Koujiの観てきた!クチコミ一覧

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『昼間流星群』

『昼間流星群』

8割世界【19日20日、愛媛公演!!】

ザ・ポケット(東京都)

2009/11/05 (木) ~ 2009/11/08 (日)公演終了

満足度★★★★★

とても素敵な流れ星の物語!
 一見ドタバタコメディに見えながら、とてもロマンティックな作品。星に願いをという名曲をオーバーラップさせながら、願いを叶えた人、叶えられなかった人、叶えたい人の思惑が舞台上を交錯する。

 三谷幸喜の作品のようなよく練られたシチュエーションコメディ、登場する役者が皆魅力的。巻き込まれる男越智を演じた高宮尚貴、願いを叶えた男内海を演じた小林守が特に良かった。

ネタバレBOX

 初日のせいか、台詞のとちり&噛みが若干多かったことが残念。ストーリー的には別れた娘に会いたいという男佐藤が、最初から登場している割に掘り下げられず、今後どうなっていくのかちょっと気になった。他の願いが「男ほしい」とか「やせたい」とか「金くれ」とか言うレベルの願いであるのに対し、彼だけ切実な願い。それだけに若干のフォローが欲しかった。

 登場する女優が全員魅力的だった。ひょっとして鈴木雄太は女優の使い方が上手い?
あぶく

あぶく

浮世企画

荻窪小劇場(東京都)

2009/10/30 (金) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★

今後に期待させる旗揚げ公演!
 道路拡張のため取り壊される運命のアパートに住む大学4年生の物語。

 やりたいことがたくさんあり、何でも出来るはずなのに、何もかもうまくいかないというこの世代によくある悩みを夢と現実を織り交ぜて見事に表現している。

 ストーリーは平凡だが、会話が面白く、それぞれの心のひだがていねいに描写されている。主人公を演じた大石憲は、ナイーブで傷つきやすい青年を好演。

リフラブレイン

リフラブレイン

MCR

駅前劇場(東京都)

2009/10/29 (木) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★★

さらに進化するグランプリ劇団!
 前作「 シド・アンドウ・ナンシー」も完成度の高い作品だったが、今作はさらにレベルアップした。もはやMCRのことをコメディ劇団とは呼べないのではないだろうか。今回も会場は笑いの渦に包まれていたが、どのシーンも切なすぎる。笑いながら胸を締め付けられていた。
 何も考えずに笑えたのは石澤美和が椅子を壊したシーンだけだ。もっともこれは演出ではなかったようだが・・・(笑)。

 来年はロングランも計画しているらしい。いよいよMCRが劇団として大飛躍をするその予感を感じさせる名作だった。

崩壊劇団の崩壊劇場

崩壊劇団の崩壊劇場

早稲田大学演劇倶楽部

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2009/10/30 (金) ~ 2009/11/01 (日)公演終了

満足度★★★★★

役者が皆面白い!
 スタートから軽快なテンポでドラマが広がり、そのストーリー展開の面白さと役者の力量で会場は爆笑に包まれた。場内の空調が効いていなかったことと、満員の会場のせいでゆだるような暑さの中、後半少し息切れしたが、随所にきらめきを感じた。

 劇団主宰者を演じた長田莉奈、劇団員西村を演じた奥村徹也の好演が光った。演劇を辞めて女優を目指した女を演じた中村梨那、五代目団十郎を演じた石井友章もはじけた演技が面白かった。そして一歩とんだ劇団員を演じた松田明子、演劇界の大御所石狩川を演じた三井翔太も魅力的だった。正直、登場する役者は皆魅力があった、大したものだ。

ネタバレBOX

 演劇大賞をとるほど成功した劇団が、それをねたむ劇団と演劇大賞を賭けてエチュード合戦を繰り広げる。そのうちに演劇大賞のことなどどうでもよくなり、お互いが(そして審査員まで巻き込んで)いいエチュードを作るために力を合わせて全力を尽くす。これだけで演劇的であり、なおかつ批評性もあり、十分面白いのにと思った。

 しかし、演出家寺島功毅がやりたかったのは、破壊すること。劇団の崩壊、舞台の崩壊、そして、今まさに演じられている舞台に演出家(自分自身)が登場し、主人公とやりあい、今回の公演さえ崩壊させてしまおうという企画。そちらに関してはやろうという志しは高く評価するものの、今回の公演としてはまだ未完成という感じで、後半少しだれた。

 それにも関わらず、それまでの圧倒的な面白さに五つ星を贈呈するに躊躇はない。作・演出の寺島功毅はなかなかセンスがある。是非、これからも作品を重ねて腕を磨いてもらいたいものだ。
甲賀の七忍

甲賀の七忍

劇団三年物語

ザ・ポケット(東京都)

2009/10/24 (土) ~ 2009/11/03 (火)公演終了

満足度★★★★

疾走する劇団!
一度の暗転もなく、舞台狭しと忍者たちが、あちこちから登場しあちこちへと消えていく。全編が戦闘シーンと言っていいめまぐるしい展開。

照明も音響も使い方が見事。
後半とても盛り上がった。

空に太陽があるかぎり

空に太陽があるかぎり

演劇サムライナンバーナイン

劇場HOPE(東京都)

2009/10/23 (金) ~ 2009/10/28 (水)公演終了

満足度★★★★

つか芝居のエッセンスを取り入れながらも、新しい演出。
 面白い。

 熱海殺人事件は上演されるたびに内容がどんどん変わっていくが、熱海殺人事件の新しいバージョンという雰囲気。つかフアン、熱海殺人事件フアンにはたまらない作品だ。

 常石梨乃の熱演にしびれた。クリスチャンから死に神検事まで、幅の広い役をそれぞれ魅力的に演じていた。

 照明が非常に凝っていて、舞台装置の少ないステージで、様々なシーンを魅力的にしていた。後半どんどん面白くなっていった。

ネタバレBOX

 犯人が恋人のクビを締めたところでエンディングかと思ったが、そこからまた展開があり、最後の常石梨乃の啖呵で芝居が終わる。実にかっこいいエンディングだった。
コンプレックスドラゴンズ

コンプレックスドラゴンズ

The end of company ジエン社

d-倉庫(東京都)

2009/10/22 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★

独特の世界
お笑いの世界を描きながら、明るい舞台ではない。
日常と非日常を隣あわせに描き、独特の世界を展開する。その空気感が面白い。

芸人それぞれの個性がしっかりと描かれ、破天荒な生き方をする芸人たちを見事に描いている。

ネタバレBOX

お笑いの世界と、戦争という組み合わせが面白い。
たとえ、爆弾が落ちようと、この世が終わる直前まで、自分たちの生き方を変えないであろう面々、ある意味素敵だと思った。
ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

ソビエト -マヤコフスキィ生誕116年-

双数姉妹

座・高円寺1(東京都)

2009/10/21 (水) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

座・高円寺の広さを見事に使っていた!
まず、舞台の使い方に感心。座・高円寺は横に広い劇場だが、それを上手く使い、また舞台の前に楽屋のようなスペースを作り、奥行きも含めて舞台を大きく使っていた。

物語はロシア革命からソビエトが誕生する革命前後に、権力に翻弄されながらも闘う演劇の現場を描く。劇の中で劇が行われているという構造が面白く、芸術の現場の苦悩が伝わってきた。この舞台を16年前にやっていたということに驚く。

カカフカカBig2

カカフカカBig2

カカフカカ企画

アイピット目白(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★

【大恋愛学園】こちらも楽しめた。
馬鹿馬鹿しい笑いを徹底的に追求している。深いことを考えずにただ楽しめばいい。仕事帰りに観るにはぴったりの劇団だ。

カカフカカBig2

カカフカカBig2

カカフカカ企画

アイピット目白(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/25 (日)公演終了

満足度★★★★★

【大脱獄】 面白い!
 展開が早く、出てくる人物出てくる人物得体がしれないが魅力的だ。どこにもない不思議な世界が次々に繰り広げられる。再演だそうだが、ストーリーがよく練られ飽きがこない。場内は最初から最後まで爆笑の渦だ。

 壮大なコントのような作りなのだが、それでいてなにかとても大切なことを教えられたような気分になる。登場人物の大半がボケで主役の高山銀平がひとりでつっこむというような作りだが、この高山銀平、独特のペーソスがあり、笑いがただのお笑いで終わらない。不思議な劇団だ。

 もう1本の方がとても気になる。私もスケジュールが目一杯なのだが、なんとか調整して観たくなってきた、どうしよう(笑)

くちびるコミック

くちびるコミック

ライオン・パーマ

王子小劇場(東京都)

2009/10/16 (金) ~ 2009/10/19 (月)公演終了

満足度★★★★★

期待どおりの楽しさ。
 この劇団の魅力は役者ひとりひとりが魅力的なこと。役者としてコメディアンとして魅力的なだけでなく、人間的な魅力を感じる。こんな友だちがいたら楽しいなと感じさせる役者が揃っているのである。このことは凄い。

 今回はストーリーもしっかりとして、面白いだけでなく、かっこいいし、感動がある。誰にでも奨められる演劇だ。

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

モロトフカクテル【公演終了、次回公演は来年4月@楽園】

タカハ劇団

座・高円寺1(東京都)

2009/10/15 (木) ~ 2009/10/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

ラストシーンで涙が溢れる!
 26歳の高羽彩がこれだけの役者を集め、これだけの舞台を創り上げることにまず驚く。

 かつて戦争を知らない子供達というフォークソングが一世を風靡した。その延長で言うと学生運動を知らない子供達の物語。学生運動世代である自分には違和感がある部分もあったが、現代の大半の人間が感じる学生運動とはまさにこの舞台なのである。その風化しつつある学生運動を正面から捉え、その風化の中で、未だに呪縛の中でいきていく男吉田を中心に描いている。奥が深い。(後はネタバレで)

ネタバレBOX

 有馬自由(扉座)が演じるのは元全共闘今は学生課に勤務する吉田。有馬自由、この切ない男を見事に演じきった。有馬でさえ、既に全共闘世代ではないだろう。その彼が演じた吉田は我々世代をしっかりと表現していた。誤解を恐れずに言えば、全共闘世代の大半は最終的に逃げたのである。それは学生運動が過激な方向に進み出したということに対する嫌悪感と言えばその通りだが、本質は逃げたことに変わりない。

 常にその想いを我々世代は抱えている。そのことをしっかりと描き、その子供の世代である高羽彩が、親の世代の出来事を風刺し総括している。恐れ入った。


役者では自治会の田口を演じた山口森広と、牛島を演じた広澤草が好演していた。そして、キャラメルボックスの畑中智行、虚構の劇団の小沢道成が、新境地を開いていた。


 会場には笑いが溢れていたが、私には切なくて切なくてたまらない芝居だった。そういう気持ちにさせた高羽彩の力に感服した。若い世代にも、年配にも感動を与える舞台である。ラストシーンの有馬の演技に涙が止まらなかった。
『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

『プルーフ/証明』 『心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~』

DULL-COLORED POP

サンモールスタジオ(東京都)

2009/10/07 (水) ~ 2009/10/13 (火)公演終了

満足度★★★★★

渾身の舞台!
【心が目を覚ます瞬間~4.48サイコシスより~】

 谷賢一の才能の引き出しはどこまであるのかと恐ろしくなった。この毛色の違う二作品を同時期に演出するだけで気が狂う作業なのに、この作品には自分で主演している。始める前に、いくら谷賢一とはいえ役者としては並だろうと想像したことを謝らなければならない。しっかりと谷賢一にしか出来ない演技を確立していた。お見事だ。
 堀奈津美は今回の芝居で一皮むけたのではないかと思う。元々達者な女優だが、自分をさらけ出し、一番醜いところまで見せた上で輝くという最高の演技が出来ていた。
 最初から最後まで想像力をかき立てられた。 


【プルーフ/証明】

 舞台装置はテーブルがひとつ、休憩時間をはさんで2時間20分ののドラマをたった4人の役者で見せる。片時も目が離せない。ひきつけられる。まずその役者の力量にしびれた。ダルカラの大女優清水那保はもちろんのこと、4人とも素晴らしい。名優同士が舞台上で火花を散らすというような芝居。ストーリー展開の面白さもあるが、役者同士の戦いにまず感動した。そう言えば清水那保、つい1ヶ月ちょっと前にマリー・ド・ブランヴィリエ公爵夫人という稀代の殺人鬼を堂々と演じたばかり、その同じ女優が今回は神経質で折れそうなナイーブな女性を、繊細に演じている。どちらも難しい役なのに全身で演じ、自分のものにしている。なんて女優だ。

 この公演を最後にDULL-COLORED POPはしばらく活動を休止するという。残念でならない。だがその前の集大成としての舞台に恥じない作品だ。脚本と演出と役者だけで見せる本物のストレートプレイ。渾身の舞台という表現がこれほど似合う舞台はない。

逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)

逆手本忠臣蔵(公演再開&追加公演決定!)

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★

公演再開おめでとう!
公演中にインフルエンザ感染者が出て、休演というアクシデントを経て本日から再開。舞台上にも観客席にもその喜びが溢れていた。

忠臣蔵を全然違う解釈で新しい舞台にしているのだが、その解釈が素敵だ。そしてこの劇団得意の殺陣のシーンがまたかっこいい。

月曜日に追加公演が決まったということで、見逃した人が観れるといいのだが。

わが星

わが星

ままごと

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2009/10/08 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

全く新しいスタイルの演劇誕生!
久しぶりに鳥肌が立った。
新しいスタイルの演劇の誕生である。脚本・演出・役者・スタッフ・制作、その全てが斬新で、挑戦的で、刺激的で、感動的だった。終わった後しばらく立ち上がれなかった。柴幸男の才能の集大成のような作品である。

ネタバレBOX

物語は星の誕生から死までを団地の中の家族の物語になぞらえたもの。時の刻みのリズムの中で、動きも台詞も音楽のようにリズムに乗り、全てが計算された作りである。

円形のステージに観客席から役者が台詞を発したり、星に見立てたステージの周りを全員で歩いたり、五感に訴えかける作りである。

最初はユニクロックかと思った。しかし、舞台上の様式に込められているものは奥深い。星の一生と人間の一生を対比し、壮大な物語を感動的な作品にしている。

個人的にはちいちゃんと月ちゃんのくだりがとても面白かった。
呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

呪われたバブルの塔 -アフターサイド- 【舞台写真掲載!】

北京蝶々

OFF OFFシアター(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い!名作の誕生だ。
 先ほどアフターサイドを見終わったところ、とても面白く感動した。

 ビフォアーの方はホラーで引っ張られたが、アフターの方は社会派サスペンスとしてストーリーではらはらどきどきさせられる。大塩哲史の筆力に感服。その他はネタバレで。

ネタバレBOX

 細野今日子演ずる香港系ファンドのやり手支社長と日本のやくざの戦いが面白い。あの手この手で嫌がらせをしかけるやくざに対し、一歩も引かない女支社長。そして風水師を演じた小林タクシーの少しうさんくさい演技が物語を盛り上げた。その他の登場人物もそれぞれひとくせふたくせあり面白い。

 また後半乱入した男が前オーナーだったのには驚いた。ビフォアーではうだつがあがらない役だったが、アフターではヒーローのような活躍ぶりだ。この変わり方にもしびれた。

 確かに1本でも十分楽しめる作りだが、2本観て、1+1が3になる作品だと思った。演る側は大変だろうが、新しいロングランシステムのひとつの形を北京蝶々が開拓した。
呪われたバブルの塔 -ビフォーサイド- 【舞台写真掲載!】

呪われたバブルの塔 -ビフォーサイド- 【舞台写真掲載!】

北京蝶々

OFF OFFシアター(東京都)

2009/10/01 (木) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

北京蝶々の素敵な挑戦!
 まずは北京蝶々の挑戦する姿勢を高く評価したい。ビフォーサイド、アフターサイドという二本連続公演、12日間18ステージというロングラン、そしてこのビフォアーサイドでは、社会派ヒューマンホラーという新境地を開拓したこと。そういう挑戦する姿勢が舞台全体にみなぎり、新鮮さと躍動感に充ち満ちていた。

 役者陣は初日のぎこちなさがまだ残っていたが、それが逆に芝居の緊張感につながり、いい意味での初々しさを感じた。オーナー高山守を演じた岩渕敏司は駄目な亭主を人間的に演じ、憎めない魅力的なキャラが出来上がった。その他の役者もそれぞれの持ち味をうまく出していた。

 照明の変化の妙や、ホラーの様々な仕掛けも存分に楽しめる。片方だけでも十分楽しめるということだが、せっかくだから両方みたいもの。

三団体合同公演ミツドモエ

三団体合同公演ミツドモエ

ミツドモエ企画

早稲田大学学生会館(東京都)

2009/09/30 (水) ~ 2009/10/03 (土)公演終了

満足度★★★

三劇団の個性のぶつかりあいを堪能。
【knockabout】

様々な演出上の仕掛けがはりめぐらされた舞台。とても斬新な演出だった。テーマは演劇の現場をモデルに、創造活動の難しさや、様々な葛藤を描く。演技的にはまだこなれてない部分が見受けられたが、やろうとしていることの志しは高かった。そしてラストシーンが素敵だった。

【劇団兼ねます】

意欲作。
魅力的なシーンがたくさんあった。他の感想はネタバレで。

【劇団カシスオランゲ】

ファンタジーでメルヘンかと思わせて、その後観客を谷底に突き落とすような展開、前半と後半の落差は衝撃的。
役者はそれぞれ持ち味を発揮し魅力的だった。他の感想はネタバレで

ネタバレBOX

【劇団兼ねます】

観客を舞台に上げ、客席側で演じるという逆転の発想にまずびっくりさせられる。そういう構図のため、音響や照明のオペも見切れる。この意図が後でわかった。

舞台の後半、実際の作者が作者として登場してきて、登場人物と闘うシーンがあった。作者側には、実際の照明係・音響係がその役で登場する。ここら辺非常に面白いと思った。実際の照明係・音響係が、その仕事をしながら、舞台上に上がるなどということは、今回のような構成でなければ不可能だ。

新しいチャレンジとして評価したい。

【劇団カシスオランゲ】

 テーマが差別問題なので、作者は安易なメルヘンに終わらせたくなかったのだろう。後半、とても汚れた現実を見せつけられる。しかし、観客としてはファンタジーと思って観ていた分、余計に衝撃は大きい。ここら辺演出家の狙ったとおりなのだろうが・・・。

 最後に50年後(の平和な光景)を用意して、少し観客のショックを和らげようとしていたが、衝撃は大きく、終わった後もしばらく立ち上がれなかった。

【三劇団を観て】

 早稲田にはどれだけ将来有望な若者がいるのだろうとあらためて感嘆した。三劇団の競演という企画は非常に面白い。自然とライバル意識が芽生えるのだろう、他の劇団に負けてなるかという意気込みが随所に感じられ、それがいい緊張感を生み出していた。そして、三人の作演は、それぞれ、今までにない新しい舞台を見せようという意欲に充ち満ちていた。実験的な部分に関しては、成功している部分と現状はまだ未完成の部分があったことは事実。それにも関わらずそういう挑戦する姿勢が、公演自体に輝きを付加していた。今後の活躍が楽しみだ。
田口アヤコ vs ふたたび

田口アヤコ vs ふたたび

COLLOL

UPLINK FACTORY(東京都)

2009/09/28 (月) ~ 2009/09/28 (月)公演終了

満足度★★★

一夜限りの素敵な朗読ショー!
朗読劇というよりも、本を使った前衛劇という感じ。舞台上ではそのシーンに出ていない役者も自由に遊び、想像力をかきたてられる仕掛けがたくさんあった。

時間の都合で第二部(田口アヤコVS満間昂平)しか観られなかったことが残念。三つ通して観ればもっと色々な発見があったことだろう。

て

ハイバイ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2009/09/25 (金) ~ 2009/10/12 (月)公演終了

満足度★★★★★

岩井秀人の代表作!
祖母の葬式を題材にした家族の物語。
斬新な演出法で、名作が出来上がった。

ネタバレBOX

物語がらせん状に、繰り返されながら、視点を変えて次第に色々なことが見えてくるという作り。この手法と今回の芝居が見事にマッチし、全く新感覚のドラマが出来上がった。

不思議な感覚の中、哀しみが津波のように押し寄せてきて、胸がしめつけられた。

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