jokermanの観てきた!クチコミ一覧

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白い花を隱す

白い花を隱す

Pカンパニー

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2018/08/31 (金) ~ 2018/09/04 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/09/01 (土) 14:00

 昨年の初演が好評での再演だが、初演は観てない。2001年のNHK番組改変問題を、下請けのプロダクションの立場から描く、主張の明確な芝居である。「慰安婦」問題を扱う女性国際戦犯法廷の取材を通して、NHK(劇中はMHK)と交渉しつつ、主張ある番組を作ろうとしたプロダクションが、後に政治家の圧力と分かる事情で、番組を変えねばならない状況を、そのプロダクションにいた女性が経営する喫茶店のみを舞台に展開するという脚本の設定は見事で、「正義」の多様性も視座に入れた劇作は巧みだ。ただし、タイトルの意味はやや弱いと思った。

ペストと交霊術

ペストと交霊術

Ne`yanka

APOCシアター(東京都)

2018/08/30 (木) ~ 2018/09/03 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/31 (金) 19:30

 不思議な感触の芝居だった。いつ、どことも分からない(後で聞いたら1950年代のフランスをイメージしているとのこと)館に住む姉妹(しゅはまはるみ・馬場史子)と、彼女たちを取り巻く人々の、妙にリアルだったり幻想的だったりの会話が、奇妙な世界観に観客を取り込んで行く。面白い、というのと違って、とにかく不思議な感触だけが残る、実は、愛の物語なのだろうと思った。

吐く

吐く

aibook

駅前劇場(東京都)

2018/08/29 (水) ~ 2018/09/04 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/29 (水) 19:30

 いつも同様、少し問題を抱えた人達の群像劇だが、今回は少しビターかもしれない。故郷から出て行けない若いアーティスト3人と、一旦は評価を得て東京に出たが戻ってきたアーティストの関わり、そして、その周辺の人々の存在の意味など、よくあることかも、と思わせてくれる。KAKUTAの若狭が、実は嫌な男なのに、それに気づいていないという、ある意味で適役を好演してる。

それを認めちゃ「9条」じゃなくなる-平和憲法サバイバル大作戦!-

それを認めちゃ「9条」じゃなくなる-平和憲法サバイバル大作戦!-

非戦を選ぶ演劇人の会

こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)

2018/08/28 (火) ~ 2018/08/29 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/28 (火) 19:00

 例年行なわれているピース・リーディングに久々に来た。立場が明らかなので、観ていて分かりやすく、エンディングも希望を持たせるものだが、本当にそうなるか、不安はある。リーディング後のトークは現実的で具体的な戦略が提示され、勉強させてもらった。

出口なし

出口なし

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2018/08/25 (土) ~ 2018/09/24 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/08/25 (土) 19:00

 サルトル、と聞いただけで哲学的な芝居を予想するが、哲学的ながら何となく分かるという緊張感ある芝居だった。ホテルらしき1室に集められたガルサン(段田安則)・イネス(大竹しのぶ)・エステル(多部未華子)の3人だが、それぞれが自分のことなどを話す内、3人の状態とか、ここがどこかとかが分かってくる所がかえって怖い。「地獄」とはどんな所か、考えさせられ、「永遠」の意味なども分かる、ある意味で恐ろしい芝居を瓢々と演じる3人の演技力に改めて感心させられた。

同情するなら金を積め

同情するなら金を積め

怪奇月蝕キヲテラエ

新宿眼科画廊(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/08/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/25 (土) 14:30

 初見の劇団だが、「キヲテラエ」という劇団名に反して真っ正直な芝居だった。物語はチラシや本サイトに書かれているとおりで、そのままの物語を丁寧に実現する。特に笑いを取るわけでもなく、自然な流れで物語は進み、タイトル通りのエンディングと、そのための明るい展望を見せる。妙に人を惹き付ける芝居だった。主人公を演じる藤真廉は、不思議な魅力があり、ちょっと追っかけてみようかと思わせる存在感だった。

 なお、山手線の事故で開演が押したのだが、理由を示して「3分押します」というのと、「そのことで後の都合が悪くなる方はいらっしゃいますか?」と聞く姿勢は、他の劇団も見習ってほしい態度である。

星の砂

星の砂

日穏-bion-

「劇」小劇場(東京都)

2018/08/24 (金) ~ 2018/09/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/24 (金) 19:00

 7月の「月の海」の主人公である静・豊の両親が結婚するまでを描いた、いつも通りの心温まる作品。しかし、その制約があるせいか、脚本に若干の甘さを感じる。人物像の描き方や、役者陣の好演は確かなものだが、たとえば、千穂が怪我したエピソードが拾われていないのは惜しい。真が辰也に「酒、呑むか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えるのは、時代を考えると用語法として確立していないと思う。
 日替わりゲストは面白い試みだが、1969年の話なのに、ゲストのTシャツに「established in 2005」とあるのは興ざめである。

二代目なっちゃんの愛人。

二代目なっちゃんの愛人。

なかないで、毒きのこちゃん

OFF OFFシアター(東京都)

2018/08/21 (火) ~ 2018/08/30 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/21 (火) 20:00

内容を書けないことになっているが、観るべし!

罪の滴り

罪の滴り

白狐舎

東京おかっぱちゃんハウス(東京都)

2018/08/18 (土) ~ 2018/08/21 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/20 (月) 16:00

 観る側にとっても、シビアな芝居だった。紅王国と白狐舎とのコラボ公演だが、白狐舎は菊池直子が一緒に逃げていて死刑にされた男(の亡霊?幻影?)と語る芝居。紅王国は、実際に起きた殺人事件を題材にして書くミステリー作家と担当の女性編集者の会話。それらを、紅王国の『赤と白』という芝居で最初・間・終わり、と繋ぐ。生と死を真っ向から扱っているが、ある意味で軽い印象なのは、戯曲の力と言えるだろうか。

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

【上演延期】【振替イベント詳細決定しました】月がとっても睨むから

Mrs.fictions

駅前劇場(東京都)

2018/08/17 (金) ~ 2018/08/20 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/17 (金) 19:30

 突然の上演中止だが、こういった形で振替上映/上演するというスタンスは見事である。中編『花柄八景』は初演も見たが、上映されてみると懐かしい。出演者が語る落語(特に「シド&ナンシー」)が最後まで聞きたくなった、という記憶が蘇る。短篇4本も、どれも初演を見ているのだが、短い時間でも巧妙に伏線を張って回収する脚本の巧さは感じられる。時間がない中、リーディングとなったのは残念に思える作品もある。そして、何より、本公演をやってやる、という気概を感じさせてくれたのは嬉しい。絶対観に行く。

ロリコンのすべて

ロリコンのすべて

NICE STALKER

ザ・スズナリ(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/17 (金) 14:00

 2015年に初演された作品の再演で、初演も観ている。面白いが、初演のタイミングがフィットしていないのは勿体ない。初演は、児童ポルノ法が試行された直後の上演で、ロリコンというと、どうしても奇異な目で見てしまいがちな我々に、内心に踏み込むことの難しさを提案する印象があったように記憶する。それでも、今回も面白く、役者陣の力量と「見掛け」が興味深い芝居を作り上げていたと思う。

ロンギヌスの槍

ロンギヌスの槍

風雷紡

d-倉庫(東京都)

2018/08/15 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/16 (木) 19:00

 私が辛うじて覚えてる、社会党浅沼委員長を刺殺した17歳の少年を、少女に置き換えての劇作。聖書の言葉と、事件を取り巻く人々の言葉が混じり合って、結局は、理由が分からないという終わり方は、現実に追い付いているように思う。そんなに簡単に理由は分からないものだ、と言っているかのような作品である。緊張感ある場面が続くが、同じセリフが繰り返されるのが、やや冗長に思える。それにしても、リアル17歳の吉水雪乃の存在感は見事で、成長を感じた。

レプリカに捧ぐ

レプリカに捧ぐ

牡丹茶房

王子スタジオ1(東京都)

2018/08/16 (木) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/16 (木) 15:00

 地下室らしい物置のような部屋に監禁される女子2人。監禁の理由も分からず、誰に監禁されているかも分からないのだが、その謎が段々と解けてみると…、という緊張感ある70分。王子スタジオのシャッターを下ろして真っ暗にするというのも凄いが、暗闇でもセリフで繋いだり、短いシーンの連続で、無駄を削ぎ落した演出は見事だと思う。役者の負荷も大きいと思うが、良く頑張っていると思う。

したため#6『文字移植』

したため#6『文字移植』

したため

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/08/11 (土) ~ 2018/08/14 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/12 (日) 19:00

 多和田葉子の小説を原作に演劇化した作品だが、原作は読んでいない。しかし、幻想的な小説を書く印象がある作家なので、おそらく原作のテキストはほぼ変えていないと推測する。その幻想性を、不思議な発話や、4人の出演者で語り手を順に変えていくという形式で表現しようとしているのではないかと思う。ただ演劇として見たときどうなのか、という疑問は残らないではない。役者陣はしんどいと思うけど、よく頑張っているとは思う。

ガールズバスケット!

ガールズバスケット!

樫物語

王子小劇場(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/12 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/08/11 (土) 19:00

 バスケット部だった脚本の八重樫良友が、女子高バスケット部を描く青春スポ根芝居だが、何となくいい気分にさせられてしまった。弱小校が強豪校に挑戦とか、それに伴うさまざまなエピソードとか、いかにもベタな物語なのだけれど、登場人物それぞれのキャラクターがしっかりしていて、ベタにはベタなりの良さがあるということを痛感させられる舞台だった。
 ところで、真琴の名字が変わった理由は紹介されたのだったっけ?(聞き逃したのかも)

果てっ、

果てっ、

中野坂上デーモンズ

王子小劇場(東京都)

2018/08/02 (木) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度

鑑賞日2018/08/03 (金) 19:30

 何がやりたいのか分からん芝居だった。基本的には笑わせる舞台なのだろうと思うけれども、キャラクターが笑えるほどではなく、笑える物語というほどのものもなく、時折り活舌の悪い役者がいたりして、ちょっとしんどい85分だった。

福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」

福島三部作 第一部「1961年:夜に昇る太陽」

DULL-COLORED POP

こまばアゴラ劇場(東京都)

2018/07/21 (土) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/08/01 (水) 19:00

 3部作の第1作で、福島第1原発を誘致する村の物語。3部作を全て観てみないと何とも言えないのだが、こんなにエンターテインメントによった作りにするとは思わなかった。それでも、シリアスな部分もしっかりと作り、来年の2部・3部への期待を持たせてくれる。
 本筋とは違うが、1961年の東京の描写には違和感がある。

「いろいろなおんな。」Volume2

「いろいろなおんな。」Volume2

演劇ユニット「みそじん」

OFF OFFシアター(東京都)

2018/07/26 (木) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2018/07/31 (火) 19:30

 前作と同じく、短篇4話が最後でまとまる展開だが、今回はやや繋がりが弱いように思う。個々の短篇はそれなりに面白く、特に2話の玉手箱の話はなかなかである。ただ、3話が4話と同じ花火を見ている、というのが少し勿体ない。

死ンデ、イル。

死ンデ、イル。

モダンスイマーズ

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2018/07/20 (金) ~ 2018/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/07/28 (土) 15:00

 3部作の第3弾だが、最も古い2014年の作品の再演で、初演は観てない。3部作どれも見事だが、本作は理由なく泣けてしまった。浪江町から原発事故で二本松の叔母の家に避難してきていた女子高生が1年を経つ頃、失踪し、ルポライターが真相を探りに来る。その中で徐々に明らかになる、登場人物達のエピソードの絡み合いが秀逸で、物語が巧みに進行する。そして、エンディング場面では、主人公の役者のエネルギーに泣かされてしまった。

青鬼の褌を洗う女

青鬼の褌を洗う女

metro

代々木能舞台(東京都)

2018/07/27 (金) ~ 2018/07/29 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2018/07/28 (土) 12:35

天願大介と月船さららによるチャレンジングな芝居は見事だった。能舞台を利用して、坂口安吾のテキストをほぼそのまま使い舞台化する。客演に綾田俊樹・多田慶子を迎えているが、会話というより、ほぼ月船のモノローグで展開される舞台は、会場の独特さも相まって、興味深い作品だった。今回初めて気づいたのだが、月船の声は独特の世界観を提供し、その世界観に一気に引き込む魅力がある。綾田の達者なのは当然とも言えるが、久々に見た多田の健在ぶりに少し嬉しくなった。

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