ミス・ダンデライオン
K-BOX company
遊空間がざびぃ(東京都)
2010/09/18 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★
真面目な舞台
キャラメルボックスの舞台の戯曲を用い、演出もオーソドックスで分かりやすいものになっていました。
感情の高ぶるシーン毎にBGMが流れるのが演出過剰に感じました。役者の演技の力で盛り上げて欲しかったです。また、音楽は歌詞のあるものだと台詞と音響的にも意味的にも干渉してしまうので、インスト物の方が良いかと思います。
冒頭のキャスト全員によるダンスは不要だったと思います。余興レベルで安っぽく感じてしまいました。
気になった点ばかり書きましたが、真面目に舞台を作ろうとしている意志を強く感じました。まだ若い劇団なので、表現が洗練されていくことを期待しています。
心の余白にわずかな涙を
elePHANTMoon
王子小劇場(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★★
絶妙なバランス
チラシのビジュアルや過去に上演中止になったエピソードから過激な感じなのかと思いきや、作・演出のマキタさんが当日パンフにも書いてある通り、とても地味な作品でした。しかし、とても印象に残る作品でした。
両性具有や不妊、知的障害、在日韓国人、自殺、信仰など重いテーマが次々に出てくるのですが、殊更に暗いわけでもなく、笑って良いのか悪いのか微妙なところを突いてくる、ウケ狙いではないユーモアもあり、単純に楽しいとか悲しいとかにならないバランスが良かったです。
それぞれの登場人物が抱える問題をすぐに明らかにせず、話の展開から少しずつ見え隠れしてくる物語の展開が、説明し過ぎず、しなさ過ぎずで良いバランスでした。
役者の演技はそれぞれの役に合っていてとても自然でした。特に牧師さん役の方は何ともいえない暖かみを感じさせ、本当の牧師さんみたいでした。
客電を落とすのに必然性を持たせた始まり方と、さりげなく舞台から誰もいなくなってカーテンコールを起こさせない終わり方が現実の生活の一部を切り取って舞台に乗せた様な効果を出していて素敵でした。
歌うワーニャおじさん
劇団黒テント
イワト劇場(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了
満足度★★★
芝居は良かったのですが…。
ダブルキャストのB組を観ました。
ミュージカル仕立ての『ワーニャ』とのことでしたが、いわゆるミュージカルではなく、歌付き芝居といった趣でした。伴奏は舞台上に置かれたピアノのみとシンプルなもので、曲調は昔のミュージカルみたいな雰囲気でした。
3幕・4幕はほとんど歌われず普通のストレートプレイでした。3幕のワーニャが激昂する場面はこの戯曲で一番ドラマチックなところで、ここをどうミュージカルにするのか期待していたので残念でした。しかし、芝居としては緊張感の中に可笑しみがに滲み出ていて良かったです。
ベテラン勢は演技・歌とも安定していました。セレブリャコーフやマリーナはあまり出番がありませんが、味のある演技で楽しめました。
若手は演技は問題ないのですが、歌で危なっかしい所がちらほらと。ミュージカル劇団ではないにしても、もう少し歌のレベルを上げて欲しいです。
ソーニャの衣装だけ他の役から浮いていた気がします(特にコンバースのスニーカーはちょっと…)。
「黒塚マクベス」【ご来場ありがとうございました!!】
劇団アニマル王子
ブディストホール(東京都)
2010/09/16 (木) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
ハイテンションな和風マクベス
『マクベス』をベースにした中に『黒塚』の要素が織り込まれた物語で、連鎖する恨み・怒りが上手く表現されている脚本でした。
大勢の役者の身体表現でシーンを次々に展開して行く演出は安心して観れるものでしたが、大声&早口でまくしたてる様な話し方は聞き取り辛かったです。せっかくのシェイクスピアの名台詞も間がなく畳み掛ける様な調子だったのがもったいなく思いました。
能の作品を用いたのなら、能の静謐さを感じさせる演出があっても良かったと思います(歌舞伎的要素はありましたが)。
眞久部(マクベス)の道化的な悲哀感を漂わせる演技と、その夫人役を演じていた方の存在感のある演技が印象に残りました。
あと些細なことですが、江戸時代のに設定で台詞も古めかしい言い回しなのに「コントラスト」や「ペン」などのカタカナ語が出てくるのは違和感がありました。
闘争×ホルモン TackleBagタックルバッグ
グワィニャオン
俳優座劇場(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/19 (日)公演終了
満足度★★★
大迫力
50人を超える出演者で賑やかな、ラグビーへの愛を感じさせる作品でした。
物語としてはありがちな感じで、序盤はいまいちかなと思っていたのですが、試合のシーンでは舞台の限られた空間の中で広がりを感じさせる巧みな空間配置で、とても迫力があり、どんどん引き込まれて行きました。ラグビーについての解説も盛り込まれていて、ラグビーに詳しくない人でも分かるようになっていたのが良かったです。
終盤に映像でラグビーの練習をする素の状態の役者が映し出され、舞台では役を演じているシーンが印象深かったです。
小さな家と五人の紳士(再演)
演劇集団若人
池袋小劇場(東京都)
2010/09/10 (金) ~ 2010/09/12 (日)公演終了
満足度★★★
若々しい別役作品
戯曲自体が面白く(30年前に書かれたものとは思えなかったです)、演出もストレートで分かりやすくて良かったです。
ただ男5人の衣装のスーツが上下で別生地だったり、サイズもツンツルテンだったりダボダボだったりしていたが気になりました。
ビジュアル的に役を区別するためかもしれませんが、普通のスーツ姿で妙な会話のやり取りをした方が可笑しみがより出たと思います。
男性5人の演技はそれぞれにチャーミングさがあり、女性2人も不穏な感じがよく出ていました。
にねんいちくみ保護者会≪ご来場ありがとうございました!≫
クロカミショウネン18 (2012年に解散致しました。応援して下さった方々、本当にありがとうございました。)
Heiz Ginza(東京都)
2010/09/11 (土) ~ 2010/09/20 (月)公演終了
満足度★★★
銀座の真ん中で
保護者会に集まる親たちの会話劇で、貸しオフィスの一室を小学校の教室に見立てた公演でした。
壁に貼られた時間割や習字が教室の感じを醸し出し、演技スペースを客席が取り囲む様な客席配置だったので、保護者会に同席している様な気分でした。
大きな事件が起こる物語ではないのですが、子供との接し方に悩む親や先生たちを描いた興味深い内容でした。初日だったこともあり所々台詞を噛んでいたのも、この舞台設定においては逆にリアリティが出て良い結果になっていた気がします。さらっとカーテンコールに繋がる終わり方も爽やかで素敵でした。
内容としては良かったのですが、会場の音響を考えると全体的にもう少し抑え気味な発声の方がリラックスして観ることができると思いました。
東京アメリカ
範宙遊泳
STスポット(神奈川県)
2010/09/02 (木) ~ 2010/09/07 (火)公演終了
満足度★★★★
演劇についての演劇
チラシに書いてあった「演劇をプレゼンする」という言葉通りのメタ演劇的な作品でした。
いわゆる劇中劇の形式でしたが、後半に虚実の境目が曖昧になって行く面白い脚本でした。役名が全員本名なのが効いていたと思います。
入場の際、お面(チケットを兼ねている)を渡され、後半でこれを演出効果として使うという設定でしたが、実際にお面を被っていた人は半分強。しかし実はそれも織り込み済みで、観客参加型の演出をやってもなかなか参加してもらえない実情をパロディにしていたのが面白かったです。
劇場内は銀色にデコレーションされたソファーやベンチがあり、アクティングエリアは空間の真ん中を照明で円形に区切っていて、劇場というよりかはラウンジみたいな雰囲気だったのも良かったです。
メタな視点で作られた作品は頭でっかちでスノッブな感じのものが多く感じるのですが、この作品はとてもカジュアルな感じで楽しかったです。
から騒ぎ
いわき芸術文化交流館アリオス
いわき芸術文化交流館アリオス(福島県)
2010/09/05 (日) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★★
観に行って良かった
シェイクスピアの『から騒ぎ』がベースになっていて、一応物語の流れに沿った作りになっていましたが、ダンス作品として自由にアレンジされていて、戯曲を知らなくても楽しめるものに仕上がっていました。
井手茂太さんと斉藤美音子さんというイデビアン・クルーの看板2人によるダンス(意外にも、この2人によるデュオ作品は今回が初めてのとのことです)は流石の安定感で、高度なテクニックをさらっとこなしながら、一方ではわざと動きを間違えたように見せる振付で客席の笑いを誘っていました。最近、井手さんは演劇の振付も多く担当されていますが、やはりダンス作品が一番だと思いました。
仮面舞踏会のシーンで仮面の代わりにヘルメットを被って踊ったり、最後の結婚パーティーのシーンが盆踊りだったり、置き換え方がユーモラスでした。原作では直接は描かれていない、悲劇の原因となるバルコニーのシーンを演ずるかと思いきや、斉藤さんが「おお、ロミオ!」とシェイクスピアの別の作品の台詞を叫ぶのに対して、井手さんが「違うよー」と答えるシーンの間合いが絶妙でした。
照明が素晴らしく、舞台袖も丸見えの素舞台が色々な雰囲気の空間になっていました。冒頭場面や最後のシーンで照明の器具自体を見せる照明プランも新鮮でした。
いわきに3週間滞在して作った作品が1回だけの公演で終わってしまうのはもったいないので、ぜひ東京でも再演して欲しいです。
瀕死の王さま Le Roi se meurt
東京演劇集団風
レパートリーシアターKAZE(東京都)
2010/09/01 (水) ~ 2010/09/05 (日)公演終了
満足度★★★
イヨネスコ劇場によるイヨネスコ作品
テンション高めな台詞回しや大袈裟なジェスチャーが、いかにも「演劇」という感じでした。
それをパロディとしてやっているのか、大真面目にやっているのか分かりにくく、どう観れば良いのか悩みました。
音楽はシュニトケの『ゴーゴリ組曲』(クラシックの曲をパロディにした作品)をメインに使っていたので、おそらくパロディ的な意図があったと思うので、もっと振り切れた感じがあった方が良いと思いました。
独特な客席配置で正面性のない空間にしていたのは効果的で良かったです。王さま役の熱演が印象的でした。
戯曲自体は面白そうなので、異なる演出で再度観てみたいです。
BLANK MUSEUM
アップリンク
原美術館(東京都)
2010/08/26 (木) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★★
アヴァンギャルドな午後
個性的なパフォーマー、ミュージシャンが多数参加していて充実したイベントでした。アンダーグラウンドな雰囲気で密閉された空間が似合うアーティストたちが開放的な空間でパフォーマンスしている姿が新鮮でした。
美術館全体を使ったパフォーマンスを移動しながら観るのが楽しかったですが、部屋のキャパに対して客が多過ぎて中に入れないことがあったのが残念です。
羊さんは屋外でもずっと着ぐるみを来たままでお疲れ様でした。
猫のサロン ~奇譚集~
猫の会
小劇場 楽園(東京都)
2010/08/26 (木) ~ 2010/08/30 (月)公演終了
満足度★★★
夏の猫話
3つの小品で1時間とコンパクトな公演でしたが、バラエティに富んだ内容で充実していました。腹八分目で終わった感じで、後味が良いです。
2話目のじわじわと怖くなって行く話が良かったです。
3話目も良い話で方言で交わされる会話のやりとりも心地よかったのですが、前の2つの客に想像させる感じに比べて説明し過ぎだった様に感じました。
舞台美術は表現主義の映画みたいな感じで凝っていましたが、本作の雰囲気には合ってないと思いました。
UFOcm
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2010/08/25 (水) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★
まさに駄弁芝居
説明にある通りの「駄弁芝居」で、ゆるい感じの作品でした。
内容としては、祭が数日後に行われようとしているある町にUFOを呼び寄せようとしている女がいて、その周囲の人たちとの会話が描かれているだけで、物語を堪能するタイプの作品ではありません。
会話の焦点がずれている、とぼけた会話のやり取りに笑いました。
所々に差し挟まれる、メタな自虐的ツッコミが面白かったです。
ラストも締まらない終わり方で、脱力感(良い意味で)を感じました。
役者もわざと下手にやっているのか本当に下手なのか判断に悩む喋りっぷりで、それがまたダラダラとした雰囲気に合っていて楽しかったです。
「世帯休業」/「運を主義にまかす男」
劇団東京乾電池
新宿ゴールデン街劇場(東京都)
2010/08/24 (火) ~ 2010/08/29 (日)公演終了
満足度★★★
初岸田作品
戯曲賞で有名な岸田國士の短編2本立て。両作とも昭和初期のゆったりとした時間の流れの中にユーモアを感じさせる作品でした。
『運を主義にまかす男』
「果報は寝て待て」がポリシーの男と「犬も歩けば棒に当たる」がポリシーの男とが同居する家に色々な人が訪ねてくる話。みな淡々とした演技で、もう少しメリハリがあった方が良かったかもしれません。
『世帯休業』
倦怠期の夫婦が一時的に夫婦であることを止めているところに、親戚の遺産相続の話が来て…、という話でした。夫婦とその下宿人の3人の会話の間合いが楽しかったです。妻役の高尾祥子さん、台詞の言い回しは舞台設定に合ってない感じでしたが、コケティッシュで魅力的でした。
定員30人もなさそうな小さな劇場でしたが、しっかりとしたセットが組んであり、良い雰囲気を出していました。
絢爛とか爛漫とか
傑作を遊ぼう。rorian55?
テアトルBONBON(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★
現代の名作にチャレンジ
奇を衒わない分かり易い演出でした。舞台上には出てこない女中の「おきぬ」を影絵で表現しているのが良かったです。
転換のときの音楽や映像がクラブっぽい雰囲気のもので話の雰囲気に合っていなくて残念でした。
俳優陣の演技は4人それぞれの個性が出ていたと思います。複数人が大声で言い争うシーンは劇場のサイズに対して声が大きすぎて、耳が疲れました。
ぼくの好きな先生
enji
小劇場 楽園(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/24 (火)公演終了
満足度★★★★
説明文通りでしたが予想外
いじめをテーマとした作品でした。チラシの印象から軽い感じを予想していたら、意外に重い内容で、良い意味で裏切られました。
過去の、あるいは小説や映画の中の著名な先生たちが出てくる前半はコメディータッチで、少々滑り気味にも感じたのですが、中盤からグッとシリアスな話になって引き込まれました。
いじめられた少年を演じた磯貝さんがとても良かったのですが、調べてみたら本当の中学生だったんですね。素晴らしい演技でした。
個人的な話になりますが、主要な登場人物の年齢設定が自分と同い年で、小・中学生時代に流行っていたアイテムが色々と出てきたのが懐かしかったです。
ロロ vol.4 ボーイ・ミーツ・ガール
ロロ
王子小劇場(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
タイトルそのまま
前作がとても良かったので、期待して観に行きました。前作の方が好みですが、今回もとても良かったです。
物語としてはタイトル通りで、男が女に会って恋に落ちるというだけで、各キャラクターのバックグラウンドなども全然説明されません。しかしそれでもテーマは十分に表現されていたと思います。
演出の一つ一つの要素は結構ベタなものも多いのですが、トータルで見たときに今までになかった様な新鮮な雰囲気を感じました。相変わらず小道具の使い方(見立て)や言葉の繋げ方のセンスが素晴らしかったです。
俳優陣は正直それほど演技が上手いとは思えませんでしたが(そもそも、そういう上手さを狙ってないとは思いますが)、とても魅力的でした。
今後の公演も色々決まっているそうで、楽しみです。
キセキの人
スーパーグラップラー
時事通信ホール(東京都)
2010/08/18 (水) ~ 2010/08/22 (日)公演終了
満足度★★★
なるほどなタイトル
小難しいことをしないで、オーソドックスに、かつ派手に作られたエンターテインメント作品でした。
人間と鬼が戦っている時代の中、自分がなぜ存在するか分からない主人公「酒呑童子」が悪に染まって行く物語でした。
「悪」といっても悲劇性を帯びたもので、単純な描き方になっていないのが良かったです。
タイトルがカタカナである理由が終盤に明らかになり、なるほどと思いました。
場面転換がめまぐるしく、BGMや効果音もふんだんに使われていて、飽きさせません。ダンスもこういうタイプの舞台に良くありがちな取って付けた感がありませんでした。また、衣装のクオリティが高くて良かったです。
個人的にはこういうファンタジー物のエンターテインメント作品はあまり好みではないのですが、客を楽しませようとするサービス精神をとても感じる仕上がりでしたので、普段演劇を観ない人でも楽しめると思います。
精霊流し
(公財)可児市文化芸術振興財団
吉祥寺シアター(東京都)
2010/08/13 (金) ~ 2010/08/18 (水)公演終了
満足度★★★
しっとりとした良作
松浦を出て戻ってきた若い女と松浦を出ることがなかった年老いた女の会話が淡々と続く、落ち着いた作品でした。
二人芝居で吉祥寺シアターの空間は大き過ぎるかもと少し不安でしたが、全然そうは感じさせませんでした。
馬渕晴子さんの演じた役はあまり感情を露にする人物ではないのですが、芯のある品の良さを感じさせて素敵でした。
精霊流しのシーンでの美術が美しく、印象的でした。音響・音楽は説明的過ぎて観客の想像力を奪ってしまっている様に思いました。
作品には直接関係ないのですが、客が少し動いただけで客席の床がギシギシと鳴るのが気になりました…。
01272125★たくさんのご来場ありがとうございました。★
ソテツトンネル
神楽坂die pratze(ディ・プラッツ)(東京都)
2010/08/12 (木) ~ 2010/08/15 (日)公演終了
満足度★★★
オチがもったいない
「非日常から日常に戻るための数式アンハッピーストーリー」という謳い文句に惹かれて観てきました。あまり謳い文句のような感じではありませんでしたが、旗揚げ公演としてはしっかりと方向性を打ち出せてる作品になっていたと思います。
序盤は軽いコメディータッチかと思わせ、じわじわとサイコホラー風味になって行く構成は、笑って良いのか悪いのか悩んでしまう独特の雰囲気を醸し出していて良かったです。伏線も上手く考えられていて、効果的でした。
ただ残念なことに、タイトルにもなっている数字にまつわるエピソードが弱かったです。どんでん返しがあるのかと期待させておいて、あのオチでは勿体なく思います。
セットや映像やダンスが中途半端に感じられたのですが、この劇団だったらそういう小細工がなくても充分にやっていけると思います。今後に期待しています。