雨模様の観てきた!クチコミ一覧

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光子の裁判 ★ご来場ありがとうございました。

光子の裁判 ★ご来場ありがとうございました。

青年団若手自主企画 渡辺企画

アトリエ春風舎(東京都)

2010/11/30 (火) ~ 2010/12/07 (火)公演終了

満足度★★★★

分かった気になるとガツンとやられる!
という感覚良く分かります。

ネタバレBOX

名前は波乃光子、そうなんですね、光は波であり粒子である。題名が「波乃光子の裁判」だったらもっと分かり易いのではないかと思いました。

見ていないときは波のように振る舞い、見ているときは粒としてキャッチすることができる…、光子が台に乗ったり下りたりしたときの様子で雰囲気が理解できました。

アフタートークでゲストの日大島田先生から物質と光の話があって…、物質である電子は物質だけど波の性質を持つ。光である光子は波と思われていたが粒子の性質を持つ。ああ、物質と光は違うのか違わないのか、境界があるのか無いのかあいまいですね。

で、分かった気になるとガツンとやられるです。

ところで、島田先生も不条理という言葉を使っていて、私もそうだなあと聞いていましたが、本当に不条理なんでしょうか?!

光子の性質は、「矛盾しているように感じる」ということですよね。理解しづらいけれど、理屈は通っているんでしょう!!そうだったら不条理とは言わないのではないでしょうか?!

単純に不条理でまとめ上げてしまうのは危険だと思うのです。

『そうやって放り出されたものに私はいちいち立ちどまる』(2009年11月、王子小劇場、渡辺美帆子事務所)の中の一編、『雪の上の足跡』の三つで消えた足跡はさてどちらでしょうか!?

また、分かり易く説明しようとしたのかもしれませんが、島田先生が聖書を引き合いに出したのにはがっかりしました。
ロゼット

ロゼット

Habanera

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2010/12/03 (金) ~ 2010/12/08 (水)公演終了

満足度★★★

ある女性の友情の話、
こんな関係、私なら続かないなあというのが実感。

ネタバレBOX

強がりの女性と、開けっ広げの女性の友情の話。開けっ広げの女性は高校のときから何でも話したり相談したりするのに、強がりの女性の方は何も相談しないとか…、

事情はあるにせよ、パートじゃパートナーとも言い難いし、私なら続かないなあ。

パートが辞める日の夕方に、強がりの社長もこれからも居てと言って、今後は色々相談しそうな感じで友情が修復されたようなエンディングでしたが、何か取ってつけたような感じは否めませんでした。

新規事業のアイデアはどんどん出てくるのですが、今やっている園芸関係の仕事がそれほど具体的に描かれておらず、地に足が着いていないという気がしました。パートの提案には、そんなの既に誰かがやっている的な発言をしていましたが、本業だってみんながやっている仕事でしょ!

ところで、高畑こと美さんは高畑淳子さんの子供ということで注目して見ていました。やる気のなさが顔に出ているところ(役柄ですよ)やチースと言う口調、誰かに似ていると思っていましたが、今思い出しました。ホチキスの村上直子さんでした。
新浄瑠璃 朝右衛門

新浄瑠璃 朝右衛門

劇団扉座

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしい脚本!
朝右衛門の筋の通った生き方と一人の女性の怨みつらみが交錯する展開に加え、浄瑠璃らしい筋書き、シーンがあったりして、とても素晴らしい作品でした。

ネタバレBOX

やくざ者があの赤ちゃんだった金坊と分かったあたりから、数奇な運命と出会いの妙にこれぞ浄瑠璃の世界だなと感心しました。

二人がかり、三人がかりで罪人を押さえつけるシーンなどは、まさに人形を操っているようでした。

アンサンブル全員による浄瑠璃語りも迫力があって雰囲気が出ていました。

朝右衛門の「人を切るのではない、罪を切るのだ」、そして岡っ引きに冤罪の恐ろしさを身を以って知らしめた行為に感動しました。

この作品は逆に、新作浄瑠璃に起こしてもいいのではと思います。久し振りに国立劇場に行きたい気分になりました!
ヒーロー!

ヒーロー!

劇団YOROZU屋(本店)

MAKOTOシアター銀座(東京都)

2010/12/03 (金) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★

おいおい、ホントにそれでいいの?!
ヒーローは何となく草食系でしたね。

そして、それよりも何よりも私が指摘したいのは…、

ネタバレBOX

毒を以て毒を制す。

ヒーロー役の俳優が育った施設の借金の形に暴力団系プロダクションから自分のところへ移籍するように迫られているのを知り、上部団体の暴力団がその威光を傘に助け、そして俳優とオフ会のみんなは感謝して喜び合う…。

そういう話なら、それはそれでいいのですが、このお芝居全体の雰囲気からすると、ヒーロー役の俳優の悩みを解決し、明るく楽しい大団円を迎えるというのが趣旨なのではないですか。

やくざにいじめられたときには別のやくざに助けてもらうでは、反社会勢力を排除するという社会全体の努力が台無しになってしまいます。この結末では反社会勢力を肯定することになり、俳優は暴力団との黒い交際を持ってしまったことになります。

ホントにこんなことでいいんですか??

そもそも今ではテレビに出るような俳優が所属する暴力団系プロダクションて存在するのでしょうか?!テレビ局だって取引するに当たってスクリーニングをかけているでしょう。

私にとっては後味の悪い終わり方でした!
ZOMBIE(ゾンビ)

ZOMBIE(ゾンビ)

INUTOKUSHI

早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都)

2010/12/02 (木) ~ 2010/12/12 (日)公演終了

満足度★★★★

怖いですねー、面白いですねー!
うわー、あれはやっぱりお約束なのでしょうか!!

ネタバレBOX

拓殖大学アメリカ文化研究会…、帰国子女たちで作ったアメリカホームドラマ風の生活スタイルで過ごすサークル。言ってみれば、なだぎさんと友近さんがやっていたコントのようなもの。いいですねー、このサークル。

そして、このサークルをゾンビが襲うホラー。

この物語のゾンビとはオタクの執念が乗り移ったような性格で、自己中心的で自分の興味のあることを押し付けてくる化け物。

元々はプラモデルオタクが駆け落ちした後も自己中心的で夫婦関係を築けなかったことが原因なのですが、駆け落ちの二人が声を張り上げながら登場する冒頭シーンを見て、つい先日の『演劇入門』を思い出していました。

逃げたり、戦ったり、ゾンビにされたり、バズーカを持った男が裸になったり、ム…、なんのこっちゃー!!

心が通じ合わない人はそれぞれがお互いゾンビのようなもの…、社会でも、家庭でも。私たちの周りにもゾンビが存在する…、ヒェー!!

そして、私も!!
想い出パレット~ぬぷぬぷ高田馬場編~【旗上げ公演無事に終幕致しました!ご来場まことにありがとうございました♪】

想い出パレット~ぬぷぬぷ高田馬場編~【旗上げ公演無事に終幕致しました!ご来場まことにありがとうございました♪】

タマコロ

高田馬場ラビネスト(東京都)

2010/12/02 (木) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★

女性ばかりで嬉しい!!
女優さんだけのお芝居。女優さんたちがそれぞれ個性的でイキイキとしていました!!

ネタバレBOX

物事の機微を知らない経験不足の女流漫画家が何をどう描いたらいいか悩んでいたときに実家で見つけた絵日記…、十数年前の具体的な出来事や遊び、当時の人間関係が一気に思い出され、漫画家としてのこれからの方向性が掴めたと確信する話。

絵日記が出てきたときから、ちびまる子ちゃん誕生秘話のような展開が予想されました。

思い出の内容は、原作が『男の60分』というだけあって、殴り合いのけんかをして仲良くなったり、秘密基地で遊ぶなど男の子のエピソードのようでもありました。

男の演出家らしく、ところどころ水着(っぽい)シーンや着替え(っぽい)シーンを入れていましたが、どう必然性を言い含めたのやら…!?

それでも、皆さんとても楽しそうで何よりでした!!
測量

測量

タテヨコ企画

笹塚ファクトリー(東京都)

2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★

三姉妹、頑張って!
山奥の土地柄と三姉妹の心の交流が温かく描かれていました。これからも色々あるでしょうが、頑張ってほしいと思います。

ネタバレBOX

格子が配置されていて宿屋の雰囲気が出ていました。また天井からは垂直を測るための尖った錘が心に突き刺さるようにぶら下がっていて、測量というテーマを意識しました。

家を離れ東京に行き、カメラマンとしてのキャリアを積んだ次女役の桑原裕子さんの照れたり、なじんだり、怒ったり、しれっとしたりの表現が光っていました。

なんやかんや言っても宿屋を営業し実家を守っている長女が一番偉いのに、たまに帰ってきた次女が口を出す…、世間でも良くある光景ですが、「あんたは自分の都合のいいときに帰ってくる」でぎゃふん、…かと思いましたが、あまり堪えていなかったようでした。いったんへこんですぐ立ち直るのが次女です。

長女に育ててもらっているという恩義はあるものの母恋しさの三女の気持ち、次女から始めた仲直りの握手で長女と三女も握手して三女の気持ちが落ち着きました。良かったですね。

気真面目な性格が後先考えず行動してしまうアシスタントの存在も良かったです。相手との距離感が掴めない、ここで測量が出てきたなって思いながら観ていました。蛇奥様のくれた飴を舐め、一人だけ妄想を見ていたような設定も、味付けとして最高でした。
バウンティハンター

バウンティハンター

演劇企画集団LondonPANDA

王子小劇場(東京都)

2010/12/01 (水) ~ 2010/12/05 (日)公演終了

満足度★★★★

グッドアイデア!
チラシは何かの決意、お芝居はお芝居。面白いサスペンスでした。

ネタバレBOX

現在の賞金稼ぎの話。逃走犯の逮捕に繋がる情報を警察に通報することで報奨金を得るという商売、主人公バカ男の思いつき、面白いアイデアです。

逃走犯の情報と彼らの情報が結びつき、逃走犯の背景も見えてくる過程はスリルがあってワクワクしました。

ただ、刑事が警察手帳を提示しなかったので、その時点でニセモノかと思ってしまい、その疑問がずーっと尾を引いていたため刑事の背景も予想できてしまいました。

下手には大きなシャッターがありました。単なる作り物かと思っていました。そして、全体として下手側はあまり利用されていませんでした。友人が意識的に下手に行ったりしていましたが、主人公は上手ばかりでした。

最後シャッターを開けて出て行くために、それまで敢えて避けていたとも考えられますが、全体としては動きの少ない単調なお芝居に感じました。

ところで、長い物に巻かれることに納得できない主人公の男意気はどうなるのでしょうか。空回りするだけで殺されてしまうのかもしれませんね。
演劇入門

演劇入門

青年団リンク 本広企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/12/13 (月)公演終了

満足度★★★★

『演劇入門』という題名から、
何となくこれから勉強するんだというような緊張感もありましたが、全くそういうことではなく、本作品の脚本家岩井秀人さんの演劇経験を描いた話で、とても楽しいお芝居でした。

ネタバレBOX

新派系の大袈裟で抑揚のある七五調のお芝居や、学生系のがなり声のお芝居に違和感を覚え、青年団の自然な口調や、しゃべる人としゃべらない人全体で伝える手法と出会い、腑に落ちて現在に至るという話。

アフタートークで、金髪、青い目の大袈裟なお芝居を、如何に馬鹿にしないで演じるかに注意したというようなお話をされていましたが、本当かなと思いました。冒頭のツカミだし、パロディ自体にそういう気持ちが含まれているのではないかと思いました。

ところで、抑揚のあるしゃべり方を不自然と考え抑揚を抑えるしゃべり方がありますが、逆に平坦過ぎるのも不自然ですね。

平田オリザ『東京ノート』で、「赤ちゃんができたの」、…、「嘘」、の台詞練習のときに、女優に「妊娠しているか、していないかを知らない前提でしゃべってみて」という言い回しに不思議な印象を受けました。本人が知らない訳ないですからね。

要するに、妊娠に気付き男に迫ってみたのか、あるいは自分に気があるかどうかカマをかけたかの二つのパターンをやってみたかったということでしょう。

オリザさんの人形はそっくりでした!

岩井秀人『て』で、娘婿が離れた畳を跨ぐような形で正座していたのは、微妙な立場を表現していたのでしょうか、痛くないのかなと心配になりました。
それはアカン!

それはアカン!

演劇集団アーバンフォレスト

劇場HOPE(東京都)

2010/11/30 (火) ~ 2010/12/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

意外性もあって面白い!!
目的・真意は何か、どんでん返しありありで面白かったです!

ネタバレBOX

一人だけ素人を混ぜるとリアリティが出てくる、確かにそうですね。

小劇団の役者を雇うのもリアリティがあります。

最初の頃の集められた人々の会話シーンは少し長かったかなという気がしました。また、台詞がかぶったところもありましたが、美しい人は美しく、可愛い人は可愛く、面白い人は面白くて、皆さん芸達者でした。

それと、日替わりゲストが出てきての役者いじりで変に中断されることも無くスッキリしていました。本編中の役者いじりは面白かったですよ!
“P”s (ピース) ~Wings to fly~

“P”s (ピース) ~Wings to fly~

劇団め組

吉祥寺シアター(東京都)

2010/11/26 (金) ~ 2010/11/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

史実を伝える意義は大きい!
BC級死刑囚の怒り、諦めの心情が強く伝わってきました。

若い教誨師の成長物語でもありました。

ネタバレBOX

嘆願書を出した二人の明暗は辛いですね。似ているだけで死刑とは、そして、一人だけ嘆願が認められたのも。

最後に吸ったタバコですが、両切りのように見えたので終戦後まもなく発売されたピースかなと思いました。で、題名にも繋がっているのかなと思いましたが、箱の色は違っていたようです。

最終的に遺書は持ち帰ることができたのでしょうか。没収されていたのかもしれません。それでも気持ちを落ち着かせる意味はあったし、遺族に伝えることはできますね。

ところで、遺書を読み上げているときなどに映像で流れた銃後の女性たち、衣服はそれなりに戦中戦後を意識していたとは思いますが、しかも背景の壁に映しただけのよく見えない粗い画像でしたが、それでもなぜか今風の現代女性って感じを受けてしまいました。

なぜだろう?肌が綺麗すぎるのかな。髪質もリングができるくらいにストレートで美しすぎるのかな。髪型もちょっと違うのかな。眉が細いのかな。セーラー服の素材・質感が良すぎるのかな。帯の締め方も当時と違うのかな。デートしたときの笑顔を交わした思い出の場面とはいえ、笑顔の質が違うのかな。現在の鉄柵が写り込んでいたからかな。

言葉を聞くだけで銃後の女性たちの姿は想像できます。頭で描いたイメージと異なる女性が映ってがっかりでした。

翼を持って故郷の山河に帰るということから、風景の映像はありかなとも思いましたが、いっそのこと映像なしで良いのではないかと思います。
無事閉幕 Greetings From Soul Beat Ave.1,2,3,4 ありがとうございました!!

無事閉幕 Greetings From Soul Beat Ave.1,2,3,4 ありがとうございました!!

THE SOUL BEAT AVE.

THE GUIDE(東京都)

2010/11/27 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★

身内色が濃すぎでしたが許します!
11年振りの舞台ということで途中ツッコミがありましたが、やはり最初のシーンは舞い上がっていたようにも見えました。

ネタバレBOX

妄想が生んだお話。10階の1991号室ということで、1991の意味を考えていました。休止した年でもないし何だろって?!

白の悪魔と黒の天使の中間色で灰色のスーツしかあり得ないのかもしれませんが、ホント灰色は汗が目立ちますね。

客席では赤ちゃんが泣いたりして、昔のファンや関係者が駆け付けて来たんだろうな、そして11年間に色々あったんだなと好意的に見ていました。しかし、役者さんの奥さんと赤ちゃんだと分かって、そりゃないでしょうと思いました。

昔のファンの赤ちゃんなら、小さな劇場ですから赤ちゃんを預かるような場所も無く已むを得ない面もあるでしょう。今回は身内だけのパーティではないはずです。一般客を相手にした公演だったら、事前に何か手立てがあったのではないでしょうか。…とも思いましたが、やっぱりおめでたい方が優先するので、こうしたことも含めて許します!!
THE HONEST VILLAGE

THE HONEST VILLAGE

ジーモ・コーヨ!

OFF OFFシアター(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

そうだったんですか!?
やられました。もう少し注意して見ていれば事前に分かったかなあ。

ネタバレBOX

電脳の中なのか、現実の部屋なのか…、

みんなが端末を叩いているのか、オフ会なのか。

村長の妹さんがバーチャルだったとは…、私みんなから嫌われているのかしらで気付けば良かったのですが気付きませんでした。

妄想物でもなく、幽霊物から派生した新しいパターンの誕生ですね。
FAME〜フェーム〜

FAME〜フェーム〜

劇団スイセイ・ミュージカル

天王洲 銀河劇場(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

若さがいっぱい!!
切れのあるダンスは最高でした。ゲスト陣の存在が全体の厚みを増しています。素晴らしかったです!!

ネタバレBOX

1988年に高校を卒業した彼ら。1988年という言葉を聞くいて、なぜかジーンと来ました。20世紀人間なのかな…。

入学から次第に成長する彼らの姿が良かったです。急ぎ過ぎて人生を誤った若者もいたり、そして卒業。

特にダンスが素晴らしく、感動しました!!

ところで、舞台挨拶の順番で川島なお美さんが最後だったのには少し驚きました。確かに、芸術が重要か、せめて読み書きくらいは必要かという教育方針上の重要な論争で芸術推進派の先生役ではありましたが、やはり前田美波里さんが最後であるべきだと思いました。
おまつりしましょ

おまつりしましょ

劇団娯楽天国

TACCS1179(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

笑って、スカッとしてサイコォー!!
期待した通りの祭りの面白さでしたが、それだけではなく、筋立ての良さ、親子の機微、さらにはサスペンス物としての出来も良く、サイコーでした!!

ネタバレBOX

奇祭に変った地名、政権交代以降のふらふらした方針を背景にしたダム建設問題、町村合併問題、投資詐欺事件、過疎地における結婚事情、親子関係をふんだんにまぜこぜにした話で、大笑いさせてもらいました。

舞台中央に鎮座するシンボル。所は御平古(おへのこ)村、隣がおめのこ村で、村にはかりヶ崎とか袋筋といった地名があって、しらーっと地名をしゃべるのがいいですね。

祭りは参加者が福禄寿のようなかぶり物をして、どすこいどすこいと、大受けでした。

カタツムリ養殖を謳い文句に詐欺を働いた男を逮捕するシーンなどは、ロベール・トマの『罠』か『W』かと見間違うほどの驚きで、スカッとしました!!

娘の結婚観、近所のおばちゃんの意見、そして父親の心情、みんな正論で感慨深いものがありました。

土砂崩れで神社の梁が壊れるシーンも見物です。
ハイイロノ・ド・ンゾコ [皆様、応援ありがとうございました!大盛況のうちに公演無事に終了いたしました。これにて休止させていただきます。ちょっと充電してきます…では、また。]

ハイイロノ・ド・ンゾコ [皆様、応援ありがとうございました!大盛況のうちに公演無事に終了いたしました。これにて休止させていただきます。ちょっと充電してきます…では、また。]

サルとピストル

王子小劇場(東京都)

2010/11/25 (木) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

よくぞここまで徹底したと!!
ハードボイルドな男たちの登場シーンで、つかみはOK!

男のロマンとは思いませんが、よくぞここまでやってくれました。

ネタバレBOX

パンティ、パンティ、パンティ、パンティ…、パンティの万国旗、

『夕』(セレソンDX)のようなラストシーン、感動はしませんでしたが驚きました!!

パンティ泥棒のハードボイルドな男たちとブリーフ泥棒の女たち、それに結婚にあまり期待せず、結婚によって拘束されることに鬱とした気持ちを抱いているマリッジブルーの女。

女の鬱から躁へはじけたい願望によって、実在するパンティ泥棒の男たちと女の妄想が合体してしまい、夢か現か不思議でパンティな話でした!

つかみはOK、いい感じでしたが、暗殺にでも行くのかと思ったシーンもパンティを盗むと分かってしまうと、いちいちハードボイルドに役目を設定するのがうっとうしく、一回ぐらい減らしても良かったのではないかと思いました。

それにしても、男たちがパンティをくるくるっと巻いて小さく折りたたんでいたのは手慣れたものでした。
不要な○○、下取りします。

不要な○○、下取りします。

劇団わらく

中野スタジオあくとれ(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

さわやか笑顔の陰で…!
「いきいき人材開発再生技術構想研究啓発総合支援センター」、よく覚えられるもんです。で、ここが舞台。

ネタバレBOX

白い色に塗られた部屋、テーブルなど…、異質な施設を想像させます。

ここは不用品と判断された人間を再教育する施設です。不用品の回収というので姨捨山かと思っていましたが、実は誰でもよく、要するに誰かから不用品と申告され、審査の結果認められればセンターに収容されてしまいます。収容されると研修を受け、社会復帰する人とエコフレッシュになる人に分かれます。

おぞましい実態、官民の癒着、公務員の特権のようなものを笑顔の研修、笑顔の家庭生活などを通して描かれており、怖くて素晴らしい近未来SFでした!!

エコフレッシュのフレッシュは、RではなくLなので、念のため。
のぞまれずさずかれずあるもの『無事終演致しました!ありがとうございました!』

のぞまれずさずかれずあるもの『無事終演致しました!ありがとうございました!』

TOKYOハンバーグ

千本桜ホール(東京都)

2010/11/24 (水) ~ 2010/11/30 (火)公演終了

満足度★★★★★

素晴らしかった!!
取材と構成がしっかりしていて、親子、きょうだいを考えさせられる秀作でした。

ネタバレBOX

赤ちゃん斡旋問題を扱った話で、生まれてすぐ引き取られ、きょうだいとして育てられた5人を中心に描かれていました。望まれず生まれた赤ちゃんを順次引き取った親夫婦の心情は病院での回想シーンで描かれ効果的でした。

赤ちゃんも大きくなり、5人はそれぞれ様々な状況下に置かれています。考えられる限りのケースを想定して、そのため5人用意したかのようにも思えます。

結婚して赤ちゃんに恵まれず離婚した長女、妻が流産したことで赤ちゃんのことに触れたがらない長男、今まさに結婚して赤ちゃんに恵まれたものの生みの母のことを考え不安のあまりお腹の子に声を掛けられない次女、発達障害気味で育ての母の介護をし、母が亡くなった後は生みの母を探しに宮城県へ出掛けた次男、まだ若い三女。

まさか自分も不妊に悩むことになるとは。そして育ての母の気持ちを推量。

自分も生みの母親のように子供に愛情を注げないのではないか。生みの親はどう考えているのか、いたのか。

いろいろな葛藤を経て、きょうだい、妻や夫がまとまり、長男の妻にも赤ちゃんができたようで、前向きで感動的でした。

顔が判然としない薄暗闇の病院シーンで、母親役を不妊で悩む長女が演じる妙。医者の言葉、「母体のために元気な赤ちゃんを産みなさい。そしてここに棄てなさい」にドキッ。病院で赤ちゃんを受け取るシーンのリフレインも印象的でした。
夏目漱石 夢十夜

夏目漱石 夢十夜

アーティストジャパン

セルリアンタワー能楽堂(東京都)

2010/11/22 (月) ~ 2010/11/23 (火)公演終了

満足度★★★★

能舞台を活かした朗読劇!
歌舞伎俳優が能狂言の所作に則り執り行われた朗読劇でした。

舞はありませんでしたが、すり足で歩く所作そのものが舞のようにも感じられました。

ネタバレBOX

市川段治郎さんと市川春猿さんが交互に主役を張り朗読するパターンでした。

夢で見た不思議な話ということで、起承転結がある訳ではありませんので、ちょっとぼんやりしているとあっという間に一話が終了してしまいます。

何かもやもやっとさせられて頂きました。
黄昏

黄昏

劇団青年座

紀伊國屋ホール(東京都)

2010/11/20 (土) ~ 2010/11/28 (日)公演終了

満足度★★★★

老いの話というよりは、
こじれてしまった父親と娘の関係が、恐らく修復に近づくものの決して修復しきれないであろう、しかしそこまで近づいたことを喜ぶべきであろう話だと感じました。

ネタバレBOX

父親と娘のぎくしゃくした関係、一度こじれた関係はそう簡単には上手くいきませんね。父親は子供に過度に期待するし、また自分の嫌いな面を子供に見てしまい毛嫌いすることもあります。

父が娘に、「虫が好かない」と言いのけたのも凄いことだと思いました。

義理の孫をかすがいにして交流を頻繁にするしかありません。そして、そうしたいと思っている父親の姿に救われる思いがしました。

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