t-satの観てきた!クチコミ一覧

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英雄コレクション

英雄コレクション

ジョーカーハウス

サンモールスタジオ(東京都)

2016/07/21 (木) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

満足度★★★

抵抗するキュアの表情!
ガールズ観劇。’ログアウト’できない現実世界、でも’ログアウト’の欲望に駆られるようになってしまうかも、その先にはウイルスとなった自分が・・・。彼女は「良性の」ウイルスとして破壊でなく修復再生に目覚めたらしい、カーテンコールの姿と合わせ清々しいエンディング。特に前半の進行は「早く早く!」とこなしていた印象、処理速度アップでよりクリアな世界へのバージョンアップに期待!

大風呂敷

大風呂敷

髭亀鶴

王子小劇場(東京都)

2016/07/13 (水) ~ 2016/07/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

ヒゲ千万!
エスプレッソ感あふれる!贅沢で満足な120分。内向きにストラグル「怪」と「便」の急を、外向きにおもんぱかる「惑」と「学」で包み込む構成が優しい。ジオラマ的ワクワク、特に「怪」前後の’大転換’を布越しに透かし見るのは愉しかった。演目に合わせ客席空調を配慮してくれたようで、有難かった。次回は’小’風呂敷を開いて欲しい。

雁次と吾雲

雁次と吾雲

護送撃団方式

萬劇場(東京都)

2016/07/14 (木) ~ 2016/07/18 (月)公演終了

満足度★★★★

雲間を翔る雁
吾は雲なる兄、’自由’にがんじがらめの弟。生きてこその’自由’と知り「死」を身近にして最も’自由’であった兄。 人間は目印がないと’自由’さえも見失う。経験できない「死」をそこに感じながら生きるかどうか。それが空をつかむ鍵と思えた。

幸せの怪物

幸せの怪物

KuWa

スタジオ空洞(東京都)

2016/07/09 (土) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

蝕 の K aris u W a
ヒョロッと長いフォルムと被り物のインパクト。なんとなく不思議な異星人感がベースに貼り付く。凝集した分遠く感じる、スナック菓子のようなパサついた神経戦がピリピリと音を立てている、オープン・クローズな閉塞感。幸せを制御できずに怪物と化したおのれ自身に滅ぼされる、そんな自虐的な不安を映しだしているかのよう。この星へのやさしさが影となりもがくのを見た。

ミッケ?

ミッケ?

明治大学演劇研究部

アートスタジオ(明治大学猿楽町第2校舎1F) (東京都)

2016/07/08 (金) ~ 2016/07/10 (日)公演終了

満足度★★★★

「夢」芝居
後出しを封印し、お試しから引き戻す、ミッケた?儚い道具立てを見せ球に'もしも'で通した過去と未来のマッコウ勝負。そこはかとない「ンッ、フフ」 も、テンポのいい「プッ、ハハ」も、塞いで見ればひとしくいとおしい。特に第2部はケッサク!

或夜の感想

或夜の感想

隣屋

STスポット(神奈川県)

2016/06/24 (金) ~ 2016/06/26 (日)公演終了

満足度★★★★★

いつの間にか・・・
気がつくと、眠れぬ夜の堂々巡りに誘われていた。寝返りのなか、変わるべき朝を迎えても、変われない自分がいて、薄明りに オマエ と向き合う・・・ 『思い込みであろうと、 オマエ をつぶさないのは生き物としての'術'、説得の問題でなく書き換えの問題』 とはエゴティストに過ぎるか。 女優ふたりのキレ、迫力がいや増すにつれ存在が妄想的に膨らんでいく。気がつくと、 オマエ はずっと居てくれた、何やら安心。

せんのう。

せんのう。

劇団108

STスポット(神奈川県)

2016/06/18 (土) ~ 2016/06/19 (日)公演終了

満足度★★★★★

リ・スタートのせんたく
人間は自分ひとりで輝くことはない、周囲から注がれる「理想の光」を反射することで輝いて見える存在。ももいろでもみずいろでも、そのいろなりに輝く大切さを教えられる。一方で、'せんみつ'の手軽さ・便利さと引き換えのぞっとする影もほのめく。いろがバランスよく重なり合い舞台は輝く、とくに唐突にも思えた'小芝居ごっこ'はくだらなくも不思議な魅力を放つ。とても面白かった。逆にいろの方を'せんみつ'できないものか・・・そんな切り口も見てみたい。

ありふれた愛、ありふれた世界

ありふれた愛、ありふれた世界

雀組ホエールズ

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/06/08 (水) ~ 2016/06/20 (月)公演終了

満足度★★★★★

それぞれの時代を生きてゆく
この気持ちが本物なのか、生活に裏付けはなく確信が持てない、けれどこの気持ちをときに思い出しながら馴れていくことなのだろう、時間をかけて。引きこもらなくてよい、戸惑うこともない、そして反対に軽蔑を慎む。革命的な現代を時間軸の中で意識しつつ馴れていくこと。心の声に正直なまま、笑いつつ胸を打つバランスの良い作風は得難い。スペシャルな生唄も自身への問いかけを深めてくれた。

つまり夜明けの口笛はなぜ悲しいか

つまり夜明けの口笛はなぜ悲しいか

システマ・アンジェリカ

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2016/06/11 (土) ~ 2016/06/13 (月)公演終了

満足度★★★

アイしてる?
果てしない文字の波に洗浄されて流れのままに黒い'て'に手を貸していないか 知らぬまに黒い’て’と化していないか。 燃え盛る夜明けの口笛は悲しい がその一方でどこか浮かれている・・・ つまりいろいろと焦燥がつのる舞台。 'いつつめ'が開いたらもう少し助けてもらえただろうか。

埒もなく汚れなく

埒もなく汚れなく

オフィスコットーネ

シアター711(東京都)

2016/06/01 (水) ~ 2016/06/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

キミに見せたい!
'書きたい'泉が噴き出すほどに怖いと感じる優しさが独りに追い込む。苦しく険しい道程も決してひとりじゃないと語りかける'山の声'。ともに眺める夕景の実に美しくカッコいいことよ。遥かなる呼び声とともに贅沢に駆け抜けた。

10分間カセット

10分間カセット

張ち切れパンダ

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/05/26 (木) ~ 2016/05/29 (日)公演終了

満足度★★★★

アカずの間
現れるのは白か黒・・・でもみんな見えないグレーの境界線で踏ん張っている、本当は。薄汚れた身心を洗い流すような10分間の再生音。新たな物語がB面に録音される予感に明るむ。四人の心の裡に気づかぬふりの自分と見詰め合えた時間。

グランメゾン・アカシア

グランメゾン・アカシア

the pillow talk

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2016/05/27 (金) ~ 2016/05/30 (月)公演終了

満足度★★★★★

『ん!?』
居間ひとつの父娘の日常に油断していたら・・・いやはやトンでもない展開。エッ、エッ、エーッ! と心中、驚きの声。 役者揃いのきめ細かな心理描写が地味にキマっていて実に愉快。'待合室方式'も場に適していた。レンジ、日めくり、煙草と小道具使いも念が入っていて感心。

紙の方舟

紙の方舟

シアターノーチラス

小劇場 楽園(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★★★

それでも乗り組むことにした
見ないようにしている、それを存在自体で白状しているような卓越した現場感。生死という究極の自然への恐怖の一方で、自然志向なふるまいに透ける不自然さ。わからなくていいんだと沈む前に気付けると良いが・・・。もう一歩突っ込んで見ると思わず目を閉じて考え込んでしまうやりとりが飽きない。サスペンス的要素も加え推力アップした潜水艇の、次なる海域はどの辺りになるのだろう、楽しみです。

兄弟の都市

兄弟の都市

MICOSHI COMPLEX

OFF OFFシアター(東京都)

2016/05/12 (木) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★★

ブロッカリどうぞー
楽しいキャラたちの魅力で充分面白かった。彼らが一層躍動する土台として、姉妹(兄弟?)「都市」の制度や立場の飛躍にいまひとつの裏付け、'正当性'があればと思う。その部分の発想や設計に期待していたところではあったが、面々のシャイニング!ぶりが'収穫'だった。

本のない図書館

本のない図書館

空白バカボン

荻窪小劇場(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/15 (日)公演終了

満足度★★★

籠り唄
あっ今まさにあの本のあの場面、あの台詞にピタリではないか!と刹那に閃く、そういう'本のない図書館'。知識や情報やスピードとは無縁、でも何か抱え込んでいるらしい人たちのたゆたうような時の流れが収められた本、それが紙媒体とともに喪われていくイメージを喚起する。表層的でぎくしゃくとした受け答えの根っこに絡まる事情や感情を、経験と想像を'当て嵌めて'思い描いてみる。愉しいと思える作品ではない、でも退屈な毎日をただ書き流しているような、そういう本もたまには繰ってみようかという気になった。

「あたま山」×「ひたすら一本の恋」

「あたま山」×「ひたすら一本の恋」

みどり人

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2016/05/06 (金) ~ 2016/05/11 (水)公演終了

満足度★★★★

有償の愛
無償なんて怪しい、鬱陶しい、不安だ、だけど花見ができないのは実は自分だけなのではないか。見上げるも見下ろすも目の眩む高低差、634より345、スカイツリーよりタワーに安心と居心地良さを求める気分が垣間見える。サクラと一郎の道行き、折角池から飛び出たからには花見で乾杯!を願わずには居れぬ後ろ姿・・・。落語は小粒で良いがもう少しピリリと感じ立つと一層魅力アップする舞台だと思う。

ザ・レジスタンス、抵抗

ザ・レジスタンス、抵抗

Wけんじ企画

こまばアゴラ劇場(東京都)

2016/04/28 (木) ~ 2016/05/11 (水)公演終了

満足度★★★★

どこでも B いつでも C
みんな、喰われちゃった・・・ 正解だけが人生の、抵抗する者される者、優しさに目隠しされた密林で仰ぐ太陽が恍惚の光であるために精一杯抵抗しないといけない、懲らしめとも、諭しとも、叱咤とも、慰めとも・・・。問題は真面目かどうかではない、巣穴の狭さ、深さにあるのだ・・・ 神でもない、虎たちが哄う。

過ぎ去る街の事情

過ぎ去る街の事情

モリンチュ

koenji HACO(東京都)

2016/04/29 (金) ~ 2016/04/30 (土)公演終了

満足度★★★★★

Mud Max
立地環境を最大限活かした見事な'同窓会' ( でも飛び込み参加はしたくない・・・)。かゆいところにも手がとどく演出に3人の個性がピタリ! 迫力をもって畳み掛ける盛り上がりが想像の記憶に着火する。「あの女」が鍵となり開いた10年前の焼け跡。新たなハコを拓くモリンチュに、泥くさく立ち上がる'現場'を引き続き期待したい。

令嬢と召使

令嬢と召使

メジャーリーグ

シアタートラム(東京都)

2016/04/21 (木) ~ 2016/04/24 (日)公演終了

満足度★★★★

魅力的な熱演
3重の心象に寄り添いつつ、押し寄せるタフなマウントの取り合いに消耗、変身の巧さに繋ぎ止められ何とか行き着くところまで行き着けた。高みから一気に墜ちる位置エネルギーの解放、必ず泥塗れの後悔が待つと予感している、だからこそ抗いがたい甘美な空想、泥の中に'生きる'の実感が、安心があるのだ、きっと・・・。

タルタロスの契り

タルタロスの契り

劇団俳小

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2016/03/23 (水) ~ 2016/03/27 (日)公演終了

満足度★★★★

ふくろうの声が聞こえる
単純なルールほど理の分け入る間はわずか、何故面白いのかと訝しく思ってきたが、“博奕は財布の範囲内”など自己矛盾、破綻の必然こそ本質、そして度胸とは'信仰'の程度であったか、と得心した積りになる。死に損なった者同志、シャモとアイヌも同志、負い目を振り払う刺激を求めて臨死の拷問を自らに課し続ける同志。常在戦場、勝負のための勝負こそ生きることそのもの、という感触が気持ちを高ぶらす、それだけの迫力ある舞台。

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