白き山
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/06/06 (木) ~ 2024/06/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
斎藤茂吉役の緒方晋氏が絶賛に値する名演。脇を固めるチョコレートケーキの面々らが余裕の好演で支える。ストーリーもじんわり伝わる暖かみがあり、今日は良い芝居を観たという気持ちでうれしくなる。
マーヴィンズ ルーム
劇団昴
Pit昴/サイスタジオ大山第1(東京都)
2024/05/24 (金) ~ 2024/06/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
台本も芝居としても、とても美しい作品。壮大なクライマックスが形作られるわけではなく、起伏がないわけではないけれども淡々と登場人物たちの生きる日常の姿が綴られていく中で、人生についていろんなことを感じさせてくれる。美しい芝居を見た後は心が安らかになる。
物語ほどうまくはいかない物語
wag.
小劇場 楽園(東京都)
2024/05/18 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
須貝英氏といえば新国立デカローグの舞台化台本を担当した作家だなと思って、氏のオリジナル作品を初めて観に行った。タイトルはちょっとテキトーな感じがしたが、ストーリーは取っつきやすく笑いありのハイテンション気味の展開で、登場人物たちのキャラも際立っており、気楽に観る芝居としては面白かった(こんな作品を書く作家だったのか)。それにしても、あのお姉さんの耳をつんざく大声はデカ過ぎ。心臓に悪い。
デカローグ5・6
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/05/18 (土) ~ 2024/06/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
今回もさりげなく贅沢な公演。前回に引き続き、亀田氏が無駄づかい気味に配役されるし、舞台上の建物が休憩の間に増築されるとは。
今回の2編は殺人と愛がテーマになっているようだが、いずれも短い場面が次々と並べられて進行する中で孤独な心の歪みを覗き見るような印象。ストーリーの大きな起伏はそれほどないが(殺人場面は突然だが)、あまり見かけないタイプの舞台作品で、不思議な味わいがある短・中編の佳作。オリジナルの映画のほうも観てみたい。
オットーと呼ばれる日本人
劇団民藝
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2024/05/17 (金) ~ 2024/05/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
尾崎秀実をモデルにした(ただし史実とはかなり異なる)、2回の休憩を挟んで3時間半のかなり長い台本だが、この劇団らしい極めて真面目なスタイルの上演。安心して観ていられるが、真面目すぎて単調というか面白味があまりないかも。台本も現代の演劇としては説明過多で近代史解説番組のように思えるところもある。その時代の歴史に興味がない人には退屈かもしれない。
エアスイミング
ZASSOBU
小劇場 楽園(東京都)
2024/05/08 (水) ~ 2024/05/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
この作品を初めて観た。もっとわかりやすい話かと思っていたが、なかなか理解の難しい混沌としたストーリーだ。不条理劇のようで観やすい作品ではない。事前に話の前提や登場人物たちの振る舞いの理由をよく把握してから観るのがよいのだろう。そんな作品だから、演ずる者への要求と負担は大きいと思うが、今回の2女優は見事にそれを果たしている。
絶望という名のカナリア
甲斐ファクトリー
小劇場 楽園(東京都)
2024/04/23 (火) ~ 2024/04/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
なかなか良くできた台本で面白かった。出だしこそ映画「幸せなひとりぼっち」のパターンかと思わせたが、その後は孤独と虚無感に苛まれた初老の男の物語を軸に新興宗教とヘッジファンドと風俗業と推し活という一見無関係なストーリーが巧みに絡みながら群像劇風に展開し、すべて丸く収まってめでたしめでたしの結末を避けながらもカタルシスと心地良い余韻を心に残してくれる作劇は見事。俳優たちもしっかりした演技で活き活きと演じていて好感が持てる。
デカローグ1~4
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/04/13 (土) ~ 2024/05/06 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
10の短編から構成される長編映画を台本にして舞台化したものらしいが、観る側としては、オリジナルの映画監督の意図だとか制作者の思いだとかは考えずに、単なる連作の短編ものとして捉えて差し支えないと思う。1日で4つの短編を見たがいずれも人の心の機微を感じさせる佳作。淡々とした味わいの外国の短編小説の世界を思わせる。小劇場と言っても新国立のそれは巨大で、建物のセットを舞台上に組んでしまうあたり、贅沢な公演だなと感じさせる。
GOOD -善き人-
フジテレビジョン/サンライズプロモーション東京
世田谷パブリックシアター(東京都)
2024/04/06 (土) ~ 2024/04/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
今ひとつ面白くなかった。台本がそんなに悪いとは思えないし、では演出か?バンドの使い方など興味深いのだが、とにかくあんまり伝わってこなかった。佐藤氏萩原氏の演技が無駄になっている印象。
東京の恋
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2024/04/09 (火) ~ 2024/04/15 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
公演名の東京・恋云々は中身にあまり関係ないように思われるが何か意図があったのだろうか。
3本それぞれ面白い。3本目の深井作は、突っ込み処には目をつぶったとして公演名に反してなかなかロマンチック。2本目の別役作品は、こんな手法で不条理な心の闇を表すとは・・・
三人姉妹
ハツビロコウ
小劇場B1(東京都)
2024/04/02 (火) ~ 2024/04/07 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
暗めの照明、出番でない俳優が舞台奥の壁際のベンチシートに座って劇を見ている趣向。台詞はかなりカットされているようだがエッセンスは失われておらず、むしろシンプルでわかりやすくなっている。反面、すんなり流れすぎていて、例えば「わたし、わかっていた」の有名な台詞が意味を与えられずにあっさり通り過ぎてしまったような印象がある。
それにしても、3人はうまくいかない人生に終始イライラしていてほぼその姿しかない。
繭の家
タテヨコ企画
シアター風姿花伝(東京都)
2024/03/27 (水) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
前半はわざとらしい芝居感があったが、舘智子氏が出てくる後半になると見応えが出てくる。この俳優は役を自分に引き付けて自分自身にしてしまうという印象で、凄く存在感がある。
田園に死す
流山児★事務所
ザ・スズナリ(東京都)
2024/03/14 (木) ~ 2024/03/24 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ハイテンションで繰り広げられる同じ台詞パターンの繰り返しをよく噛まずに言えるものだし、ユニゾンでの同時発声もよくピタリと合うし、一瞬で行われる頻繁な場面転換でよく出番を間違わずに出てこられるものだし、とにかく俳優陣の頑張りが凄い。
寺山監督映画の「田園に死す」を舞台化したというには雰囲気が違いすぎていて、これは別の作品世界。
トリスタンとイゾルデ
新国立劇場
新国立劇場 オペラ劇場(東京都)
2024/03/14 (木) ~ 2024/03/29 (金)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
「トリスタン・・・」は休憩を含まない音楽の部分だけで約4時間のオペラ史上屈指の長いオペラで実演にお目にかかれる機会は多くないが、このプロダクションはすべてが最高に素晴らしい上演だったと感じる。ストーリー自体はオペラ史上屈指の陳腐さだがワーグナーの音楽が凄まじく濃密で、うねるような官能と情熱の波が何度も押し寄せてくる。今回の上演の歌手たちはいずれも一流の水準で、ブランゲーネ役の藤村氏が一番大きな拍手を受けていたが、他の歌手たちも文句なしに素晴らしく聴きごたえがあった。イゾルデ役のキンチャ氏は太く美しい声で、最後の「愛の死」の歌唱は抜群(コンサートでこの部分だけ抜粋して歌うのとはわけが違う)。今回は指揮の大野氏の手兵、都響がピットに入ったが、これまた高水準の演奏でワーグナーにふさわしいねっとりとした精妙かつ濃厚な響きで休憩挟んで5時間半の公演を支える。演出も(10年以上前の再演らしい)、漆黒の空に月のような太陽が浮かぶ背景が美しく、エンディングで深紅の太陽が暗闇の地平に沈み赤い衣装のイゾルデの後ろ姿のみが赤く浮かび上がって暗転する終演の迎え方も印象深い。
メディア/イアソン
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2024/03/12 (火) ~ 2024/03/31 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
基本的に2つのギリシャ劇をつなげた脚本でずいぶん駆け足の感はあるが、業とか巡る因果といったギリシャ劇の雰囲気は保たれている。実力ある若い5人の俳優で舞台上を廻しきってしまうのには感嘆させられるし、影絵のような背景演出が印象的。子守歌もなかなか聴き惚れる。
オセロの横顔
Pカンパニー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2024/03/13 (水) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
普通に面白いが、ちょっと説明過多な気もする。とことん説明したいという作家なのだろう。
ところで、「私の口から言っていいかどうか・・・」それは言っちゃいけないでしょう。
諜報員
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
少々難解な作品。一度観ただけで全部の場面を理解できる人は少ないだろう。
この作家らしく、歴史上の実在人物や出来事から自由にイマジネーションを飛翔させて独自の舞台設定が作り出されている。特に今回は複雑で手の込んだ設定や人物キャラクターだった。そのへんが把握しにくく台詞もほのめかしに満ちていて、話が見えてきそうで見えてこず戸惑わされる。後半では、過去シーンで同じ俳優が同じ格好のまま二役やる上、誰と誰の会話なのかがなかなかわからず、混乱させられる(台本には話者の名前が書いてあるのでわかるのだが)。観る側に前知識(ゾルゲとか尾崎秀実とかコミンテルンとか)とかなりの注意力が求められる作品なのではないか。
一度観て、台本を買って読んで細かいところを確認してからもう一度観たら、なるほどと思わされる複雑で技巧的な作劇や俳優陣の細かい演技などを楽しめた(そういう余裕ができた)。ただ、二度観る人は少ないだろう。
アンドーラ
文学座
文学座アトリエ(東京都)
2024/03/11 (月) ~ 2024/03/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
よくこんなすごい作品を見つけてきたものだ。ずいぶん前に書かれた作品のようだが、緊張が張り詰めた重く悲劇的な物語であるとともに普遍的な内容で、今の日本や私たち自身を見せられている気分になる。自分は何なのかのアイデンティティーがどのように形成されるかの問題や「白く塗る」「世界から愛される平和な国の人々」など興味深いメタファーも盛り込まれ、内容が濃い。主役の若者を女優が演じているのも見事に当てはまっている。
タンホイザー
東京二期会
東京文化会館 大ホール(東京都)
2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
3月2日(土)公演を鑑賞。
歌は、正直どうかな?と微妙なところもあったが、何と言ってもキース・ウォーナーの演出がとても優れていた。とくにエンディングには驚かされた。あれはスタントマン?まさか歌手本人?
「5seconds」「Nf3Nf6」
ウォーキング・スタッフ
シアター711(東京都)
2024/02/24 (土) ~ 2024/02/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
「5seconds」を鑑賞
パラドックス定数で観た時と比べて数段落ちるように感じた。弁護士がバカっぽく、まるで法律事務所に来たインターンの学生のような描かれ方で(あのペンの持ち方はまさしく学生だろう)、そのため弁護士vs機長の対峙が安っぽいというか闇の深さに欠けるものになった気がして興ざめ感が否めない。しかし、こう思うのはオリジナルのパラドックス定数と比べてしまうからであって、この上演を最初に観ればそれなりに良いと思っただろう。機長役の演技が秀逸。