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荒人神 -Arabitokami-
壱劇屋
五彩の神楽最終弾!!初日、竹村さん演じる荒が剣を握って動いた瞬間、思わず大泣きをしてしまったぐらい、観ているこちら側もここに辿り着いたのだなという気持ちがありました。奇しくも憫笑姫が開けて五彩の神楽が始まった時と同じ気持ちになったのが自分の中では感慨深かったです。
荒人神は、五彩の神楽の中で一際人の愚かで醜い部分が顕著に示された作品であり、それに絶望するところ、そしてその絶望とどう向き合うのかを真摯に問いかけられているなと感じます。さらに人を信じ誰かを命懸けで助けてきた人がどうしようもなく困っていたら、誰かひとりは助けてくれる人がいるという人の善性・光の部分も鮮やかに、それこそ力強く彩られるので、本当に人の悪いところも良いところも全てを混ぜ合わせて「これは人々の物語である」と言える力強さがあります。このお話を観たことにより、これから生きていく上で大切な心の指針のようなものを頂けた気持ちに勝手になっているので、この思いはこれからずっと心に残っていくのだなと思います。
また初演の内容を知っていても、それを凌駕してくる圧巻の演出構成が好きで好きで堪らない気持ちになります。時勢を踏まえた上での新演出、それをやろうとした決意も含めて本当に素晴らしかった。五彩の神楽の総括になってしまいますが、5ヶ月連続、55ステージ、ひとつも落とすことなく駆け抜けられたのはひとえにキャストの皆様、スタッフの皆様、関係各所の皆様の壮絶な努力の賜物であり、本当に本当に盛大な拍手をお送りしたいです。5ヶ月を一緒に駆け抜けられたこと、観ることができてよかったなと心の底から思いました。もしも再再演があるならば、その時にはもっとバージョンアップして、きっと観たことのない衝撃を与えてくれるだろうなという確信があるので、その時を楽しみにしております。