トゥーランドット ~廃墟に眠る少年の夢~
少年社中
梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ(大阪府)
2019/01/24 (木) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
劇団っていいなあ…!と始まってすぐに思い、溢れる力強さと温かさに感極まりました。
いつも驚きますが、社中さんの舞台って客演もすっかり劇団の一員になっているんですよね。
そして、音楽や照明や衣装など、舞台は様々な要素で成り立つ総合芸術だということを改めて気付かされます。
本当に演劇で世界が変わりそうな予感がした…
いや、そんなことは…と頭の片隅で思う自分もいますが、とにかく「信じたい」と思わせてくれる。
劇団20周年記念の最後の作品に相応しい仕掛けもあり、また演劇好きには笑えるところもあり、
しかし全くいままで演劇に触れて来なかった人にもこれを見て欲しい!と思える作品でした。
カルパノーラマ
Yプロジェクト×Zero Project×E-Stage Topia
渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都)
2019/01/23 (水) ~ 2019/01/27 (日)公演終了
満足度★★★
人見の「理性」と「感情」が会話する冒頭はワクワクしたし、オープニングはスタイリッシュな深夜アニメを連想させました。
その後もこの2人の会話のシーンは面白かった。土屋シオンくん、CCC以来に見ましたが魅力的な役者ですね。
パノラマ島にやってくる乱歩の様々な作品の登場人物のうちだと、
特に「椅子になりたい男と、鏡フェチの女」「顔がただれた男と、夢遊病の女」の2組が好きでした。
また、明智探偵は登場するたび安心感がありました。テンポが整う感じ。
ただ、全体を通して挟まれるギャグで客席がイマイチ温まらなかったのが残念。
人を笑わせることは泣かせるより難しい…
千代子が愛おしいという感情を、パノラマ島を完成させるという理性が押し切ってしまった人見は
せっかくパノラマ島を作ったのに、いちばん「いいこと」を選べずに終わってしまった人だと思うと空しい。
大勢の人に囲まれながらも、ずっとひとりで走っていた印象。
「居場所」というのは特別な他人との関係で生まれるものだと思いました。
Like A room [002]
CLIE
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2019/01/12 (土) ~ 2019/01/20 (日)公演終了
満足度★★★★
ミュージカルではありませんが、歌とダンスが多くのパートを占める舞台。
FC役の平牧さんは、多くの曲でピアノの生演奏を担当しています。
決して経験値の高くない若手がメインながらも、
芝居も歌も魅力的に光る原石のようなキャストが集められている印象。
個人的には、BB・バトラー・キーパーの歌、ポーターのダンスが好きです。
登場人物は、超高級ホテルで働く従業員たち。役名=職種名になっています。
変わらない毎日のループのように見えて、些細なきっかけから確実に生じている
各キャラクターの内面の変化、関係性の変化に独特な切り口でフォーカスしています。
なんとなく見ていると素通りしがちですが、
知り得た情報のピースをきちんと繋ぎ合わせようと考えれば考えるほど、
境界線や定義が曖昧なことに気付き、ピースのはめ方が分からなくなる。
恐らくシリーズ通して(今回は2作目です)謎が徐々に紐解かれるスタイルのため、
きっちりとした1話完結型を望む人には向いていないかもしれませんが
色々な可能性を想像してワクワク出来る人にはお薦めです。
超ピカイチ!
梅棒
アートピアホール(愛知県)
2019/01/09 (水) ~ 2019/01/10 (木)公演終了
満足度★★★★
全日制と比べると、アクが強い定時制は、ハマる人はすごくハマりそう。
TX24時ドラマ感。
全日制で豪徳寺をやっていたとは思えないくらい可愛い千葉くんの道玄坂に
ボーイッシュだけど恥じらうと乙女なギャップがあるヒロインの高見さんの、
不思議なパワーバランスも面白かった。
妖怪チームの一部が二宮から人体模型に変わるだけでごっそりとパートが入れ替わるストーリーにびっくり。
実はここの違いが、両ver.見る上での一番の楽しいポイントじゃないでしょうか。
人体模型とマサチューセッツくんの関係が好きでした。
次回は代役でなく本役での舞台が見たいので、いつかの超超ピカイチ!の上演を楽しみにしています。
超ピカイチ!
梅棒
森ノ宮ピロティホール(大阪府)
2019/01/05 (土) ~ 2019/01/06 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/01/06 (日) 12:00
初演「ピカイチ!」は見ていましたが、全く新鮮な気持ちで見ることが出来ました。
全日制はとにかく超王道の学園ラブコメ。安心の月9ドラマ感。
大野さん演じるヒロインの浅香に自然と憧れたし、鶴野さん演じる道玄坂が頑張る姿をつい応援してしまった。
新キャストがいながらも、初演をパワーアップさせたと言うのに相応しく
ダンスを見るのって楽しいな!好きだな!と改めて思わせてくれる舞台でした。
劇団文化祭in大阪2018
劇団6番シード
大阪市立芸術創造館(大阪府)
2018/10/18 (木) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
開演前に各団体の代表のアナウンスがかかる感じが文化祭っぽくて良かった。どれも60分とは思えないボリュームで大満足。運営もスムーズでした。ただ、混雑する面会場所を待合場所として使うのはちょっと難しかったかな。
・ボブジャックシアター「大阪ベイブルース」皆さん本人役で登場。もし公演の台本が直前まで書き上がらなかったら…という風刺っぽいifから、突然のファンタジー展開に。ハロウィン要素も盛り込みつつ、最後は本人役であることを上手く活かしたハッピーエンドでした。壮大な送別会。皆さんの素の個性も垣間見えるような作品を、こういう機会に持ってくるのが上手い。
・劇団6番シード「天気と戦う女」超雨女が主人公のラブコメだけれど、乙女というより体育会系なノリで、スポーツ観戦的につい応援したくなった。ラストにひとひねりあるがストーリーは王道で、それに対してスパイス的にサブキャラが次々と登場してくるのが良かったです。
・細川博司プロデュース「chocolat,sweet,bitter,die.」(1本目)ギャングに誘拐された少女ショコラを中心とした物語。冒頭から緊張感のある会話にグッと引き込まれ、舞台でありながら洋画の吹き替えを見ているような感覚は細川Pならでは。うだつのあがらないギャングの男たちの中で、凜とした瞳の少女ショコラと、大人の女性のクレバーさを持つスイートの魅力が目を引く。予想の上を行く展開に驚きながらも、切なくほろ苦い気持ちになりました。
「メキシカン・スタンドオフ」(2本目)ショコラ〜にも登場していた、リンドンとバリーのスピンオフ作品。ショコラ〜での2人の顛末を見せてからこれをやるのがニクい。多くの人達の中ではちっぽけに見える1人ずつにも、それぞれの人生という物語があるのだということに改めて気付かされた。