ピンクスカイ
劇団かもめんたる
駅前劇場(東京都)
2017/07/04 (火) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
満足度★★★
作品内容ではないが、開演前にスタッフの絶え間ない物販宣伝が煩くて酷かった。終演後ならわかるが、作品の善し悪しもわからない内からひたすら物販の宣伝をされるのは、制作側が作品を疎かにしているとも思える。
内容については、前回のゴーヤの門の石田剛太さん的変態ポジが4倍ぐらいに増えていて、シモネタを中心にしたなかなかに笑える作品だった。
真面目なパートとの切替がややスムーズさに欠けるなど、各パートのぶつ切り感が目立ったが、パンチラインも多くてキャラクターの上手さというか面白さは抜群だった。
普通
劇団時間制作
サンモールスタジオ(東京都)
2017/06/28 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
満足度★★★★
それぞれの形で幸せを求める人達の物語。ベタベタの'普通'の人間ドラマのようで、薄い皮一枚剥けばベチャベチャな激情ドラマが現れる。ずっと何かが張り裂けそうな登場人物たちの悲鳴の様な心を深淵から覗き込む作品。初見の劇団だったが役者さん達も良い味で楽しかった
作品通して薄っぺらな感動や安直な答えは出さないような姿勢を感じて、観てる側としても簡単に心動かされんぞと何故か無駄に力を入れてしまった。台詞の音量や役者を追う視線移動の多さを考えるともっと大きな劇場の方が映えるかも
Y FUTAMATA
ロ字ック
下北沢ライブハウス 近松(東京都)
2017/07/04 (火) ~ 2017/07/07 (金)公演終了
満足度★★★★
異なる作・演出の短編3作品で75分ほど。それぞれの作品のタイプが全く異なるうえに内容も濃ゆいのでお腹いっぱい。
新加入の方のお披露目公演的な意味合いもあったかと思うが、充分各役者さんの個性が伝わってきた
7月7日、はれときどき馬ところにより鹿
愛伝一家
シアターKASSAI【閉館】(東京都)
2017/07/05 (水) ~ 2017/07/09 (日)公演終了
満足度★★★
面白かったんだけど、非常に惜しいというか悔しい公演
楽屋が舞台のショーマストゴーオンなコメディ。台詞量と速いテンポと動きで飽きを感じさせない構成で、小ネタや伏線、笑いどころも多い面白い作品なんだけど、笑っても良い雰囲気作りが上手く行っていなくて前半部が凄い滑っている感じになってしまっていた
ツッコミ役のカメラマンが登場してからは会場からも笑い声が多く聞こえてきていたので、やはり雰囲気作りとか説明不足とかなんだと思う。
前説からの雰囲気作りとか、導入部にわかりやすい演出を入れるとか、笑いが生まれない雰囲気というのはやはり演出の責任だとは思う。
そういった雰囲気によっては、全然感じ方の違った作品になっていたかと思うと非常に残念でもったいない
内容については、漫画やアニメの細かいネタとか、シチュエーションコメディのもじりとか非常に好み。たまに演劇に関する刺さる場面とかも混じっててバランス的にも良い塩梅。楽屋裏であり楽屋ノリであり、素直な展開ではないので人によって受け取る温度差は大きそうだとは思う
新宿コントレックスVol.16
Aga-risk Entertainment
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/06/30 (金) ~ 2017/07/01 (土)公演終了
満足度★★★★
前回Vol.15が4団体ともミラクルが揺れるほどの爆笑続きだったので、それに比べるとやや物足りなさは残ったが、それでも各団体の特徴を活かした面白さを堪能できた
値段的にも2000円でこの密度というのはコスパが良すぎる
月経ファンタスティック
美貴ヲの劇
【閉館】SPACE 梟門(東京都)
2017/06/29 (木) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★
たくさんの要素とレイヤーで情報量が多量で、切り抜き使われる文学の一文は場面やストーリーの両方向に作用。
登場人物の自意識やクソッタレな部分がこよなく芳しい。
感情を揺らしたり訴えかける物語ではなく、これは紛うことなくファンタジー
自意識や自己中な心理という光景は小劇場界ではもはやテンプレであり、またかと言う部分もあるので、さらにもう一皮被せて欲しいという心理も有る
遅い時間からの回もあったのが、サラリーマンには非常に助かって嬉しかった
笑to希望
東京にこにこちゃん
東京アポロシアター(東京都)
2017/06/24 (土) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★
6つのコントによるコント公演。クズ吉くんとか、ショートホープ家の話のようなぶっ飛び具合が高いものが面白かった。
全体を通した色というか、この劇団はこういったタイプなんだとわかるような背骨となるものが欲しかったというのは欲張り過ぎかな。
本田晴子さんが素晴らしく、本田晴子さんの為の公演と言っても間違いじゃない内容
おうちにかえる・オブ・ザ・デッド
サムゴーギャットモンテイプ
RAFT(東京都)
2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★★
オブ・ザ・デッドを含むホラー系の平和な日常に忍び寄る影、閉じられた空間での人間関係というフレームを上手く使いこなしていた。平和部分の作り込みが丁寧でわかりやすく、この日常壊したくない感が後の展開に効果的に作用する。
人物同士のちょっとコミカルなやり取りとか、客の想像にまかせるバランスとか、脚本と演出の力量が秀逸。おばさんコンビが面白すぎ。
園っ、
中野坂上デーモンズ
王子小劇場(東京都)
2017/06/21 (水) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★★★★
最後まで登場人物の名前と顔が一致しなかったけど、それでも十分面白かった。間を埋めるかのように流れ込む台詞。頭のクロックアップしても理解が追い付かないがそれが逆に心地よくも感じた。
自分中心の思考とそれを言葉にすることはある意味演劇的でないリアルだよなと。多くの登場人物がひっきりなしに感情や言葉をぶつけてくると、観ている自分も乗せられて感情を引き出されてしまう。
不条理を演劇にノセるならこの作品のように押し切るだけの説得力が必要
ぼっくす/構想3ヶ月少女#2017
べろべろガンキュウ女
十色庵(東京都)
2017/06/23 (金) ~ 2017/06/25 (日)公演終了
満足度★
途中までは小劇場系によくある自意識の再構築的な話かなと思ったら、終盤ほっぽりだしてワークショップになっていく作品
すごい悪いところとか、稚拙なところとか、役者の力量とか、批判しやすい作品だとは思う。
なので逆にこの作品でしか観られない良い部分を考えると、若い人の言語、若い世代の文脈で作られている部分だと思う。日常や文化的な常識は、その世代の言葉や考え方で成り立っているからわかっているつもりでも、その世代を過ごしていない人間には本当の意味で感覚的にわかりきれない空気が有る。それが詰まった作品であり、そこが刺さるべき作品だと思った
歌に心情を乗せるリアル。放り投げて誰かになすりつけるリアル。温度差のリアル
新しい生活の提案
壱劇屋
萬劇場(東京都)
2017/06/22 (木) ~ 2017/06/27 (火)公演終了
満足度★★★★
音とリズムとマイムとダンスで作られ記号で満ちた世界。クロムモリブデンにも共通するようなロジカルでアルゴリズム体操的快感を得られる展開がいい。発展する先はシュールな光景なんだけど、生理的に受け入れられるシュール。凄い好みだった
パフォーマンスなどが凄いだけに、物語として何を残したいのかという部分のバランスをより強化しないとただの寓話になってしまう恐れもあるのかなと。
ミズウミ
日本のラジオ
ギャラリーしあん(東京都)
2017/06/14 (水) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★★
古民家ギャラリーの雰囲気の懐かしさと静けさ。現代と過去を上手く紡いだ展開の面白さ。なんてことない場面でも観客側に想像を委ねる余白だったり、思いを馳せるだけの間と役者の表情の固定があって深く呼吸をしながら観てしまう。なんというか人を見る視線が美しかった。
袖山さんと堀江さん演じる二人の呼吸感が凄い良くて、柔らかい空気で包んであげたい気持ちにさせられた。オカルト的な非現実と現実とのバランス感が良くて、観る人がどこまで覗き込もうとするかで自分自身に返ってくる登場人物たちの感情の捉え方が変わってくる作品
舞台上のダルマが徐々に迫ってくるイベント
劇団「地蔵中毒」
下北沢ろくでもない夜(東京都)
2017/06/17 (土) ~ 2017/06/17 (土)公演終了
「ファンレターズ」
劇団ガソリーナ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/06/13 (火) ~ 2017/06/18 (日)公演終了
満足度★★★
二宮さん永渕さん回。
ファンレターズ自体は以前にも観たことが有るが、読み手や組み合わせによって受ける印象が変わるのが面白いところ
読んでいる時・聞いている時の表情や、声色、抑揚など個性が出ていて面白かった。永渕さんのキャラの入れ方は流石。二宮さんも笑顔が怖い人に見えてくるハマリ方だったし、二人とも何か心地よい声だった
Paranoia Papers
劇団パラノワール(旧Voyantroupe)
サンモールスタジオ(東京都)
2017/05/31 (水) ~ 2017/06/06 (火)公演終了
満足度★★★★
黝の章、赭の章、両方とも観劇
観せたい場面、絵面がある作品は他の部分が疎かになりがちだけど、本作品はストーリーも台詞もリズムもしっかりしていて非常に面白く、観せたかったであろう場面が美しく効果的だった。パラノイアを描いているのに普遍性を感じるのが恐ろしかった。
また場面を切り取って記憶となるタイプの作品だけに、絵になる俳優さんが多くて目をひかれた。
夜を忘れなさい
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/06/02 (金) ~ 2017/06/06 (火)公演終了
満足度★★★
夢を扱った作品は難しい
観終わった時に、観客が何も受け取れずわからず終わってしまう危険性がある
本作品は、登場人物が自分語りをするタイプなので、説明不足に陥っている展開がもったいない。そう、結局観客を夢の中に引き釣りこむのだから、夢の中のように整合性や説明不足でないといけないのかもしれないけど、結局観劇後目が覚めた時の感覚が、幸せな夢ではなかったのがモヤモヤとして残ったのだと思う。
役者さんの力量という部分もちょっと気になる部分が多かった
GIRLS(大好評終演御礼!次回MUは11月コメフェス、2018年2月下北沢駅前劇場・下北沢演劇祭へ参加!)
MU
【閉館】SPACE 雑遊(東京都)
2017/05/24 (水) ~ 2017/05/30 (火)公演終了
満足度★★★★
Aプログラムを観劇
「めんどくさい人」表はシニカル、裏拍でコミカルな世界に飛び交う「好き」と「めんどくさい」。花恵という理由付けし易い人に溺れていく様が非常にlyrical。好きをやる方も受ける方もとにかくめんどくさい。橋本昭博さんが愛嬌のある役者さんで印象深かった
作品上に様々なメタファーがてんこ盛りで、映像作品として一時停止などして考えたり確かめたりするのに向いていそう
「スーパーアニマル」、ルールで結ばれた関係性の二人の話。それぞれに自分を納得させるためのルールが有って、ルール同士が支え合ってできてる世界だから抜け出そうとしても壊れるだけの世界
たとえば君がそれを愛と呼べば、僕はまたひとつ罪を犯す
シベリア少女鉄道
赤坂RED/THEATER(東京都)
2017/05/24 (水) ~ 2017/06/04 (日)公演終了
満足度★★★★★
舞台上で繰り広げられる地獄絵図に腹を抱えて笑う。なんか、年々前フリの前半部の劇に深みが増して来ている気がする。それが更にギャップとなって大きく振りかぶった斧で最終的に頭をカチ割られることになる快感
こんだけ多くの役者さんのやらかし顔を観られる舞台はそうそうない。特に佐々木ゆきさんのその顔が凄い良い表情。にしても壊れた世界はさながらアイアムアヒーローの如くある意味恐怖。もう本当に何回も観たくなる作品
演劇に暗転という仕組みがあることに感謝する劇。暗転は何もかもを洗い流してくれる。それにしても見れば見るほど「シベリア少女鉄道とは、篠塚茜のことである」と言いたくなる。シベ少の面白さの意味の体現者ともいえる
Short Cuts 4
劇団ガソリーナ
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2017/05/23 (火) ~ 2017/05/28 (日)公演終了
満足度★★★
A,B両バージョン観劇
A公演が7作品、B公演が6作品。「マイフェアレディ」、「公金横領」、「その節は」あたりが秀作
全体的に独特な空気が流れているのが特徴
勢いに流されて、笑いどころも流されてしまっている印象がある
回れ!回らないお寿司
santacreep
新宿眼科画廊(東京都)
2017/05/19 (金) ~ 2017/05/22 (月)公演終了
満足度★★★★
池亀ワールド全開。「日常」と「荒唐無稽」がモザイク模様になった世界観の中、パワーワードを軸に構成された台詞のやり取りに笑わせられる。何かを感じたり考えたりするんじゃなくて、平和な時間をもらえる作品。日常が半拍ずれると辛いことも笑いになる
なんというか、こういう視点での世界を思いつくことが凄いことだなと思う