jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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水底の静観者

水底の静観者

猫の会

「劇」小劇場(東京都)

2011/01/26 (水) ~ 2011/01/31 (月)公演終了

満足度★★★

勿体ない(^_^;)
主人公と覚しきダメ男の抱える孤独の物語なのか、彼を含む家族の物語なのか、全体の群像劇なのか、今一つ焦点が絞れていない感じが勿体ない。また、オープニングでの細かな動きから提示される人間関係が、小さな部分ではあるが、いくつかの違和感を感じてしまった。役者陣は丁寧に演じ、全体はよくできた話になっているだけに惜しい。

新妻聖子ひとり芝居「青空…!」

新妻聖子ひとり芝居「青空…!」

トム・プロジェクト

赤坂RED/THEATER(東京都)

2011/01/25 (火) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★

熱演である
少し面白い(ある意味ありえない)環境の中で、自分を再生する女性を新妻が演じる。一人芝居の常套手段として会話の相手を作るのだけれども、それが亡くなった祖母ということで見えないことに違和感がない。ただし、彼女が自分の苦難を乗り越える物語なのか、祖母が経験した戦争の物語なのか、その辺がやや曖昧な脚本には若干の違和感がないでもない。途中、新妻の歌を4曲入れるなど、彼女の特性を活かした作りは、全体としては成功していると思うけれども…。

パパ・タラフマラの白雪姫

パパ・タラフマラの白雪姫

パパ・タラフマラ

あうるすぽっと(東京都)

2011/01/20 (木) ~ 2011/01/24 (月)公演終了

満足度★★★

それなりに楽しんだ
ここを観るのは初めて。演劇というよりパフォーマンスという印象で、分からなかったらどうしよう、と思っていたが、元の物語が有名なので、筋を追いつつ、独特の「解釈」の部分も何となく伝わってきていて、パフォーマンス系に弱い私でも、それなりに楽しめる舞台だった。

国民傘

国民傘

森崎事務所M&Oplays

ザ・スズナリ(東京都)

2011/01/21 (金) ~ 2011/02/13 (日)公演終了

満足度★★★

若い
一応は3つ物語がありつつも、それらが複雑に入れこんでいて、しかも、岩松らしく適度に不条理。エンディングもやや呆気なく、非常に不思議なテイストの作品だった。初舞台も含めて舞台経験の少ない役者も多い中、全体の感触に未熟な部分はなく、面白い、という表現が適切かどうかは分からないけど、意味はある2時間半だった。

アレルギー【公演終了!!!ご来場誠にありがとうございました!!!!】

アレルギー【公演終了!!!ご来場誠にありがとうございました!!!!】

ギグル

王子小劇場(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

即興、……なんですよね
登米裕一が構成と演出をしているものの、基本的には役者のエチュードの連鎖で作品を作るという試みの第1回。ほとんどの部分でセリフは決まっていなくて、設定とキーワードで上演するということで、毎日違った作品になっていくのだという。コント集っぽい作品なので、全体の感触はU-1グランプリにちょっと近い気もするけど、微妙なユルサが何となく楽しい。

エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】

エモーショナルレイバー【ご来場ありがとうございました!】

ミナモザ

シアタートラム(東京都)

2011/01/20 (木) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

母性、…か?
振り込め詐欺をする人々の中で様々な事件が起こる群像劇。全く感じが違う2人の女が「母性」というポイントで繋がっていくことが一応の軸になっているように思う。男性陣にはリアリティを感じるのだが、女2人は少しステレオタイプな印象があり、にもかかわらず繋がるというのが狙いなのかとは思うが、少し飛躍がある感じがしないでもない。

SWEETS

SWEETS

ehon

座・高円寺1(東京都)

2011/01/19 (水) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

痛い物語に少しの救い
少しずつ痛んだ「家族」と周辺の人々の物語は、葛木らしい毒のあるファンタジー、かと思っていたら、終盤に悲惨な方向に向かってしまうのだけれども、最後に少し救いを残して終わるあたりでようやく気持ちを前に向けることができる。痛いがそれなりに分かりやすい作品だが、物語の展開を字幕で進めるという手法は多用しない方がいいように思った。

水飲み鳥+溺愛

水飲み鳥+溺愛

ユニークポイント

「劇」小劇場(東京都)

2011/01/18 (火) ~ 2011/01/23 (日)公演終了

満足度★★★★

傾向の異なる2作品
感触の全く違った1時間程度の2作品を上演する。1本目の『溺愛』は、実話をベースとしつつも、抽象的で幻想的な表現で実話の持つ悲惨さを和らげているが、事件の全体をタイトルで表現しているあたりは面白い。もう1本の『水飲み鳥』は打って変わってのリアルっぽい作品。高校時代、同級生で演劇部だったメンバーの一人の葬儀の夜、地元に残って小学校の教員をしている森(泉陽二)の家に、東京で今も芝居を続ける小林(洪明花),地元で結婚して暮らす山下(森宮なつめ),東京で会社に勤める磯部(古市裕貴)の4人が集まる。語り合う内、4人の中で様々な記憶と、現状での微妙な食い違いが表出する。ディテイルを丁寧に描いた好作品。

ヒールのブーツ

ヒールのブーツ

オーストラ・マコンドー

JORDI TOKYO(東京都)

2011/01/14 (金) ~ 2011/01/19 (水)公演終了

満足度★★★

感触の芝居
とあるブティックを舞台にした群像劇。物語はいろいろあるが、基本はマコンドーらしい感触の舞台で、ロジックで説明できない/しない部分が含まれているのは、いつもの通り。この感触を楽しめるかどうかがポイントなんだろうなぁ。

十二夜

十二夜

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2011/01/04 (火) ~ 2011/01/26 (水)公演終了

満足度★★★★

祝祭的演出が楽しい
シェイクスピアの有名な喜劇を串田和美が松たか子をメインに料理する。物語自体はシェイクスピアのオリジナルを踏襲しているが、元自由劇場系の役者を多く使い、ミュージシャンも加えて、全体を祝祭的イメージの音楽劇に構成したあたりが串田らしく、休憩込み3時間弱が一気に終わってしまう感じが楽しい。2役を演じる松たか子は勿論ステキだが、オリヴィア役のりょうの美しさが光り、そして、その侍女を演じる荻野目慶子の年齢不詳(二十歳と言っても通じるぞ!)の怪演が素晴らしい。全体に、ファンタジーを楽しめた3時間だった。

時計じかけのオレンジ

時計じかけのオレンジ

ホリプロ

赤坂ACTシアター(東京都)

2011/01/02 (日) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★

楽しいことは確かに楽しい
アンソニー・バージェスの作品をキューブリックが映画化して有名な作品だが、今回はそれをパンク・オペラにするという。で、小栗旬が主演ということで大人気の公演で、実際、劇場内はそういった雰囲気の客が多い気がする(^_^;)。原作のストーリーを原則として追いながらも、「原作ではこうでした」「映画化作品ではこうでした」的なセリフもあり、ちょっとブレヒト的なファクターもこめつつ、深遠なテーマを含みながらもエンターテインメントとしても充分にでき上がっていて面白い作品だった。

ネタバレBOX

暴力が横行する一方、全体主義的管理社会となっている近未来のロンドンで、不良グループのリーダーであるアレックス(小栗)は逮捕され投獄される。そこでルドヴィコ療法なるものを受けることを長期の投獄の代わりに提案される。それは、薬物で暴力や性行為に嫌悪感を発生させるという療法で、その結果アレックスは暴力などに嘔吐感を催すようになる…。
愉快犯

愉快犯

柿喰う客

大阪市立芸術創造館(大阪府)

2011/01/21 (金) ~ 2011/01/25 (火)公演終了

満足度★★★★

荒唐無稽(^_^)v
ある意味で他愛ないストーリー。劇団員のフィジカルの強さを信頼してか、私が初めて柿を観た『傷は浅いぞ』同様の斜面の舞台で、柿らしい荒唐無稽な物語が展開される。マンガを読んでるような面白さ、と言ったら失礼なんだろうか(^_^;)。

もう一度、この手に

もう一度、この手に

シベリア少女鉄道

王子小劇場(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/16 (日)公演終了

満足度★★

思いの外…
ここは、話は以前から聞いていて興味もあったのだけれど、キチンと観るのは初めて。あまり面白くなかった。今回は8編からなる短編オムニバスという意味で、通常の公演とは違うらしいのだが、一種のメタ演劇を目指している感じで、周囲で大笑いしている人もいたので、こういうのが面白い人もいるんだろうな、とは思った。

大人は、かく戦えり

大人は、かく戦えり

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2011/01/06 (木) ~ 2011/01/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

壮絶(^_^)v
ものすごく面白いコメディだった\(^_^)/~~。11歳の息子たちが喧嘩した2組の夫妻4人での話し合いが始まるが、話は思わぬ方向にそれまくって……、という、当事者にとっては悲劇的な出来事が、観客はとてつもなく面白いコメディになってしまう。大竹しのぶ・段田安則・高橋克実・秋山菜津子という役者陣の力量も見事で、超早口のセリフもしばしばあったり、とにかく笑わせてもらえる80分だった。

葬送の教室

葬送の教室

風琴工房

ザ・スズナリ(東京都)

2010/10/06 (水) ~ 2010/10/13 (水)公演終了

満足度★★★★★

観るべし!
実話ベースの話だが、定型化せず、奇も衒わず、丁寧に起承転結を積み上げて作られた作品という印象だった。エンターテインメントではないので、非常に重く緊張感に押しつぶされそうにもなるが、良し悪しは別にして、こういう作品を観ないのでは、芝居を観る意味はないんじゃなか、とまで思う。観て良かった。

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

ЖeHopмan【シャハマーチ】 池袋盤

電動夏子安置システム

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2010/09/07 (火) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ちょっと上級編かもね
脚本に基づいて役者が演じている、という意味では演劇なんだけど、他の劇団ではやらないようなことを、一貫してやっているのはスゴイ。今回は、一連のジェノルマ・シリーズなんだけど、少しルールが加わって(変わって)上級編という雰囲気があるような気がする。しかし、12人の役者陣が細かい部分を丁寧に演じてて、何回観ても見落とすだろうなぁ、というような動きがいっぱい。それを見つけたときが楽しい。この劇団のロジカル・コメディの見方が分かっていれば、とんでもなく面白い作品だと言える。

忘却曲線

忘却曲線

青☆組

アトリエ春風舎(東京都)

2010/09/06 (月) ~ 2010/09/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

力作だった
タイトな構成に緻密なテキストを重ねた脚本を、役者陣が丁寧に演じた力作だった。人間を根本では信じていることが感じられ、希望を見せるエンディングも印象的だった。

ネタバレBOX

高校生の井上みなみを、3姉妹+弟の記憶の中の母を演じる、という配役にはやられた。それが意味を持つ脚本が見事。
GOOD DESIGN GIRL LOVES ART!

GOOD DESIGN GIRL LOVES ART!

NICE STALKER

ギャラリーLE DECO(東京都)

2009/06/30 (火) ~ 2009/07/05 (日)公演終了

満足度★★

ウーム
3つの短編を上演しての75分だけど、結局は全部観ないと分からない、みたいな感じがあって、ちょっとシンドイ。やりたいことは分かるのだが、1回観ただけだと成功していない気がする。

眠るために目醒める

眠るために目醒める

reset-N

王子小劇場(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/30 (火)公演終了

満足度★★★

試されている感じ
昨年の『閃光』の続編を観ているようだった。演劇を作る過程での役者達と演出家(作家?)の2つの思惑が並行して作品は進行するが、全体にこちらが試されているような居心地の悪さを感じた。

不完全版「幸福論」

不完全版「幸福論」

tea for two

「劇」小劇場(東京都)

2009/06/25 (木) ~ 2009/06/28 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつもながら巧い
3話構成で、2人ずつ4組の物語が巧みに交錯する。トリッキーな仕掛けが終盤で収束する劇作に特徴がある大根の脚本だが、今回は、一つ一つの物語は正統な会話劇として作ろうとしているように見える。それでいて、3話の絡み合いが巧みな全体の物語を構成しているのは、いつものながらの巧さを感じる。西尾早智子vs倉田知美の3話の迫力が凄い。

ネタバレBOX

1話「青い焼き鳥」は離婚寸前の夫婦(大岡伸次・塚原美穂)の物語。娘の前で喧嘩はできないと、居酒屋で別れ話をした後らしいのだが、両方とも金がなく払えないのをどうしようかと悪戦苦闘する。居酒屋の店長(大森健彰)と新人店員(松木詩織・ダブルキャスト)の物語が巧みに混じるが、ありそうな話、ではある。2話「幸福の王子の野球挙」は、人と話すのが上手でない男(島本和人)が話し方教室の先生(風間美珠希)の教えで、通りすがりの人に話しかける練習をする。たまたま通るのが、先の居酒屋の店長と店員。こちらは、設定そのものがありえない印象を与えるファンタジー的作品。3話「私よりもほの少しだけあなたが幸せであるということ」は、実に不思議な作品。女2人(西尾早智子・倉田知美)がとりとめもない話をしていて、話題そのものはありそうなものだが、この2人の関係が全く見えない。それが分かったときに、前2話との関係も分かって、物語の妙に接することができる。
 1話・2話とも役者陣は丁寧な芝居を作っているのを堪能できるのだが、3話の西尾・倉田対決の迫力が凄い。2人ともテーブルを挟んで椅子に座っているだけなのに、芝居に深みが出ているあたりに感心させられる。

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