カムアウト
燐光群
ザ・スズナリ(東京都)
2016/03/19 (土) ~ 2016/03/31 (木)公演終了
満足度★★★★★
集中した2時間45分
実は20ン年前も観ていた芝居である。テーマに魅かれて観劇し、当時としては非常に斬新な取り組みであったと思うが、細部に違和感を覚えていた。
今回はけっこう内容がストンと入ってきて、いろいろな場面で丁寧に書かれている芝居だなあと感じた。改稿されたのかとも思ったが、演出のせい?しかし、時代状況の問題もあるだろうが、レズとかホモとかノーマルとかいう言葉はやめてほしい。
死に顔ピース
ワンツーワークス
赤坂RED/THEATER(東京都)
2016/03/18 (金) ~ 2016/03/27 (日)公演終了
満足度★★★★
そこまでやる⁉
相変わらずの舞台設計のうまさにまず感心。そして奥村さんと関谷さんの扮装にはよくもここまでと、びっくりぽん。YAMAさんの芸も楽しんだ。
戯画化されてはいるが、現在の末期医療の問題に切り込んだ良い作品だった。たまたま母親が入院中だったこともあり、在宅でどこまでできるか考えさせられた。
キネマと怪人
公益社団法人日本劇団協議会
Space早稲田(東京都)
2016/01/29 (金) ~ 2016/02/14 (日)公演終了
昭和の匂い芬々
喜劇とあるから、そのまま面白がっていればよかったのだろうが、どうも理屈で考えてしまいがちなので、理解できないシーンもけっこうあって辛かった(おしりも)。
R.P.G.
公益社団法人日本劇団協議会
劇場MOMO(東京都)
2016/01/29 (金) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★★
舞台化成功!
「R.P.G」は映画やドラマには適した作品だと思っていたが、舞台となるとどうなるのだろうと思っていたが、バッチリだった。さすが、一つの舞台上で複数の場面を作ってきた古城十忍&ワンツーワークス、取調室とマジックミラーの外、パソコン上の世界をリアルに表現して見せた。
書く女
ニ兎社
世田谷パブリックシアター(東京都)
2016/01/21 (木) ~ 2016/01/31 (日)公演終了
満足度★★★
インパクトが無い…
初演の記憶があまりないのももっともで、一葉自身のエピソードで芝居が構成され、一葉の作品のエッセンスが散りばめられてはいるものの劇的な要素もなく、あまり惹きつけられなかった。でも、黒木華の舞台は初めてだが、良かった。
ライン(国境)の向こう【ご来場ありがとうございました!次回は秋!!】
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2015/12/17 (木) ~ 2015/12/27 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年の観劇納め
チョコレートケーキの舞台は前から観たいと思っていて、シリアスな芝居を想像していたが、時に笑いも取りながら重たいテーマを描く、非常に良い作品であった。何よりキャストが豪華!これで4800円(前売り券)だから得した気分だった。
バグダッドの兵士たち
ピープルシアター
シアターX(東京都)
2015/11/18 (水) ~ 2015/11/22 (日)公演終了
満足度★★★★★
臨場感と緊張感と…
三方にまるで工事現場の足場のようなパイプ、中央に平たい壇というシンプルな舞台の後方に大きなスクリーン、そこで開演前から役者がハードなトレーニングを行っている…。もうそれを見ただけで並の芝居じゃないと思った。殺し殺されるという極限状況の中で、変調をきたしていく兵士の姿が見事に説得力を持って迫ってきた。
これが兵站にかりだされる自衛隊員の姿にならないことを切に願う。
からゆきさん
劇団青年座
紀伊國屋ホール(東京都)
2015/11/14 (土) ~ 2015/11/23 (月)公演終了
満足度★★★★
女優陣に拍手!
「からゆきさん」に登場する娼館の女性は、一人一人が重い物語を負っている。それでいて、いやそれゆえにか、皆お互いを思いやる優しさに満ちているという人物像を女優陣が好演し、それが悲惨な状況の中での救いになっていた。
最近小劇場の芝居を観る機会が多く、それと比較して改めて役者の演技力の重要性を感じた舞台でもあった。立ち姿・表情にも惹きつけられたが、何より発声がいい。当たり前のことなのかもしれないが、紀伊国屋ホールの後ろから2番目という席で、台詞がちゃんと聞き取れるというのにはある意味感動してしまった。
イチエフ・プレイズ
ワンツーワークス
ザ・ポケット(東京都)
2015/07/17 (金) ~ 2015/07/26 (日)公演終了
満足度★★★★
フクシマを忘れてはいけない。
「ジレンマ・ジレンマ」と「恐怖が始まる」を一挙に観劇。
「ジレンマ・ジレンマ」は3つの取調室の中では精米店の女主人のシーンでの関谷美香子が良かった。しかし、直球勝負&絶叫の多さでワンツーワークスの舞台としては若干物足りなさを感じた。
一方「恐怖が始まる」は茶の間(日常生活)を通して原発労働者と家族の“恐怖”を描き、秀逸。笑える場面、アソビも含めて、真実を伝えようとするワンツーワークスならではの芝居であった。
評価は平均点。期待値が大きい分、少し辛めかも。
明日、戦場に行く
非戦を選ぶ演劇人の会
こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ(東京都)
2015/07/15 (水) ~ 2015/07/16 (木)公演終了
満足度★★★★★
1500円では安すぎる!
素晴らしい舞台だった。リーディング公演でこんなに感動したのは初めて。登場人物も一流の演劇人故、時には笑いながら、戦争法案・日米地位協定等について学ばせてもらった。トークも充実していたし、これで1500円では申し訳ないのでTシャツを買って帰った。
cocoon
マームとジプシー
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/06/27 (土) ~ 2015/07/12 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄かったにつきる!
マームとジプシーは2度目の観劇。最初はリフレインされる台詞の意味がわからなかったが、芝居が進むにつれて明らかになっていく手法に少しは慣れた。大道具や小道具、舞台装置の使い方がうまい。というか、それらと役者の絡み方が凄い。放り出された少女たちが逃げ惑うシーンでは、怪我人が出ないか、本気で心配した。
平時と戦時の対照もみごとだし、むごたらしいシーンも実にリアルに迫ってきた。これが、未来の姿でないことを心から祈る。若い人たちに是非観てもらいたい芝居だ。
東海道四谷怪談
新国立劇場
新国立劇場 中劇場(東京都)
2015/06/10 (水) ~ 2015/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
秋山お岩最高!
シンプルな舞台だけに、役者の演技が映える。中でもお岩が薬を飲むシーンがゾクゾクするほど良かった。内野聖陽の伊右衛門はなぜかさわやかっぽくて極悪人に見えなかった。
見よ、飛行機の高く飛べるを
ことのはbox
明石スタジオ(東京都)
2015/06/17 (水) ~ 2015/06/22 (月)公演終了
満足度★★★★
世の中は力で動いている……!?
是非、観たいと思っていた芝居でした。青鞜社に集った人々の立ち位置もいろいろだったけれど、「青鞜」の影響を受け立ち上がった若い女性たちにも微妙な差があり、そこがこの芝居の勘所だったのかと思います。
重要な会話は舞台下手の談話室で行われていたが、客席に向けての発話以外では台詞が聞き取りにくい場面もあって、少々残念でした。
明治の女性に比べれば、自由も権利も保障されている私たちだけれど、権力者に比すれば圧倒的な無力。せめて国会を取り囲みに……。
蜜柑とユウウツ~茨木のり子異聞~
グループる・ばる
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2015/06/12 (金) ~ 2015/06/21 (日)公演終了
満足度★★★
ちょっと違和感が……。
グループる・ばるの芝居は以前にも観たことがあるが、ちょっと雰囲気が違っていた。というのは実在した人物の評伝っぽい作品なのに、リアリズム的な作りではなかったからだろう。
でも、一番の違和感は茨木のり子の造型かな。茨木ファンとしてはイメージが壊されたような気もしている。役者陣の中では木野花がよかった。
海の夫人
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/05/13 (水) ~ 2015/05/31 (日)公演終了
満足度★★★★
歴史は繰り返すか?
揺れるエリーダの心を、麻実れいが好演していた。イプセンは本当に女性の苦悩を描くのがうまいと思う。ヴァンゲル夫妻の対峙する場面の合間には脇役たちのコミカルな言動が挟まれ、コントラストも面白かった。
疑問だったのはポレッテの選択。彼女もまたいつか義母のように自由を希求するのだろうか?
わしゆん!
BuzzFestTheater
「劇」小劇場(東京都)
2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了
満足度★★★★
まるごと沖縄だった
劇場全体が沖縄の雰囲気に包まれていた(暑いのも演出?)。
いろいろなエピソード(シーン)が、それ自体面白いのだけれど、それがきちんと収束していく脚本が見事。役者もみんな上手で、レベルが高い芝居だった。小道具の使い方もうまかったな。
テーマに関わっちゃうが、個人的には(戦争のことも含め)忘れずに、未来に向かっていきたい。辺野古の闘いも、きちんと沖縄の歴史を踏まえての事だと思う。
屋根裏
燐光群
梅ヶ丘BOX(東京都)
2015/05/02 (土) ~ 2015/05/11 (月)公演終了
満足度★★★★
空間の使い方が凄い!
あのスペースで、実に多様な人間(関係)を描いた。それぞれの場面の面白さに加えて、結末に収斂していく構成も見事だった。役者の身体にも拍手!ただ、燐光群の芝居としては若干批評性に物足りなさも……。
しかし、観客にとってあのスペースでの2時間20分はつらいものがあった。
禁断の裸体 -Toda Nudez Será Castigada-
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/04/04 (土) ~ 2015/04/25 (土)公演終了
満足度★★★
脱げばいいってもんじゃ……
確かにパンツまで脱いじゃうっていうのにはどきっとさせられたが、繰り返されるとまたかよっていう感じだった。乳癌に怯えるジェニーとストーリーの展開もあまりかみ合っていない感じで、いまいちピントこなかった。
でも、池内博之ははまり役だったし、舞台美術はすばらしかった。
ウィンズロウ・ボーイ
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2015/04/09 (木) ~ 2015/04/26 (日)公演終了
満足度★★★★
正義と権利
正直前半は少々だれた感があった。でも、後半は長い時間にもかかわらず一気に引き込まれた。
70年も前の作品だが、非常に現代的なテーマだと感じた。権力と対峙する個人が、経済的な問題や人間関係も含めた生活全般が歪められていく。そこで闘うということのしんどさをリアルに描きつつ、ユーモアも忘れない。民主主義の質を問われているのは、今を生きる我々なのだ。 ロニー役の少年のセリフが聞き取りづらかったのが残念!
正しい教室
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2015/04/02 (木) ~ 2015/04/19 (日)公演終了
満足度★★★★
正しいのは目に見えていた
そもそもこの芝居を観たいと思ったのは「悲しみよ、消えないでくれ」に感動したので、また蓬莱竜太の舞台を見たいと思ったからだった。一人一人の暴かれる過去がけっこう衝撃的だが、しっかり伏線も敷かれていて、頷けた。シリアスな話に適度にコミカルな挿話もあって、面白かった。ただ、全員の問題がさらけ出されることで、少々平板な感じは否めなかった。
舞台での近藤正臣は初めてだったけれど、いい演技をしていた。
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