鈴木秀峰の観てきた!クチコミ一覧

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悪役令嬢後宮物語

悪役令嬢後宮物語

フロンティアワークス

サンモールスタジオ(東京都)

2016/09/28 (水) ~ 2016/10/02 (日)公演終了

満足度

正直、かなりチープな作品でした。

世界観がずっとフワフワしていました。
そして…申し訳ないのですが、それを許容してしまう優しい空気感が客席に流れていたのが一番残念でした。
優しい、というと言葉としては良いかも知れませんが、甘いとも言えるものでした。
ファンがアイドルを甘やかすとこうなる、みたいな典型的な感じを受けました。
その役者(アイドル?)さんの推しグッズを身に付けてレスを貰いにいく者、
つまり視線を合わせにいってみたり、上演中なのに手を振ってみたり…と…

脚本も役者陣の演技も全体的に雰囲気だけで、それも徹底されていないのであれば作品としては破綻としか観えませんでした。
申し訳ないのですが、観に行った事を後悔した作品の1つです。

オトメのオモチャ

オトメのオモチャ

Shima Production

CBGKシブゲキ!!(東京都)

2017/03/23 (木) ~ 2017/03/27 (月)公演終了

満足度★★★★

コレ、なかなかに傑作でした。
コメディにここまで徹していて、尚且つ楽しませる事が出来る作品って意外と少ないんじゃないでしょうか?

たんぽぽの白鳥久美子さん演じる女性が、自身が作り上げる架空のゲームの主人公(白井那奈さん)に成り切り、
一癖も二癖もあるイケメン達と繰り広げるやり取りは個人的に大爆笑して観ていました。
そんな展開になるのか!?もたくさんあるし、意外とスッと流されていた設定が実は後半の伏線になっていて、
どんどんそのピースが繋がっていく様は爽快でした。

DVDで振り返って観ても非常に楽しめる作品です。
白鳥久美子さんと白井那奈さんのお二人をこの役にブッキング出来た時点で、
作品としては勝ちが決まっていたレベルにピッタリの配役でしたが、
いつかまた上演されるのであれば、観に行きたい作品です。

黄雏菊 Rudbeckia : anjir zero

黄雏菊 Rudbeckia : anjir zero

犀の穴プロデュース

犀の穴(東京都)

2018/06/22 (金) ~ 2018/06/27 (水)公演終了

満足度★★★

椎名さんと土田さんのお二人のモノホンにしか見えない?説得力が素敵でした。
何故かこの二人がいる場面って、空間がお二人に引っ張られて?背景が違って見えるレベルで素敵になる気がします。

麻草さんの演技って初めて見ましたが、流石は演出家さんだけあって、役を存分に楽しんでいる感じで面白かったです。
あと、鶴田葵さんがここまでしっかりとセクシーさを前面(全面)に出しての役って意外と今まで少なかった気がしていたので、
それを観る事が出来たのも大きな気がしました。

役者陣が十分に魅せられる方ばかりでしたので、ドラマの様な、映画の様な濃厚な空気感を堪能出来ました。
良い空間でした。

ホテル アヴニール

ホテル アヴニール

A.R.P

千本桜ホール(東京都)

2016/08/02 (火) ~ 2016/08/07 (日)公演終了

満足度★★★

Aチーム側を拝見。

劇場も小さく、少人数でのお芝居という事で非常に限定された条件下での作品作りでしたが、
十分に楽しむ事が出来ました。

一見すると繋がりが無いようにも見える作品達も実はピースがハマっていく様に繋がっていくのは、
観ていてその脚本の妙に感心をしてしまいました。
DVDも購入して観返しましたが、その印象は後になっても変わりません。
メンバーが変わるのは仕方ないとして、またどこかで観られたら良いなと思える作品でした。

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第三楽章a study in crimson~』

『シェリングフォード・ホームズの論理的推論~第三楽章a study in crimson~』

黒雪構想

APOCシアター(東京都)

2019/06/26 (水) ~ 2019/06/30 (日)公演終了

満足度★★★

《雰囲気が良く出ていた》という表現になるだろうか。

そもそも劇場がAPOCシアターだというのを分かっており、
そんなにド派手な事は出来ないと思っていたので、
むしろ登場人物達の衣装やセットなどから作り出す雰囲気は、
想像以上に良く作り込まれていた気がした。

ただ志が高そうな分、残念ながら登場人物達の動きが制限されていて、
右から出てきて、左から出てきて…という平面の動きは、
立体的な作品と言うより平面の画面をずっと観ていてみたいな感じで、
残念ながら臨場感みたいな感じは味わえなかった。

何となく血の通っていない無機質な感じが淡々と続く様な、
だからこそ冒頭の《雰囲気が良く出ていた》になるのだが、
全員が《何となくこんな感じですよね》と進んでいる様に見えた。

事前の期待値は十分に満たしていて、楽しめた作品ではありました。

月の谷 赤い石

月の谷 赤い石

秦組

d-倉庫(東京都)

2019/02/06 (水) ~ 2019/02/17 (日)公演終了

満足度★★★★

『月の谷』→『赤い石』の順で観劇

秦組さんは『らん』で拝見した時に、その華やかだけじゃない泥臭さ、
人間の汗の臭いや、自然界の埃の舞う様な空気感とかを感じれましたが、
この2作品でも同様の味わいがありました。

主演というか前に出る人だけじゃなく、脇役とも言えるベテランの方々も、
見事にその味を出していて多くの魅せ場を見る事が出来ました。

大男と戦う新垣里沙さんが普通に吹っ飛ばされるところとか、
片方の作品ではホンのチョイ役で出ている贅沢さとかも味わえて満足度は高かったです。

劇場がd倉庫の為に、客席の中央の通路から出てくる場面などを含め、
少し動きに制約があったのが作品のスケール的には残念でしたが、
ある意味であの規模感だからこそ味わえる臨場感は見応えタップリでした。

楽しめる2作品でした。

舞台「オトナインデッドリースクール」

舞台「オトナインデッドリースクール」

松扇アリス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2019/10/03 (木) ~ 2019/10/08 (火)公演終了

満足度★★★

デッドリーシリーズの外伝的な存在。

学校が役所に場面を移し、登場人物達もそれに合わせての立場(職業)変更。
個人的にはあまりに幼い役者さんも多い最近のアリスさんの公演の中で、
これだけ落ち着いたメンバーがしっかりと魅せてくれるのは安心して観られてとても楽しめた。

プロ歌手で歌唱指導もされてるSetsukoさんを中心としたアカペラなどの歌の面でも、
これまでに無いクオリティでとても楽しめる作品だった。
企画もの的な側面もあったとは言え、十分に楽しく拝見出来た。

アリスインデッドリースクール 楽園

アリスインデッドリースクール 楽園

アリスインプロジェクト

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2018/08/08 (水) ~ 2018/08/19 (日)公演終了

満足度★★★

アリスインプロジェクトさんの代表作と言って良い作品。

今回は遠藤瑠香さんと石川凜果さんのW主演。
八坂さんと長橋さんの日替わりゲスト回で、両チーム観劇。
栗生みなさんが流石の存在感でした。

石川凜果さんが元々持つキャラじゃなさそうなだけに本人も大変そうでしたが、
その相手を務めた遠藤瑠香さんの頑張りには素直に拍手を送り(贈り)たいです。
言葉に言葉を重ねて怒涛のセリフ回し、座組と作品を引っ張っていたと思います。

Paranoia Papers

Paranoia Papers

劇団パラノワール(旧Voyantroupe)

サンモールスタジオ(東京都)

2017/05/31 (水) ~ 2017/06/06 (火)公演終了

満足度★★★

両方の章を観劇。
なんとも禍々しい、剥き出しの舞台を観た感じ。
作品自体が媚薬の様な、妙な薬を気化させて劇場中に散布してるんじゃないかと思うほど、
途中から頭がトランス状態と言うか、軽く感覚を痙攣させられてるみたいな気分で観てました。

人が確かにそこにいるのに人形の様な扱い、無機質な物の様にそこに有る、演出などを含めて、
両章で6時間くらいの、非日常を味わえました。

ただ好きか?と問われると好んで観たいテイストではなく爽快感を味わえる訳でもないので、
この雰囲気の作品は本当にたまに観るくらいが丁度良いと思います。

共骨

共骨

オフィス上の空

彩の国さいたま芸術劇場 小ホール(埼玉県)

2020/03/07 (土) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

松澤くれはさんの作品はいつも魅力がある。
気持ちを惹かれるテーマが一本通っていて、必ず心に触れ引っ掛かるものがある。

新垣里沙さんや佃井皆美さんや岩井七世さんなどのメインどころの女優陣、
そして谷口さんなどの俳優陣も魅力も実力もタップリ。
高橋明日香さんなど器用な役者も非常に多く、そして贅沢に使われていた。
劇場も広く照明の使い方やセットの意外な使い方も興味深かった。

それだけに勿体ない…惜しい気がしてしまった作品。

もっとやれたのではないか(期間とかではなく、内面に踏み込めたのではないか、の意味)とか、
そんな気がしてならなかった…。

個人的には、母を私が29歳の時に亡くしており、共鳴する部分も少なくなかった。
テーマもグッと惹かれたし、他ではなかなか味わえない独特の空間と空気感はお見事だった。

期待値が高過ぎたのかも知れないけど、今一歩の気持ちが残ってしまった…

レディ・ア・ゴーゴー!! 2018

レディ・ア・ゴーゴー!! 2018

LIVEDOG

新宿村LIVE(東京都)

2018/02/17 (土) ~ 2018/02/25 (日)公演終了

満足度

【TeamMacaron】サイドを拝見。

2019年バージョンも観ましたが、本当に申し訳ないですがこの作品の楽しみ方が私には分からないのです…
キャッチコピーの「WOMANは愛と覚悟でLADYになる」も「…ん?」って思ってしまったし、
「限界までゴーゴー!!」もそうですが、かなり無理してテンションを高めにしてるのも分かるのですが、
どうにも感情の起伏が良く分からずでした…

申し訳ないのですが、私の好みではありませんでした。

最後の1フィート

最後の1フィート

犀の穴プロデュース

犀の穴(東京都)

2018/03/21 (水) ~ 2018/03/25 (日)公演終了

満足度★★★★

チャレンジングな作品だと感心しました。
観劇後の後味はとても良いモノでした。

パンフレットなどにもある通り、短編の映画を観ている様な気持ちになりました。
あの劇場に必要最小限のセットなのに、役者さん達の力で、なんと言うか背景が見える様でした。

客席にいてもいつの間にか物語の中に入り込んでいる様な、そんな錯覚を覚えた瞬間もありました。
恐らく良い意味で長編向きではなく、ピリッとした味のある短編の連作と言う感じは緩急もあり楽しめました。

黒女

黒女

赤い猫

ステージカフェ下北沢亭(東京都)

2020/03/18 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★

いやぁ〜凄かった…

あの狭い下北沢亭を逆に利用して、もはや客席も巻き込まれてのホラー劇場でした。
主演の高橋茉琴さんの身体が乗っ取られたかの様な怪演。
声も表情もオドロオドロしく、鬼気迫る迫真の演技はエネルギーに溢れてました。

実際にあった怪事件?をモチーフによくあそこまでの張り詰めた緊張感ある作品を作れたモノでした。
お見事でした…たった1度だけでも観終わったらヘロヘロになったので、
アレを毎公演やってた演者さん達はお見事の一言でした。

少しだけ短編でしたので3点満点の3点にします。

Game of Laplace ~パノラマ島の怪人~

Game of Laplace ~パノラマ島の怪人~

合同会社シザーブリッツ

シアターサンモール(東京都)

2018/04/13 (金) ~ 2018/04/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

前作に引き続きの観劇。

シンプルにエグかった…
富田翔さんが抜群なんてモンじゃなかった。咆哮、叫び…
その声が脳裏に焼き付きました。

乱歩奇譚 Game of Laplace

乱歩奇譚 Game of Laplace

合同会社シザーブリッツ

シアターサンモール(東京都)

2017/04/12 (水) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

原作を知らずとも楽しめる作品でした。
世界観が完成されていて独特で、深淵な闇も深く広がっていました。

個人的には福地教光さんの在り方が凄く良かったです。飄々としているのに強かで。
また、コバヤシ役の高橋李依さんも近しい演技をする人が思い付かないくらい独特でした。

原作を知らないと書いたのに変な話ですが、
恐らく原作に忠実な世界観なんだろうなと観ていて感じました。
出演者の皆様、そして脚本、演出、音楽から照明まで全てにプロフェッショナルを感じました。

『イリクラ』-2019-

『イリクラ』-2019-

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2019/07/18 (木) ~ 2019/07/22 (月)公演終了

満足度★★★★

2019年バージョン。

恐らく2018年バージョンよりも上演時間が長かった気がしたが、
作品としての纏まりや起承転結、場面転換やテンポ感は大きく改善されて、
俄然観易くなった印象でした。

役者さん達の歌唱力でも全体的に聴き易くなっていたのと、
遊びの部分もしっかりと遊んでいて、その空気感も好きでした。
物語もスッキリとクリアになっていた気がします。

上演時間の長さは相変わらずと思うしかありませんが、
2019年バージョンの長さは熱意と感じられる気がしました。
結局、単純な上演時間の長いや短いの比較ではなく、
観客が時間の長さをどう感じるかというものなのでしょうね。

イリクラ2018

イリクラ2018

カガミ想馬プロデュース

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2018/08/01 (水) ~ 2018/08/05 (日)公演終了

満足度★★

2018年バージョン。
初めて観た2017年のバージョンとは少し展開の違いがあったが、違和感なく観劇。
正直、2017年の方が全体的に歌唱力と纏まりの意味では上回った印象。
ただの印象だが、作品作りに苦労をしたのではないかと若干感じた。
観劇後に先ず長さを感じてしまったので今一つ気持ちが入らなかったのが正直なところです。

 チェンジオブワールド

チェンジオブワールド

VACAR ENTERTAINMENT

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2020/03/06 (金) ~ 2020/03/15 (日)公演終了

満足度★★★

《2人の人物の入れ替わり》というテーマの作品の中でも入門編の様な分かり易さ。
イジメていた側とイジメられていた側の立場が入れ替わり、お互いの気持ちを理解し合う…
嫌がらせなどもシンプルに明確(露骨)で、観客も難なく作品に没入出来たのではないでしょうか?
(悪者側は作品を通してずっと悪いし、純朴側は作品を通してずっと素直だし…)

今後の再演でのネタバレ回避で最後の展開は伏せるが、
舞台作品として2人の主人公達が~というのは個人的にとても好きな展開だった。

青春を切り取る描き方、イジメなどを多く扱っている作・演出の方なので、
その点も不安なく観る事が出来た。

劇場のサイズ感などもあると思うが、想像を超える様な展開にはならなかったが、
事前に予想をしていた範囲は十分に満たす作品でした。

プレイルーム

プレイルーム

ピウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/03/11 (水) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

この作品は3度目の拝見になると思う。
池袋編として同じKASSAIで過去にも拝見していたが、
あの凄まじい空間を何度でも味わいたくて、また今年もこの場所に来てしまった。

プレイヤーと呼ばれる殺人鬼と始まる鬼ごっこ。
身体を触れられると罰として訪れる死。
誰が犯人なのか、一体誰が本当の事を話し、誰が嘘を付いているのか…

初めて拝見した時の衝撃は今でも覚えているが、今回も素晴らしかった。
演じる方が毎回変わるので、若干の印象の違いが出てくるがそれもまた素晴らしい。
あの密度の高い閉鎖された空間での逃れられない様な緊張感は、この作品にピッタリだ。

きっとまた上演される、そして必ずその空間に私も足を運ぶだろうと今から確信している。

ライフメイカー

ライフメイカー

ピウス

シアターKASSAI【閉館】(東京都)

2020/03/13 (金) ~ 2020/03/22 (日)公演終了

満足度★★★★

同時上演の『プレイルーム』と対を成す作品と言えるだろうか。
私は今回、先に『プレイルーム』を観てから本作品の観劇を行った。

劇中劇というか、目の前に広がる世界の中にもう1つ世界があって…
何層にも世界が構築されていて、段々と種明かしがされていく様は
ピウス企画さんの流石の匠の技であった。
しかし目の前の世界と観客席との間に存在していたと思っていた何らかの境界線が、
いつの間にか観ている我々よりも外側に存在しているのかも知れない、という感覚は、
ゾクッとさせられる世界観であった。
息を殺して没頭出来る緊張感ある作品を堪能する事が出来た。

はぎのりなさんの飄々とした存在感が印象的でした。

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