Koujiの観てきた!クチコミ一覧

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やわらかいヒビ

やわらかいヒビ

カムヰヤッセン

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2010/10/01 (金) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★

壮大な物語を人間ドラマに!
北川大輔得意の近未来SF。物語は奥が深く、いつもながらに難解な部分があり、全体構造は一回観たくらいではわからないほど緻密に作られている。しかし、今回は夫婦愛を軸に人間ドラマを描いているので、いつものような置いていかれる感じはしなかった。

まず奥田ワレタがいい。どんどん薄汚れていく奥田ワレタがどんどん美しく見えるというマジックを見せてもらった。そしてその夫役の板倉チヒロがいい。どちらもクロムモリブデンの役者だが、クロムでは決して見せないであろう役どころで競演して、その息のあった演技に感動。

その他の役者もうまい役者、魅力的な役者ばかりで、ちょっと贅沢過ぎる使い方のような気さえする。

その中でタダシ役の金沢啓太が悪の中枢を一風変わった演技で見せてくれた。それがぴたりとはまって当たり役となった。

箱入り彼女博覧会

箱入り彼女博覧会

NICE STALKER

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

伊藤伸太朗はイカしたストーカー!
伊藤伸太朗の公演はまず、企画がよく練られている。RENTAL BOXで女の子の「人生」の展示即売会だなんて。

水着シーンありますとか、センセーショナルに宣伝しているが、全編を通じて、伊藤伸太朗の女の子に対する強い愛情を感じる。

またメールアドレスを購入すると後から、登場人物からメールが来るという設定も面白い。毎回、公演とネットを連動させて劇場を出ても楽しめる企画を考えている。そのことが素晴らしい。

センの風とムラサキの陽(池袋演劇祭・優秀賞受賞)

センの風とムラサキの陽(池袋演劇祭・優秀賞受賞)

劇団バッコスの祭

池袋小劇場(東京都)

2010/09/30 (木) ~ 2010/10/11 (月)公演終了

満足度★★★★★

最後は涙涙・・・
戦争中の本来暗い物語に、地域劇団の物語をエピソードに加えて明るいタッチで描いたのが成功している。お陰でラストは涙涙だ。

中心的な役者が上手いのはどこの劇団でもだが、今回、脇を固める役者が非常に良かった。

食堂の娘を演じた雨宮真梨の明るさとその裏にある影に感動。劇団の脚本家を演じた稲垣佳奈美もいつも明るくて素敵だった。新聞記者役の金子優子、海軍少佐役の石井雄一郎、大学教授役の田仲晶らが特に魅力的だった。

この劇団、毎回観ているがどんどん作品の完成度が高くなっている。今回の作品、私は今までの中で一番好きだ。

「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」ご来場ありがとうございました!

「Floor in Attic 屋根裏の床を掻き毟る男たち」ご来場ありがとうございました!

演戯団コリペ

タイニイアリス(東京都)

2010/10/02 (土) ~ 2010/10/04 (月)公演終了

満足度★★★★

社会の底辺の力強さ!
全編韓国語で上演されたにも関わらず、会場は笑いで満ち満ちた。それは個性的で魅力的な登場人物の一挙手一投足がユーモアにあふれた者だったからだ。

社会からあぶれた4人の若者が主人公だが、決して弱さはない。むしろ生命力を感じ、存在において力強ささえ感じる。

また舞台装置が素敵。4人が住んでいる傾きかかった家を、演出家はお金がないので、こんな装置になりましたというような話を終演後していたが、いやどんなお金をかけた装置よりも刺激的だった。お見事である。

ジーンズ -gene(s)-

ジーンズ -gene(s)-

劇団銀石

ザムザ阿佐谷(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★★

種の起源をロマンティックに。
少し難解な作劇が多い銀石だが、今回の作品はダーウィンを主人公に、種の起源と自分に初めて子供が出来るという物語を絡めてわかりやすくロマンティックな作品に仕上がった。

あたかもサスペンスドラマのように進行していくところも魅力的で、ちょっとコミカルさも加わるなど、新たな銀石の味が出てきたような気がする。

主役のダーウィンを演じる伊藤淳二が達者で、芝居全体が引き締まった。

アメリカ

アメリカ

ワタナベエンターテインメント

本多劇場(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/03 (日)公演終了

満足度★★★★

D-BOYS なかなかやるぞ。
D-BOYS、ただのアイドルグループかと思ったら赤堀雅秋の演出であのアメリカを演目に選んだというだけで本気度がわかる。

劇団D-BOYSとでもよびたくなるような舞台愛に満ち満ちた作品に仕上がっている。

演技の上手さも期待以上だが、なによりもやはり華があり、きらめいている。こんごの進化が楽しみだ。

シラノ・ド・ベルジュラック

シラノ・ド・ベルジュラック

演劇集団キャラメルボックス

俳優座劇場(東京都)

2010/09/29 (水) ~ 2010/10/10 (日)公演終了

満足度★★★★

阿部丈二の上手さを再確認!
元々、達者な役者だとは思っていたが、ここまでうまかったとは。阿部丈二の役者としての上手さを再確認した作品。

他にも魅力的な役者がいっぱい出ていたが、今回は阿部丈二の一人勝ち。ヒロインの阿部哲子は座っているだけでかわいく、今回は阿部阿部コンビ
に堪能。

Project BUNGAKU 太宰治

Project BUNGAKU 太宰治

Project BUNGAKU

ワーサルシアター(東京都)

2010/09/30 (木) ~ 2010/10/10 (日)公演終了

満足度★★★★

演劇の鉄人たちの饗宴!
若手を代表する4人の演出家の競演、そしてその題材が太宰となるとたまらない。今回の企画、観客に1位から4位までを付けさせるというコンペと、アフタートークゲストに一番気に入った作品を選ばせるという二重のコンペになっている。これでは4人が燃えないわけがない。

才能あふれる演出家が腕によりをかけて競い合うという素晴らしい企画。観客としては、どの作品も感銘をうけて、順位付けするのが難しいくらい。

ひとことでこの公演を表すと、生きのいい公演。堪能した。

TorinGi(トリンギ)「捨てる。」再演【キャスト写真UP】

TorinGi(トリンギ)「捨てる。」再演【キャスト写真UP】

feblaboプロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2010/09/24 (金) ~ 2010/09/29 (水)公演終了

満足度★★★★★

前作を超える出来!
前回も素敵な作品だと思ったが、今回はさらにいい。前回と比べて、きょうだい編が大きく伸びた。二人の名優のぶつかり合いが実に面白い。そしてそのシーンが楽しめた結果、最後のシーンがとても泣けた。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 下北盤

電動夏子安置システム

Geki地下Liberty(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

ゲームの中に潜むもの。
スタートしてしばらくは何をやっているのかわからなかった。しかし、次第にその世界に引き込まれていった。

新しいゲームを作るという行為は、新しい芝居を作るという行為に似ている。このシャハマーチという作品はまず、電動夏子安置システムが作った新しいゲーム(あるいは新しいスポーツ)を観戦するというところからスタートする。

まず、このゲームが奥が深い。この複雑なゲームを考えついただけで電動夏子すごいと思う。しかもそこから暗示されるものは相当奥が深い。

【公式ブログにて結果発表中!】何にも知らないわけではない

【公式ブログにて結果発表中!】何にも知らないわけではない

パセリス

OFF OFFシアター(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/27 (月)公演終了

満足度★★★★★

発想が素晴らしい!
今公演の説明文に書いてあることなので、ネタバレにならないと思うが、我々観客は劇を観ながら、アミューズメントスポット「オブザービングルーム」の観察者役を演じさせられる。

このことが劇の後半で物語を大変面白くしている。
良くできた台本である。発想力と構成力に感心した。

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

レストランじゃないっ!!!【終了いたしました。ご来場ありがとうございました!!!】

コメディユニット磯川家

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2010/09/23 (木) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

サービス精神満点の芝居!
ともかく舞台上で役者達が楽しんでいるところが素敵だ。もちろん、きちんと計算しながら演じているのだろうが、役者の一人一人が輝いてみえる。

今回客演陣で、見知った顔を何人か見つけたが、ホームグランドでは見せない表情を磯川家では見せてくれた。それがみんな素敵なのだ。

誰でも楽しめる作品。お奨めだ。

淑女冥利

淑女冥利

多少婦人

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/22 (水) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★

二人の作演の対比が面白い
4つのオムニバスからなる作品だが、ふたりの作家の作品を交互に見せてくれる作り。

スタートの第一話がとても衝撃的な作品でこういう劇団なのかとちょっと心配したが、後の三作品は楽しめた。

特に私は第四話目が好みだった。大黒役の遠藤夏子と、その友人役の市野々はる果が雰囲気があって素敵だった。

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点 vol.1 Re:TRANS(MU×ミナモザ×鵺的) 満員御礼、審査発表をblogにて公開しました!

視点

ギャラリーLE DECO(東京都)

2010/09/21 (火) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

現代を切り取る三劇団の競演!
ルデコで観客を巻き込んだ3劇団のフェスティバル。なかなか見応えがあった。

それぞれ作風は違うものの、現代を切り取って見せるというところでは共通部分もある。

鴻上尚史の名作にトランスという3人芝居があるが、新たに、3人(あるいは4人)芝居のスタンダードを生み出そうとう試み。その心意気やよしである。

悪魔のセバスチャンと天才演出家

悪魔のセバスチャンと天才演出家

Attic Theater

テアトルBONBON(東京都)

2010/09/15 (水) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

大人も楽しめる素敵なファンタジー
題名だけ見ると、中世を舞台にした芝居のように見えるが、れっきとした現代劇。とても面白くてぐいぐい引き込まれた。楽しかったあ。

誰もが幸せな気分になれる素敵な作品。

悪魔役の小島裕と、演出家役の家入賢仁が息のあった演技でたっぷり笑わせてもらった。

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKYののぞき部屋演劇祭2010

ZOKKY

王子小劇場(東京都)

2010/09/10 (金) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

視覚演劇!
妄想組曲「組曲妄想」、ニュウリンバズウカ「揉む痛み」、性年団リンク・竿☆組「来い!如意棒達」とmicroZOKKYを拝見した。今回の作品は女優の競演が見どころだった。妄想組曲葛木英、ニュウリンバズウカ川村紗也、竿☆組石井舞、いずれ劣らぬ美女達が、直線距離10センチくらいまで近づいて、色々と挑発してくれる。

あらためてのぞき部屋演劇がなんたるかを考えてみた。最初は のぞくという行為の中にある人間の罪深い欲求を刺激するものだと考えてきた。しかし、本公演9作品を観て感じたことは、のぞき部屋演劇の意義は、視点を集中させたということにあるのだと覚った。ともかく視覚的にとても美しいのである。この視覚を実現したことに今回の成功がある。

俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

俺が彼女を好きなことを神にすらきづかせない‏【公演終了】

劇団鋼鉄村松

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

センスあふれる物語
 まずタイトルがとてもしゃれている。「僕が彼女を好きなことを神にすら気づかせない」このタイトルだけでストイックな男の物語だとわかる。しかし、このストイックな男、ストイックではあるがちょっととぼけた奴で、実は彼が彼女を好きなことはみんな知っているという逆説的設定がとても面白かった。

 19世紀を舞台にしながら、様式めいたところはほとんどなく、違和感なく観ることが出来た。不思議な巡り合わせで愛する女性と敵同士になるという設定がとても魅力的。

 役者は皆達者だが、中でもギュスターブを演じたムラマツベスと、ヒルダを演じた藤本かな子が特に魅力的だった。

「美しきラビットパンチ」

「美しきラビットパンチ」

ゴジゲン

駅前劇場(東京都)

2010/09/18 (土) ~ 2010/09/26 (日)公演終了

満足度★★★★

凄い芝居を観た!
後半の途中までは、ボクシング部を題材にした青春グラフティ、それだけで十分面白く、後半何度も、もうそろそろここら辺で終わるんじゃないだろうかと思った瞬間があった。ところが実はそこからが本番だったのだ。それからはもうある意味格闘技、観ながら、これは誰か倒れるんじゃないかと本当に心配した。

役者がステージに命を賭けている芝居、物語を超えて、役者の持つエネルギーそのものを観客にぶつける芝居。見終わった後、凄い芝居を観たと感じた。全ての役者に心から拍手を贈りたい。ただ、けがだけは気をつけて。千秋楽までこの芝居が持つのか心配でならない。それくらいの芝居なのだ。

心の余白にわずかな涙を

心の余白にわずかな涙を

elePHANTMoon

王子小劇場(東京都)

2010/09/16 (木) ~ 2010/09/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

ホンモノ!
エンタメとかファンタジーが全盛の時代に、その真逆を突っ走る志しと潔さが好きだ。ストーリーというよりも作品の質感、例えば手触り感だとか匂いだとか、そういったものがしっかりと感じられるところに演劇としてホンモノを感じる。

さまざまなエピソードを重ねながら、誰しもが心に持つ闇の部分をベールをはぐように見せていく。この劇団、終わった後、カーテンコールがない。いやカーテンコールなど出来ないのだ。何故出来ないのか、舞台上提示されたものは全て現実であり、幕が下りたとしてもリセット出来るものではない。役者も同様、終わった瞬間に現実の自分にすぐ戻れるような作りの芝居ではないのだ。

見終わった後、観客は心に残った重いものを引きずって会場を出る。好き嫌いはわかれるだろうが、これこそが演劇ではないだろうか?

ネタバレBOX

開演前、遠くでかみなりが光り、次第に雨音が聞こえてきて、最後に嵐になって停電とともに舞台が開演する。なんて素敵な始まり方、芝居の始まり方としては今年観た作品の中でベスト1だ。

今回の芝居では後半実物が登場する人面魚が象徴的、ぬめっとして気持ちが悪く、得体の知れないもの、マキタカズオミが描きたかったものはそういったものではないか。人間の心の中にとぐろを巻く得体の知れない感情、通常我々が隠して生きている部分を少しずつさらして見せる。

すごい作品だと心から思う。
草莽崛起

草莽崛起

劇団宇宙キャンパス

武蔵野芸能劇場 小劇場(東京都)

2010/09/17 (金) ~ 2010/09/21 (火)公演終了

満足度★★★★★

挑戦する姿勢が素晴らしい!
いつもはヒューマンコメディをやっている劇団が今回はいくつも挑戦をした。まず初の時代劇。しかもコメディでなく本格派時代劇。そして若手を大抜擢し、ベテランが脇を固めるという布陣。

それぞれが功を奏して雄大な歴史ロマンが完成した。

主宰の小林ともゆきがワンシーンだけ女形で登場するが、とても美しく、ワンシーンだけの出演ではもったいなかった。

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