Takashi Kitamuraの観てきた!クチコミ一覧

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太平洋序曲

太平洋序曲

梅田芸術劇場

日生劇場(東京都)

2023/03/08 (水) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

異色のブロードウエイミュージカル。第一に複雑で前衛的な音楽に驚いた。口ずさめるようなメロディーは(最後の「NEXT」以外)全くない。第二に、出てくるのは男ばかり(メインキャストの唯一の女優の朝海ひかるの役は将軍慶喜)、恋も愛もない。第三に、物語らしい物語もない。狂言回し(山本耕史)のナレーションでつなぐ、ペリー来航~明治天皇登場までの日本の幕末史のエピソード集である。
 
 古き良き日本の暮し、ペリー来航、ジョン万次郎(ウェンツ瑛士)と浦賀奉行(海宝直人)の俳句(ポエム)連歌、浜辺の小屋内での秘密外交交渉を覗き見た人々の「木の上で見た」などなど。攘夷派と幕府の剣劇シーンは見ごたえある。音楽が複雑で、最初はなじめないが、簡単に割り切れない分、見終わっても何となくあとをひく感じ。ソンドハイムの音楽は、他も意外と複雑なようだ。「リトル・ナイト・ミュージック」は大竹しのぶでさえ苦労したと聞いた。恐るべし。

豊後訛り節

豊後訛り節

劇団1980

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/03/25 (土) ~ 2023/03/29 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

状況証拠しかない中、世論も警察も、犯人と決めてかかる。その怖さがどれだけ伝わるか。保険金殺人の犯人とされた男の、ふてぶてしい反論が目立つ。そこに、犯人扱いされた反発はあっても、恐怖はない。真実はわからない。警察のハニートラップまがいの、拷問交じりの取り調べは面白い。しかし警察と男のどこまでも平行線の真向対決ぶりは、怒鳴り声の一本調子でどうも乗れなかった。

歌うシャイロック

歌うシャイロック

松竹

サンシャイン劇場(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

こてこての関西弁版「ベニスの商人」。少々騒々しいが、笑いが絶えず、喜怒哀楽が誇張されて面白い。アントーニオ(渡部豪太)がシャイロック(岸谷五朗)から借金した顛末、シャイロックの娘ジェシカ(中村ゆり)と、どもりのロレンゾー(和田正人)の駆け落ちの顛末、ポーシャの結婚の行方という3つの筋が、互いに絡みながら、重層的な芝居をつくりあげる。そのなかで、シャイロックとジェシカの父娘の絆がクローズアップされ、感動的なエンディングへつながっていく。

ロレンゾーの和田正人の弱気な青年から、傲慢で横柄な人物への変貌、さらに卑屈な使用人になり、ジェシカを追い出した自責の念に苦しむにいたるまでの幅の広い演技は特筆ものだった。マギーも七変化で大活躍。とくにモロッコ大公の繰り返しの「うほっほ」ぶりと、おにぎりがネズミの穴に落ちていく顛末を語る一人コントは笑わせられた。女中頭役の福井晶一の助走もなかなか良かった。
前半80分休憩20分後半115分 計3時間35分

ネタバレBOX

一番の見せ場は、やはりあの法廷場面。「肉はとっても、血を言ってきでも流してはいかん」というポーシャが変装した博士の裁きに、シャイロックが憤懣を爆発させる。ナイフ片手に大立ち回りを演じ、舞台が上を下にの大混乱になる。見物人も含めた演者全員の動きが有機的にマッチして、ハラハラさせられるダイナミックなシークエンス(一定の長さのあるシーンのひとつながりの連続)だった。

シャイロックがリヤカーに、気のふれたジェシカを載せて、降りしきる雪の中を確かな足取りで進んでいくラストは、「焼肉ドラゴン」や「屋根の上のバイオリン弾き」をほうふつさせた。(周りには同じエルサレムを目指す難民たちがおり、バックの砲撃、空襲の音がウクライナの戦争難民をだぶらせる)
挿話エピソオド~A Tropical Fantasy~

挿話エピソオド~A Tropical Fantasy~

文学座

文学座アトリエ(東京都)

2023/03/14 (火) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

日本軍の虐殺行為と加害についての「懺悔と贖罪」を、どこか牧歌的幻想的に描いた異色作である。南方のある島に派遣された12人の日本兵の、敗戦の日の出来事を描く。島民と仲良くなった小島上等兵(小石川桃子)らと違い、師団長(清水明彦)や参謀長(中村彰男)は島民を警戒している。みんな出払って一人兵舎(?)に残った師団長のもとに、自分が殺したはずの島民たち(横山祥二ほか)が現れる。亡霊たちに「赦してくれ」と泣いて詫びる師団長…

原爆や戦地での飢餓体験など、被害を描く作品は多いが、加害を語るものは少ない。こんな作品が埋もれているとは知らなかった。今まさに見る価値のある舞台である。島民と仲良くなった温和な兵士を女性が演じていた。ぎすぎすした感じがなく、柔和で、師団長に対しても男性同士の上下関係とは離れた、子供をあやすような態度を見せる。師団長のとがった心をほぐしていく過程が見もの。若い女性が演じることが思いがけない効果を生んでいた。

ネタバレBOX

師団長は日本に帰らず「懺悔と贖罪」のため島に残り、島民と同じように暮らすという。奇しくも(というべきか)戦場で気まぐれで中国人老夫婦を殺した武田泰淳「審判」の青年と同じ選択である。参謀長は住民虐殺の容疑でオランダ軍によって連行され、行方不明と。戦犯裁判が生々しい出来事としてまだ意識されているころの作品だ。

加藤道夫の戦後復員後の最初の作品だという。語り手の通訳に「私は唯、此の信じられない様な現代のお伽噺を、忘れぬうちにどうしても皆様の前で一度語ってお聞かせしないではいられなかったのです」と言わせている。加藤道夫も南洋で住民虐殺を目撃したのだろうか。自分が行ったということはないと思うけれど……。
アウトカム~僕らがつかみ取ったもの~

アウトカム~僕らがつかみ取ったもの~

劇団銅鑼

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

劇団銅鑼の一人一人を尊重する庶民的人生肯定リアリズムが見事に発揮された舞台だった。登場人物は22人。劇場受付でもらった人物関係図を見て、こんなに人物が多くて話が深まるのだろうかと危惧した。しかし全くの杞憂だった。運営でも民主主義を貫く劇団らしく、登場人物それぞれに物語があり、願いがあることが丁寧に描かれる。突出したスターはいないけれど、その分若手から超ベテランまでがのびのびとアンサンブルをつくる。出色の群像劇だった。最後は涙腺が緩んでしまった。銅鑼所属の劇作家の新作だそうだ。自分たちの持ち味をよく知る作家だからこそ書けたものだとおもう。

廃業した銭湯を使った起業講座に集まった7人は、元水商売、元タクシー運転手、あるいは講師の女性に会いたいだけとか、皆頼りない人たちばかり。志望者というより失業者の寄せ集めだ。しかし視野と懐の広い桐谷会長(谷田川さほ)のリードで、そういう彼らの可能性にかけていく。受講者と運営側のそれぞれの弱点と「願い」のぶつかり合いが化学変化を起こし、最後は思いもかけない「アウトカム(成果、波及効果)」をもたらす。
いわば大人の「がんばれ、ベアーズ」である。

見ながら「弱さの中に強さがある」ことを気づかせてくれた。「自分を弱いダメな奴と考えるのはやめて、自分は自分と生きていこう」というセリフに励まされる。

ネタバレBOX

このプロジェクトをサポートする会社「ムーンライト」の社名の由来が、最後に明らかにされる。「暗闇を照らす月のような会社」とは、いい言葉だった。
ジェーン・エア

ジェーン・エア

梅田芸術劇場/東宝

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2023/03/11 (土) ~ 2023/04/02 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

松たか子主演の10数年前の舞台から、台本も演出もキャストも一新された新演出版。古典を踏まえた、じっくり見せて聞かせる大人のミュージカルだった。ジェーンは小柄で不美人(作者のシャーロットと同じ)という設定なので、今回のキャストの方がジェーン・エアにはあっている。。冒頭は舞台に墓がいくつもあり、すぐ父母が死んでジェーンは孤児に。意地悪な伯母さんにいびられ、厳格な寄宿学校に入れられる。ディケンズから「小公子」「小公女」までイギリス文学の定番ストーリーである。

ジェーン(子役)が教師に「私はうそつきじゃありません」と自己主張し、伯母に「あなたなんか愛してないわ、反吐が出る」と物おじせずに言うところがいい。これでジェーンの自立心の強い現代的性格が印象付けられる。心の友のヘレン(屋比久知奈)がチフスで死ぬ。ヘレンに「赦すのよ」と教えられたことが、愛と自立とともに、作品のテーマとして大きな意味を持つ。

黒ずくめと言ってもいい質素で陰気な服、キリスト教が生活を律する濃厚な宗教的雰囲気、舞台奥の荒れ地の中央に立つ二つに裂けた枯れ木(栃の木)など、寒々とした光景が印象的な美術である。18世紀イングランドの因習的な生活が伝わる。

ロチェスター家の家庭教師となってから、荒地でジェーン(上白石萌音)が初めてロチェスター(井上芳雄)と出会うところがいい。ロチェスターの皮肉たっぷりのセリフが小気味よく響き、それでも二人がひかれあう感じがうまかった。屋敷に響く笑い声の謎が、ジェーンの前に立ちはだかる有名な障害になるのだが、未見・未読の人のためにここには書かない。

もちろん音楽もよかった。「自由こそ」「赦し」そして「愛する勇気を」。

ネタバレBOX

終盤、あの伯母に再会し、「赦す」場面が見どころ。伯母は最後までジェーンに悪態をつくが、ジェーンは(子役も現れて)、自ら赦すとともに、かたくなな伯母に赦しを説く。

エンディング「愛する勇気を」が特に耳に残った。
♪あきらめずに待ち続ける 信じるから君を/
こわいけれど恐れないで 私に勇気を 愛するため♪
ミュージカル『ジキル&ハイド』

ミュージカル『ジキル&ハイド』

ホリプロ

東京国際フォーラム ホールC(東京都)

2023/03/11 (土) ~ 2023/03/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

何度も上演されている(つまり人気のある)作品だが、初めて見た。なるほど、休憩前の前半から、次々ヤマ場が現れて、「ここで幕にして休憩か」と思うと、そのまま続き、「ここで幕か」と思うと、また続く。ジキル(柿沢勇人)が実験室にこもる「時は来た」や、ついに薬を飲んでハイドに変身シーン、ハイドが娼婦ルーシー(真彩希帆)を襲うシーンと。最後に大司教(宮川浩)を、吊り下げられた樽や、石や、小麦袋(?)でいたぶり、ステッキで刺し殺すところで、本当に幕。見せ場の多いスペクタクルな芝居で、理屈抜きに楽しめた。
音楽もバラエティーがあるし、各人の心情を聞かせるソロが多く、聞かせどころがたっぷりある。群衆のダンスシーンも多い。美術、衣装も豪華。

スチーブンソンの原作からはかなり話を変えている。最初に病院の理事会でジキルの実験申請を、理事たちが寄ってたかってつぶすところから異なる。婚約者のエンマ(Dream Ami)とルーシーという、ジキルをめぐる対照的な二人の女性もミュージカル版の新しいキャラクター。善と悪、人間の多重性、科学者のおごりに加え、愛と友情、復讐と報いなど、テーマもいっそう多面的になっている。

バリモア

バリモア

無名塾

THEATRE1010(東京都)

2023/03/16 (木) ~ 2023/03/23 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

どこまでが台本のバリモアで、どこからが素の仲代なのか。老いを笑いのネタに客いじりも楽しむ姿に、90歳の名優の融通無碍の境地を見た。愛嬌が抜群にある。セリフ覚えには苦労したというが、セリフも妙に変な間ができて、つかえたのか、と思うと、何事もなく次のセリフが出てくる。そこもハラハラさせられた。

ネタバレBOX

最後はすっくと襟を正して、朗々とリチャードを演じて見せるのかと思ったが、逆だった。ハムレットと、リチャードに「世話になったな。もうお別れだ」と、王冠もかつらも取り、芝居に別れを告げる。「アダムにイブが渡したのがりんごでなく、酒だったらなあ」といいながら。
四兄弟

四兄弟

パラドックス定数

シアター風姿花伝(東京都)

2023/03/17 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

四兄弟による政治寓意劇。インテリの長男(小野ゆたか)は平等を目ざした理想主義、体育会系で短気な次男(西原誠吾)は武力を使った恐怖政治と戦争政策、機械職人の三男(井内勇希)は平和主義と人気取り政治、農民の四男(植村宏司)は経済成長第一と対外追随…のように見える。芝居はすべてごっこ遊びだ。そこにどれだけ観客を引き込む、身につまさせるリアリティーをもたせるか。今回は百年以上の歴史を、四兄弟の指導権交代劇に圧縮したので、リアリティーは二の次と言える。
でも、三男の@春だもんブラザーズ(春ブラ)のエンタメごっこは、客席の笑いが大きく、楽しんでいた。失脚した次男、四男が押入れ(?)に監禁(引きこもる)ユーモアも笑えた。兄たちが銅像になったり、人間に戻ったりを演じ分けるのも、舞台に変化ができてよかった。

ネタバレBOX

血の繋がった兄弟なので、モデルそのままではない。でもモデルはあるだろう。次男はポルポトかと思った。でも長男次男はソ連と思い、三男の平和主義からは日本かな?と。お金が第一の「海の向こうの国」は明らかにアメリカを指している。「海の向こうの国」の豊かさに圧倒された四男は、自分の新しいノートを書き始め、代々受け継いだ長男のノートを破り捨てる。

最後、銃を再び持った次男がひまわり畑に向かって「もう一度強く大きな国を俺の手で」と呟いて幕。これで、モデルが初めて全部わかった。それにしてもフルシチョフの「平和共存路線」を、銃を平和産業に持ち替えた「戦わない」平和主義と描かれると、わからなかった(他の人はすぐピンとくるのだろうか?)。フルシチョフ美化路線を戒められて教えられたからだろう。四男はペレストロイカで市場主義を導入しようとしたゴルバチョフになる。海の向こうの国・アメリカへの屈服政治と描いたのは、一面の真実である。でもあくまで一面に過ぎず、それも「一つの考え方」にすぎない。
三月大歌舞伎

三月大歌舞伎

松竹

歌舞伎座(東京都)

2023/03/03 (金) ~ 2023/03/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

午前の部「花の御所始末」を拝見。一幕ではまず足利義嗣(坂東亀蔵)の母の愛を得られない悲しみを語る場面が切ない。場面変わっての、母・兼子(高麗蔵)の、反抗的な息子を愛せない罪悪感の告白と対を成して、この母子関係に、親子の難しさを感じた。

二幕からは、父・義満と兄・義嗣を次次殺していく足利義教(松本幸四郎)の悪人ぶりがはじける。セリフ回しがうまい。休憩を挟んでの第三幕では、臣下の畠山満家(中村芝翫)が義教の黒幕的存在から、一気に失脚し、身も世もなく将軍に縋り付く姿が哀れ。義教が「良心とは何か。(略)それは弱い心だ。そんなものは持っていない」と、満家を無残に切り殺す。非情ぶりが極まれる。

歌舞伎は見ても、なかなかよさがわからないことが多い(現代劇と違い)。この芝居は昭和に書かれた新作で、セリフもわかりやすいし(もちろん歌舞伎調だが)、登場人物の心理も(義嗣・兼子の母子のように)現代に近い。野望の実現から転落まで、端的なセリフにしぼり、正味2時間でスピーディーに見せる。大変楽しめた。

ネタバレBOX

「リチャード三世」の翻案なのだが、片腕ともいうべきバッキンガム公にあたるのが満家。これを、義教の実の父(つまり義教は不義の子)としたところが凝っている。50年近く前の初演の時、義教と満家を松本幸四郎(現白鸚)と初代白鸚の父子が演じたところから発想したのだろう。

最後に、行秀(片岡愛之助)が土一揆の指導者として復讐に現れ、義教を死に追い込む。「(義教のせいで)片目を失い、かえって人間としての両目が開いた!」「この一瞬のためにオレの一生をかけたのだ」という啖呵が見事。松本幸四郎が最後に見せる立ち腹切りなど初めて見た。愛之助も刀を動かせない迫力で最後の幕切れもよかった。
聖なる怪物

聖なる怪物

MIXZONE

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

神父と死刑囚、神父と老女、神父とある母親(石田ひかり)…というように、人を替えながら常に神父の1対1の対話が続く。禁欲的というか愚直というか、かなりシンプルな作劇術である。中心は神父と死刑囚の対話である。最初は「俺は神だ」という死刑囚の話を信じられないが、彼の予言が次々に実現し、果ては教会にも現われる(ここのダイナミックなセットくずしは驚いた)。そして、神父の偽善を抉り出し、さらには……。後半になるほど面白みが増した。

いつのまにか舞台美術の左右には、裁判の女神の天秤が大きく吊り下げられている。あえて主題を言えば、人が人を裁く(死刑にする)ことの不条理だろうか。宗教と信仰が主題という考えは当たっていない。宗教について思索を深めるようなところはなかった。とはいえ、前半は死刑囚の言葉が裏付けられていく意外さ、中盤は偽善と悪をめぐる死刑囚の神父に対する追及、最後は伏線が回収されていく展開の面白さと、それぞれ異なる面白さだった。最後、物語の面白さを優先したために、主題に収斂していかないところがある。

ネタバレBOX

冤罪の可能性の高い死刑囚を見殺しにした、神父の偽善を追及する場面が最も見ごたえあった。神父のもう一つの過去の行いについては、どっちの言い分が本当なのか、見ている間はわからない。観客の心情的には宙ぶらりんなので、フラストレーションはあるが、裁きを受けるような恐れと緊張はなかった。

死刑囚の6人を殺したという事件も、えん罪かもしれないという。でもそれでは、彼の「死刑にしてくれ」という言葉、彼が「神」であることとうまく結びつかない。そういったチグハグ観がいくつかある。

善人の裏の悪をあばくという見方もあるが、私は神父が悪を隠しているとは思えなかった。たとえ過去に何をしていたにせよ、自身に罪の意識はない。死刑囚も「責めているのではない」という。ならば、それは悪とは言えない。ただの「秘密」である。たぶん、作者の狙いもそこにはないだろう。
ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜

ミナト町純情オセロ〜月がとっても慕情篇〜

劇団☆新感線

東京建物 Brillia HALL(東京都)

2023/03/10 (金) ~ 2023/03/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

あまりに戯画化されたコミック調の演技・演出で、悲劇らしくない。キャバレーやホテルの宴会シーンでは、歌と踊りもしっかり聞かせるエンターテインメントになっている。これで本当にデズデモーナ(モナ、松井玲奈)を殺して、オセロ(オセロ、三宅健)も死ぬのだろうかと、変な興味で最後まで見てしまった。「オセロ」も細かいところは忘れていたのだが、後で確認すると、配役、物語はほぼ原作に沿っている。市会議員三ノ宮(粟根まこと)はロダリーゴ、ハンカチならぬ岩塩(!)をアイ子(高田聖子、イアーゴ)に渡す女はエミリア、汐見(寺西拓人、キャシオー)の愛人はビアンカなど。

イアーゴを、組の死んだ親分の妻(高田聖子)と、年配の女性に変えたのが斬新。高田聖子の極道の妻らしい、啖呵とすごみがよかった。シェイクスピアのゴテゴテしたセリフはかなりすっきり整理されていた。その分、名言、名文句も少なくなっていた気がする。

翻案で新たに、デマの怖さが強調された。オセロの悲劇も嫉妬による、というだけでなく、デマで狂わされたものだし、オセロ(日系ブラジル人の設定)のブラジルの父も、「勝ち組・負け組」のデマによる対立で殺された。またアイ子の父も、関東大震災の朝鮮人虐殺(井戸に毒を入れるなどのデマによる)の犠牲になった。オセロは、そんな父を持つから、「組長になっても、横暴にはならず、下々の声のわかるはずだ」というのは、きらりと光るところだった。(たしかアイ子のセリフ)

3時間40分(休憩20分込み)と、上演時間は結構長い。

ネタバレBOX

最後に殺されるのはオセロ夫妻だけでなく、ロダリーゴ、エミリアも。そしてイアーゴを刺そうとしたオセロを、止めに入った前総督(今回はやくざの先輩の布引寿男=川原正嗣、好演)も、勢い余って刺されて倒れる。キャシオーはけがをするが命拾いする。こうしたところは原作に忠実であった。
蜘蛛巣城

蜘蛛巣城

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・ホール(神奈川県)

2023/02/25 (土) ~ 2023/03/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シェイクスピアと黒澤明という二大ビッグネームをふまえつつ、現代の舞台化に当たってどう新味を出すか。この舞台への関心と評価はその一点にかかるだろう。結論として言えば、見事な再創造だった。忠君・小田倉(長塚圭史)一家の悲劇をマクベス夫人とつなげる新たな副筋をもうけ、雑兵・百姓に重要な役割を負わせて武将の戦いを相対化する。

小田倉の妻・若菜(新井郁)が、マクベス夫人・浅茅(倉科カナ)の妹にした。したがって小田倉一家の不幸が、マクベス夫人へ罪の報いとして降りかかる場面は重層的で、哀れさが増した。これを見ると、「マクベス」ではマクベス夫人は自滅するだけで、少々肉付けが弱い気がしてくる。

雑兵・百姓に戦のむなしさを語らせたのは、ウクライナ侵略のいまに響いた。それはただの言葉だけでなく、鷲津武時の最後とも絡むことで、作品の奥底の主題として強く打ち出されていた。それとは別に、次々の暗殺によって、場内が疑心暗鬼になるさまを見ながら、スターリンの粛清政治を思い浮かべた。「マクベス」「蜘蛛の巣場」を見て今まで思い浮かばなかったが、初めてだ。これもロシアの侵略の情勢の影響と、この舞台のシンプルで力強いメッセージのせいだろう。

俳優でいえば倉科カナが印象的だった。かわいい顔をしていても女は怖い。怖いけれど、狂っても美しく魅力的。どこまでも男を狂わせる存在である。

優れた舞台機構を生かし、かなり頻繁なセット転換が迅速。英語でも日本語でもない人声が響く不気味で迫力のある背景音も効果的だった。大劇場ならではの贅沢な舞台だった。私が教えて、1週間前にチケットを買った女性の観劇友も「面白かった。見逃さなくてよかった!」と大満足だった。
2時間20分休憩なし

ネタバレBOX

魔女に「将来は三木の息子が城主になる」と予言された当の三木義照(小林諒音、バンクォーの息子)が、最後に城攻めの混乱の中で若君を殺すのも意外だった。マクベスのような野心が、マクベス特有のものではなく、清廉の士のはずのバンクォーの血にも流れていることを示し、人間への怖さを増した。
掃除機

掃除機

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・中スタジオ(神奈川県)

2023/03/04 (土) ~ 2023/03/22 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

掃除機の1人ごとから始まり、セリフはほぼモノローグ。独り言の連続である。「これから……という芝居をやろうと思うんですが…」「という感じの…」等々、だらだらとつながるチェルフィッチュ語を久しぶりに聞いた。だらだらと語り、何も起きない、反演劇、アンチドラマの芝居。それを演劇としてやるというのはそもそも無理があり、好きな人は好きだろうが、ついていけない人はそっぽを向く。そういうタイプの芝居である。

最初掃除機(栗原類)が人間は床なんて全然見てないじゃないか何でこんな大きいものを掃除機が吸い込むまで気づかないんだよとぐちる。二階には 引きこもりの中年の姉(加納ジュンコ)がいて、時々 床を力いっぱい叩いて「私がこうなったのはお前のせいだっ」とわめく。 下の階に父親(モロ師岡)がいて、「あの『お前』っていうのは死んだ母親のことなんですよ」と、顔に貼りついた笑顔で言い訳する。 兄(山中崇)は家を出てゆく。音楽担当の環ROYがラップしながら語るが、これが多少批評的なことを言う。「世の中全部クソじゃないですか。くそくそくそって言われて、なんて答えると思います。そうその通りって。だから出てかなくていいんです」。ここに言いたいことがある気はした。こんなよくない世の中に出ていかない引きこもりの気持ちはわかると。

一度だけ、父が娘を無理やり連れだそうとする「太陽に当たらないと体に悪い」。娘は「私に太陽なんていらねえんだ!」とふりほどく。

転げ落ちそうなベッドの美術、父親が3人で演じられる演出は奇抜で、この反演劇の「前衛劇」にふさわしい
他に覚えてることがあまりない。90分と短いが、それでも集中力を保つのが精いっぱいだった。

ネタバレBOX

最後近く、家を出ていった兄が太陽について語ると、照明がぱあっと明るくなる。やはり人間に太陽は必要だと語るようだ。

音楽家が掃除機に「お前外に出たことあるのか? 玄関の冊子の溝に挟まったほこり撮るためくらいだろう」とバカにする。掃除機は「それより、もっと出たことがある」というが「部分的にだけどね」と認める。考えてみれば掃除機というのは引きこもりのメタファーなのである。
ペリクリーズ

ペリクリーズ

演劇集団円

シアターX(東京都)

2023/03/01 (水) ~ 2023/03/08 (水)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

シェイクスピアのセリフのきらめき、嵐や女郎屋をイマジネーションで現出する野田秀樹的見立て表現、ギリシア劇にもとづく波乱万丈と壮大なハッピーエンド。これらが結合した出色の舞台だった。
特に船が嵐に翻弄される、演劇ワークショップ的ダイナミックな動きは抜群。またペリクリーズ(石原由宇)が娘(古賀ありさ)と再会した時の、信じられないけど信じたい、信じたいけど信じられないという行きつ戻りつを誇張しつつ、最後の歓喜の涙に至るシークエンスは見事だった。

話は荒唐無稽だが、それを神々しいまでのドラマにして、見ていて目頭が熱くなった。若い中屋敷法仁の大胆な上演台本・演出の成功である。2時間20分(休憩15分)。語り手(藤田宗久)もよかった。

Don't freak out

Don't freak out

ナイロン100℃

ザ・スズナリ(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/03/21 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

歪んだ人物たちの濃密な関係が、ユーモアをたたえつつホラーな展開へ進んでいく。ダークな芝居を得意とするケラの本領発揮。狭いザ・スズナリの舞台を、通常よりも桟敷席、ミニ椅子席まで作って客席を増やし、一層奥行きを狭くしていた。その狭い舞台に、女中部屋のセットをしっかり建て、奥の窓の向こうに屋外の演技スペースと、奥の上部に地下の監禁部屋をつくる。人間関係と同様にきわめて密度の濃いセット。ザ・スズナリであんなに作りこんだセットは初めて見た。

松永玲子の妹あめと村岡希美の姉くもの女中姉妹に、一家の主で監禁されている清太郎(ミノスケ)、今は主人になった次男(岩谷健司)、奥様(安澤千草)、お嬢様(松本まりか)、おぼっちゃま(新谷真弓)に、大奥様(祖母)の吉増裕士の一族。次男は大奥様の言いなりで、奥様は邪険にされる。大奥様がお坊ちゃまが学校でいじめられてることを見抜き、「本当のことをお云い」とステッキでせっかんする場面は迫力あった。そして「復讐するのよ、それだけ覚えておけばいい」と。これが伏線となってひたひたとダークな結末へと転がっていく。
妹あめの婚約者だった鏡と葬儀屋の傀儡(くぐつ)の二役の入江雅人、田舎警官のカブラギ(藤田秀世)もよかった。

全員おしろいを濃く塗り、目じりにくまを作る濃いメイクで、虚構の芝居の雰囲気を醸していた。その虚構(怨念と物語)の物語のリアリティーがさえていた。
2時間20分の休憩なし。でも、ちょうど疲れたころにブレイクタイムとばかり、全員で歌う幕間が二度ある。二回目のブレイクの後は、怒涛の悲劇の連続で、疲れも吹き飛んだ。

ネタバレBOX

坊ちゃんをいじめていた子たちが行方不明だという教師の話、外に出られないはずの清太郎が外で子供を作っていたという告発など、謎をちりばめながら、それを無残な悲劇へと回収していく。面白い展開だった。
ハムレット

ハムレット

世田谷パブリックシアター

世田谷パブリックシアター(東京都)

2023/03/06 (月) ~ 2023/03/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

生と死を前面にテーマに据えて、それは今回、補筆された冒頭と幕切れの声にも表れている。「ハムレット」が生と死、特に死について思索をめぐらす芝居だと初めて感じた。To be or not to be の有名なセリフもそうだが、ハムレットの独白の多くは死について考え、墓場のシーンや、クローディアスの祈りに遭遇するシーンも生と死についてのものだ。

もう一つの、実は最大の特徴はジャパニーズ・ハムレットともいうべき斬新な演出にある。亡霊は能の仮面と歌舞伎の獅子の被り物に銀糸の和服。音楽は雅楽、尺八、三味線。ゴンザーゴ殺しの劇中劇は歌舞伎調で、一人二役の二人羽織。黒澤明の「蜘蛛巣城」(マクベス)「NINAGAWAマクベス」につづく、和風シェイクスピアとして、大変面白かった。

野村萬斎はさすがの貫禄である。クローディアスの祈りの場面の緩急自在は圧倒的。野村裕基のハムレットは少々きゃしゃで線が細い感じがしたが、劇が進むにつれ、大きく見えてきた。発生、セリフづかいが狂言仕込みなので、父・萬斎ににている。それが朗々としてよかった。藤間爽子のオフィーリヤは、発狂後がよかった。歌いながらの皮肉や甘えのセリフにピュアな存在を印象付けた。

台本も河合祥一郎の苦心の翻訳で、日本語のしゃれがたっぷりちりばめられていて新鮮。「神殿で死んでんのか」とか。原文はどうなっているのだろうかと思いながら、面白かった。

最後に、デンマーク王国の宮廷での悲劇の裏で、フォーティンブラスの進軍の話を忠実にとりいれていた。カットする演出が多い部分。フォーティンブラスの雄姿を遠望しながら、ハムレットが何のための戦争かと聞く場面。ポーランドの何の意味もない土地の取り合いですと。ハムレットの国での軍拡のこともわだいにのぼる。現在のウクライナの戦争と日本の軍拡が否が応でも連想される。権力で「何かが腐っている」「この世のタガが外れてしまった」国の背景には、軍拡と戦争があったということを改めて教えてもらった。
前半1時間45分+休憩15分+後半1時間半の計3時間半。全く飽きることなかった。

ネタバレBOX

ハムレットの謎とは、なぜ彼が逡巡し続けるかというところにある。その謎をめぐって様々な解釈がされてきた。確かに、(とくに独白で)逡巡する自分を鼓舞するセリフが多い。と同時に、行動的で能動的面も見える。ガートルードの寝室で、クローディアスと間違えてポローニアスを刺し殺してしまう素早さは印象的だし、旅芝居の一座にゴンザーロ殺しを振り付けするあたりは、なかなかの狂言回しぶりだ。

そういう矛盾した面が見えるハムレットだが、イングランド行きの海路から海賊船にさらわれて帰ってくると様変わりする。クローディアスが自分を殺そうとしていることを知ったこともあろう。オフィーリアの死もあろう。レアティーズとの剣術試合に向かう直前「覚悟がすべてだ」「なるようになれ」には、今回、はっとさせられた。

こうして「ハムレット」は、貴人が、苛烈な運命をひきうけ力の限り生きて死んでいく典型的な悲劇として完結する(「子午線の祀り」の知盛もハムレットの血を引くといえよう)。ハムレット死後、フォーティンブラスのセリフに「運命」の言葉が見える。(それまではなかったのではないか)
行きたい場所をどうぞ

行きたい場所をどうぞ

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2023/02/23 (木) ~ 2023/02/28 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

高校生がAI女子高生と一緒に、幸せの国を探して旅するロードムービー演劇。いろんなところにひねりや現代社会への皮肉が込められている。戦地からの帰還AIも出てきたりして、いろいろなことを考えさせる。今まで見たことのない若い俳優が中心で、リアリズムとは違うファンタジー色が強い。今までの青年劇場の殻を破ったユニークな舞台だった。

ネタバレBOX

絵本の作者の老人と海の向こうへボートで乗り出した主人公は、どこへ行こうとしたのか。みんなが笑顔で幸せそうな国というのは、もしかすると死の国かもしれない。そこへ一人ではいけないという老人は、一人では死ねないと言っているのかも。
聖なる炎

聖なる炎

俳優座劇場

俳優座劇場(東京都)

2023/02/26 (日) ~ 2023/03/04 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

真相を探るミステリー仕立ての吸引力とともに、人間の心のさまざまな奥底をのぞき見させる。まずは戯曲がピカイチ。俳優陣も素晴らしい。特に女優陣のそれぞれの役柄を現出させる演技が見応えあった。2時間35分、とくに長男が謎の死を遂げてからの2時間は目が離せない緊迫した舞台だった。

健康な若い妻が、夫が不能に陥った後の性欲がどういうものか。罪だとわかっていても不倫に落ちる欲望と人間の倫理の関係は、川と堤防の関係に似ている。家庭のために燃える恋を諦めざるを得なかったつらさ。どんなに献身しても報われない愛、嫉妬。人間にはさまざまな心があり、相手によって人物が変わる。夫人を中心に、人間心理の真理に触れたセリフの数々が胸に響いた。

ブルーストッキングの女たち

ブルーストッキングの女たち

新国立劇場演劇研修所

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2023/02/24 (金) ~ 2023/03/02 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

先日、新劇合同公演で「美しきものの伝説」を見たばかりだった。なぜ宮本研はほぼ同じ人物・時代を扱った二つの戯曲を書いたのかが、なるほどと腑に落ちた。「美しき」は抱月と若い小山内薫がたたかわせる演劇論と、堺利彦と大杉栄がたたかわせる革命論が中心である。「ブルー」は、男女関係、夫婦関係、人間関係を描いたもの。とくに妻と、恋人と同志という三人の女性を同時に愛した大杉栄、郷里の夫を捨て、辻潤と子供を捨て、大杉と一緒になる伊藤野枝が軸になる。そこに、平塚らいてうと奥村の安定したカップルが対照的に加わる。

演劇研修所の修了公演を見るのは5回目だと思う。今までの「るつぼ」「社会の柱」などに比べると、動きと緊迫度の少ない戯曲だった。力でねじ伏せたり勢いで突っ走るわけにはいかず、若い俳優には難しかったと思う。とくに日常的な会話が続く前半がそうだった。

ネタバレBOX

全9場(「人形の家」の劇中劇を第3場として)。休憩後の6~9場がよい。人間関係のもつれの緊張感がグ~ッと高まって、衝突が起きる。7場の日蔭茶屋事件、8場の野枝と子供の涙の別れ。子役が出ないので、そこはエア演技になってしまうのは残念だが、野枝役の伊海実紗は渾身の泣きで、このクライマックスを十分感じることができた。最後、9場での大杉と甘粕の対決もまた見どころだった。もう少し長くやってほしいが、戯曲にないのだから仕方がない。最後は、野枝が甘粕と対決する。「あなたは大杉に嫉妬としてるのね。がんじがらめの軍隊から自由になった大杉がうらやましいんでしょ」と。

エピローグのマコの語る、大杉のフランスからの手紙がよい余韻を残した。

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