APOFES2018
APOCシアター
APOCシアター(東京都)
2018/01/12 (金) ~ 2018/01/28 (日)公演終了
満足度★★★★
依田玲奈×フジタタイセイ「海に瞬き」を観劇
舞台上の彼女が様々なものから言葉をもらうように、僕も演劇から勝手に言葉をもらっているし自分を投射している
しかし演劇の方は僕の都合などお構いなしで、頭を撫でたかと思えば眠りから覚めるような平手を打つ
演劇が現実であればよいのにと思った
言葉も表情も動きも全て一人に注目が集まる中で、一つ一つの動作やブレス、感情の表現の仕方など、ひとり芝居って普段観る演劇とは結構異なるものだなと
その分気持ちや行動がきちんと沁みて入ってきて没入感は半端なかった。依田さんに魅了され没頭した40分だった
非国民的演劇
しあわせ学級崩壊
王子小劇場(東京都)
2018/01/11 (木) ~ 2018/01/14 (日)公演終了
満足度★★★★
叫ぶ詩人たちの国産み神話。神様を他人の心に住まわせるがゆえに分かりあえない人たち
リズムと詩に溢れた空間で交わされる言語は、僕らにはマシン語のようにわかるようで理解できない
地上にある舞台で生まれたのは他人に伝えるための感情
こういったこともできるのかと感心しつつもマイクが出てきた時の安堵感
繰り返される動きと言葉の心地良さは変わらずに、舞台の真ん中に翻訳機が置かれていることでこれまで聞けなかった言葉を聞けた気がする。
どっちの世界も好きな自分の心はアナログなんだなと
大田彩寧さんはこの舞台の世界でも上手く生きられない人で、どうあがいてもそういう結末になるループものの物語世界に陥っているような感覚。
あと何周したら因果から解き放たれるのだろう、、、
梢栄さんとの見せ場の絵力。梢栄さんの衣装がなにげに素晴らしかった
アベサダ:リローデッド
美貴ヲの劇
OFF OFFシアター(東京都)
2018/01/10 (水) ~ 2018/01/14 (日)公演終了
満足度★★★★
題材自体は手垢が付きまくっているけど、秀逸なエンタメとして昇華されていて凄い面白かった
容れ物としての「男」は空っぽで、詰め込むものにより「女」が形作られる様は、自分自身を省みても男の怠惰
誰かへの気持ちに区切りをつけるには儀式が必要ということ
作品としては月経ファンタスティックより要素が渋滞しておらず見やすかった
ただ、アベサダパートが女子会パートとのリンクが少なく、女子会を中心とした物語が凄く面白かったのでさらにアベサダ部分も密接に絡まってきたらなともったいなく感じた。音楽の使い方が上手い
[3都市まわりきりました!]【東京公演】新春イベント「援助交際」『誰も知らない。』
冗談だからね。
koenji HACO(東京都)
2018/01/06 (土) ~ 2018/01/06 (土)公演終了
満足度★★★★★
ヤバイくらい楽しくて今年初の大爆笑
会場やHPで配布されてる台本読んで行ったんだけど、それを軽く凌駕しその周りを包み込むイカれた演出
コテンパン・ラリー的な、シベ少的な、綺麗な地蔵中毒的な、自分のストライクゾーンど真ん中で最高だった
手法自体は新しくもなく、茶番と言えば茶番なんだけど
仕掛けが丁寧に何重にも包まれてるから見透かした感が生じず、もっと裏切ってくれとワクワクさせてくれるし、共犯者的な立ち位置になれるバランスが良い
僕らは茶番を欲していて、それを楽しむ手段を欲してるんだということだと思う
勝手にPV
制作「山口ちはる」プロデュース
OFF OFFシアター(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2018/01/07 (日)公演終了
満足度★★★★
題名の通り、有るテーマについて歌と踊りが繰り広げられる90分間
知ってる歌とかはリズムに乗って口ずさんで、ただ単純に楽しかった
「や・や・山口」と「ミラー」等倉本さん振付が好み
特に「や・や・山口」の訳わからないのに楽しい感じが好き
エンれぱ!Vol.3
しむじゃっく
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2018/01/04 (木) ~ 2018/01/08 (月)公演終了
満足度★★★★
鶴亀両バージョン観劇
鶴Verは「ファンシーゲリラ」「LiePhone4s」「女生徒」の3本。
「女生徒」は初めて観たが、十代の自意識や世の中を嫌う気持ちなど性別は違えども、いつか自分にもあった一日が描かれており、でぐちさんのため息の似合う雰囲気がマッチしていた
亀Verも3本
「紙風船」
明治・大正の生活や言葉、男女の関係というのは要素としてファンタジーや浪漫であり、現代においては中世魔法世界での異世界物に近い感覚だなと。その中で、ごっこ遊びの楽しさとか面倒くささとか現代感覚に近いところに落ちていく感覚は素直に楽しかった
「つくりばなし」
軽快でコメディチックな作品ではあるんだけど、端々から想像される裏設定を頭に浮かべながら見るとめちゃめちゃズシンとくる。語られない部分を言葉とか要素に上手く混ぜ込んでいる脚本
「193」
鈴木健太さんがとにかくウザいという、いかにも表情豊さん脚本って感じ。予想できる展開だけどキャラ設定が上手く機能していて見事な集約
鈴木さんの眼鏡ON/OFF時の差が素晴らしい
出口さんはまたもや叫ぶ役回りだけど、やっぱり声が良くて凄い耳に残っている
NICE STALKER 短編演劇見本市
NICE STALKER
cafe&bar 木星劇場(東京都)
2017/12/27 (水) ~ 2017/12/31 (日)公演終了
満足度★★★★
両バージョンとも観たので計6本の短編を観劇
この劇団は理系の屁理屈を下地に、物理法則みたいな計算式には当てはまらない人間関係や心理を笑いや性春にまじえてくる作風で、登場人物の感情にたまに等号や数式が見えてくる感じ
一方で可愛い女優さんにブルマ、競泳水着、小学生水着を着させる等の良い意味での変態性も併せ持っていて絶妙なバランス感
計算姉妹の数学的屁理屈好きだなぁ
チョップ、ギロチン、垂直落下
劇団子供鉅人
浅草九劇(東京都)
2017/11/06 (月) ~ 2017/11/19 (日)公演終了
満足度★★★★
子供鉅人の特性とプロレスとの相性が抜群で、素晴らしいエンターテイメントとなっていた
子供鉅人の男優陣がとにかく好きなんだけど、山西さんのヒモ感&第三者感、寛司さんの妖艶さ、古野さんのゴツゴツした優しさなどが今回も活かされてて大満足
最近の作品に共通している、自分自身や自分と他者にあたる光と影が踊る世界の中で、すりつぶれていく主人公の心と人生をエンタメとして観せていく展開
魂でやってるエンターテイメントしては演劇もプロレスも違わないと言わんばかりの客席への圧力
遠き山に陽は墜ちて
劇団肋骨蜜柑同好会
シアター風姿花伝(東京都)
2017/04/28 (金) ~ 2017/05/02 (火)公演終了
満足度★★★★
砂漠のような疲れと乾きに覆われた街の家に堕ちた星の王子さま
語られる文学的な情景描写の中で、舞台の光と色が音になり、発せられる言葉が心地よくキーンと響く劇だった
井戸が無いと思って世の中を見ている人達の世界での肋骨蜜柑同好会版星の王子さま
星の王子さま=ロジーの田中渚さん(日本のラジオ)が凄い良かった
どこにも重心の乗らない漂うような存在感で、周りの人達に少なからぬ思索の波紋を広げる様が違和感なく伝わってきた
スピークイージー
やみ・あがりシアター
荻窪小劇場(東京都)
2017/12/23 (土) ~ 2017/12/28 (木)公演終了
満足度★★★★
前から一度観てみたかった劇団だったんだけど、演出が巧い良いお芝居だった
酒を肴に心の置き場を、男と女を、失った物とか記憶をちゃんぽんにされ流れていく物語に心地よく酔わされた
音楽の効果的な使い方とかワードの潜め方とか素晴らしい
降誕節
肉汁サイドストーリー
中野コミュニティ広場(東京都)
2017/12/23 (土) ~ 2017/12/24 (日)公演終了
満足度★★★★
自宅公演ならぬカフェ公演といった感じの観客がそこに居合わせるタイプの作品
物語の展開や視線誘導に制限があるけどその分、五感を刺激される臨場感があって好き
世の中にこういう劇しか無かったら演劇に失望するかもしれないけど、こういう劇があることで今演劇に希望が持てる
喫茶店でついつい耳をそばだててしまう他の客の話という形で観客に自由に観せておきながらも
大事なところは耳目が集まるようにきちんと演出しており、中盤以降は笑いながらも修羅の場に身を任せていた
バラバラな雰囲気がカチッとハマって集まってくのが気持ちいい
ツヅキノキセキ
たすいち
「劇」小劇場(東京都)
2017/12/22 (金) ~ 2017/12/26 (火)公演終了
満足度★★★★★
オールスター感謝祭的な楽しさ!!!
役者さんの魅力をどう見せるかに重心が置かれている感じで
それぞれのキャラが濃くて面白くて、四方八方に散らばって舞台上で爆発している。アドリブ挟める所が多そうw
小太刀さん竹内さんの天使コンビがずっと面白い
それと斉藤有希さんの悪魔が凄い好きだった
動きとか表情とかいちいちツボで面白いのにカッコ良さというかキレイさもあって完全にチャームの魔法をかけられた
二宮さんはガソリーナの時の様な、ぶっきらはみだしキャラが自然すぎて、もはや二宮咲というキャラが作品越えて来た感じ
たすいちの舞台装置って立体的なことが多いんだけど、その使い方とか効果が抜群
手前の役者さんたちの動きに後ろ側の役者さんが反応してたりするのも面白く、特に竹内さんの動きはずっと見てたい感じで鉄板
扉のむこうのコト
東京エスカルゴ。
シアター711(東京都)
2017/12/20 (水) ~ 2017/12/26 (火)公演終了
満足度★★★★
どストレートなバックステージコメディで制作側がメインのショー・マスト・ゴー・オン物
安心して笑えたのとプラスの意味で色々コメディというものについて考える触媒となって面白い作品だった
まず、やっぱり舞台で劇が行われている裏側でのドタバタものというフォーマットはどう転がっても面白いなと
バックステージ物は今年7本目だったが、それぞれに味を出せていて基盤となる形が強固だからこそ
本作は、基本に忠実など真ん中という安定感が強み
トラブルに振り回される人が固定されていなかったのでちょっと統一感の足りなさを感じたり、振って落とす周期が短かいのでわかりやすい反面、大きな波にはならなかったりする部分は感じたが、キャラ付けの強さとか生演奏とか独自の面白さで全体として観た時の安定感があって良かった
小劇場のコメディという狭いジャンルでもある程度の客層にフィットするタイプの作品・劇団が存在していて、演劇における多様性について考えさせられた
思ったよりもこの世界は厚みがある
ショー・マスト・ゴー・オンに関して言えば、みんな三谷幸喜とその客と闘ってるんだなぁ、、、
リンゴのために甘い
埋れ木
ひつじ座(東京都)
2017/12/13 (水) ~ 2017/12/13 (水)公演終了
満足度★★★★
ありがちだがわかりやすいテーマと関係性を舞台装置と俳優の力で上手く調理していて凄い面白い作品
リアルな言葉の世界観に大きな嘘を混ぜることで物語を動かし転がす按配が上手い脚本で映像的な観せ方なんだけど、しっかりと舞台に落とし込んでいて素晴らしい
まずなによりも森谷菜緒子さんが素晴らしくて、実在感とキャラ的なバランスの良さ。久々に次を観てみたいなと思う人だった
土橋さんは他の人に言わせたら浮いてしまう台詞を違和感なく物語に落とし込んでいてあらためて凄いキャラだなと
オーラルメソッド4
シンクロ少女
駅前劇場(東京都)
2017/12/12 (火) ~ 2017/12/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
40歳の童貞男:
とにかく笑えて感情を揺さぶられて馬鹿馬鹿しくて、ただ面白いんじゃなくて凄く面白い
こういう作品が存在することを知ってしまっているから僕は小劇場に通っている
声出してツッコミそうになったり、頭抱えたり、一緒に変な顔になったり、没頭感が半端なかった
未経験のことや未体験の感情ってのは何歳になってもきっと有って、そういう時に自分の気持ちとか正しい行動ってのは本当にわからなくって、だから誰かにいて欲しいし、だから自分を嘘にする
オーソドックスで直球なんだけどまともにくらうと根こそぎ感情持ってかれる作品
This is 30:
この先に見えるものもそこへの向かい方も三者三様の三兄弟。けして同調できない有り様なのに共感を呼び起こされる不思議
コントチックな演出とパワーでねじ伏せられる展開、何故か憎めない愛おしさに三人まるごと抱きしめてあげたくなった
LOVE Chapter1:
あぁ男ってやつぁ、あぁ女ってやつぁって感じで
こんなに笑えんのに素敵なのに、観ている自分自身へと降ってきて痛めつけてくる作品で、どんな瞬間より表情豊かに舞台に見入る自分がいた
僕は自分に不向きな人生に気付くのに後何年かかるんだろう
色々思わされたり、色々感じたことはあるんだけど
とにかく作品としてめちゃめちゃ面白かったし、大好きで愛してる
櫻井さんも名嘉さんも横手さんもおがわさんも最高で、本当に再演してくれて感謝しか無い
スカイスクレイパー
あひるなんちゃら関村個人企画
live space anima【2020年4月をもって閉店】(東京都)
2017/12/09 (土) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★★
今年一番の濃度で笑った!
堀さんの怒鳴りツッコミと鈴木さんの愛らしくもボケボケな役回りがそのまま漫才で、会話を交わせば全部面白い状態
堀さんの好きな部分が全部出てたし、鈴木さんは初見だったんだけどもうね惚れた
幸せな時間だった!
『射光』
遠吠え
SF studio(東京都)
2017/12/08 (金) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★
我知りたがる故に我悩みあり、とも言える哲学的主題を含む朗読劇チックな作品
台詞的でない台詞を言わせたら右に出るものがいない永田さんと、薄幸な女を演らせたら天下一品の小島さんの存在感
宇宙で一番孤独な瞬間を重ね合わせて産まれたものを祝った話
だいじょうぶ?マイフレンズ
コンプソンズ
中野スタジオあくとれ(東京都)
2017/12/06 (水) ~ 2017/12/10 (日)公演終了
満足度★★★★
小劇場界の箱庭療法をやっている途中でハードラックとダンスっちまったような作品
滅茶苦茶で無理やりなんだけど、その軽さと余計な感じが快適で恐ろしく楽しい時間だった
主演の細井さんがリアルであり、全体の雰囲気を決め打ちしていて凄い良かった
残雪の轍(わだち)/キャンディポップベリージャム!
シベリア少女鉄道
サンシャイン劇場(東京都)
2017/12/07 (木) ~ 2017/12/11 (月)公演終了
満足度★★★★★
サンシャイン劇場という大舞台に持ってきたのはシベ少得意の鉄板パターン
前半の普通なコメディ部分も安本さんのアクトで笑いが増し増しのまま、後半の頭のイカれてるパートへ突入する隙の無い展開
土屋さんは本当に頭のおかしい天才
メンタルヘルスケア
サムゴーギャットモンテイプ
新宿眼科画廊(東京都)
2017/12/08 (金) ~ 2017/12/12 (火)公演終了
満足度★★★★
とにかくずるい、突拍子も無い設定も展開も、敷き詰められてる本筋の心にくる具合もずるいし、吉成さんのアレもずるい
ずるくてずるくて面白い
一つ一つのネタや描写はそこまで効いてくるものでも無いのに、全体として観た時にしっかりと組み込まれてるというか、そうである必然性を納得させられて効きまくる。作演の力量がわかりやすく伝わってくる。観た後じわじわ心に浸ってくる作品