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荒人神 -Arabitokami-
壱劇屋
5ヶ月連続上演「五彩の神楽」最終作。
1作品でも観ていたらより楽しめる、という言葉を信じて全作品追い続けた5ヶ月目。
期待以上のものが、そこにありました。
初めて五彩の神楽に触れる観客にも楽しめるよう配慮がされながらも、ここまでずっと観てきた人間には「ご褒美」としか言いようのない仕掛けが織り込まれていて。
シリーズ集大成としての自信と情熱を感じる構成でした。
人間の記憶は脆く、薄れやすい。
けれど、それを補うかのように音楽で、モチーフで、演出で、衣装で。
繰り返し思い出ごと呼び起こそうとする試みに、8月に、9月に、10月に、そして11月に戻ったかのような錯覚を覚えました。
暑い夏に「憫笑姫」から始まった五彩の神楽が、寒い冬にアツい「荒人神」で締めくくられる。
長い人生のほんの5ヶ月のことだけれど、きっと、あの光景とその時の感情とをわたしは忘れないと思います。
頑張った人が、頑張って、報われる。
そしてその傍らには、自分の絶対的な味方になってくれるかけがえのない誰かが寄り添ってくれる。
5作品を通して繋がっていったテーマが、これからの人生のどこかで、そっと背中を押してくれるでしょう。
五彩の神楽に出会えてよかった。そして、壱劇屋東京支部に出会えてよかった。そう、心から思えたひとときでした。