ぽんの輔が投票した舞台芸術アワード!

2024年度 1-1位と総評
『晴耕雨読』

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『晴耕雨読』

ウテン結構

実演鑑賞

「なんでこんな脚本が書けるんですか?!」

観終わった後、まず最初にそう思いました。
毎回、色々な物語と展開を見せてくれるので、今回も凄いだろうなぁと、ある程度の予想と覚悟はしていたのです。
今回は番外編ということで肩の力を抜いてみる感じなのかな…
そう思っていたのに…
展開が完全に予想外過ぎて「うっわ!」って声上げそうでした。
これだからウテン結構さんの観劇はやめられませんね。
冒頭の二人の関係性が…、
同居しているようだけど、ただ遊びに来て泊まった仲の良い友達のようにも感じられるし、謎だ。
…そんな雰囲気で始まる、誰かに聞いた話を基にした物語を書く作家と、その本を読む、正しく『雨読の人』の物語。
そこで読まれる『何も起こらない話。』と、その内容の再現。
誰かに聞いた話を基にしているだけあって劇的な展開のない話達。
「普通の人たちにそうそう劇的なことが起こるはずないので当たり前」そう思いながら観ていた。
だけど作家の『秘密』が明かされた後、哀しい話を聞いた優しい作家が描く何も起こらない話の理由がわかる。

役者さんの演技が上手いだけに所々感じる違和感の正体が『秘密』が明かされた後にそうだったのか!と気づかされる。
『まるで浮いているように見える』椅子の上での演技や、部屋にいる猫の『鈴の音』しか聞こえないのももしかして…
と思わせられる余韻が気持ち良かったです。
開演前の時間にアメさんのご挨拶を読んでしまった分、一層ギャップが…
「そうそう、こういう所から世界に引き込まれるのがウテン結構さんなのだった!」
そう思いだしました。

総評

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