jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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無気力宇宙船メロディライナー55号

無気力宇宙船メロディライナー55号

劇団東京都鈴木区

遊空間がざびぃ(東京都)

2009/06/23 (火) ~ 2009/06/24 (水)公演終了

満足度★★★★

ショーもない、けど、いい話
23世紀の宇宙船で起こる、ショーもないコメディだが、話の骨格はどこにでもありそうなものながら、細かい部分を楽しく作ってあって、かなり楽しめる。
基本的に悪い人が出てこないので、安心して観ていられるのはアリガタイ。細かいギャグを楽しめるかどうかがカギだが、私は楽しめた。よく考えると、男優2人・女優4人という構成での上演だが、女優がいっぱい、という印象がないあたりは、巧く作っていると言える。

海と雨とフェスティバル

海と雨とフェスティバル

乱雑天国

新宿ゴールデン街劇場(東京都)

2009/06/19 (金) ~ 2009/06/23 (火)公演終了

満足度★★★★

意外に真面目
動物電気の松下幸史のユニットだが初めて観た。動物電気っぽいコメディなのかと思っていたら、笑いのファクターはあるものの予想外に真面目。
短編4話で一つのストーリーを展開する70分程度の舞台だが、適度に笑わせて少し泣かせる。いい話だった。

ありふれた惑星

ありふれた惑星

てがみ座

王子小劇場(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

観る価値大いにあり。
2話の内、期待した『カシオペア』は丁寧な「いい話」だけれども、実は個人的な違和感がちょっとある。もう一つの『鉄屑の空』はフィクションっぽいけれど、かなり面白い。で、それらを繋げたアイデアはステキだった。

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

ユニゾニア-鏡の国のコロス-

双数姉妹

笹塚ファクトリー(東京都)

2009/06/10 (水) ~ 2009/06/14 (日)公演終了

満足度★★★★

アイデアがいい
トリッキーなアイデアを消化して、面白い舞台を作っている。全てが納得できるかは別だけれども…。役者陣は頑張っています。

炭酸の空

炭酸の空

津田記念日

王子小劇場(東京都)

2009/06/03 (水) ~ 2009/06/07 (日)公演終了

満足度★★★

人物は描けてる
イライラする(これは必ずしも悪い意味ではない)芝居だった。理解はできるものの、登場人物に共感できないのがイライラ感の原因。それは、とりあえず人物像は描けているということなのだけれど、エンディングに向けての展開が納得できるかは、ちょっと別物の気もする。タイトルは象徴的な意味を持つのだけれど、それも充分に活きているとは思えなかったのは惜しい。

ネタバレBOX

近未来、「終末」が予告され地上が放射能で破壊されつくした状況下での地下シェルターでの物語。車椅子の少女・繭(牛水)と管理者然とした大石(成田浬)・ちょっとダメな感じの数野(宇賀神明広)、そして、最近このシェルターに逃げ込んで来た副島(山本亜希)・押切(高橋裕太)がいる。繭は以前は兄(内山清人)と一緒にいたらしく、回想か幻影か、兄と会話することがある。放射能はいずれシェルターにも届いてしまうらしく、いずれは終末を迎えるらしい中で、他の住人に何かの薬の服用を指示する大石だが、薬の正体などは語らず、数野や押切は怪しむ。副島や押切が体の不調を訴える中、数野が別のシェルターに逃げる計画を立てていたり、副島と大石が関係を持ったらしかったり、数野が繭を襲ったり、というエピソードの後、繭と兄、そして大石の過去が見えて来て…、というわけだが、極限状態での行動ということで理解はできる。
ロング・ミニッツ

ロング・ミニッツ

feblaboプロデュース

エビス駅前バー(東京都)

2009/05/30 (土) ~ 2009/06/02 (火)公演終了

満足度★★★★

よくできたSF(?)サスペンス(?)
巧い、と思った。最初は普通のバーでの物語かと思っていると、途中からSF要素が2つ入って、エピソードの積み重ね方も巧く、1時間強をワクワクして観ることができた。

ネタバレBOX

自分だけが7分間タイムスリップしてしまう男の物語。最初は普通の話かと思わせておいて、カノジョが別れを切り出した瞬間にタイムスリップしてしまい、7分間を何回も繰り返す。もう一つ、男はデビューできなかった小説家という設定なのだけれど、その未発表小説が現実化する、というSFファクターも入っている。全く無関係に思われた別席のカップルが途中から重要な役割を果たすなど、エピソードの積み上げ方は非常に巧い。正直、似た場面を9回(10回?、途中から分からなくなった(^_^;))も繰り返されると冗長に感じなくもないし、謎解きもすっきりしない部分があったり、最後はちょっと納得できない面もあるけれど、全体にワクワクして観ていられる1時間強だった。役者陣も、面倒そうな脚本を丁寧に演じているが、川田希はやっぱり華があっていいなぁ(^_^;)。
SURROUNDED ALWAYS

SURROUNDED ALWAYS

年年有魚

新宿眼科画廊(東京都)

2009/05/27 (水) ~ 2009/06/09 (火)公演終了

満足度★★★

初めての劇団
初めて観た。どういう芝居を作りたいのかは良く分かるのだけれど、登場人物の性格設定に初め違和感があり、物語にスンナリ入れなかったのが惜しい。

ネタバレBOX

壊れかけた夫婦が、妻がモデルをする絵画教室の会場に家で使ったことで、妻の人間関係が少し明らかにされて、夫婦の関係が少し別な段階に移る、という物語。分かると言えば分かるのだけれども、妻以外の3人の女性の性格がやや奇抜で、そちらに目を奪われてしまって、夫婦の物語というようにスンナリ入って来なかった。特に、自分として、隠しカメラをセットしたりする夫の行動に共感できなかったのが大きい。もっと普通のドラマでよかったように思うのだけれど…。
邪宗門

邪宗門

月蝕歌劇団

ザムザ阿佐谷(東京都)

2008/08/27 (水) ~ 2008/09/01 (月)公演終了

満足度★★★★★

面白い!
 寺山らしい構造の作品を、月蝕風に解釈して好演。あまりにも面白いので9月1日にも観に行ってしまった。若い役者陣が力を伸ばしてきていると思った。

I do I want

I do I want

空間ゼリー

サンモールスタジオ(東京都)

2008/06/13 (金) ~ 2008/06/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

観るべし!
 余分なものを削ぎ落した、必要かつ十分な1時間20分。笑いもありながら、切なさも怖さも含んだ素敵な舞台だった。

hg

hg

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2008/05/09 (金) ~ 2008/05/18 (日)公演終了

満足度★★★★★

重さと明るさ
 水俣病を扱った新作で、テーマは確かに重い。重いものを重く書くのはたやすいだろうし、今は評価が確定してる問題を今の評価で書くこともたやすいだろう。脚本に定評のあるこの劇団、そんな安易でないドラマが観られるだろうと期待しての観劇だが、やはり、良い芝居だった。
 各1時間ほどの2話構成。第1話は、作品中では年代は明らかにされないが1956年のチッソの会議室。第2話は現代で、胎児性水俣病患者を中心とした授産所「みかんの家」。52年を経ても、水俣病が今に繋がる問題として、未来に続いていくことを、希望を持って描いた作品になっている。 舞台から与えられているものを自分がしっかりと受け止めているかどうかは、自信が持てない、そんな気にもなったりする。

ネタバレBOX

 1話は、水俣病の原因がチッソの廃液に含まれる有機水銀であることが分かる場面。水俣病の真実を追いかけつつも、会社を守る立場に立とうとする工場長・西田(篠塚祥司)や技術次長・徳山(栗原茂)と、事実を明らかにしようとする若手技術者・石渡(浅倉洋介),チッソ附属病院の医師・小澤(金替康博)とが対立する中での、病院長・細田(佐藤誓)の苦悩が軸にあるように見える。西田や徳山を単純に「悪」とせず、そうせざるをえない状況を描くテキストに実感がある。
 2話は、胎児性水俣病患者を中心とした授産所の現実を丁寧に描く。そこを、水俣病を題材にした芝居を作ろうとして東京から女性劇作家が訪れているという設定(って、要するに、本作を書こうとする主宰・詩森ろばのことだ(^_^;))。全体は明るいトーンで作り込まれているが、それはそれで時に重いものを突き付けられている印象はある。今も病気を抱える患者たちが、実は普通に生きているのだということも、我々は気づかないでいる/気づこうとしないでいる、という部分をあぶり出しているあたり、先日観た『ハリジャン』に似た感触もある。
 と同時に、演劇で水俣病の何を表現できるのか、ということが展開される舞台は、そのことに対する主宰・詩森の一つの考えを具現化しているように思う。劇作家・国東(宮嶋美子)に対して、それまで非常に穏やかに授産所の仕事をこなしていた理事長・高城(西山水木)が感情を爆発させるシーンは、相当にインパクトがある。その意味では、この作品を水俣病問題という社会性のある側面だけから観るのではなく、あくまでも一つの演劇として眺める姿勢も観客には求められるように思う。エンディングはこの劇団らしく、極めて美しいシーンで終わっているのが印象的である。
 通常はカーテンコールに顔を出さない詩森が、「みかんの家」のモデルとなった「ほっとはうす」所長の加藤氏を紹介するために舞台に上がり、加藤氏の言葉に涙する場面もあって、この芝居、特に初日に対する思いを感じた。
 ベテランの客演陣は期待通りの熱演で、20年ほど前から観ている篠塚祥司や西山水木、1話でも2話でも重要な役を演じる佐藤誓など、流石と思わせてくれる。半面、欲を言えば、劇団員だけで本作を作り上げられないという限界も感じざるをえない。これは年齢的に若い役者が多い劇団ということでやむをえないのだろう。1話での浅倉洋介、工場長に父の発病を訴える事務員を演じた津田湘子、2話で自閉症患者を演じる山ノ井史は印象に残るが、後で考えてみたら、詩森の分身を演じた宮嶋が実は大変な役をやっていたのだと気づく。
大人になって、好きになった

大人になって、好きになった

ボールベアリングドラゴンズ

東京アポロシアター(東京都)

2008/03/21 (金) ~ 2008/03/23 (日)公演終了

満足度★★★

いい話だった
 説明に「…(特に女子)」とあるけど、男が観ても感じるところはあると思う。書いてある通りの、いろいろある日常のある部分を描いた1時間の3人芝居。テキストが良く、言葉の選び方とか持ち出し方が巧みで、大したことは起こらないのにドラマがある。

ネタバレBOX

ただし、エンディングは何を示したいのかが分かりにくく、消化不良になってしまう感じがなくもない。タイトルは、弟が嫌いだったチーズをわざとお土産に買って来たら、弟がチーズを食べられるようになっていた、というシーンから来ていると思う。成長とともに人が変わっていく姿を淡々と描いた作品と言えそう。

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