満足度★★★★★
凄まじい悪!
容赦ない悪人と逃れられない男たちの姿を細かいところまで緻密に描いた演出と役者陣の手抜きの無い演技を通して堪能しました。
ネタバレBOX
長期に亘る用意周到な極悪犯罪の最後のたった一日を描いただけでした。それで全てが分かり、全てが終わりました。
保険金を掛けて殺す予定の相手から、さらに賭け事を持ちかけて搾り取ろうとする社長の容赦なさに極悪人の本質を見たようでした。
予想していた通りですが、本井博之さんは薬を飲まされ身体が弱っていく被害者役にぴったりでした。
カラオケの最中に殺人事件のニュースが流れました。4人に傷があり、一人は無傷で死んでいたとありました。保険屋とかは分かりましたが、あと殺されたのは誰なのか、犯人は誰なのかとっさには理解できませんでした。
えーっ困ったなーと思いましたが、事件に至るまでのその後の経緯が丁寧に描かれていたので事なきを得ました。スナックに残っていた男女とバイト君の血まみれ姿で全貌が明らかになりました。私にとって犯人が予想外だったのでニュースによってネタバレになったという訳ではありませんでしたが、あそこでニュースを流す必要があったのかは深く考えさせられました。
ゴキブリが自分に向かってくるとパニクって滅茶苦茶に叩きまくるのと同じで、バイト君の凶行は極悪に免疫ができていない人の一つの反応だったと思います。
満足度★★★★
光と音が効果的
理解できないところもありましたが、実験都市の端、砂漠の雰囲気を味わいながら実験都市の終焉を感じ取ることができました。
ネタバレBOX
実験都市に住む人間は公平性を保つため全員が交代で一定期間指示された職業に就きます。悪者も警察官も売春婦も当局から与えられた業種というのが面白いところです。
実験都市で作られた人間性回復装置は、市民生活に満足している人には白無垢の人間にしか見えませんが、心が傷ついている人にはその人にとっての一番大切な人に見えるようです。そして幸せを感じることによって人間性は回復されますが、しばらくすると今度は思い出が消えてしまうという重大な反動が生じます。
脳に負担が掛かり過ぎるのか、アルツハイマー症のようになるのは理解できますが、この後、思い出を失った人間たちが集まって合体する行動は良く理解できませんでした。
ところで、人間性回復装置は私にもただの白無垢にしか見えませんでした。生活に満足しているのかな!?
いずれにせよ、それまで市民として実験都市に忠実だった主人公は実験都市の破滅を確信し、滅亡した裏都市から来た少女とともに新天地を求めて旅立ち、最終的には土地ではなく、家族、社会の再構築を目指そうとして終了します。
裏都市への案内人と少女の時空を超えたような関係性が不思議さを醸し出していました。
ところで、職業を示す赤いカードに対して、途中で緑色のカードが出てきましたが、あれは何だったのでしょうか。
小石川祐子さんは人間性回復装置としての中性的な感じが良く出ていました。
たった一本を吸うだけの喫煙シーンは必要ないと思いました。開場の際に前の方からお詰めくださいとの案内がありましたが、それならば喫煙シーンがあることを説明すべきではなかったでしょうか。
満足度★★★★
題名がちょっと…
FESTA-1000と聞いて、どこかのシアターで演劇祭でもやっているのかと思いました。
まさか、怨霊と陰陽師の戦いが基になった田舎町のお祭りの話に人情話が絡んだお芝居だとは思ってもみませんでした。
ネタバレBOX
1000年振りに蘇る悪霊は1000年振りの大地震と大津波を象徴しているようで、過去の言い伝えも自然災害を忘れないための先人の知恵だという気がしました。
怨霊とは目を合わせてはいけません。清水宏さんと目が合うと、舞台上に引きずり上げられそうになってしまいます。客いじり、私も怖かったです!
最後の舞台挨拶に登場されたのはしげっちんさんでしょうか。プロデューサーはあまり出しゃばらない方が良いように思いました。
満足度★★★★
緻密な筋立て
完成度の高いお芝居、上品でセンスの良さが感じられました。
ネタバレBOX
シャーロック・ホームズのように握手しただけで卓球をしていたことを見抜くなんて何て凄い。でも、依頼人の前ではったりだとは言っちゃいけませんね。
元探偵の全て承知しているという訳知り顔は少し鼻に付きました。その元探偵の男のけじめも、若い女性には勝てませんってか。
義理の兄妹の恋の行方はどんでん返しの連続でしたが、最後の最後、恋の成就の光明が見えましたね。私も嬉しかったです。そしてこの妹、可愛かったです!
満足度★★★★
瞬間やられたー!
着席して顔を上げると場内案内をしている八重柏さんがいて、その瞬間にやられたーと思いました。
ネタバレBOX
会場にはソファーとテーブルが置かれていてムムッ。そして会場にいる洋服姿の八重柏さんを見て、幕末を現代で表現するのかと斬新さに驚きました。
訪ねてきた長英はノーネクタイで着崩したスーツ姿、玄朴は家にいてもきっちりしているのか上着を脱いだスーツ姿でした。
長英は結構身分に関して差別的な思想の持ち主で、玄朴も西洋の平等思想を知った割には体制を壊すことには躊躇していましたが、当時の人の大勢はそうだったのでしょう。
長英の本音は金を借りること、激しい議論の最中にふっと上の空になるのが愉快でした。玄朴は、江戸の人のため、そして自分の生活を守るために長英との接触の証拠を残したくなく、きっぱりと長英の無心を断りました。
長英が刀を差していることを説明する言葉が途中ありましたが、現代の様式で表現するなら別に不要じゃないかと思いました。
ところで、二人芝居は常にしゃべりまくる宿命があるのでしょうか。いつも感じます。静の時間があればなと思います。玄朴の奥方が心配してふすまの向こう側まで来ていました。会話もありました。それならば具体的に奥方も登場させ三人芝居にした方が、動と静のメリハリが付くのではないかと思いました。
満足度★★★★
SFもあるぞと、
+1の懐の深さに驚かされます。
ネタバレBOX
修正された現在に生きる男が、小学生当時の自分が大人の自分に宛てた手紙を読んでその事実を知り、元に戻そうとしたタイムパトロールの仕事を阻止したという話。
タイムマシンがここにあるとだけ言っていればいいのに。光より早く移動するなどと説明するとややこしくなるだけです。
先生自身の独白はありましたが、先生が何をしていたかが今一理解できませんでした。
自分思いの男ですが、元に戻った方が恋人もできていたりして良かったような気もしますが。
朝日望さんは存在感がありました。
満足度★★★★
面白かったのですが、
それで毎回そうなのでしょう、このようなパターンに慣れていればまた違った感想になるとは思うのですが、要するに出たがり主宰が邪魔でした!
ネタバレBOX
大して面白くも無い主宰と天使のシーンが無ければ、もっとすっきりしたコメディになったと思いました。
顎しゃくれ男の心情が変化するシーンはありましたが、ティーカップ男のプロ意識が芽生えるシーンも見たかったです。
オーディションで選んだようですが、バスガイドさんはみんな似ていました。無視され続け5年も研修を続けているガイドさんは少し個性的でしたが、80点も82点も見た目ほとんど同じで見分けがつきません。勝負下着姿になったガイドさんも誰だったのか、後々のカップル誕生もどのガイドさんとくっついたのか良く分かりませんでした。
満足度★★★
それにしても…
和泉元彌さんはさすがの身のこなし、初めての殺陣という小川麻琴さんもそれなりでした。
ネタバレBOX
対立軸が三極になっていて関係性が込み入っているところが面白い点です。
適当に生きていた永遠の命の吸血鬼が本当の恋をすることで人間になってしまい、有限の命になるという発想はユニークでした。しかし、槍に刺されて死ぬのかなと思っていたらやっぱり吸血鬼ということで生きていたのには驚きました。ご都合主義と突っ込まれてはいましたが、結構悲しい最期を迎えた人たちもいたので、少しぐらいハッピー的エンドがあってもいいやんって!!
生きていなきゃ死ねない、生きていなかったから死ぬことも無い、哲学的ー!!
ダンスはお見事でした。一糸乱れず切れがあって素敵でした!
しかし、あうるすぽっとの音響設備があまり良くないのか、歌詞はよく聴き取れませんでした。
それにしても商業演劇っていうのかな、ドラキュラ物を採り上げることが多いですが、そんなにお客さん受けすると思っているのでしょうか!?
満足度★★★★
純愛!
本歌取りらしく、素敵にアレンジされていました。
ネタバレBOX
そそのかされた伊右衛門ではなく伊右衛門に横恋慕したお梅がお岩に毒を盛った作り。淡い片想いと口にしていただけに、少女の大胆な行動に驚き、お岩と伊右衛門がずっと純愛だったことに新鮮味を感じました。
舞台は変形花道の付いた四角い舞台、舞台から客席にかけて役者名の書かれた提灯があり、舞台を囲む役者陣、先日観たハイリンド『牡丹燈籠』に似ています。
役者の動きはハイリンドの方が切れがありました。舞台の美しさはライティングのせいでしょうか、四谷怪談は少し霞がかかったような印象だったのに対し、牡丹燈籠は原色の着物と舞台の明暗が相まって凛としていました。四谷怪談は主張するコミカルさ、牡丹燈籠は押さえたコミカルさでした。
満足度★★★★★
熱い!×熱い!×熱い!
可笑しくて面白くて熱かった!!押忍!
ネタバレBOX
友人の死を機に帰省して思い出したバンカラ応援団の世界。入学して早々応援団の洗礼を受け、2年の秋から冬にかけて先輩から引き継ぎ、応援団として活躍した3年生時代を描き、なかなか企画が通らない今の自分ではあるが、今を生きるために一所懸命生きていこうと決意する話。
5人だけの舞台ですがみんな芸達者で素晴らしい演技を見せてくれ、しかも女性も出てきたりで、色々なシーンがこなされていました。
応援シーンも様になっていて熱かったです!
満足度★★★★
AKB48+SDN48誘惑のガーター
ナイトクラブの再興の過程を通して描かれた、オーナーの孫娘や集まってきたダンサーたちの成長物語。構成がしっかりしていて、意外といい話で少し感動的!
ネタバレBOX
店の名はTRASH(ゴミ箱)、DUMPとは捨てるということ。DUMP SHOWとは、お客さんが疲れを癒すことのできるダンス、ダンサーが過去の自分を捨てて踊るダンス、そして今回もう一つ意味が加わって、営業妨害のために店に突っ込んできたダンプカーをもステージの一部として使っちゃおうという前向きなもの!
AKB48の二人に、SDN48の5人のお姉さんたちがダンサー役として加わって、この5人はちょっと嘘をついていて、しかし過去の自分を捨てることができて、ダンスを踊って店は再興!最高!!
ダンサーの一人が自分のことをプロレスラーだと偽ったのを他のダンサーも観客も真に受けてしまって、後で嘘だと知らされ大笑い、楽しかったぁ!
満足度★★★★
元気になってよかったね!
自衛漢って男の自衛官のことかな。ボクジョって何だろう、未だに分からない。
ネタバレBOX
経営に苦しんだ父が出奔し、その後母が過労で亡くなったことで男性不信に陥り、経営は従姉に任せ、つらい思い出のある養鶏場から少しでも早く出ていきたいと思っている名ばかりオーナーの娘と、自分の不注意から同僚を死なせてしまい自衛隊を逃げ出して養鶏場で働くことになった元自衛官を中心とした養鶏場の人たちの話。
養鶏場で事故が起こり、パニックになってまた逃げ出しそうになった気持ちを従姉を始めとする養鶏場の人たちのおかげで何とか押し止めることができた元自衛官、そして彼が体験した、逃げないこと、謝ることなどをとつとつと話し聞かせることでオーナーももう一度養鶏場で働く気になり、元気になりました。って、ちょっとそんな簡単に気持ちが変わるものかとは思いましたが、元気に生玉子を食べられるようになった姿を見るとこれで良かったのかなと思いました。
表敬訪問に訪れた市長さんが軒先から出入りするのは変というか、失礼なような気がしました。やはり、玄関でお迎えするのが礼儀だと思います。
ヘリコプターの音は何だったのでしょうか。原発事故の調査で飛んでいるのでしょうか。そしてニワトリたちが汚染され、経営が行き詰まるのでしょうか。あるいは、戦争が始まって元自衛官が呼びもどされることにでもなるのでしょうか。あっと驚く展開が待っているような気がしましたが、それっきりでした。
満足度★★★★
【平成版】テーマは同じ
再演だけでは申し訳ないし、夏の陣で盛り上がるには何か別バージョンが必要だという発想は分からないでもありませんが、実際に観てみると無理に関連性を持たせようとするあまり中途半端で、わざわざ平成版を作る必要性があったのかはなはだ疑問に感じました。
ネタバレBOX
テーマは江戸版も平成版も同じで、恨みの連鎖を断ち切ること。構成は江戸版がタヌキとキツネの対立なのに対し、平成版(実際のところ未来版)では人工知能(コンピュータ)と人間の対立。
舞台上の人数は多いですが、核となる登場人物はほんのわずかなような印象でした。
江戸版のタヌキのごんべいを意識してでしょうが、タヌキ型ロボットにこだわる理由がどこにあるのでしょうか。ゴキブリなんて気持ち悪いだけ。
ラスト間際のあなたを許すという辺りは、恨みの連鎖を断ち切るというテーマへ持って行くための強引さが感じられました。プログラミングされていたはずの自爆装置が発動しなかった理由も今一つ不明でした。
ただ、タヌキ型ロボットの動作や声は素晴らしかったです!
満足度★★★
明日は我が身
つらいことですが、このような作品は明日は我が身と思って謙虚な気持ちで臨むことにしています。
ネタバレBOX
メモを握りしめている主人公、メモを書いているときだけが正常で、あとはボケています。
妻を前妻のめぐみと呼んでいますが、メモには妻の名が書かれ、感謝の気持ちが溢れていました。
この段階で収まってくれるのならまだ嬉しいですね。しかし、実際はこれも単なる一通過点に過ぎません。もうすぐ、メモを書くこともメモを握ることもなくなってしまうでしょう。そのときがどうかってことですね。
吉田鋼太郎さんのほあんとした子供に返ったような表情は秀逸でした。高橋由美子さんの歌声も相変わらず素敵でした!
ところで、雑誌の編集で一つの特集記事を作るのに半年以上も引っ張ることってあるのでしょうか。少し違和感を覚えました。
満足度★★★★
もし、
つかさんが自ら戯曲にしたらこんな風なんだろうなと思わせる作りでした!
ネタバレBOX
日本、ドイツ、アメリカにまたがる壮大な物語。日本においては、朝鮮人差別問題、被差別部落問題も絡んでいました。
原爆の威力を実際に試してみたかったアメリカは、なぜドイツではなく日本に落としたのでしょうか?
真珠湾攻撃への恨みと、人種的偏見が大きいと描かれていました。
誇り高き李氏朝鮮の末裔が、天皇の棺を担ぐ一族から差別されることにも衝撃を受けました。
ヒトラーはとても似ていました。ローズベルト大統領は登場しているときに一度も名前が呼ばれませんでした。トルーマン大統領という陰の声がありました。誤解を招かないためにも、原爆投下の前に大統領交代があったことを明示した方が良かったのではないでしょうか。
本作品は、原爆で死んだ魂たちが真実(この物語)を紡いでいくという部分と、犬子たちの開戦から原爆投下までを描いた本編の二重構造になっていました。原作を読んでいないので分かりませんが、個人的には本編だけでぐいぐい押していく方がつかさんらしいのではないかと思いました。
満足度★★★★
楽しかった!
小編が、あるいは小ネタがたくさんといった感じで、少し怖い話があったり面白い話もあったりして、初め想像していたものとは違っていましたが楽しい時間が過ごせました。
ネタバレBOX
元気で顔の表情の変化が面白い佐竹リサさん、可愛いかったです!
顔の大きな玄順有利子さんも個性的で面白かったです!
満足度★★★★★
【江戸版】楽しくていい話やなぁー!
2時間半くらいだったでしょうか、勢い衰えることなく一気に駆け抜けました!
優しいテーマ性大好きです!
ネタバレBOX
家族の情にほだされて、念願の仇討を止めてまで九尾狐親子の命を助け、ついうっかり九尾狐に龍兄いが石になったのを元に戻させるのを忘れてしまい、何て都合良くとまで言わしめたお地蔵さんからもらった人間になる妙薬を龍兄いに使い、自分は人間になってまといちゃんと結婚するためにたぬき本願寺で三年と十日の修行の旅に出かけたぽんぽこ王子。
ま、本願寺では修行とは呼ばないんですが、そこはご愛嬌ということで。
恨みの連鎖を断ち切り、慈悲の心で他人を思いやり、自らも夢の実現のために頑張るという、何て美しい仏の心溢れる娯楽作品なのでしょう!
しかも総勢30人弱、エネルギッシュで勢いがあってとても楽しいというところが最高でした!
ところで、紙テープ投げに今回も協力させて頂きましたが、投げるタイミングが暗転っていうのはどうなのよと思いました。やはり明るいときに一斉に投げたいですね。
ぽんぽこ王子役の石黒さんのぽんぽこというやや高めで良く通る声が印象的でした。
満足度★★★★
始まる前も緊張感があって良かった!!
全席指定だと思って余裕で行くべからず!
入場すると、そこは発表会前日4月13日夕方の里見先生と演劇部員たちの最後の練習風景のシーンでした。
お芝居本編は演劇部員たちが中心です。練習風景では岩野未知さん演じる里見先生の熱血指導振りが見られますので早めに行って要チェックです!!
ネタバレBOX
フレッシュな若手女優陣の活躍、中でも主役ラネフスカヤを演じる倉田知世子役の尾崎ななみさんは大柄で見映えのする女優さんでした。ただ、芝居の中止を期待するくらいテンパっていたと最後に言われても、ああそうだったの、あらすじを読んでいたから知っていましたという感じで、演劇部のみんなも緊張していたはずですから、群像劇の中で一人だけ特にテンパっていることを表現するのは難しく、もう一工夫必要だと思いました。
色々事件は起きましたが、それにしても二年生の城丸さんの自由な行動は騒動を引き起こす一因でした。只者ではありませんね。
中野敦子のお姉さんで櫻華学園を中退した綾子、別に構いませんが中退した理由は明かされないままでした。
ところで、女子高生たちだけで場面転換を行うというコンセプトなのでしょうが、奥の方にある黒いカーテンを開け閉めするだけというのは陳腐な感じがしました。特に、グラウンドにみんなで走ってきて、さあアップするぞと言いながら、隅の方では机と椅子を片付けているのはやはり不自然でした。先に片付けるべきだと思いました。
一回、裏方さんがカーテンの間を歩いているのが見えましたが、これはご愛嬌ということで。
手前が幕が開く前の舞台、少しばたばたしてみんなで気合を入れて奥の幕が開いて桜の園のお芝居が始まる、素晴らしい光景でした!!
満足度★★★
やっと
ちらしっぽいスレンダー美少女が登場しましたね!
ネタバレBOX
ホームレス中学生を題材にしたような家族の崩壊と再生の話に、ストリートチルドレンの暮らしぶりと市長の悪行を告発するという話を織り込んだようなストーリー。
ストリートチルドレンは、親戚に引き取られることになった姉妹と夫婦が復縁することで戻っていく兄妹を除くと、残されたのは闇医者と相変わらず商品を盗み商店を潰したとされるアビルユウ(仮名)のような生活を送る者たちばかりで、世の中何も変わりゃしないさって感じ。
いつも無駄に走り回っているのに、今回の3周回って息が切れたという振りで終了させてしまう漫才はつまらない。神戸さんもそれくらいしか体力がないと思われては不服でしょう。とことんやって、きっちりオチを付けてほしかったと思います。
満足度★★★★★
ドキュメンタリーとは
とある事件の当事者たちと、それを撮影する熱血映像作家の様子が淡々と描かれていました。この一回の作業だけでなく、日を改めて何回も撮り続けることでこの町の形、即ち真実が見えてくるのではないでしょうか。
ネタバレBOX
登場人物は卒業作品でドキュメンタリー映画を撮ろうとしている理恵子、祭りの屋台でジュースを買って飲み、子供を亡くし、自らも農薬中毒になった友里、興奮すると異常行動を起こす睦美、ジュース工場に勤務しており、祭りの当日もジュースを搬入した友里の夫の隆昭の四人。
現段階では、公式にはその場で毒が混入された毒カレー事件と、製造過程で毒が混入された毒餃子事件のどちらの可能性も否定できないものの、睦美を疑って映像に収めようとする正義感に燃える理恵子を中心に、自らも麻痺や痛みが残っており、ただそれ以上に子供を失ったことへの後悔の念に悩み続ける友里、同じく子供を失ったことやジュースを搬入した責任を感じ妻と別居し、会社員の立場と更には睦美を犯人と考え暴力を振るったことで裁判所から接近禁止命令が課せられてしまい、身動きが取れない空しさを抱える隆昭、一方、自分の描いたシナリオの中にいて、少し異常行動を起こしながらも事件との関係性を否定している睦美を淡々と描いています。
事件は風化しても四季はいつものまま訪れる、しかし心の傷はいつまでも残るという隆昭の空しさは、国破れて山河あり、戦争に負けようが津波が来ようが花はまた咲くということに通じます。
理恵子の行動は夫婦の関係修復には少なくとも役に立ったようです。くそったれでしたっけ、現場で聞かれた言葉と同じ言葉を映像にも捉えました。いずれ事件解決に役立つ日が来ることでしょう。