満足度★★★
長過ぎ
要するに人多過ぎ、でもそれだけでもなさそう。
ネタバレBOX
洋菓子屋の娘と和菓子屋の息子が恋仲になったことなどをきっかけに二つの派に分かれて対立する商店街の話。
2時間10分ぐらいでした。登場人数が多く、それぞれにエピソードを盛り込むとどうしても長くなります。冗長でした。
最初のダメよダメダメには呆れ果てました。中途半端に新しいギャグほど古臭いものはありません。痛かったです。あれだけ役者がいて、誰も指摘しないのか、指摘できないのか残念に思いました。不必要な裸ギャグも見苦しいだけでした。
満足度★★★★
『千年のセピラ』観劇
やっぱ立体講釈師
ネタバレBOX
紀元前のローマ時代、色々あって功績を讃えられ、大事な人を守るべくパイドパイパーという永遠の命を与えられた少女の活躍を描いた活劇風講釈一人語り。
下から上へ張り上げる独特の口調で動き回り、元気いっぱいさは伝わってきます。10分間の休憩を入れて1時間40分を一人で演じ切るのは大したものです。
同じ調子で誰が誰だか良く分かりませんでしたが、パイドパイパーに強引に繋げて行ったことだけは理解できました。
一人による芝居も劇団での芝居もそうですが、大声を張り上げるときだけ生かされる役者さんはどうかと思います。ま、宝塚の人も宝塚を辞めれば独特の口調をやめますからそれほど心配することもないのかもしれませんが。
満足度★★★★★
【透明な動物ツアー 】観劇
いくらでも可能性を秘めていると思いました。
ネタバレBOX
町を分解して田丁町(たひのとちょう)、そんな架空の町を作り、自然、施設、住人を設定して、その中で物語を作って思い切り遊びつつ、ストーリー展開は不条理劇風に冷静沈着に進行するような感じの物語。
外部の人間にとって住人の対応は不条理劇的ないらいらを感じるでしょう。
鉄塔に近づこうとしてもたどり着けない空間の歪んだ土地がある。透明な動物が本当にいて、触ることもできる。病気のせいか、人生に嫌気のさした警察官が透明な動物の皮を使って透明人間になり、そこら辺を逃避行するなどという設定も奇妙で素晴らしかったです。
渋めの萩原聖人のような人、アンガールズ山根のような人、南果歩のような人、役者さんたちも素敵でした。
可能性をいくらでも秘めていると思いました。面白かったです。
満足度★★★★
【赤間直哉バージョン】観劇
役者さんたちは技量があって素敵でしたが、一点集中し過ぎ、単調でした。
ネタバレBOX
ある男性のお通夜の席に集まった青年たちが、一時期それぞれの母親と結婚して父親だったことがあること、そしてその理由を知る話。
その男性はゲイで、子供を抱え困窮した女性を助け、結婚することで子供を可愛がる喜びを味わい、女性が新たなパートナーを見付けたり、自立する目処がつくと離婚するというようなことを何度も繰り返していたのでした。
まあいい話なのですが、とにかくゲイ、ゲイ、ゲイとうるさく、単調でうざい感じ、食傷気味になりました。
満足度★★★★
方向性
結局は活劇路線なんだなと思いました。
ネタバレBOX
不死の神の子を巡って千年に亘り獲得競争を続けてきた複数のキリスト教教団とイスラム教教団を描いた活劇。
最初のシーンで、おばあさんが棒読みで半音高かったことに引きました。大声を出す口調は活劇に合っているように思いますが、活劇口調が身に付くことの善し悪しについて少し考えました。
満足度★★★
不思議感覚
疲れました。
ネタバレBOX
『幼女X』 幼女強姦殺人事件を犯す人がいますが、身内にも幼女に執拗な関心を示す弟がいることが分かりましたという話。映像と文字とちょっと不思議なパフォーマンスで進行。
変態呼ばわりすることで収まるものなのか、エスカレートするのか。性犯罪の再犯性を考えると将来が心配です。嫌われ者の親戚のおじちゃんになりますね。
『楽しい時間』 結婚式の披露宴で、関係者が口からでまかせの挨拶をする話。
単なる口からでまかせなので不条理劇とも異なるのですが、不条理劇を観ていると考えれば楽しめたのかもしれません。いずれにせよ、二つ合わせて100分がものすごく長く感じられました。
満足度★★★★★
【Cグループ】観劇
素晴らしい構成でした。
ネタバレBOX
下手側は姉弟、上手側は兄弟の、二つの家族のエピソードを描いた話。
姉弟の微妙な情感、兄が漫画家になったきっかけを描きながら、最後一方の姉ともう一方の兄が婚約していたということで繋がったところが素敵でした。ふと、てがみ座『ありふれた惑星』を思い出しました。
70分という上演時間も優れた長編になり得る可能性を秘めた作品だと確信しました。
満足度★★★
そんなあ
あり得ないと思いました。
ネタバレBOX
好奇心の強い女性記者が取材の過程で自分の出自を知ることになり自殺する話。
自分は捨て子で、母が産みの母でないことを知って自殺するなんて、あり得ないと思いました。
満足度★★★★★
面白くて
センスがいい。
ネタバレBOX
船上お見合いパーティの話。
個性的美人が多く、顔の表情が良く、そして顔の表情を使った小ワザが面白く素晴らしかったです。
満足度★★★★
投瓶通信
読んだ順なのですね。
ネタバレBOX
映像作家の実生活と、かつて日本人が住んでいて、現在国境線が存在する島に島流しされた男女を描いたシナリオの世界を描いた話。
俊寛かと思いました。そして、どこだろうと思いながら観ていました。
アフタートークによると、初めて聞いた言葉でしたが、最後の緊急事態に瓶に手紙を詰めて意思を伝えようとする投瓶通信の面白さ、現実と虚構、境界線、水の侵食に象徴されるような境界線の曖昧さ、現実と虚構の一部分を同じ役者が演じたらどうなるかなどをテーマに作ったそうです。
男女を管理している日本の公務員のような男は国境線の向こう側にも行けるようで、話としてはチグハグさを感じました。そんなこともあって作家は途中で放り出したのかもしれません。映像作品としては中途半端で失敗でも、作家の挫折の情景を加えることで、舞台作品としては成立する面白さを味わいました。
投瓶通信という言葉は初めて聞きました。手紙は拾った人の物、書かれた順ではなく読んだ順というところが妙味です。別の女が読んだ弟が姉に当てた手紙も逆に読んでいたらその後の行動はどうなっていただろうと思いました。
お芝居もそうで、作家のアイデアが早い遅いではなく、観客は出会った順、観た順に感想を持つもので、出会わなければ感想もないわけです。
満足度★★★★
脳負担重い
舞台装置が面白いというか、役者さんたちの対応力が良かったというべきか。
ネタバレBOX
アパートの各部屋で起きた出来事がほとんど自分のことだったとは。
解離性同一性障害、所謂多重人格で、顔かたちや性格が違う各部屋の住人を一人と考えるのは至難の業で、私の脳には負担が重いです。誘拐され、誘拐しについても、役者も変わるし誰が誰やら。
作家の娘さんが丁寧に説明してくれましたが、種明かしに時間を掛けてくれましたが、難解でした。
舞台上には回転する舞台が三つ、中央の円状の舞台にはさらに二個の回転する舞台があって、役者さんたちが移動するときに回転するアパートの壁の部分とかによくぶつからないものだと感心しました。
満足度★★★★
素晴らしかった
のですが、知らなきゃ良かった、アフタートーク聞かなきゃ良かった。でもいずれ分かったことだとは思いますが。
ネタバレBOX
お座敷列車の脱線事故で子や親を失った二組の家族が、精神的治療の一環として医師の勧めで一つの家族として暮らしたものの、最後とんでもなく破綻するというストーリーに人種問題を絡めた話でしたが、関西の人にとって福知山線脱線事故のことは常に頭に重くのしかかっていて、あの事故をモチーフにしたお芝居が作りたいんだなと思いながら、劇団鹿殺し『電車は血で走る』を思い浮かべつつ観ていました。
そうしたら、作者の有田杏子さんは劇団鹿殺し所属と言うではありませんか。『電車は血で走る』を全く知らないはずはなく、アフタートークの途中からテンションが急激に下がってしまいました。
満足度★★★★★
生々しい
今、初演のときの自分のプレビューを読んで、ああ観劇前に読まなくて正解だったなと思いました。
新鮮に驚きました。
ネタバレBOX
演劇の世界に入り、実家から所謂勘当され、今は脚本家になった長男が、妹を説得して母親を泣かせないという約束を口実に、父の死後少し惚けた母親に、不動産は母親が相続するというでっち上げた遺言書を読み上げ、母親を安心させるとともに既成事実化させ、相続排除の状態から千万単位の相続が将来得られるようにシナリオを仕立て上げたという話。
働き詰めの父親と世間体や家庭内秩序にうるさい母親、思うように育たない子供たち、適度に回想シーンを交えながら、どこにでもあるような家族の、私のどこが悪かったのでしょうか的な話からの急展開は素晴らしかったです。
そして、驚きなのが、その背後にさらに優秀なシナリオライターとも言える長男の嫁の存在があったことでした。ずーっとおとなしく猫をかぶって存在感を消していた状態からの終盤の変貌振りはさすがでした。
ただ、公証役場に保管されていると読み上げたのはどうなんでしょう。父親の知人には頭のいい人が揃っていますから真相にたどり着くかもしれません。
まあ一般的に言われているフレーズではありますが、演劇に全く関心のない母親が、いい本書いてるのなどと言うのか疑問に感じました。素人なら台本とか脚本とかシナリオとか言いそうな気がします。
満足度★★★★
好き放題
役者さんはこれからの人が多いと思いました。
ネタバレBOX
同僚教諭が撃たれ、警察の協力要請もあって調査する保健室の先生の話。
保健室に出入りする生徒たちから話を聞いて推理する安楽椅子型探偵かと思っていましたが実践派でした。保健室を放っておいていいのかいと思いましたが、細かいことは気にしないというエンディングの歌で救われ、そうだそうだそうしようと思いました。
黒の教団と誤解しただけで、黒の教団は出てきませんでした。シリーズはまだまだ続くのでしょう。
満足度とは期待値に対する結果の割合です。超低予算ナンセンスコメディ、日本よこれも演劇だと言われると、分母も小さくなろうってもんです。
満足度★★★★
成り上がり者の顛末
ありがちと言えばありがちですが、そう来たかという感じでした。
ネタバレBOX
戦後闇社会と政財界に通じて興行の世界で成り上がったものの、興行界から暴力団が排除される時代となり陰りが見えたところで航空機導入に伴う贈収賄事件の現金運搬役を担わされ、事件発覚後トカゲの尻尾切りよろしく殺された鯨井紋次という男の波乱万丈な一代記。
美空ひばりの地方興行、田中角栄、越山会の金庫番、ロッキード事件などを思い浮かべながら観ました。
窓を開けたばかりに、アリバイ工作が成功したと喜んだ途端スナイパーに撃たれ、お気に入りの言葉、お金がなければ愛する時間もないというマリリン・モンローの台詞を聞きながら息絶えるシーン、ありがちと言えばありがちですが、ああこれがやりたかったのかと思わせる見せ場でした。
ただ皮肉なことに、彼はお金があっても愛は買えない人生でした。
チンピラから政治家、プロレスラー役まで色々やった玉置孝匡さん、どれも様になっていました。18歳の黒島結菜さんは魅力的でしたが、台詞回しは及第点にわずかに及ばないという感じでした。
満足度★★★★
<チョキチーム>観劇
忘却や教えてあげることもまた楽し。
ネタバレBOX
劇団鋼鉄村松 『滅亡のコメディア』 冗談で核のボタンをつい押してしまった合衆国大統領と報復のボタンを押すかどうか躊躇する連邦書記長の話。
恨みの連鎖は断ち切るという究極の選択をしたハゲで額にシミのある書記長はいい奴でした。いい話でした。ボタンを押さないことを決心した後にも核のボタンの付いたヘルメットが書記長のそばに置かれていて、巨漢の人もいたりして、何かのはずみで押してしまうのではないかとひやひやしました。準優勝でしょう。
スズキプロジェクトバージョンファイブ 『隠 ザ クローゼット』 マンションの一室に隠された麻薬を巡るドタバタ劇。
重体の彼を想う彼女に対するラストのオチは良かったです。
満足度★★★
なんだかなー
ただバタバタしていた感がありました。
ネタバレBOX
神の作った人間世界と鬼が泥人形に彩色して作った人間世界が20年に一度行き来できる町で、不治の病の息子を時の流れのスピードが遅い鬼の世界に預けた母親の話。
多くの子役を使うことで親御さんたちの動員を図ろうとする企画かと思いました。子供の観客が多いこともあってか、途中で模造紙を使って状況を説明する場面もありましたが、それならばもっと分かりやすくすべきだと思いました。
20年振りに現れた子供が関西弁になったと突っ込んでいましたが、そんな楽屋ネタは余計です。自己満足ダンスを延々と見せられるのも辛いものがあります。
満足度★★★★
緊張感
人は見掛けによらないものです。
ネタバレBOX
DVの父親が死に、集った娘たちの話。
何があっても良いのですが、人身売買的な話が銀行員の口から出てきたことに、土地柄なのか、いくらなんでも今日ならそんなことはないだろう、警察に行けよと、異様さに驚きました。
頭を打ってバカになるのも、何があっても良いのですが、そうなんだと思いました。
舞台上に遺体が寝かされているという設定は緊張します。ただ、いくら嫌いな父親でも死体とは呼ばないと思いました。
満足度★★★★★
<パーチーム>観劇
良かったです。
ネタバレBOX
モーレツカンパニー 『にこにこたまたま』 劇団にこにこたまたまの練習風景から本番にかけての騒動を描いた話。
前提に少し無理くりがあるかなと思います。
アガリスクエンターテイメント 『七人の語らい/ワイフ・ゴーズ・オン』 二人の妻を持って二重生活を送る夫のドタバタ劇を描いたクーニー風のワンシチュエーションコメディかと思いきや、演じている役者たちが進行の途中で都合良すぎるシーンや差別的シーンを都度合議制で見直していくというワンシチュエーションコメディ。
小劇場界でワンシチュエーションコメディといえば矢吹ジャンプさん。彼を使ったところがまず高得点。二層構造の発想は素晴らしかったです。差別発言的セリフに注釈を付けるところなどはこの劇団らしいと思います。もう一人妻がいたというオチは最高でした。ずばり優勝候補でしょう。
満足度★★★★★
職業倫理
めったに演じられない作品を、偶然にも7月と8月観ることができました。
ネタバレBOX
やはり、妻の父親が娘と生まれてくる孫に相続させようとしていた全財産を温泉の株を買い漁り、株券に変換してしまったところが素晴らしい脚本だと思いました。
妻を通して自分および家族の暮らし向きが左うちわ状態になるという恩恵を受け入れるか、そんな美味しい話を拒否するか、それまでは社会正義、職業倫理を論じて展開するだけで済んだものが、一気に欲の皮と直接繋がるわけですから、本音丸出しが当然で非常に重たい選択になります。
義父と結託した出来レースと勘ぐられ、そこそこのゆすりを受け続けることにもなりかねないとの考えもありましたが、主に医師としての力量で細々となら家族を支えられるとの判断から義父の思惑を断りました。
最初はちょっと自画自賛で調子に乗り過ぎた面もありましたが、社会正義、職業倫理を貫きました。立派でした。