満足度★★★★
法則
久し振りの初音映莉子さん、嬉しかったです。
ネタバレBOX
英国の大邸宅、大庭園に通じる一室で、天才少女トマシナがとある法則を考察した1809年の様子とその事実を発見するに至る現在の人たちの様子を描く話。
何か庭に関すること、池と橋の絵があったので一筆書き問題、あるいは何色かのブロックが接触しないように配置する法則のようなものでも解決するのかと思いながら観ていましたが全く違っていました。蒸気機関エンジンの効率を理解し、不可逆的な熱伝導の法則を理解し、宇宙は滅亡すると考察したのでした。
エントロピー増大の法則は知っていましたが、この宇宙が滅亡するというところまで繋がっている法則だとは知りませんでした。衝撃でした。
太陽の核融合反応が進むと将来地球に人が住めなくなると思うだけで憂鬱になる私ですが、彼女は明るくダンスをしました。
引きこもりのような性格の少年もいましたが特にストーリーには関係なさそうで、話の幅が膨らむところはあるのでしょうが、登場人物の名前が覚えにくいことも相まって全体に分かりづらい相関図でした。
リアルな舞台装置だっただけに、庭を走るときに床が響く音がしたのは少し興醒めでした。
満足度★★★★★
『戦争に行って来た』『その好きは通らない』観劇
二作品の組み合わせ故の面白さを堪能しました。
ネタバレBOX
『戦争に行って来た』 人質になった経験を持つメンバーがいる反戦団体が、夫婦デュオに反戦歌を依頼したことで、メンバーたちの本音がにじみ出てくる話。
人が増え続けているから戦争はなくならないという一刀両断さも面白く、また主義主張に矛盾すること云々よりも、そこを争点に売上からの収入割合を有利に交渉しようとする反戦団体の金に対する汚さ、で、結局は武器マニアの成れの果てもいたのかなどの本音が出てくる面白さがありました。
『その好きは通らない』 会社の喫煙ルームで恋バナなどを話す喫煙者たちの様子を描いた話。
タバコの銘柄から社員の性格や恋愛嗜好を考察し、社内の不倫をあぶり出す展開もさることながら、『戦争に行って来た』に出演した8人がそのまま出演し、やくざは物分かりのいい上司を、少しおどおどした職員はきちんと自己主張する若手社員をなど、どのような風貌や性格でも役者は演じ分けることができるということを示してくれたことが面白かったです。
満足度★★★★
なんちゃって
なんですね
ネタバレBOX
何かやらかしたい中堅女優と上昇志向の強い若手男優が夢を語り合う中で伯爵令嬢と下男の恋という禁断のシチュエーションを使ってエチュードをやってみた結果、今回は落ちるところまで落ちたので次回は別のパターンでやってみようねってな感じで破滅の恋ごっこを終える話。
雛形あきこさんの少し臭めの芝居もエチュードだと思うと許されるのは得ですね。
伯爵家が火事になっても誰も助けないというのも変だなと思いつつ、またオーバーザレインボーを口ずさむ時代の伯爵家なんだと思いつつ、これもエチュードですから仕方ないですね。
黒子は歌舞伎風な黒子でしたが、顔出しなど気にしないで黒っぽい服を着た役者さんが普通に手助けすれば良いのではないかと思いました。
満足度★★★★★
ガハハハ
笑いました。面白かったです。
ネタバレBOX
デスノートならぬ悪魔がわざと置いたのか、少しずつ書き込まれていくデステクストとも言えるような台本を拾った劇作家と、その作家に依頼したばかりに結末が届かず右往左往する劇団を扱ったドタバタコメディ。
俳優陣は超一流とは言えませんが、それぞれの役をしっかりこなしていました。変声のアイドルや巨乳アイドル、精神的に弱い演出家など個性豊かで面白かったです。
先日一人芝居と言えない一人による芝居を観た身としては、スタート時における作家の一連の動きを見て、これこそ一人芝居だと思いました。
芝居の合間にダンスを適当に挟むことの自虐的コメントとしっかりしたダンスとのギャップにも笑いました。
さんざん散らかし過ぎたため、ラストは夢オチのような形で終わったのは残念でしたが、途中面白かったので、ま、仕方ないかと許しました。
満足度★★★★★
やはり凄い!!
いつものことですが、これぞエンタメ演劇です。
ネタバレBOX
かぐや姫、浦島伝説、不思議の国のアリスをモチーフに、地上に住めなくなると分かっていた人類は昔から月探査や海洋探査を行い、現在は地上に人は無く、月に住む人類と海底に住む人類、そして地底には王国が存在する状態でそれぞれが抗争する話。だったのですが、地上に人が住めなくなったのは原爆のせい、それを呼び込んだ戦争責任は天皇にありというところへ展開していくストーリー。
いつも思うことですが、スピード感があって、楽しくて、役者も生き生きと楽しそうで、衣装が素敵で素晴らしかったです。
特にペラペラ感のないふわっと丸みを帯びた衣装技術はゆるキャラ事業に進出できるのではないかと思えるくらいです。
満足度★★★
ふーん
そうですかー
ネタバレBOX
男性が女性の部屋で死んでいた事件を軸に、これは人生に疲れたときにおっぱいに触れると癒される男性が、いきなり触らせてと言われて驚いた女性に正当防衛的に殺された事件と判明しましたが、嫌いな奴に告られるのは常に嫌だといった小ネタや、会話の最中にお互いが同じ言葉を発してときに、ハッピーアイスクリームと言った方が優越感を持てるという文化があるらしいという小ネタを織り交ぜた話。
初めて聞いてそうですかーって思いました。
緩さは感じましたが、それもそうですかーって程度でした。
満足度★★★
一人による芝居
立体講談ではなく、どちらかと言うと志の輔らくご『歓喜の歌』風でした。
ネタバレBOX
ブルータスに憧れて、メディチ家の暴君公爵を殺すために公爵に取り入って弟分になった若者が、自分の姉に手を出そうとした機会を捉えて公爵を謀殺する話。
主人公の心の描写に力を入れていたので一人芝居に近いものはありましたが、私の尺度では本作はやはり一人による芝居でした。動きも少なく、いわば志の輔らくご『歓喜の歌』のような形式でした。
女癖が悪いのは分かりましたがそれだけではないでしょう、公爵はなぜ暴君と言われ民衆から嫌われていたのか、そもそもの殺害動機となる当時のフィレンツェの様子がもう少し分かればと思いました。また、題名にある暗殺者というイメージからすると、殺害する機会はいくらでもあったのにその都度その都度なぜ殺さなかったのかと不思議な気がしました。
満足度★★★
【結末☆version】観劇
音響は良かったです。
ネタバレBOX
闇の者が触れると魔力が生じるような禁書を回収するために探し歩くバチカンの秘密職員が遭遇した話の一つ。
音響は良かったですが、薄暗く全員が黒い衣装で、若い人たちは誰が誰か識別困難でした。舞台背景も陰鬱として良かったのですが、お花畑とか昆虫をガラス状の物に封じ込めるとか、昆虫を食べるとかのシーンでは全く小道具を使わず、台詞による説明だけに対しては不満でした。
満足度★★★
【Aチーム】観劇
久し振りに学芸会風演劇を観た思いです。
ネタバレBOX
魔法があるから戦争が無くならないと思った未だ魔法が使えない魔法使いの若者が、最後魔法を使って世界から魔法を使えなくした話。
どことどこが戦争しているのか、人間と人間の戦争だとは思うのですが魔法使いがどのように関わっているのか、戦争の当事者がよく分からず全体像が掴めませんでした。
ヒーローとヒロインは、こうすれば感情表現ができるとでも思っているのか力をこめた泣きまねのようなしゃべり方をしていました。メンバーの中で一番年長と思われる人は今度は能面のように感情が無く、また別の人はハングル訛りがひどくて聞きにくく、まさに学芸会のようでがっかりしました。
ただ、魔法が無くなっても、武器があって戦争は無くなりませんでしたというオチは面白かったです。
満足度★★★★★
人生
ああ、また同じことの繰り返しですか。
ネタバレBOX
仕事に慣れると余裕ができて他人の評価がよく聞こえてくるようになって、今度はそれが気になって精神的に参ってしまう中年男の転職人生みたいな。
リズム感がありました。
先輩の若者もそうであったように、この男もまた前職同様この仕事に慣れてしまったようです。悲哀が伝わってきました。
15分で仕上げる、ラブホテルの清掃の仕事内容がよく分かりました。
満足度★★★★★
熱い!
このためにだけ楽器を始めた人がいたというのが凄いです。
ネタバレBOX
廃校の危機にある創造館高校で、校長の支援もあって野球部とブラスバンド部が部活動の成果を示すことで入学希望者を増やそうと奮闘する話。
新入生がゼロということを新学期初日に知るなんて、そんなことあるかいって思いましたが、それぞれの部で色々問題もありながらも何せ熱くて、実際に演奏までして、気持ちが伝わってきました。
満足度★★★
『全 員 彼 女』観劇
確かにそうだけど
ネタバレBOX
『全 員 彼 氏』の男女裏返しバージョン。
確かに同じプロットで性別を逆転させての二本立てとは説明書きにありました。女優が多いところ、また理想の女性像が背が高いところなどクスッとさせる面白い部分もあるのですが、女優陣は基本主人公の心情を描くに当たっての存在であり、男女が変わっただけの全く同じストーリーでは、私にとっては観るだけの価値はありませんでした。
満足度★★★
問題提起
悩ましい問題ではありました。
ネタバレBOX
特殊な抗体を持つ男が提供先の男たちに清く正しく一生懸命な生き方を求めるが故に起きた事件の話。
上演時間が短く仕方ないのかもしれませんが、犯人がすぐ分かってしまい、興味が削がれました。それでも、抗体の有効期間には寿命があり、死刑よりも生かしておくことの方が良いのか、罰として抗体を取り続けるとしたらそれはそれで人権的にどうなのかと、その後の問題提起の展開に興味を引かれました。
満足度★★★★
『全 員 彼 氏』観劇
全員彼氏ということは女性が主役ということでした。
ネタバレBOX
不倫っぽいのから新しい出会いと別れ、そして腐れ縁的友人との新たな展開へと進行するフリーの女性雑誌記者の恋愛事情を描いた話。
『全 員 彼 女』だけ観ようかと思っていました。『全 員 彼 氏』は女優は一人だけですが、その女性の女心が表現されていてむしろこちらの方で良かったと思いました。
理想の男性像がすらっとした長身の男ということで、そうなんだーと、分かり易い演出にクスッとしました。
満足度★★★★
『北限の猿』観劇
二本立て公演としては観たくありませんでした。
ネタバレBOX
『カガクするココロ』から数年後の研究室の話。
学食の小麦粉をこねて作ったテリーヌの話など、後に続編として観るとデジャブ感があってクスッと面白いのかもしれませんが、少なくとも二本立て公演となると、あまりにも似過ぎていて面白くもなく、逆に興ざめでした。
類人猿ボノボはそこそこ進化して発情期がなくなり常に乱交状態。前作で女子高生を妊娠させた研究者はまた学部の学生を妊娠させるし、類人猿が進化してもとりあえずはこんな人間に近づくのかと思うとあまり嬉しくありませんが、でも、このことによってその後一気に進化が進むのかもしれませんね。
満足度★★★★
『カガクするココロ』観劇
定番っちゅえば定番
ネタバレBOX
遺伝子操作と教育によって類人猿に知性を持たせようとする「ネアンデルタール作戦」を行っている研究所の話。
定番の定点観測物。
特殊な職場ではあるものの普通の人の日常会話です。無理にジョークを言う必要はありません。面白いことを言おうと口にしたジョークは全く詰まらないものでした。
実験段階で大きなトマトが成功している世界は現実感があり、あながち夢の話というわけではありません。しかし、人間の方は、失恋による騒動があったり、ストーカーまがいの行動があったり、家庭教師で教えている女子高生を妊娠させたりなど、相変わらず進歩はありません。
満足度★★★★
心のすき間
お埋めしますってか
ネタバレBOX
閉じ込められた人たちは足りないところをお互いに補い合う形で解決。ただし、一人の男性は娘を亡くした事実を受け入れることで立ち直るという話。
ロープで立方体を表現し、それを使ってのダンスパフォーマンスは見応えありました。
ただ、なぜ閉じ込められたかなどは謎のままでした。
満足度★★★★★
それらしい
雰囲気でした。
ネタバレBOX
パチンコ依存症の母親に振り回された娘たちや周辺の人々の話。
パチンコ依存症だけでなく、離婚したにも拘わらず元夫の家に娘に会いに行くなどの無頓着さを見ると、発達障害もあるのかもしれません。上手い演技でした。
清原事件その他で依存症を根治することの難しさについては昨今知られつつありますが、周囲のひとたちがだらしなさを責めたり、やめればいいのにだけで済ませていたのは若干気になりました。
流産は悲しいことですが、長女に新たに赤ちゃんができて良かったですね。次女は母恋しさで縁が切れない状態がしばらく続くのでしょうか。
満足度★★★★
やや意味不明
また巡回してきてください。
ネタバレBOX
出演順はガチャガチャで決められました。【短距離男道ミサイル】が三番手になったのは偶然か仕組まれていたのか分かりませんが、先の【オレンヂスタ】と【コトリ会議】が静かめで少し難解な内容だっただけにこの順番が最適だったと思いました。
短距離男道ミサイルはずばり出落ちの裸芸でした。
満足度★★★
日々
努力と才能
ネタバレBOX
太宰治の「女生徒」をモチーフに、夢を忘れた女性が思い出した、中学生時代のとある一日、日常を描いた話。
太宰治「女生徒」らしい情景でした。
彼女は美術を目指していた同級生とずっと交友が続いていたようでした。高校、大学は違っていたかもしれませんがそれでも同級生の才能や努力を日々目の当たりにしていたはずです。20代半ばの今になって急に私も美術を目指せばよかったと思ったり、美術に目覚めたりしたことには違和感を覚えました。