状態なのかといった「This Planet is Ours」という題名を冠した割にはひねり過ぎたような話までありました。
概して前半の方が面白く、途中中だるみ、最後の合唱などは上手でしたけど別に発表会を見に来たわけじゃないという気もしました。
満足度★★★★
お洒落!
武蔵美と数学って、失礼ながら結びつかなかったので、こんなにお洒落に数学を取り込めるとは思っても見ませんでした。素敵でした。
ネタバレBOX
数Ⅰの教科書の中に迷い込んだ男yが、幾何学の頂点AやB、動く点Pに聞きながら彼女xを探すアリス物的ストーリー。数学が絡んでくるので単なるファンタジーではなく、とてもスマートでお洒落に感じました。
教科書の中でxを探していたyですが、教科書に象徴されるモラトリアム期間を捨てると宣言したyは、現実社会のバイト先でxに遭遇することができました。
実践重視の生き方に賛成です。実社会では数学のように論理的に行かない場合もあるでしょうが頑張ってほしいと思いました。
満足度★★★★★
実に面白い!
まあびっくり。
ネタバレBOX
チャラ男と先輩がナンパしていて、と言うか、チャラ男は見境なく行きたいのに先輩が遊び人風は嫌だとかあれこれ理屈をこねて行動しないので、結局2時間ラウンドワンの前でただうだうだ立っているだけ。
二人は客入りのときから立っていましたが、行動に移っていなかったところをみると恐らくお客の中には先輩好みの清楚な女性はいなかったのでしょうね。
そんな話かなと思っていたのですが、まあびっくり。ナンパで生まれて、母親に捨てられ、本人も恋人にDVを振るう傾向があり、人に迷惑を掛けるような人間で、この世から消えてしまいたいと思った男が未来から来て、自分が生まれるきっかけとなったナンパを阻止して消滅しようとするSFでした。
未来から来た男はごつい顔、先輩もごつい顔。しかし、一応主役というか配役表の一番上に載っていたのはチャラ男の井上で、先輩の田中は二番目、性格的なことを考えてもそうだろうなとは思っていましたが、未来から来た男は母親似でした。
チャラ男の意外とウブなところや、人妻の自由奔放で不思議な生き方の描き方が上手く、適度に緩く、役者さんもいい雰囲気でとても良かったです。
満足度★★★★
げに
最下位は悲し。
ネタバレBOX
20年前、栃木県矢板市から三人のアイドルグループベリーベリーとしてデビューしたものの、売れずにすぐに一人だけが芸能界に残され、これまで何とか活躍してきた恵梨香が、ここに来て思うような仕事が入らず将来が不安になり、20年振りに実家に帰省してかつてのメンバーと再会し、解散時のわだかまりを乗り越えて、町の祭で一回限りの復活公演を果たしたことで、これからも芸能界でしたたかに生きていこうと決意するに至る話。
事務所は恵梨香だけが欲しいが為に三人まとめてスカウトしたという事実をデビュー後すぐに知ったせいで苦しんだ恵梨香ですが、復活公演ができたことで、キジの精が言ったように、他の二人が引きずってきた傷と過去の自分が受けた傷をそれぞれ癒すことができたのでしょう。で、キジの恩返しって。
現在の三人と高校時代の三人が妙にマッチしていて、とてもいい感じでした。大人の友香の右腕にほくろがあれば最高です。
満足度★★★★
いつもといつもと違う
パフォーマンスが楽しかったです。
ネタバレBOX
ピタゴラスイッチのような玉突き式ダンスパフォーマンスが楽しい舞台でした。いつもの小柄な女性を抱えて運ぶパフォーマンスもありました。そして、結構体力を使うので60分を切る短さでした。
天井と舞台が逆さまになっていました。天井にはテーブルと椅子、植木鉢が逆さまに置いてあり床を表現、舞台からは蛍光灯が下から上に、天井からぶら下がったように表現されていました。妹がイライラすると物を逆さまにする行為をしていたということでしたが、だから何だという気はしました。
ストーリーとしては、戦争取材で死んだジャーナリストの友人を思い出しながら、戦争をしている国では傷病兵が義足をはめて戦地に戻る現実があるなどの義肢装具士の仕事振りを皮肉り、友人のパイロットは輸送の任務で紛争地帯に向かい、恋人の義肢装具士も研修も兼ねてか戦争をしている国に向かい、戦争が身近になっている日本の現実を表現するものでした。
死んだジャーナリストの友人役の木皮成さんだけは一言も発しませんでした。
満足度★★★★
【cキャスト】観劇
随所に松田正隆さんらしさが見られました。
ネタバレBOX
台風の夜のサラリーマンと妻が住むアパートの一室が舞台。会話が進むうちに夫の先妻が不治の病に罹り、その頃から夫は先妻の妹と付き合い始め、先妻が事故か自殺か踏切事故で死んだ後に正式に再婚したことが分かります。
台風で停電になって真っ暗な中、ロウソク一本の明かりで演じられた芝居は素敵でした。
自分が死んだ後の後妻選びの主導権を握りたいという気持ちと、自分が選んだとしてもそれでも嫉妬心が残るという死に行く先妻の感情を描くところは松田正隆さんらしい、まさに原点だと思いました。
自分の知らない女性が後妻になることは許しがたく、先妻の仕組んだ通りに進んだのかもしれませんが、それでも嫉妬していたのでしょう。
出掛けるときには外の雨音が聞こえましたが、帰ってきたときは何の音も聞こえませんでした。台風の中を川の様子を見に行った夫が幽霊になって戻って来て、あるいはうとうとしていた妻の夢想か、死んだ夫が妻にこれからアパートが流されることを告げると思わせるところなども松田さんらしい特徴の一つです。
出掛ける前にラジオを聞けば良かったのにと思いました。1989年の初演当時は電池式のラジオが主流だったとは思うのですが、停電でラジオが聞けなかったことも悲劇の原因でした。
少しねじれた関係の男女と、日常に非日常が入り込む手法には慣れてきましたが、関係を探る楽しみと不思議感覚が味わえるので今のところ好きです。
満足度★★★★
日本の道義
2009年5月以来の『きらめく星座』の観劇でした。
ネタバレBOX
今年6月に観た『てんぷくトリオのコント』では、井上ひさしさんの死後三年が経過し、井上麻矢さんが新たに立ち上げた企画だったことを知りましたが、同時にその中でコントは変えてもいいが芝居は一字一句変えてほしくないとの希望があったことが明らかにされ、その言葉が本当かどうかは知る由もありませんが、本作品はオリジナル版でした。
オデオン堂というレコード店を通じて、戦争を前にした人々の様子が描かれました。昭和15年11月3日(明治節)の場では長男の脱走が明かされ、昭和16年2月11日(紀元節)の場では、長女が傷痍軍人と結婚し非国民の家から美談の家に変わったことと、長男が九州の炭鉱から逃げてきたことが描かれ、昭和16年4月29日(天長節)の場では長男が銚子のイワシ缶詰工場から逃げてきました。休憩を挟んで、昭和16年8月15日(終戦記念日の4年前)の場では長男は上海航路に潜り込んでいて羽振りが良く、昭和16年11月23日(新嘗祭)の場では、長男は山形の農村からボロをまとって戻ってきて、上海航路の日本人乗客には一発旗揚げを狙うやつ、山師、女ったらししかいなく、中国人給仕を平気で殴るのに嫌気が差したと船を降りた経緯を語り、根っからの軍人だった長女の夫もその話を聞いて、蒋介石様々と言う工場経営者と軍のお偉方との会話を思い出し、日本の道義に疑念が生じると失った左手が痛み出すという精神的症状に苦しみます。最後は昭和16年12月7日(開戦前夜)の場で、オデオン堂接収のため父親夫婦は後妻の故郷長崎へ、下宿人は満州で先生に、もう一人の下宿人は音楽学校へ、長女夫婦は夫が病院に入院するため市川へ、長男は国鉄の車掌をしているという状況下で、明日出征するという近隣の青年のために元歌手だった後妻が「青空」を歌い、その後全員で歌い、銘々がそれなりに生きていこうと何となく前向きに見えた直後、防毒マスクをつけた記念写真のような図になり、悲惨な未来を暗示するような形で終わりました。
始まってすぐに長崎という言葉が出て、原爆に遭うことが想定されました。ラスト近くの秋山菜津子さんの「青空」は良かったです。そして、町内会長さんや役所の人に愛想良くしていればという言葉も当たっていたと思われますので結構重たかったです。
レコード店が舞台であり、音楽劇となるのは已むを得ないとは思いますが、こまつ座のピアノを使った音楽劇にも少々飽きてきました。軽妙さが分かりやすさに繋がっているわけでもありません。オリジナルに縛られ過ぎも如何なものかなと思います。しっとりとした描き方、例えば吉田小夏さんの『星の結び目』のような描き方で演出してくれるとまた違った感動が得られるのではないかと思いました。
満足度★★★★★
コンパクトで派手で
2010年にレパートリーシアターKAZEで観たものよりも王様が惨めったらしくなく、面白く分かり易かったように思います。
ネタバレBOX
当日パンフレットには各役者の役名と共に台詞の一部が載っていて、見開き左上の第一王妃の言葉に物語の本質が書いてあったように思います。
王様は死ぬことは知っていましたが自分の死は当分先だと思っていました。そして、王様は火薬を発明し、宗教改革をし、宗教改革反対派を支援もしました。要するに、王様は全ての人間そのものでした。
王様の死は他人事ではなく、環境に影響を与え、環境から影響を受けた人間、あるいは生物の一部として、その時が来たら静かに消えようと思いました。
第二王妃役の坂本祐以さんがきゃりーぱみゅぱみゅさんのように見えてしまいました。
満足度★★★★★
素晴らしい心理描写
女の戦い、権謀術数に恐れ入りました。
ネタバレBOX
子育てに自信がなくて森で自殺したお母さん、惚け始めたのか、惚けたときの練習をしているのか、毎日森へ出掛けるお父さんの話は置いておいて、長女の結婚式を前にして、女友達と長男の妻の心理がいやらしいほど克明に描かれていて驚嘆しました。
婚約者にストーカー疑惑が生じても、小姑を追い出したい長男の妻は結婚式を挙げさせるように夫に働き掛けます。女友達も自分の夫が彼女に対して抱いているであろう未練に引導を渡すため、ウェディングドレスを作るという行為で退路を断ったと思っていましたが、もしかしたら婚約破棄になるのではないかと心配します。この辺りの描写が素敵でした。
長男の妻の小柄な体から発せられたオフレコの本音の叫びには夫もたじたじでした。素晴らしかったです。
満足度★★★★
不条理
演劇評論家も大変です。
ネタバレBOX
観客として招待された演劇評論家が終盤舞台に上がり、俳優が観客席に座るという不条理劇。
文化の違いか、不条理劇故か、あまりコメディとは思いませんでした。
今回は不条理劇なので少々のわざとらしさは必要だと思いますが、過去のアンディ・ユーテックさんの演出作品を観て感じたことは、ベテランの役者さんを使っている割には演技がわざとらしいということでした。
しがらみから離れ、取り巻きから離れ、今一度役者選びを考えた方が良いのではないかと思いました。
満足度★★★★★
一人による芝居
一人による冒険活劇。
ネタバレBOX
これは何というジャンルかと言うと、まさに講談そのものです。講釈を入れながら何人をも演じ分け、若干の演技も伴っていますので、立体講談とでも呼べば良いでしょうか。
実在の海賊の、海賊になったきっかけからイギリス海軍と戦って死ぬまで、あるいは仲間たちと一緒に自由の国へ旅立つまでの話。
思ったよりも若い林(りん)さんの熱演でした。よくぞ正味2時間10分もの台本を覚えられるものだと感心しました。ヘソ出しルックも可愛かったです。
舞台装置も舳先とロープがあるだけの簡素なものでしたが、船乗り独特の結び方などがあって海賊船の雰囲気が良く出ていました。
演技については、客席と目を合わせないように注意しているのか、無理に上目遣いをしているように見え、自然体ではないような印象を受けました。第二幕の途中で水分補給をするシーンがありましたが、水を取りに下手に下がるときなどせっかくお客を甲板にいる船員たちに見立てたのですから、お客と目を合わせて少し体操をさせるなどの具体的な客いじりをすればいいのにと思いました。
前作は多人数でのお芝居だったようですが、過去にも一人による芝居が多く、本作のような立体講談を続けていると独特の口調が身に付いてしまうのではないかと少し心配になります。
最近の講談界は女性が多いので講釈師になるのも選択肢の一つかもしれませんが、それはさておいて、作演さんもあまり一人にのめりこみ過ぎないようにした方が良いのではないかとも思いました。
満足度★★★★★
芝居愛
若い演者二人の気持ちのこもったお芝居でした。
ネタバレBOX
それだけが原因というわけではないのですが、結果的にダブルブッキングとなり友人との二人芝居に出演できなくなったことについてきちんと説明しない内に彼が自殺してしまったことを悔いた蓮見が、彼の一周忌にしこたま飲んで急性アルコール中毒になり、昏睡状態の中で見た夢の様子。
地獄の入口で、罰と名乗る男が罪と名付けられた男にある戯曲集の演目を延々とやらせます。最初は罪という男に罪悪感は無く、戯曲集の作者についても何も知りませんでしたが、最後は友人との関係や彼のために蓮見が自費出版した戯曲集だということを思い出しました。
同じ劇団員でしたが、一人は退団、一人は残ったという関係の二人。どちらにしろ将来への不安はつきまとうもので、若い二人の演者そのものの気持ちに通じるのだろうと思いました。
初っ端のシーンだけは、どこかお披露目ぽくって、しかも歌まで歌うので気恥ずかしくなりましたが、その後は入り込めました。9.11で、何度繰り返しても父親を助けられないというSFの演目はどこかで観たような気がしました。
満足度★★★★★
最初ドキドキ
遠慮があったのかなという気もしました。
ネタバレBOX
選ばれてこなかった女が初めて選ばれたことで有頂天になり、自由奔放な発想と行動の男に主導権を握られつつ快楽を貪っていたものの、男もただの男だと気が付くと女の心は解放され、女の方がより自由奔放さに目覚めたという感じの話。
女は担任の教師、男は高校生ということで、禁断の恋というドキドキする刺激的な味付けがなされていました。
ノーリーズン、ノーリーズンと言いながら恋愛ゲームに没入していて、何かを考えようとすると理由は無い、一々考えるなと男子高校生から指示されてしまうのでコメントはしづらいのですが、女には姉と父親との近親相姦が背景にあり、いけないことと理解はしつつも自分が選ばれなかったことへの失望感が強く影響を及ぼしていました。男の方は父母の離婚問題という何とも陳腐な背景しかなく、あくまでも男はおこちゃまということがバレてしまい、最終的にはこの差がぶっ飛び行動の主導権を女が握る要因になったような気がします。
体を張った松本紀保さんは魅力的でしたが、そこまでかという感じもしました。高校生の恋人役の趣里さんはちょっと痩せ過ぎでした。
満足度★★★★★
スピード感
若さの魅力に溢れていました。
ネタバレBOX
小学校のクラスにおける判決次第では私刑が伴う学級裁判という名の虐めの被害者、加害者、怒りまくる親、翻弄される先生たちの話。
やや早口による台詞のスピード感が堪りませんでした。
ただ、ストーリーの発端となる話題で、悪賢いという意味での頭の良い子供が、転校に際してクラスメートからもらった手紙をその場で捨てたというのは解せませんでした。
特に前原瑞樹さんと中田麦平さんに将来性を感じました。