『RUR』
「戯れの会」
学習院大学西1号館特設劇場(東京都)
2018/02/22 (木) ~ 2018/02/25 (日)公演終了
満足度★★★★
「労働こそ Lord に値する」警鐘とも諦めともつかぬ DiLemma に眩む人間と芽生えるロボットたち。 スケッチの失われた、手に負えぬ者同志のリレー。新たな「神」と「A・I」 誕生の叙事詩が叙情的に回り始める。 情を持つであろう日が来るのは良いこと、情に乏しい街はあまりに寂しく、虚しい。 目を落すとシンプルなレンガ敷きの舗道に情の灯が点った。
search and destroy
うんなま
王子小劇場(東京都)
2018/02/17 (土) ~ 2018/02/18 (日)公演終了
満足度★★★★
「届くかよ、そんなの!」歌も、感動も、褒め言葉も、売り文句も、神も、神の声も、・・・ 組み合わせて産み出し、ばらばらになって埋もれ、届いた音 と 届かぬココロ。 信じられない自壊を、ア・リ・ガ・ト・ウ! 跡に残ったのは、くっついて観たくなる磁力。
沈黙の音
演劇企画アクタージュ
参宮橋TRANCE MISSION(東京都)
2018/02/15 (木) ~ 2018/02/18 (日)公演終了
満足度★★★★★
「私でもあり得た・・・」5人の闇から流れて来る ”沈黙の音” 。 人間心裡の謎解きは、朱い刹那の笑みを炙り出す。 入り組む感情と重なる思惑とが折り込まれたまだら構造は、思い返すほど巧みな企み。 すっきりと飲み込ませてはくれない、透明に隠された毒が回ってきた・・・。
かさぶた
On7
小劇場B1(東京都)
2018/02/03 (土) ~ 2018/02/11 (日)公演終了
満足度★★★★★
すなおなおんな、ほこりにまみれたミューズたち、オンナって奴をともにかぶり、ともに吸い込んだ。 求め、悦び、闘い、抗い、乱れ、そして斃れ・・・ 月の砂漠に見送る眼差しがもの悲しくも美しい。 こぼしてもいいんだ・・・ 塵芥が舞い立ち、渦を巻き、こぼれ落ちてきたのは 眩しく煌めく星の種。
かりそめ/てんじく
EgofiLter
RAFT(東京都)
2018/02/03 (土) ~ 2018/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★
流し、流してきた ”姉” と、流れ、流れてきた ”妹” 。 肉体的に流されたくない ”姉” と、社会的に流してしまいたくない ”妹” は、流れ着いた人間性の桶のなかで浄めと汚れとに ”処理” されて、それぞれの海に旅立った。 そんな流れが、誰もの足元に潜んでいる・・・。
桜歌
ラビット番長
演劇制作体V-NETアトリエ【柴崎道場】(東京都)
2018/02/02 (金) ~ 2018/02/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
その時に、その場に佇んでいられたから、 見つめていなくても良かった・・・ その、つまり、見つめていられなくなって上を向いてしまうのだった。 帰り道、この ”良い国” をぼんやりと見つめながら、まぶたに映る桜を愛でながら、またあふれてきてしまうのだった・・・。
父の黒歴史
ラッパ屋
紀伊國屋ホール(東京都)
2018/01/20 (土) ~ 2018/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★
あちこちシガらみあるけれど吐き出す開放感でいっぱい。 吸い込む人の存在感がけむりの濃さとなって鼻先に流れて来る。 こざっぱりとホーム感漂う閑静な武蔵野で、ザッツ・ミーに溢れたザッツ・ショウワな面々のハーモニー。 吸い込まれ続けるシガない平成人には、懐かしい庭先の陽光のように眩しく映った。
『ザネリの願い』
くじらシティ
テルプシコール(TERPSICHORE)(東京都)
2018/01/13 (土) ~ 2018/01/13 (土)公演終了
満足度★★★
3つの "衝撃" が瞬時に重なる・・・混乱するし認めたくないよね、それは。ギュッと固まった気持ちをカンパニーにギュッと溶かされて、ミルキーな旅へ。 "下り" に乗せてあげたい・・・そんなナガノくんの扱い方でかなり印象が変わりそう。 空間的にギュッと魅せるような演出も面白そう。
身体の知覚 -カラダノチカク- 2018/vol.6
NPO法人らふと
RAFT(東京都)
2018/01/12 (金) ~ 2018/01/14 (日)公演終了
満足度★★★
ラ・ニーニャが生まれた・・・ タイフーンな微動が、無表情に大きなエネルギーを発しながら、赤い道を舐めるように『ウ・ニ・カ』に通過する。 速度を増して寒空に飛び出し(?)消えていくクール・ビューティ、シュールかつコミカルでホッと脱力。
スピークイージー
やみ・あがりシアター
荻窪小劇場(東京都)
2017/12/23 (土) ~ 2017/12/28 (木)公演終了
満足度★★★★
この水はじつにあとから効いてきやがる・・・ 呑まれおぼれて川渡る、それでも恋しいアルコール、水で流せぬラブコール。 流されぬために流すため、葬らんがため赦された、バトルの価値ある罪な奴。 記憶が無くても記憶しているあのゆるふわな空白を乞い求める恋物語。
袴垂れはどこだ
劇団俳小
シアターX(東京都)
2017/12/13 (水) ~ 2017/12/17 (日)公演終了
満足度★★★★
幻想が理想へ。 血を滾らせるには理想が必要、だが現実とは相容れぬ。じいさまを赤く染めた「わかんねぇ」刹那、小菊を紅く染めた高鳴り、開かずの扉を解かれる恐怖が押し殺していた本性、それが顕現したわが手、わが指先。 山彦の声とともに、我に返った袴垂れの向く先が唱われる・・・ ある種の清々しさを覚えた。
スカイスクレイパー
あひるなんちゃら関村個人企画
live space anima【2020年4月をもって閉店】(東京都)
2017/12/09 (土) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
あきらめて、上か下かを突き抜けた彼女に付き随うなら・・・ 摩天楼さえフワリ、翔び越してひとつの花火を前に並び立てる、そう思えた魅惑魔。 うちゅうびとの見上げるやる気 と 地球人の見下ろす汗 の摩擦をワライに変えて、ピースなその日まで。
『熱狂』『あの記憶の記録』
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了
満足度★★★★★
5年ぶりに対峙した "記憶" 。ときに仰向き、ときに嘆息し、俯いて立ち去るしかない、と改めて思い知る。 憎しみの亡霊が付きまとう限り人は罪から逃れられぬ。木を見て森も見る、などとてもひとりでは出来ぬことか・・・ 助けてくれ! 誰か、あるいは未来に出でし何か・・・
Where?
劇団24区
早稲田大学学生会館(東京都)
2017/12/01 (金) ~ 2017/12/03 (日)公演終了
満足度★★★
気づいて見れば、異質な面々が、遺失物センターの一室で、"遺失物"ガールのために、サム・アップ! ウトウト誘う、愛すべきウダウダ振りの、あっさりニクメン触りの良さ。ユルさのなかに "ナニ!" がある?
あの空に恋とかしながら6分間
6minutes cooking
共立女子大学(神田一ツ橋キャンパス)(東京都)
2017/12/02 (土) ~ 2017/12/04 (月)公演終了
満足度★★★★
選択を得る。境界を見つめるうち、それがいつしか融け失せていく。拡がるようで、収斂していくような・・・ ゆでた時間が4分でも、6分でも、8分でも、「ゆでたまご」になって、それでもキミの中からまた何かが産まれ落ちる、温め育てるべき、何か・・・。
しゅうかつノート
pafe.GWC2017
学習院女子大学 やわらぎホール(東京都)
2017/11/26 (日) ~ 2017/11/26 (日)公演終了
満足度★★★★
本当にやりた"かった"こと、心に浮かぶ大切"だった"ことが、ひと挿しずつ色鮮やかに並んでゆく。 嘘のホントで一回こっきり"死んで"みた、そのハダカの独白にはこみ上げてくるものがある。 終えて見た世の中が活き活きと変わるであろう、良い企画。
きみなしで生きてみよう
BALLADs
明石スタジオ(東京都)
2017/11/09 (木) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★
クセがすごい "名画座" 、癖になりそう・・・ どこかハズシたやり取りを "観察" すれば、偶然を装う必然に結びつき三十年、自棄で縋り続けた "はぐれ者" の傷創が疼くよう。 心が跳び、心が受け止めた(!) 二つの墜落にかかる身勝手の始末はコマ送りな輝きを解き放っていた、苦い感動を滲ませて。
Fabula Fibula
乱痴気集団ミソナナ。
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2017/11/11 (土) ~ 2017/11/12 (日)公演終了
満足度★★★
愉快だった航海が罪な飴玉に翻弄されて、凄惨な後悔に酔わされる。 永遠なる絶対に飽く魔の者の統べる理想郷、まさにファビュラ・・・ 漕ぎ着けるものならば見てみたい。 が、無理なのだろう・・・ 有期なる相対に浮沈する生身の人間である限りは。
青の鳥 レテの森
ハグハグ共和国
萬劇場(東京都)
2017/11/01 (水) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★
闘い尽くした、疲れ果てた者のみがたどり着くべき土地、 亡くした心を取り戻し忘レテいた私に還る場所・・・ 残心纏う ”やさしい” 番人たちが誘う迷いの森は、マルチなアラカルトを抱き入れる寛容な魅力に溢れていた。
doubt -ダウト-
いいむろなおきマイムカンパニー
こまばアゴラ劇場(東京都)
2017/10/31 (火) ~ 2017/11/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
いたずらに回る鉄路のうたた寝は、口元揺らす垂涎の面白さ! 当てのない行き先へ、それでもレールの上をガタゴトと。 たずね熱れた夢のあと、言い知れぬ寂寥がこみ上げる ”モノローグ” 。 劇場一体となって羽ばたく名残の拍手で見送った。