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ミラクル祭’17(ミラフェス’17)

ミラクル祭’17(ミラフェス’17)

新宿シアター・ミラクル

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2017/02/18 (土) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/19 (日)

Aversionの方、観て来ました。
1時間50分の上演時間で短編2本。

最初は、目崎剛さん作・演の『堕天のスゝメ』。
深読みすればするほど考えさせられる「現代の寓話」です。
とはいえ、あんまり理に傾かず、作品の牧歌的なテイストに素直に身を委ねてみると…後ろの席にいた小学生の女の子と笑うツボが一緒!
エエ歳こいてるはずのオッさん、大照れでした(笑)

後半は『Transcendent Express』。
The Parkさん『シュレディンガーの家と哲学的な家族たち』以来となる(どんな方かは存じ上げないが)アリソン・グレイスさん脚本、劇団肋骨蜜柑同好会『愛の技巧、または彷徨するヒト胎盤性ラクトーゲンのみる夢』に続くフジタタイセイさん演出の、「悲喜こもごもの鉄道ロードムービー」は、私自身の過去における優柔不断や判断ミスが招いた人生の苦渋まで思い起こさせてくれた、忌々しくもある「逸品」でした。

大型

大型

3.14ch

すみだパークスタジオ倉(そう) | THEATER-SO(東京都)

2016/08/25 (木) ~ 2016/09/03 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/08/28 (日)

誰もいない深夜のプールで大麻⁉︎パーティに興じていた4人の若い男女。
だが、そのうちの1人、フミカの様子がおかしくなり…気がついたら女は宇宙空間に漂うプールの中にいた。

途中からセリフらしいセリフが殆どない、音響と照明と身体表現の世界が延々と続きます。
綿密にストーリーを追っていくタイプの観客は戸惑ったんじゃないかなぁ?
反対に、コンテンポラリー、現代舞踏とかのダンス系、シルク・ド・ソレイユのようなアトラクションの舞台に慣れた方ならば、舞台上の出来事を感覚的に捉えてスンナリと受け入れられる展開だったと思います。

終盤、イメージ的な描写から、プロジェクションマッピングで映し出される映像が、より具体的なメッセージを帯びてきます。
ここまで来て漸く、上述の「綿密にストーリーを追っていくタイプの観客」にも作者の抱くテーマが伝わってきただろうなぁ…と、さも自分は最初から理解していた風な口をきいていますが、実は、事前に「難解!」との評判を目にし、ある程度「覚悟?」を決めて舞台上の流れに身をまかせていただけです。ですが、それでかえってスルっとテーマが飲み込めたようです。
正直、万人向けの作品ではありません。観るヒトによって、解釈も評価も分かれる舞台かと思います。

息が苦しくなるほどに跳ぶ

息が苦しくなるほどに跳ぶ

オーストラ・マコンドー

NICA: Nihonbashi Institute of Contemporary Arts(東京都)

2016/11/30 (水) ~ 2016/12/11 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/11/30 (水)

11月30日の初日に行って、ちょいと心揺さぶられたもんで、12月6日のソワレも観て来ました。メインキャラの4人のストーリーを軸に、幾つものサブストーリーを絡ませた群像劇。それらのストーリーは、かなり大胆に枝葉末節をそぎ落とした状態で、客席に提示されます。

初日の舞台が終わった後、観客の声に耳をそばだててみると「途中からついていけなかったワ(苦笑)」とおっしゃる方もチラホラ。ただ、同じ方の口から、ほろ苦さ混じりの郷愁に浸った旨の感想も漏れて来たのが印象的でした。

2回目の観劇。上述の通り、群像劇なもんで、メインないしはサブストーリーに登場する大勢の「誰か」のうち、自分と似た(あるいは親近感のわく)人物に自然とフォーカスが当たります。
私にとっての「誰か」は、生真面目な学生時代を送った割には、30代の今、あまり人生がうまくいっていない様子の藤代クン、というキャラ。
この舞台では語られることのない、更なる10年後はどうしているんだろう…藤代クンに幸あらんことを!

シュレディンガーの家と哲学的な家族たち

シュレディンガーの家と哲学的な家族たち

The Park

APOCシアター(東京都)

2016/12/02 (金) ~ 2016/12/04 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/03 (土)

タイトルの「シュレディンガー」とは、量子力学の著名な学者センセィでぇ…なんてこたぁ、チャキチャキの私立文系出身者が無謀にも能書き垂れていい話じゃないんで、今回の作品と大いに関連はあるんですがキッパリ無視!
それはさておき、一つ同じ屋根の下、オーディションに受かる自分、受からない自分、のどちらもがまだ存在する、人生の分岐点に立った9人の若い男女。
何回目かのインプロで、一人の女優の「家族設定」が自身の実体験とクロスしてしまい、感情が高ぶった彼女は演技を中断してしまいます。
それをきっかけに、「オーディションのライバル」から、互いに胸襟を開き始める「疑似家族」へと化学反応を起こしていく役者たち…作品上のおはなしだけでなく、実際に演じておられる役者さんたちも公演を重ねていく毎に変わっていくんじゃないのかな?とか、観劇の帰路、そんな空想にも陥りがちな、様々なことを考えさせられた110分でした、とさ♪

ユメノナカノウツツノナカノユメ

ユメノナカノウツツノナカノユメ

D-RactoR

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2016/12/14 (水) ~ 2016/12/18 (日)公演終了

満足度★★

公演はとっくに終わっているので、安心して書けます(苦笑)。
チケットの値付けについては、主催者でも関係者でもありませんので、よく分かりませんが、あのキャストの顔ぶれとあのセットで4500円は暴利!…と年間150本程度しか観劇していないオッサンは憤慨しきりな舞台でした。

全裸物語 改め 実家物語

全裸物語 改め 実家物語

ろりえ

シアター風姿花伝(東京都)

2016/12/28 (水) ~ 2016/12/31 (土)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2016/12/29 (木)

歌手を目指して上京し、事務所に所属してCD出したけど…結局、事務所を辞めて宙ぶらりんのまま。それでも東京にしがみ続けている、ヒロイン・ろりこ。
関西出身でもない、ろりこが関西弁を喋るようになるほど影響を受けた、ろりこの彼氏で、昔はライブハウスに出演していたが、今は喰うためにCMソングの素材を代理店に提供している、富士さん。
この二人を中心に、台風で屋根しか残っていない実家の姉・母、そして(自分が亡くなっていることを自覚していない、笑)父。
高円寺界隈で活動していた、富士さんの先輩にあたるストリートミュージシャン達。
これらのヒト達が時系列を全く無視した?進行にそって、夢を抱いて・でも夢から遠ざかり・やがて夢をあきらめて・それでも生きていく…姿を描いた2時間。随所に笑いも盛られた「音楽劇」です。

今回の『全裸…』、ろりえさんの第十回公演になるんですが、前回公演(会場は同じだが、2年前の年末!)より、登場人物達の心理描写が随分と細やかになったような気がします。
特に、主演のお二人。10月に新宿で拝見した『私はスター』以来となる、富士さん役の安藤理樹(りき)さんに、お初の、ろりこ役・洪潤梨(ホン・ユニ)さん。
エエ歳こいたオッサンのオイラが、お二方の演じる20代の若者に半端なく感情移入してしまいました(苦笑)。
よりによって年も押し迫った、この時期に、なんちゅうもん見せてくれるんねん!
同じく関西人でないオイラもインチキ関西弁口調になるほど、胸いっぱいの切なさと温かみをお土産に貰った素敵な2時間を過ごせました、とさ♪

虚仮威

虚仮威

柿喰う客

本多劇場(東京都)

2016/12/28 (水) ~ 2017/01/09 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/09 (月)

現代と過去、夢とうつつを行き来する100分間の舞台は 、現代の世界では、「僕」と妻との離婚話が進んでいる様子で、かなりシリアスな状況。これに対して、大正時代のパートは、座敷童や山神、河童まで登場する、随分と牧歌的なトーン。
そして、現代・大正、二つの時代に共通するキーパースンが、「こどもの夢を叶える」サンタクロース。

幾重にも張り巡らされた伏線が、観客の予想の恐らく数歩先を行く形で回収されていく、極めて綿密なシナリオの作品です。
とりわけ結末が、ほのぼのファンタジーで締めくくるかと思っていたら、ダークファンタジーとは!
既視感のないストーリーに大変心惹かれました。

軽い重箱

軽い重箱

殿様ランチ

新宿眼科画廊(東京都)

2017/01/10 (火) ~ 2017/01/17 (火)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/01/11 (水)

去年の正月に観た『新春の短篇集2016 軽い重箱』。
大爆笑…ではないんですが、クスクス笑いの小気味よさ、かなり気に入ったんです。
ということで、今年の正月もまた、11日の晩(Bチームの回)に行ってきました。

動物好きの店主が営むクリーニング屋の求人に応募してきたアルバイトの女性。
面影がどこかアノ動物に似て…
壱の重「いいひと」

配属された意欲満々の新人刑事に捜査一課長がつけた愛称とは…
弐の重「つちにんげん」

喫茶店で張り込み中の女性警部補。隣りのテーブル席に座った、どこか犯罪の匂いのする男性客やら、何やら自分の顔を覗き込む風な女性客やらに心乱されて…
参の重「張り込み 喫茶店・午後」

追突事故に遭った新婚夫婦と看護師・レンタカー業者・加害者の息子夫婦との「なんくるないさー」なやり取り…
与の重「沖縄にて」

短編4本で計80分弱の構成。
個人的には、『新春の短篇集2016…』からの続編である、壱の重「いいひと」が前回からの流れを知る者として懐かしく⁈もあり、また、途中から見え見えだったオチを実にしゃあしゃあと決めてきたことといい、とりわけ好みでした。

最後に、ひとこと。
昨年からの出演者であり、さらには先月拝見した舞台『コーヒーが冷めないうちに』にも出ておられた与古田千晃(よこた・ちあき)さん。
4本全てに登場の八面六臂のご活躍、とっても印象に残りました。

365枚目のスケッチブック

365枚目のスケッチブック

チーム・ギンクラ

テアトルBONBON(東京都)

2017/01/09 (月) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

かなり個性的?!な面々とはいえ、陽気でお人よし揃いの「メゾン坂の上」の住人達。
ただ、彼ら・彼女らも、主人公の三十男と同様、自分の夢と現実とのハザマでもがきながら…
お初の観劇となるチーム・ギンクラさん。
北村麻衣子さんや中谷真由美さんといった、出演作品を選ぶ選球眼の確かな役者さん(だと勝手に思い込んでいます、笑)が客演で出られるのならば、一定の品質保証はありだな!と考えてはいたんですが、セリフのテンポの良さとか、コメディリリーフによる舞台の適度なかき回し具合とか(南大介さん演ずるタクシー運転手に好感♪)、キャリアのある・浅い役者陣が互いに織りなす何ともいえない絶妙なカンパニー感とか、事前の予想をはるかに超えるウェルメイドなホームコメディでした。
新春にふさわしい2時間、過ごさせてもらいました。

メロン農家の罠

メロン農家の罠

桃尻犬

OFF OFFシアター(東京都)

2017/01/12 (木) ~ 2017/01/18 (水)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/01/13 (金)

安喰家の3人の他、中国人の農業研修生、姉に好意を寄せる農家の男性、東京から出戻って来たホスト崩れ、大阪から流れて来たCD屋夫婦、等の登場人物たち。
誰もが「幸せ」を求めて、日々、悪戦苦闘していたのですが…
ある出来事がきっかけとなって、それぞれが有する「幸せ」への希望も、ささやかながら有していた現在の「幸せ」さえ、台無しになってしまいます。
しかし、不甲斐ない自分への怒りを他人にぶつけるしか術のない、不器用な人たちが、それでもなお…
農家が主役であること以外、何も共通点は無いものの(苦笑)、一家で「約束の地」に旅立つ、スタインベックの『怒りの葡萄』の一節に、ふと思いが巡った95分。
何気に心震わされる作品でした。

ネタバレBOX

【配役】
安喰怜音(レオン、茨城のメロン農家の長男。未婚)…森崎健吾さん
安喰乃愛琉(ノエル、次女。CDショップでの万引きを見つかる)…徳橋みのりさん
安喰美津子(両親不在の安喰家での母親代わりだった長女の「女」が目覚めて…)
…嶋谷佳恵(しまや・よしえ)さん、
劉さん(中国から来た「どこかアブナイ」農業研修生)…成瀬正太郎さん
山岸さん(美津子に求婚中の近所の蜜柑農家)…村上誠基さん
堀渕(怜音の同級生。故郷に戻って来たホスト崩れ)…澤田慎司さん
佐藤さん(TVレポーターだが副業で怪しい商品のセールスも!)…櫻井みず穂さん
CDショップの店長…野田慈伸(のだ・しげのぶ)さん(桃尻犬主宰)
アマンダ(店長の妻)…堂本佳世さん
聖女

聖女

少女都市

OFF OFFシアター(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

思春期の同性のクラスメイトだったり、母親だったり、姉だったり…相手への愛憎の裏返しともいえる、自己愛と承認欲求に関わるエピソードが幾重にも重なった、ミルフィーユ構造の作品。
随分と巧みな作劇だなあ…最初は脚本の構成にばかり目がいってたんです。
ですが、舞台が進むにつれ、そんな作劇の巧みさよりも胸をえぐるセリフの砲弾!
ど真ん中に豪速球を投げ続けるような、作者のパッションの熱さをより強く意識することに。

唯一、不満に感じた点。
主人公のユリの現代における恋人の設定。
演ずる堺谷展之さんの熱演を認めたうえでなんですけど、男性ではなく、同じ女性にした方が他のエピソードとの調和が取れたんじゃないかなぁ、っと。

とりわけ気に入った点。
ユリの中学時代に起きた不幸な「事件」のパート。
ユリ役の陽香さん、クラスメイト役の尾崎菜奈さん・久門海さんによる、思春期の女子中学生たちの酷薄さと愛情が混ぜこぜになった、アンビバレンスな人間関係。
ノスタルジックな味わいも加味された、その危うい美しさには素直に心惹かれました。

盗聴[The Play]

盗聴[The Play]

獣の仕業

吉祥寺櫂スタジオ(東京都)

2017/01/14 (土) ~ 2017/01/15 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/01/14 (土)

ヒロインのカトリエを初めとする、癖のある人物たちが登場し、ドロッとした感触のストーリーを(この団体の特色である)サラサラと流れるような身体表現と共に展開していったのですが…
ラストがなんと、宝塚の大階段でのフィナーレみたいな、明るく華やかなトーンに大転換!
それまでのドロドロ・ストーリーはなんだったん!?と呆気にとられたんですが、まあ、後味の悪いまま終わるよりも、良い意味で気持ちが切り替わった状態で、夢(芝居)から現(うつつ)に戻れて、アレはアレでありなエンディングなのかなぁ?と寒風吹きすさぶ中、すっかり獣の仕業さんに手玉に取られたオッサンは襟をおっ立てて帰路につきました、とさ♪

カミサマの恋

カミサマの恋

ことのはbox

シアター風姿花伝(東京都)

2017/01/18 (水) ~ 2017/01/23 (月)公演終了

満足度★★★★

[Team 葉]観劇。
年齢設定80歳!の道子は、相談者の問いに応じて、神様からのお告げ「神託」を得たり、亡くなった人の霊を我が身に憑依させ、生きている人間と会話をさせる、イタコの「口寄せ」を行う、土着宗教の巫女のような存在。
ただし、相談者の宗教的信頼感がベースとはいえ、観客の目に映る彼女は、相手の立場を親身になって思いやる「よろず相談コンサルタント」といったところか。

道子のもとに寄せられる相談事も、道子の息子が引き起こす騒動も、当事者には深刻な事案なのですが、基本、会話が津軽弁でやり取りされるせいか、舞台を見聞きしている側の雰囲気は終始和やか。
1月の今には季節外れなたとえですが、お盆に帰った祖母の家の仏間で、親族や地元の友人たちの世話話や愚痴を肩肘ついて寝そべりながら聞いている…
そんな、ゆったりした気分で過ごせました。

丁寧な話の運びに、役者さんの…とりわけ、道子役・長崎りえさん、道子の弟子役・廣瀬響乃さんの、はんなり・ほっこりとした佇まいに癒された2時間10分でした、とさ♪

反応工程

反応工程

劇団俳優座

紀伊國屋ホール(東京都)

2016/05/13 (金) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

自分が子どもの頃には、テレビ・映画でも結構、取り上げられていた…
今ではトンとお目にかからなくなった「反戦」をテーマにした硬派の作品。
当日、大勢来られていた青学のゼミの学生さん達、同じ年代の当時の若者たちの「凄」春、どう感じ・受け止めたんでしょうか?

演じるのは、作品の性格上、若手中心?とはいえ、充分に訓練を施された俳優座の役者さんたち。
ホンはもちろん、舞台美術・劇伴もきっちり作りこまれた見ごたえのある舞台。
加えて、作品のモデルとなっているのは、福岡県大牟田市かその近郊にある三井三池炭鉱の化学工場。
劇中、飛び交う北部九州の方言には、福岡出身のオイラ、えらく郷愁をそそられました(苦笑)。

そして何よりも今回の公演の趣旨。
ヒトによりご意見は様々でしょうが、右傾化する今の日本への反対の意思表明。
あの悲劇を繰り返してはいけない!という関係者の皆さんの思い、オッサンのオイラには充分伝わってきました。

で、でもネッ、そのうえで、なんですけど、名作とはいえ、1958年初演の作品でなく、どうして、今の若いヒトの目で往時を検証した、新作で臨まなかったのかなぁ?
終戦前後の悲劇や戦後の希望…民主的労働組合の創設の様子に触れた『反応工程』ですが、この舞台で描かれた社会のその後(三池争議)に思いが至り、終演後、個人的には少し複雑な気分になったことも正直に白状しましょう。

来年の今頃、出来得れば、平成生まれの脚本家による「既視感」「しがらみ」のない新作、俳優座さんの手で上演して欲しいなって思った夜でした、とさ。

春に戦ぐ

春に戦ぐ

ShockArtProject

【閉館】日暮里ARTCAFE百舌(東京都)

2017/01/23 (月) ~ 2017/01/29 (日)公演終了

満足度★★★★★

男性保育士の悩みや葛藤(待遇、将来設計、女性中心の職場での立ち位置、等々)

保育の専門家であるはずなのに、保護者から軽視されがちな保育士の立場

保育所に子供を預けるシングルマザー・ファーザーと子供の関係

在日外国人の子供へのいじめの問題

トラブル発生時の保育所の対応

等の問題につき、かなりの取材をこなされたうえでの脚本です。

さらに、上演会場のある三河島というロケーション。
戦前からのコリアンタウンなので(参考.有名な新大久保界隈は戦後に広がったコリアンタウン)より実感を伴って、舞台、拝見することが出来ました。

子供の大怪我という「事件」も含めて、保育園の先生達の目を通して語られる「出来事」は、上述のような、社会全般にも共通する今日的な重いテーマです。
しかし、それらを一方的に深刻にはせず、ユーモアとヒューマニズムのオブラートに包んだ「リアルなテーマのメルヘン」として提示して頂いた…そんな1時間40分の「疑似体験」でした。

銀髪

銀髪

アマヤドリ

本多劇場(東京都)

2017/01/26 (木) ~ 2017/01/31 (火)公演終了

満足度★★★★

倉田大輔、武子太郎、古澤美樹のお三方に代表される演技陣の熱演に、3時間の長丁場も苦にならない熱い舞台。最後まで集中を切らさず観ることが出来ました。
ただ…昨年、より完成度の高い(と自分は認識している)『月の剥がれる』を観た身には、『銀髪』=カレーライス、『月の…』=カツカレー、といった印象度の差がありました。それさえなければ星5つでもよかった、優れた舞台だと思います。

パル子の激情

パル子の激情

江古田のガールズ

本多劇場(東京都)

2017/01/20 (金) ~ 2017/01/22 (日)公演終了

満足度★★★★

序盤の観客・集団ステージ上げにアッと言わされ、笑いの中にも平田敦子さん中心の芝居はしっかりと・・・
客演舞台や絵空箱でのショーウィンドウ公演で垣間見るだけだった、江古田のガールズさんの本公演初体験は、このエンターテイメント団体の実力をまざまざと見せつけられた思いがします。

クライングメビウス

クライングメビウス

劇団虚幻癖

Geki地下Liberty(東京都)

2017/02/08 (水) ~ 2017/02/12 (日)公演終了

満足度★★

鑑賞日2017/02/11 (土)

怒鳴ったり叫んだりする際のセリフがきちんと聞き取れる・・・演じ手達の日頃の修練が察せられます。
でぇ、観客の大半はこうした怒鳴り・叫びを「芝居の熱量」と受け取ったようですが、ゴメンナサイ!偏屈なオジサンの率直な感想は「劇場で激情を表現するのに、大声あげるしか能がないの?」。
登場人物の皆が皆、同じ反応(感情が昂る→大声を上げる)をするんじゃなしに、せめて一人ぐらいは、観客の心胆を寒からしめるほどに冷静(冷酷?)なキャラである、とかいったバリエーションが欲しかったなと。
パラレルワールドをつなぐ小道具(ノート)とか、アイデアは良いのですが、感情表現がどうも一様に「ぬいぐるみの演技(注.役者でなく脚本や演出の問題)」で深みや凄みに欠けるため、申し訳ないのですが、私はあまりストーリーに没入出来ませんでした。
なお、役者陣の中では、狂言回し役でもあった、若い浅倉祐太さんと、兎団でもお馴染みのベテラン・清水敏夫さんのお二方が印象的でした。

Rebirth/Reverse

Rebirth/Reverse

風凛華斬

シアターシャイン(東京都)

2017/02/09 (木) ~ 2017/02/12 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/02/10 (金)

昨年、同じ小屋で観た『車窓(まど)の外は星の海』の出来(作品・一部の役者の演技)が今一つで、以後、足が遠ざかっていた風凛華斬さんだが、今回は再演作品とのこともあってか、ストーリーもよく練られてあるし、6名の若い役者さん達の演技も過不足なし。
あと、面識のある末次由布子さん、何気に演技が巧くなったなあと感心しつつも、そろそろタイプの違うキャラにもトライして欲しいな、と。

女の壁/憧れの雪国

女の壁/憧れの雪国

劇団献身

スタジオ空洞(東京都)

2017/02/01 (水) ~ 2017/02/06 (月)公演終了

満足度★★★★

2月1日に『女の壁』、5日に『憧れの雪国』を拝見。
どんなに優れた脚本でも、演じ手の力量で出来が左右されるコメディ…2作品共、役者陣の奮闘はお見事でした。
劇団献身、そして何より永井久喜という女優の存在を知ることができたのが収獲だった。

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