Takashi Kitamuraの観てきた!クチコミ一覧

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魔笛

魔笛

東京二期会

東京文化会館 大ホール(東京都)

2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

序曲の目撃で、主人公の男が、自宅の子どもたちのやっていたゲームの世界に入ってしまう。魔笛の本編は、そのゲームの中の冒険になる。舞台は、斜めにおかれた大きな四角い箱のような形。背後の壁を手前と奥と二重にして、手前の壁を半開きにしたり全部閉じたりして奥行きに変化が出る。手前と奥にさまざまな映像を映し出して、視覚的にわかりやすく変化に富んだ部隊だっった。
歌手も良かった。夜の女王高橋維もコロラトゥーラが絶品。パミーナ盛田麻央が、愛を得られないと思って嘆くアリアが今回、特に胸にしみた。パパゲーノ役の近藤圭の緩急自在なコミカルさも良かった。
厳粛なザラストロの音楽から、「パパパの二重唱」まで音楽的にも非常に多彩で、聞かせどころがたっぷり。改めて名作だと再認識した

ネタバレBOX

最後は、タミーノ、パミーナの結婚が祝福されると、それが現代に戻るきっかけに。二人は家庭の夫と妻になり、子どもたちと高齢の父(弁者と同じ)に囲まれた平穏な家庭に戻る。一瞬で現代に戻る、短時間のラストだが気持ちいい結末だった。
醉いどれ天使【9月3日~9月4日公演中止】

醉いどれ天使【9月3日~9月4日公演中止】

明治座 / 新歌舞伎座

明治座(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

桐谷健太の詩情と影のあるヤクザ松永役が光った。冒頭から詩のような、松永の手記が劇中リフレインされる。「夜に隠れ、朝を恐れ、昼を恥じて…」「故郷が思い出される…コンコンと咳をする母、妹の上着の赤…、」。戦場から復員しても居場所を失い、闇屋のヤクザとして勢力を伸ばしながらも、そんな生き方を恥じている純情さと、帰りたくても帰れない望郷の思い。原作の映画には松永の過去は何も描かれなかった。今回の舞台は、飲み屋の女将を松永の幼馴染に変えて、松永の人物像を陰影あるものに膨らました。

それ以外、映画のストーリーはほぼ変えず、黒澤映画へのリスペクトが感じられた。女子高生やヤクザの親父も早くだがきちんと出てきて、いいアクセントになる。泥水を飲む子供を真田が叱るシーンも割愛していなかった。主要キャストは豪華で、それぞれに存在感がある。昔の女ミヨ(田畑智子)を連れ戻しに来た岡田(高嶋政宏)に、ミヨが自ら出ていって拒み、医者の真田(高橋克典)と松永が土下座して、帰ってくれと懇願する場面。映画だと、ミヨは家の奥に隠れたままで、真田だけが対応するのだが、演劇としてはバアや(梅沢昌代)まで出て、迫力あるシーンを作っていた。

回り舞台にセットを作って、真田医院、ダンスホール、闇市、情婦の部屋等々を効果的に転換。このセットも良くできていた。床の傾斜をつけることで、客席から見て、人物の上下の位置で互いの関係がわかりやすくなると、演出の三池崇史がプログラムで喋っていた。中央上部に渡り廊下のような橋があって、回り舞台の上面を俯瞰的に使っているのも感心した。上面の奥の傾斜が、最後に物干し場になる。

ネタバレBOX

屋根上の物干し場で松永が死ぬシーン。映画を踏襲していた。さらにその前に、真田が洗濯物を見て、松永に「幸せってのはああ言うもんだ。大人も子供も一緒に暮らしている」という。これで、松永の死の切なさが一層ました。
オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』

オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』

オペラシアターこんにゃく座

吉祥寺シアター(東京都)

2021/09/18 (土) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

ドイツ軍占領下の、多様な人々の動きに、LGBTの問題も絡めた、非常に見応えある「ドン・キホーテ」だった。ピアノの伴奏(服部真理子)がずっとつくが、音楽と場面の演技が、歌わないところでもよく噛み合っていた。ドイツ軍占領下のフランスが舞台で、ドンキホーテになりたい不登校の女の子ベルが主人公だと、見ているとわかってくる(一幕1場)。ベルは夜中、ロシナンテとサンチョの2頭の馬を連れて冒険の旅に出ようとしていると、逃げてきたユダヤ人少女サラを匿うことに(2場)。翌朝、呼びに来た女教師オードリーを、牧場の手伝いの青年、びっこのルイの助けで追っ払い、ベルとサラは「冒険の旅」を歌い、みんなを巻き込む(3場)。

二幕、2時間35分(休憩15分こみ)

Wキャストのうち青組を拝見。ベル役の沖まどかが、小さな体でエネルギッシュに動き回り、舞台を引っ張って、存在感抜群だった。サラ役飯野薫は可憐。オードリー役梅村博美はお硬い女教師が、二幕になると、キビキビした色気のあるダンスで魅せた。道化役のサンチョ冨山直人は絶品で、徴用に出されるのをごねるところは大いに笑わせた。相手やくロシナンテ大石哲史も、うらぶれたが誠実で人情ある老馬の風情がよく出ていた。

ネタバレBOX

二幕では、祭りのダンスパーティーからドイツ軍のレジスタンス狩り(一場)。サンチョを徴用に出す騒動から、ベルが不登校になったのはアウティングのせいというサラへの告白。オードリーのドイツ軍将校の女だった過去(2場)。学校に行くことを決意したベル、迎えに来たオードリーしかしドイツ軍が来て、ルイの密告でサラの存在がばれてしまう‥。悲しみを抑えながら、ベルが自分なりの冒険を歌うフィナーレへ。
雨

こまつ座

世田谷パブリックシアター(東京都)

2021/09/18 (土) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最後のどんでん返しが鮮やかな井上ひさしの代表作の一つ。主役の山西淳が素晴らしい。江戸のコジキから、山形の大旦那になりすまし、時には一人二役も声色でやってのける。笑いから悲劇まで、感情の微妙な振幅も自在に表現。さらに標準語から方言までを使いこなして、言葉の劇でもある本作をしっかり支えていた。

主なキャストで13人、加えて村人・女中などのアンサンブル12人、総勢25人という大きな規模に驚いた。パーカッションの生演奏もあり、大変贅沢な芝居。先ぶとで上部が少し曲がった(五寸釘を模した)柱を軸にした回り舞台が、シンプルだが、傾斜場や、段差ある座敷などを表裏に配して、全11場の多様な場面をよく表していた。紅屋の、紅花を大きく描いた背景は、ほかは全てくすんでいただけに、特に際立っていた。

冒頭の久保酎吉の、人形を使った背負われ役も絶品。最初は二人だとばかり思った。そのほか、名前は書かないが、芸達者揃いで、贅沢といえば、これが最大の贅沢だった。

鉄屑拾いのトクが大旦那にうまく成りすませるかどうか、という一本筋で観客をずっと引っ張っていく。そのスリリングは差し詰め「太陽がいっぱい」のよう。トクがで突っ張りであるように、全く副筋に遊んだりはしない。でも、旦那の女房のおたか(倉科カナ)との寝間の場面が、「えつものように」というおたかの催促ひとつで、右往左往するトクに笑いが起きる。天狗に詳しい儒者(土谷佑壱)の人間離れした演技も面白い。

底辺から這い上がる男の一代記としても、中央と地方の対立としても、欲(権勢)に目がくらんだ人間の愚かさとしても、権力と民衆の双方の非情さとしても、実に多くの問題を孕んでいる芝居だった。

ネタバレBOX

最後、舞台奥に広がる一面の黄色い紅花畑が鮮やかだった。そこに村人たちが立つ姿で、トクを殺したのが、ただ一部の藩の上層や商人だけではなく、民衆の支持があることを示していた。
友達

友達

シス・カンパニー

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

最初は冗談のように始まり、次第に非日常が当たり前になり、最後はあっけない悲劇でおわる。一人暮らしの男の部屋に、突然「友達」を名乗る9人!家族がやってきて、部屋を占拠して出ていかない。男の悲劇を見ながら、ヨーロッパ人に土地を奪われたアメリカ先住民のことが思い浮かんだ。あるいは満蒙開拓団によって追い出された中国の農民たちとも重なる。

男の最後は、尼崎監禁致死事件や北九州の事件のような、モンスター同居人の家族支配虐待事件と重なる。実際、警察に訴えても家族内のことは関与しないというスタ薄手、救われないことは多々ある。警察も忙しいから。

これだけ広い世界の出来事を想像喚起させる安部公房の戯曲に脱帽。それをスピーディーでコンパクトな現代の芝居にアダプテーションした加藤拓也も恐るべし。
哀れな被害者の鈴木浩介、家族の父山崎一、次女有村架純、長男林遣都、三男大久保一衛がめだった。一方、これだけ人数がいると、いい役者が綺羅星のごとく配役されているのに、各々の見せ場は少ないのがもったいない。

ネタバレBOX

恋人の言葉をヒントに弁護士に相談に行く場面。弁護士が「難しいですね。うちにもそういう連中が来てますから」といって、主人公はギャフンとなる。これは安部公房の戯曲にはない、完全なオリジナル。助けを求めたのは警察に一回だけではない、というリアリティーの積み重ねとしては悪くない。そのうえ、他にもそんな「友達」がいて、この9人だけではないというのも、やはり異民族の侵入みたいで、問題に広がりができたと思う。
あたらしい憲法のはなし3

あたらしい憲法のはなし3

東京演劇大学連盟

東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)

2021/09/10 (金) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★

この劇で「あたらしい憲法」とは自民党改憲草案のこと。その制定後の国をイメージしたような島で、あたらしい人物が現れるごとに、話が変わっていく。公益、不断の努力、がキーワードで繰り返され、個人より公優先の自民党的国家観の世界。

途中から、指導者がもう一人現れ、国が二つに割れて国境を引く。その狭い拾いをめぐって、はっか飴を投げ合う戦争に。そして「間違いを繰り返さないように約束しよう」「また間違えたら思い出そう」となる。この展開は現憲法を連想させる。

つまり途中で含意する憲法が入れ替わっていた。前半は憲法批判と思っていると、最後は護憲のようで、何が言いたいのかわからなくなってしまう。(柴幸男の最初の戯曲がネットにあり、読むと、後半の展開はこちらに依拠していた。ズレを感じたのは、現憲法を踏まえた柴の原作と、改憲草案をイメージした前半の改作部分を繋いだせいだと思う)

途中何度もラテン系の外国人学生が現れて「オレは自由でいたい」「仲間になんてならない」と去っていく。外国人に対して閉鎖的な日本を象徴していた。閉鎖的で内向きな日本というイメージが、見終わったあとに残った。

ネタバレBOX

以上の台本のある芝居の後、ひとりの新しく登場した女性を軸に、それぞれの憲法への思いを出演者が語る「知らないと思った」「まず読みたいと思う」「議論しなければ」「まず話し合うこと」など、初歩的で漠然とした感想である。しかし、ウソのない感想だった。出演した学生たちの正直なところだろう。ここから始めるしかないと感じた
物理学者たち

物理学者たち

ワタナベエンターテインメント

本多劇場(東京都)

2021/09/19 (日) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

シリアスな劇かと思って見始めたら、冒頭からリビングに看護師の死体が転がり、警部が登場するという人を食った展開。自分を歴史上の偉大な物理学者だと思い込んでいる精神病患者たちが、なぜか看護師を殺してしまう、ブラックコメディが第一幕。殺しても、病気だからと逮捕されない。

途中、メビウス(入江雅人=好演)という第3の患者に、妻と3人の息子が再婚した夫とミクロネシアへ宣教のため引っ越すからと、永の別れにくる。妻(川上友里)の、押し付けがましくて騒々しい、オーバーな演技がおかしい。ソロモン王が見えるというメビウスは、喚き散らして、せっかくの別れを台無しにして、家族を追っ払ってしまう。
看護師のモニカ(瀬戸さおり)は、「狂ってないって知ってます」と。メビウスも「あれも演技。こんな狂った男にニ度と会いたいと思わないだろう」と。ここから、二人の関係は意外な展開をするのだが、そこもまだ序の口。第二幕になって、どんでん返しが続き、科学と権力、自由と責任、人類の不幸を防ぐための、厳しいがささやかな選択が描かれる。

間違いなく傑作。とくに1962年に書かれたという戯曲がすごい。どんでん返しは井上ひさしも初期に愛用した。ほかに「スルース」という傑作もある。密室内の出来事で広い世界を語る、まさに演劇らしい演劇だった。
21世紀の日本の現代劇でこんな芝居が出てこないものだろうか。

ファクトチェック

ファクトチェック

秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

紀伊國屋ホール(東京都)

2021/09/17 (金) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

政権とメディア、政治家と新聞記者の関係は、古くて新しい永遠の課題だろう。そこにまた新たな光を当てる骨太の舞台ができた。今回は、正義派だった記者が政治家に屈する過程と葛藤が見どころ。新聞記者の家庭も描いて、生活者としての本音と仕事上の正義の葛藤を描いたところが新しい。
色々ツッコミどころはあるが、大きなテーマを力技で舞台の形にして、見応えがあった。
花見の会、人事で支配、感染症、五輪等々、安倍菅政権の去年今年がいろいろ取り入れられて、笑いを誘っていた。現政権への風刺劇でもあるところがよい。そういう点には自然に客席は笑いが起きて、いい雰囲気だった。

ネタバレBOX

家庭のため、娘のためにしたことが、逆に娘から「父さんの生き方は恥ずかしい」となじられるところが、切なく痛々しかった。
ズベズダー荒野より宙へ‐

ズベズダー荒野より宙へ‐

劇団青年座

シアタートラム(東京都)

2021/09/10 (金) ~ 2021/09/20 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

題はロシア語で「星」のこと。冷戦期のソ連宇宙開発ドキュメンタリー劇というところか。敗戦のドイツ科学者を連行してきた1945年から、1965年、ソ連ロケット開発のリーダーのコロリョフが亡くなるまで。スターリンの恐怖政治の重圧から、フルシチョフの人間戦車ぶりの執政と失脚も併せて3時間で描く。
ロケットの失敗、成功、路線変更、大成功、その悪影響等々と事件が次々おき、3時間を長く感じない。細かい史実はかなりコンパクト、スピーディーにこなしている。とはいえ、それでもかなりの手間を取られるなか、頑張って、人間の葛藤や衝突も描いている。

コロリョフ(横堀悦夫)が、粛清され、6年間収容所で苦しんだこと、彼を売った男が、同僚科学者として戦後も一緒に働いたこと。ドイツ人とソ連人の科学者同士の対立。権力と科学、軍事研究と宇宙開発等々、面白いテーマが盛りだくさんだった。素朴で大らか、怒りも喜びも大げさに表現するフルシチョフ(平尾仁)の好演が光った。
スプートニクの地球周回成功、ガガーリンの初の有人宇宙飛行成功など、舞台全員が歓喜の声を上げる大きな達成には、見てるこちらもうれし涙が出た。

見終わって思うのは、50-60年代は米ソ超大国の時代だったなということ。大型プロジェクトも核戦争瀬戸際のキューバ危機、ベルリン危機も超大国の行動だった。米ソの指導者フルシチョフやケネディの存在感が圧倒的だったし、指導者の選択が、歴史を動かした。いまはGAFAの時代。民間が強くなったというより、相対的に超大国の地盤沈下は否めない。

気骨の判決

気骨の判決

オフィスワンダーランド・(一社)演劇集団ワンダーランド

ラゾーナ川崎プラザソル(神奈川県)

2021/09/08 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

翼賛選挙で非翼賛議員への選挙妨害の訴えを認めて、1945年3月に選挙無効、やり直しの大審院判決を出した吉田久の物語。裁判所と、吉田の家と、鹿児島の出張尋問の場面で構成。東條英機が音頭を取る翼賛選挙に、異議を挟もうという吉田に、さまざまな嫌がらせがくる。息子には赤紙、本人には尾行監視、家は「非国民」と攻撃され、家族は配給でも差別を受ける。
5人の裁判官の合議内容など不明な点が多い史実を、ドラマチックに脚色して、大変感動的な心に響く舞台だった。

保身のため選挙有効を主張した陪審判事が、妻に「今の姿を息子に見せられますか」私たちができるのは、病気と戦う息子に「希望を教えること。私は息子には希望を教わったんです。今度は私たちの番です」と言われて、自らを振り返る。
(竹内一郎の盟友平石耕一の「センポ・スギハアラ」にも、子どもに親の生き方を示すという場面があった)
「青臭い理想」にいつまでしがみつくんだ、というセリフがあるが、吉田の青臭さを恐れずに、堂々と貫く姿が胸に染みる。希望と、理想が、巨大な力の理不尽に屈しない。
雑用係から苦学して判事になった吉田の、「法律とは、弱いものに希望を与えるものだ」という言葉が胸を打った。
吉田役の川口啓史が、ゆっくりとあわてない静かな演技で、信念の人を好演していた

パレードを待ちながら

パレードを待ちながら

劇団民藝

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2021/09/04 (土) ~ 2021/09/13 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

まず戯曲を読んで、銃後の女性たちを通して戦争を、時代を描く手法に感心した。映画とは違って、舞台には直接現れないものを、観客の想像力でたちあげる。その想像力を刺激するという点で、実際の舞台はオーソドックスすぎて、少々生真面目すぎたと思う。5人の女優は十分好演していたと思うけど、もう少し、遊んでもいいのではないか。出征した夫、息子たち、戦地に行かない男たちの姿を、映像や黙劇で示してもいい。
音楽が、指定の音楽と違ったように、戯曲の面白さを、逆に戯曲からはみ出すことで示す道があったのではないだろうか。

戒厳令

戒厳令

劇団俳優座

俳優座スタジオ(東京都)

2021/09/03 (金) ~ 2021/09/19 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

ペストとコロナとナチスとデスノートを合わせたような舞台である。最初はメタファーが多くて、何を指しているのか錯綜した。しかしペスト(ナチス)と青年(レジスタンス)の対決のクライマックスはすごい緊迫感で圧倒された。

ペストを名乗る新支配者と、その女性秘書が住民登録する場面は、市民の「私生活」に介入し思想と素行で選別をする怖さがある。青年が助けを求めた婚約者の父は「犯罪も法律になれば、もう犯罪ではない」と「悪法も法だ」と、権力者の作る秩序に従順に従う、普通の人々の生態を写す。そして、青年とペストの対決。見応え充分の芝居だった。

ペスト役の野々山貴之がすばらしかった。白塗りで終始民衆を小馬鹿にし、バットマンのジョーカーのような、ちょっと別世界の存在感。女性秘書の清水直子が支配の虚しさを示し、青年医師の志村史人が正義の苦しさで迫力があった。志村は「インク」の編集長役に続く主演、ぜんぜん違う役柄を好演していた。保守的民衆の代表の加藤佳男は自然体に宿る貫禄があった。

工事現場の足場のような2台の可動階段と2階廊下のセット。液晶画面を4台おいただけで、映像で場面を示すストイックな美術。上下の位置関係と、狭いアトリエを走り回る動きで、熱気と緊張感のある舞台を作った演出が素晴らしかった。志村はシャツが汗でびっしょりになるほどの熱演だった。

ネタバレBOX

青年が怒りにかられて恐怖を忘れたとき、ペストは治る。女性秘書から「恐怖を克服して、反抗するものが一人でも現れたら、彼らは打つ手がない」と教えられ、人々を導いて革命へ。立ち上がる民衆、権力との戦いを描くカミュはさすが左翼作家だ。

ペストの示した取引の場面は、いかにも「アンガージュマン」のサルトルと並ぶ実存主義作家らしい。その試練を乗り越え、青年は我が身を犠牲に、人々の自由を勝ち取る。

しかし、ペストは去り際に語る、「時がたって、すべての犠牲は無駄だったと思うとき、私の支配は完成するのだ」と。これはカミュの恐ろしい予言だ。若い日に理想に燃えた人々が、年を取って「あれは若気の至りさ」と、現状に満足するとき、体制は延命する。それが今の日本だ。酔っ払いのナダが「無駄死にさ」というのに、反論する人が数人いたとしても。
4

4

ティーファクトリー

あうるすぽっと(東京都)

2021/08/18 (水) ~ 2021/08/24 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

犯罪と死刑制度をめぐる4人によるモノローグ劇。裁判員と、拘置所の看守と、犯人と、死刑執行命令にサインする法務大臣とが、それぞれの立場で、悪夢を、苦しさを、責任を語る。途中、一度、俳優たちが話して役を交代する「メタ演劇」的部分あるが、割とすぐ元に戻る。重いテーマを、真正面から語り続ける、真摯な舞台だった。

ネタバレBOX

最初と途中で、モノ運びしかしていない男が5人目の男で小林隆が演じている。最後、もう一度最初からと言って、役をくじ引きで引き直すと、小林がトップバッターになる。息子を失った悲しみを語りだすが、なんと、これは犯人だった。加害者の父という立場が加わり、芝居の陰影が一層ました。
Le Fils 息子

Le Fils 息子

東京芸術劇場

東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)

2021/08/30 (月) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

一度こじれると簡単に直せない、思春期の子供を持つ困難を、抑制的に、リアルに、しかし切実に描いて、目の離せない2時間だった。高校生の息子が、学校に行くふりをして何ヶ月もサボっていた。元妻から驚きの話を聞かされた、父(元夫)は息子に「なぜだ」と聞くが、息子は「わからない」としかいわない。ここから意思疎通がうまくいかなくなる。

息子は「ぼくは生きることがうまくできない」と訴えるのだが、父も母もまともに受け取れない。一方、父・母が必死に息子のために準備する家や、転校先を、息子は受け入れるように見えるのだが、本心はわからない。息子が母とはダメだというから、父は若い再婚相手と、乳飲み子のいる家に息子を引き取る。父のもとで素直そうに見えるが、しかし…。息子に「どうして母さんと僕を捨てたんだ」「ぼくを傷つけたのは父さんだ」と言われたら、父親はどうすればいいのか

父は成功した弁護士である。パリにも仕事人間はいる。でも日本の父親より、よほど家庭を大事にしているというべきだろう。母親も働いていた気がするが、職業が出てきたか、忘れた。
岡本健一、伊勢佳代、若村麻由美、そして新人で岡本の息子の岡本圭人。4人の俳優もみな素晴らしい。実に生々しい切ない舞台だった。

ネタバレBOX

精神病院で、両親が医師から選択を迫られた時、僕は最初、あれ、退院させないの?と思った。息子にあそこまで言われれば、退院させるでしょうと。病院の医師と息子とどちらを信用するのかと。でも、実は芝居の中の父も息子を退院させたのだ。そこまできてで、僕は気づいた。これは悲劇で終わるのか!と。見事に感情を持って行かれた、巧みな展開だった。しかも、最後に、一瞬希望を見せて、それは幻だったとわかる。何度も儚いのぞみを持たされた。
アナと雪の女王

アナと雪の女王

劇団四季

JR東日本四季劇場[春](東京都)

2021/06/26 (土) ~ 2024/10/31 (木)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

アニメーションなら氷も吹雪も自由自在だが、舞台でここまでやるとは。映像と美術、証明、音響とあいまって、氷の世界を目の前に作り出す。もちろん音楽もいい。「ありのままで」は一幕の最後にたっぷり聞かせて、拍手喝采だし、フィナーレも「ありのままに」のリプライズに近く、さらに深く、自分らしさと愛の両立を歌う。俳優の演技、ダンス、パフォーマンスもいい。衣装もいい。エルザの衣装が「雪の女王になってからも、ライトブルーのドレスから、パンツスタイルに変わる。とにかく飽きるところがない。アナとクリストフが吊り橋を渡りながら歌う「愛の何がわかる」は、歌いながら、心が近づく瞬間が見事。

ユーモラスな雪だるまのオラフが出て売ると、寒さも和む(実際、オラフの歌は「夏が好き」)、サウナに入った村人たちの裸(!)ダンス、トナカイノズベンは人間が入っているとは思えない、本物そっくり。

とにかく、おとなからこどもまでたのしめて、生きることを励ます熱いメッセージが伝わる傑作ミュージカル。現実を忘れて別世界に連れて行ってくれる2時間半。そして現実に帰ってきた時、前より心が明るく前向きになっている。エンターテインメントの大道をいく芝居である。

ネタバレBOX

最初の方で、姉エルザが力をコントロールできるかは、「恐怖」にとらわれないかどうかにかかっていると、魔法族の長老が言う。その意味がラストになって、胸に落ちた。妹を傷つけないかと、怯えることが「恐怖」。重体に陥った妹アナの回復を心から願ったとき、エルザの中で「恐怖」に「愛」がうちかち、力の制御力を手に入れたのだ。その心理的変化は、映画を見た時には気づかなかった。
『砂の女』

『砂の女』

キューブ

シアタートラム(東京都)

2021/08/22 (日) ~ 2021/09/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

現代の古典とも言える原作だが、「古典とは有名だがあまり読まれないもの」と言われるように、私は未読(すいません)。勅使河原宏の映画化も見たことない。その目で見て、大変新鮮で、時代を超えた舞台だった。「砂の女」とは実存的(抽象的)で閉鎖的な話と思っていたが、違った。非常に合理的で社会的な話であった。

蟻地獄のような砂の底に、男を閉じ込めるのは、女ではなく、村=部落の男衆。女は同居人。この設定がまず目からウロコであった。しかも、穴の底で男と女が掻き出す砂を、運び出すモッコが上から降りてくるし、水や配給品も上から届けられる。
一緒に見た友人は「非条理じゃないね」といっていたが、そのとおり。非常に合理的な話である(そんな砂に埋れそうな土地になんで住み続けるのか、ということを除けば。実は人は生まれついた土地を、簡単には動かないものなのである。そのこともおしえられる)

友人は「人間の醜い面をクローズアップして、さんざん見せつける。自分本位や、みだらな欲望や。。人間の美しいところがどこにもない。ジェンダー的にも問題。エグい芝居だ。演出は素晴らしいが、好きな芝居ではない」と。これは好き嫌いの問題なので、それだけの嫌悪感を起こさせたのは芝居の訴求力の高さを示している。
(途中、穴の上の村人たちが、二人に交わっているところを見せたら、縄梯子をおろしてやる、と本気で言い出すのは確かにエグい。緒川たまきは、裸で寝ているシーンや、半裸の後ろ姿など、かなり際どいシーンもあった)

男(仲村トオル)がなんとか逃げ出そうと策を繰り出す。女を縛り付けたり、あきらめたふりをして手製のロープを作って実際に逃げ出すしたり(途中で捕まる)。「ミザリー」よりずっと社会的に広い話。江戸(東京)から来た男が、いなかでちやほやされて、村人たちの罠に落ちるというのは、井上ひさし「雨」ににている。まあ、影響関係はないだろうが。

男は、女に「生きるために砂をかくのか、砂をかくために生きるのか、わからないような暮らしが、人間的と言えるか。」「豚と同じだ」と責める。まっとうで合理的だが、労働者・農民をバカにした、上から目線のセリフではないか。多分、そんなふうに考える私が、庶民の味方ヅラをしているだけなのだろうが。
なぜこんなところ出ていかないと聞かれて、女は「ここは私のうちだもの!」と叫ぶ。その気持はわかる気がした。福島の原発事故で故郷を追われた人も、同じ気持ちだろう。

グレーの幕で舞台の上から下まで覆い、中央にあばら家がポツン。人形も使って、男の空虚さを示す。シンプルな砂の映像が、砂の谷を作る。あばら家がくるくる書いて飲して変化をつける。すだれに映る影絵と、出てくる人物のズレ(彼の女かと思うと男の同僚だったり)もうまい。警察や、男の中学の同僚たちの日常的なボケも、砂の中の生活と対比的効果で良かった。4人の黒子=村人や警官のステージングもスムーズ。そして音楽がすごい。私は知らない人だが、上野洋子が舞台の情報にずっといて、シンセ、打楽器、アコーディオンなどをつかいわけ、「ヒョー」「ワオー」といった声で、効果音的音楽をつける。面白かった。

ネタバレBOX

さいごは、女に「寝るたびに、起きたらまた一人きりじゃないかと思うと怖いの」といわれ、また女が妊娠し、その中毒症か何かの病気で、男は穴の底にとどまることを選ぶ。これは「情が移った」というべき通俗的結末で、はないか。これでいいのか。

ただ、こうも考えられる。外の自由な生活と言っても、すでに妻との関係は冷えていた。それよりも、穴の底の「愛」のある生活のほうが「幸せ」なのかもしれない。自由という孤独より、不自由の安心のほうがいい…。そうして人々はファシズムを選んだ、そういう側面はあるとしても、抽象的自由より、家族、隣近所との親しい関係のほうが人々の幸福度は上がるというのは、様々な調査でも明らかな人間の本性である。

あるいはただ単純に疲れただけかも。よくあることだ。年とともに「理想離れ」して現状を受け入れていく
ムサシ

ムサシ

ホリプロ

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2021/09/02 (木) ~ 2021/09/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

渋谷の初日観劇。コロナの憂鬱を吹き飛ばすような満員の客席。初演からほとんど変わらない座組で、主演級の俳優が綺羅星のように並ぶ舞台。圧巻の三時間だった。今回、沢庵和尚役が塚本幸男に交代。初演で演じた辻萬長さんは8月になくなり、カーテンコールでは、井上ひさし、蜷川幸雄とともに、辻さんの遺影もキャストがもって現れた。芝居のメッセージそのままに、死者から生者へとバトンタッチしながら公演を重ねる。初演から12年、まさに一種のロングラン公演になりつつある。

この舞台は見るたびに違う側面に気づかされるが、吉田鋼太郎の色気と茶目っ気たっぷりの演技が目を引いた。魅力はセリフだけでない、四場「狸」の、仇討のための剣術稽古とその後の決闘は、身体表現としてダンスのようで面白い。また、白石加代子の見せ場は、初演では二場の「蛸」の能にびっくり仰天したが、もうひとつ、5場の「鏡」はそれ以上の長セリフ(身の上話)と見せ場になっていることも発見した。

そういえば、音楽も尺八と拍子木を使った、冒頭の純和風から、ついで竹やぶに寺が出現するところはアンサンブルのテーマ曲と、いろいろ趣向を凝らす。討ち入りそのほか、ざわざわする場面では、舞台じゅうの竹やぶが揺れるのも効果万点。

ネタバレBOX


「年をとったものはそれだけ、冥土に近いのだから、その話は聞いておくものだ」というせりふは、実は皆冥土の住人として、最後の訴えを聞いて欲しいというラストの伏線になっている。筆屋乙女(鈴木杏)たちが仇討ち前に、「成仏できずに、この世をさまよい続けるのは嫌。平心様は残って、私たちを弔ってください」とみなで必死にすがりつつ念仏を唱えるのも、ラストの「成仏させてください」と見事に重なる伏線。ただ、その場では「葬式はまだ早い」とギャグで終わるので、伏線とは気づかないのもうまい。

ラストは知っていても、見ていて心にグッとくる。「おふたりがお命を大切になさることで、私たちを成仏させてください」と、俳優たちが白装束で必死にすがると、迫力がある。「成仏を、成仏を、成仏を!」という願いの迫力は、文字だけとは、全然違うところだ。

四場の最後、塚本・沢庵和尚が「大事な宝物が…宝物が…」と、セリフが飛んだらしく言いよどんでいると、吉田・柳生宗矩が「よくわからんが、言いたいことはなんとなく分かるぞ」とカバーして、客席、大爆笑だった。機転を利かした絶妙な受けであった。
THE SHOW MUST GO ON

THE SHOW MUST GO ON

加藤健一事務所

本多劇場(東京都)

2021/09/01 (水) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

終わりに近づくにつれ、爆笑度が上がり、最後の場は、笑いっぱなしだった。カトケンはもちろん、ワンツーワークスの奥村洋治、Pカンパニーの林次樹、お馴染みの加藤忍と、とぼけた辻親八と、存在感のある芸達者な役者が揃って、面白かった。秘書役の岡崎加奈も可愛くて、若い作家の恋人役にピッタリ。マネージャー役の新井康弘が、強面で頑固なわからずや役を好演していて、この壁を突破するという芝居に、リアリティを与えていた。

金がなくてホテルを追い出されそうな劇団が、どうやって危機を乗り越えるのか。スポンサーが現れるが、ただそれでうまくいくのではひねりがない。コメディーとしてハッピーエンドはお約束としても、そこに至る予想外の壁また壁が、非常によくできている。戯曲の功績。翻訳も、これ本当に原文どおり? アドリブでない? というギャグ満載で、今このために書かれたよう。役者のうまさもあるだろう。

ネタバレBOX

どう波乱を起こすか。スポンサーを名乗り出た男が、食わせ者なのかなと思うと、これはまとも。実は、ホテルのマネージャーの横暴な横槍でヘソを曲げてしまう。そっから、次のヤマへ。不渡手形が発覚するまでの5日間の間に、初日を迎えてしまおうと決まる。ここまで2場。3場は初演の30分前のゴタゴタ。そして4場が、マネージャーを食い止めるっための自殺狂言で、爆笑ものの珍騒動。最後は上院議員のお陰でちゃんとハッピーエンドだった。
湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。

湊横濱荒狗挽歌〜新粧、三人吉三。

KAAT神奈川芸術劇場

KAAT神奈川芸術劇場・大スタジオ(神奈川県)

2021/08/27 (金) ~ 2021/09/12 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

黙阿弥の三人吉三とはぜんぜんちがう。ハマのやくざの親分二人と悪徳警官、その娘息子三人の、親子二代の物語。メインの葛藤は父親たちにあり、子供同士は仲がいい

かつての5億円をめぐる疑惑が、思いもかけない結末へ。全体、リアルというよりTheatricalなのは、そこは歌舞伎がもとのせいかもしれない。かつての任侠映画をコミカルにしたような味わい

ネタバレBOX

弱気の親分のラサール石井が、いつもとは違う雰囲気で、良かった。ちょっと見、ラサールとはわからない化けぶり。
警察ゴロの渡辺哲のすごみ、大親分の山本享のにらみ、大久保鷹の眼鏡越しの超越ぶり、機械仕掛けの人形(ひとがた)役の那須凜のりりしさ、お嬢の岡本玲の色と華。それぞれによかった。
はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~

はじまりの樹の神話~こそあどの森の物語~

劇団四季

自由劇場(東京都)

2021/08/15 (日) ~ 2021/08/29 (日)公演終了

映像鑑賞

満足度★★★★

劇団四季の新作オリジナルミュージカル。夢とロマン、勇気と友情を素直に伝えてくれる、大人も子供も楽しめる舞台だった。これから繰り返し上演されて、新たなレパートリーになるといいと思う。

村を守るために。生贄の少女ハシバミ(若奈まりえ)が、人々と力を合わせて立ち上がる展開。ハシバミの決断を最初、周囲が止めに入るところは少々定型的だったが、その後の展開はドキドキして、(配信だったので)画面から目が離せなかった。孤独なホタル狐(斎藤洋一郎)と、本の虫のスキッパー(権頭雄太朗)が心通わせて「これって親友っていうのかな」というくだりでは、思わずグッと来た。
最後まで予想外の事態とどんでん返しで、「予想を裏切り期待に応える」物語の「落差」も大きく、最後までよかった。

絆と希望を衒いなく歌い上げるテーマ曲に、こころ洗われた。堂々たる人間への信頼を直球ど真ん中に投げ込んでくる、なかなかの芝居でした。さすがミュージカル、物語、音楽、ダンス、美術が力合わせての素晴らしい成果だった。

主役若い3人に、ブラボーと大きな拍手を送りたい

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