寿初春大歌舞伎
松竹
歌舞伎座(東京都)
2007/01/02 (火) ~ 2007/01/26 (金)公演終了
満足度★★★
初春の歌舞伎座
昼の部を見ました。
5作品で4時間50分という長尺、夜の部との入れ替えが10分しかないという点で、調べていったものの、劇場に行って改めてびっくり。掃除の方、本当にご苦労様です。
作品で印象に残ったのは「けいせい浜真砂」でしょうか。10分無い短いものでしたが、豪華なセットに転換、という歌舞伎の醍醐味を味あわせてくれます。ただ雀右衛門さんは声が全然出ていなくて、残念でした。お年なので舞台に立てているだけで評価できると思うんですが、観客全員に声が聞こえてこそ舞台俳優だと思うので・・・。森光子さんに対しても演舞場10月『寝坊な豆腐屋』で同じことを思いましたが、プロであるならば高齢の舞台俳優さんには頑張って欲しい点です。
「魚屋宗五郎」はさすが幸四郎、と言った演技で、十分楽しませてくれます。酔って行く様がコミカルに描かれ、ちゃんと笑えます。さすがです。
その後の「お祭り」は團十郎の技を堪能するものなので、視覚的に派手さがなく、尻すぼみで終わってしまった気がしました。
近々夜の部を観に行くので、そちらも期待したいと思います。
通し狂言 雷神不動北山櫻
松竹
新橋演舞場(東京都)
2008/01/02 (水) ~ 2008/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★
胸躍る新春らしい華やかな出来栄え
海老蔵オン・ザ・ステージ感たっぷりの、新春公演らしい出来栄え。
まず冒頭、物語と、海老蔵自身が演じる人物を写真で紹介。正直それでも混乱しましたが。
そして劇中は早替えに見得にと大活躍。最初から最後まで出ずっぱりと言うわけではないので5役が大変かと言われればさほどではない気もしますが、これだけの役を一部シーンでは瞬時に切り替えるのは中々至難の業かと。
難を言えば2幕の小手先の技術で観客を笑わせている感じだけ。シニアの方々は結構笑ってるんですが、色好みとかそんなに笑えるかなぁ。
大詰めに入ってからは場面もあまり変わらないので集中して観られます。そして不動明王のシーン。ここまでの課程でだいぶカタルシスが発散されているのに、ながーい、ながーい転換のせいでその気持ちが一気にさめます。大掛かりな仕掛けがあるので仕方が無いんでしょうが、この転換さえなければもっと気持ちよく終れたのにな。
それでも歌舞伎を観て久々に満足して帰りました。
関係ないですが、新橋演舞場、歌舞伎座は鑑賞マナーが悪い人が多い。注意されたのに逆切れしているおばさんがいて、やっぱりシニアの人はマナーに関し、無頓着な人が多いなー、と改めて感じました。僕は新橋演舞場、歌舞伎座に行くときは諦めて注意し無い事も多いんですが。
ペテン師と詐欺師(再演)
ホリプロ
日生劇場(東京都)
2008/01/05 (土) ~ 2008/01/29 (火)公演終了
満足度★★★
キャストが良いだけに・・・
主演のお二人は凄く良かったのですがね・・・話がいまいちぱっとしなくて残念でした。期待していたソニンもまだ役をつかみきれていない感じがしましたし。まぁ、これは公演を重ねていけば良くなるんでしょうか。
一番良かったのが市村さんの演技なんですが、フレディって20から30代くらいの設定なんですよね。市村さんははつらつと演じられているので若さは伝わってくるんですが、台詞回しとか歌でベテランの感じが出てしまいます。
話的にも ローレンス>フレディ といった力関係なんですが、主演のこの二人だと ローレンス=フレディ と言うイメージがついてしまいます。ってかこの芝居って年齢を超えた友情も大きなテーマなのでは?? キャスティングの時点で間違っている気がするんですが、市村さんが上手いだけになんかもったいないな、と思ってしまいます。まぁ、座長芝居としてみれば気にならないんですが、作品自体を観に来た人にとっては引っかかる点ですよね。
それにしても『モーツァルト!』から2週間足らずで再演とはいえ、こんな大きな舞台に出る市村さんは本当に凄いです。年末年始ハードスケジュールだったでしょうね。
女優陣はみな歌がお上手で、聞きほれてしまいました。そしてアンサンブルの方々! さすがプロと言った感覚で、しっかりと舞台を支えています。ホリプロ・東宝のアンサンブルはレベルが高くて、アンサンブルの方だけでも一見の価値ありですよね。特にこの作品はダンスが多いので。
サバンナの掟
柿喰う客
シアタートラム(東京都)
2008/01/05 (土) ~ 2008/01/06 (日)公演終了
勢い
今ノリにノッテいる柿食う客の本公演。と言うことで期待して観に行きました。
シアタートラムと言う200ちょいのキャパながら広々とした、設備も充実している劇場。上手く使いこなせている気がしました。照明がとてもキレイで、作品にマッチしていました。
ハコが大きいと間が埋まらずに広く感じてしまうことも多いのですが、簡素な装置ながらもきっちり埋めていました。それはキャスト数の多さのためじゃないはず。
この勢いで王子、吉祥寺と頑張って欲しいですね!
わが闇
ナイロン100℃
本多劇場(東京都)
2007/12/08 (土) ~ 2007/12/30 (日)公演終了
満足度★★★★
慎み深さに笑う。
とても楽しくて笑えるのに、とても感動的な芝居だ。
ナイロンの鑑賞経験はあまり無いのだが、この話は好み。
装置もライティングも素敵。
役者陣も安心して観る事が出来る人ばかりで、3時間強があっという間だった。
それにしてもキャパにぴったりの話だと思った。
火星の倉庫
ヨーロッパ企画
シアターサンモール(東京都)
2007/12/04 (火) ~ 2007/12/09 (日)公演終了
満足度★★★★
衝撃
迷走気味だった近作、再演を経て劇団自身のカラーを見つけられた気がします。
どうしようもない状況に陥ってもがく一般人たち。と言うコンセプトのもと、大きくなったキャパを有効に使った装置。
相変わらずハイテンションな役者陣に、やけに演技派の永野さん。
この作品は中盤以降からが俄然盛り上がります。
中盤のある出来事を受け入れられるかどうかによって、この劇団の好き嫌いが分かれると思います。
僕は前者でした。もう、なんだか楽しくて始終にんまり。
次回作は少し間をおいて東京公演は8月と言うことで、年1回公演かと心配してしまいますが、劇団の過渡期においてこんなにもステキな作品を送り出してくれた作・演出の上田誠さんに素直に拍手を送りたいです。
トリツカレ男
演劇集団キャラメルボックス
サンシャイン劇場(東京都)
2007/11/29 (木) ~ 2007/12/25 (火)公演終了
満足度★★
クリスマス気分?
キャラメルのクリスマス公演で海外モノ、と期待していたのですがなんだか消化不良でした。
ラストは雪が降る! と大々的に宣伝していたので『三人吉三』みたいなのを想像していたら唖然。まぁ、確かに降ってるけどさぁ。。。
作品のイメージとしてはクリスマスっぽいものですが、昨年の『少年ラヂオ』の方が和物だけどクリスマスっぽかったなぁ。
キャラメルの芝居は好きなので期待しすぎた、と言うのがいけないんでしょうかね。
次作は2月下旬からと言うことで、成井さんの筆の早さには驚くばかりです。