1
ターミナルビル物語
劇団暴創族
開演前の前説や舞台のセットから、如何にも「旅情を誘う」かの如き仕掛けが豊富な感が有り、「格安航空会社の赤字路線廃止による最終便に、競合する大手航空会社の先発便の機体故障による引返しを受けての、振替輸送の旅客が、空港ロビーにて搭乗受付」という状況からの、コメディ含みの人間ドラマ…というノリで、航空ファンのみならず、鉄道ファンでも十分に楽しめる内容の作品だった。
事故機を運航する大手航空会社からの、振替輸送の旅客の中に、サミットを控えた大臣の秘書官や経営者一族ら(ファーストクラスやビジネスクラスの旅客)が乗り込んできては、振替先の格安航空会社が全席エコノミークラスである事に対して、カスハラ的な物言いを繰り返したり、或いは、振替輸送の旅客のチェックイン対応に手間取る中、今度は「テロ騒ぎ」が勃発しては、遺骨の壺を持っていた旅客が容疑者扱いされて職務質問で取調べられたり、「機長行方不明」やら「バックパッカー現行犯逮捕」の場面やら、果ては、「霊魂」が登場してきたり…と、どんでん返しの場面に富んでおり、カオス度高い作品内容。