大脱走~きゃっちゃ、いんざ、らい~
雨の一座
スタジオ空洞(東京都)
2018/10/19 (金) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★
面倒くさくて、鬱陶しくて、ややこしい、それなのに笑える
懐かしいくらいのスタイルなのに、逆に今他になくて面白い
夢を見させられたと言うか、狐につままれたような劇後感
古書パラレル浪漫譚
はらぺこペンギン!
神保町花月(東京都)
2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
パラドックス物で凄い好みだったし、良質なミステリー小説を読んだかのような劇後感
ヒナコがいることによる物語の深まりが良い
ギャグパートのいくつかが観客側の欲求とズレがあったり、ご都合主義的部分もあるけど、それを覆い隠す物語の面白さだった
みんなのへや・改
Aga-risk Entertainment
CHARA DE asagaya(東京都)
2018/10/17 (水) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
物語とか装置とかひたすら省略して
そして怒濤のその場しのぎ、という感じにシチュエーションコメディの型として笑える部分をひたすら紡いでる展開
「七人の語らい」の双子であって鏡である作品
物語なんて無いのに物語っぽく見せるシーンで逆に笑ってしまう
当て書きじゃないのに、役者さんのキャラに合わせて書いたかのようなハマりっぷり
暴走桜
革命アイドル暴走ちゃん
しもきた空間リバティ(東京都)
2018/10/10 (水) ~ 2018/10/14 (日)公演終了
満足度★★★★
しもきた空間リバティぐらいの狭さの場所で暴走ちゃん見るのは初めてだったけど、いつもと変わらずガンガンでガーガーしててギャーッてワーがギューンってしてた
考えさせない!感じさせる!空間
暴走ちゃんを見る毎回、もっと自分は楽しめるのではと考えてしまう
演者側のパフォーマンスには何の不満も無くて
客席も含めての作品において、あの綺麗な空間に自分という異物がただ置かれてしまってる気がして
ノリ方とかもっと作品と一つになりたいなと考える
セイラム
sortie
新宿眼科画廊(東京都)
2018/10/12 (金) ~ 2018/10/16 (火)公演終了
満足度★★★★
小説と混じり合う舞台
場所や登場人物も虚実混じり合った舞台
架空の虚構に足元がぐらつく
舞台の嘘の奥深くに物語が続いてく
物語は頭の中で作られていく
だから思ってしまった、このセイラムという話は僕が作ったんだと
そしてこう書いている自分もいつか知っている自分なんだと
はしらない
劇団スポーツ
王子小劇場(東京都)
2018/10/04 (木) ~ 2018/10/08 (月)公演終了
満足度★★★★★
小ネタ小ボケお約束お約束破り満載でどの場面も楽しい
系統でいうとゴジゲンに近い風味
スキあらばボケて埋めてくる感じが凄い好きだった
徹底的にふざけて、衝動でぐるぐるして、自意識に操られて格好つけて失敗して
この作品はいつかの昔の若い日のそのもの
月極セイラ ゴールデン★ベスト
Dr.MaDBOY
スタジオ空洞(東京都)
2018/10/03 (水) ~ 2018/10/08 (月)公演終了
満足度★★★
設定的にキサラギを想起させるが、ホラーや80年台アイドル歌謡などが入り混じって不思議な劇後感
アイドルってのは女の子の一生を表しているんだと思うし
そういった意味でも色々な月極セイラが視覚的にもわかりやすく変わって見えるのは良い趣向
プラスチック・ピノキオ/モンストロ・メモリ
たすいち
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/10/06 (土) ~ 2018/10/21 (日)公演終了
満足度★★★★★
プラスチック・ピノキオ
たすいちの作品にはいつも「大切な人との記憶」というのが根底にあって
薄れていったり忘れようとしたり思い出そうとしたり固執したり
自分を世界に認識させ、世界を自分が認識する為の記憶
そんな媒体に色々なキャラをぶち込んで火を付けて
向き合い方を探る物語
モンストロ・メモリ
情報を得られる速度とかテンポとか、どこまでも考えていられそうなテーマとか凄い好みで
細かい設定や各キャラの配置とか90分という時間に狭い舞台で本当に上手くまとまっている作品
秋の超収穫祭
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了
満足度★★★★★
ミニコントレックス的雰囲気の3団体によるオムニバス公演
日曜日よりの使者は去年1度観ていてその時とキャストも同じだったんだけど
ほとんど内容忘れていたので最初「ん?なんか観たことあるな」って感じで
カモメとかレーズンチョコとか色々キーワードを見るたびに思い出していって
と、なんか完全に作品内容とシンクロしてしまった
「いまこそわかれめ」は目崎さん×ばぶさんバージョンを以前見ていて
今回は塩原さん×大和田さんという組み合わせ
オチまで全部わかっているからこそ途中の言葉一つ一つが凄い胸に来て完全に泣いてしまった
笑えて胸に来て物語があって、これは本当に凄い良い作品
やっぱり!おれたちにあすはないっすネ
なかないで、毒きのこちゃん
ザ・スズナリ(東京都)
2018/10/01 (月) ~ 2018/10/02 (火)公演終了
満足度★★★★
劇場中そこかしこで起こっている事を観客自ら移動したり、しなかったりして楽しむザッピング上演
達者な役者さんたちがやる茶番の面白さ。とにかくバカバカしさであふれてる空間
大きく分けて「劇団&スタッフ」「愛のホテル」「地下の住人」の縦軸があって
劇団とスタッフと愛のホテルはそれぞれ入り混じるので
誰か一人に付いていくことで色々情報が入るけど
地下の住人はほぼ独立していて、もうちょっと絡みがあったらもっと楽しいのにと思った
ミカンの花が咲く頃に
HOTSKY
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2018/10/03 (水) ~ 2018/10/07 (日)公演終了
満足度★
作品の中身どうこう以前に観客が作品を楽しめる状態じゃない席の作り方だった
椅子席50人位が快適に観られるキャパだと思われるところに80人近く詰め込み
最前列は体育座りをしなければ行けない状態だったり
通路を全部埋めるため、前売り券で購入しているのに開演直前にならないと座れない状態だったり
隣の人との距離感もギュウギュウだし、体勢も無理な状態なんで身体は痛くなるし
動けないから体調が悪くなろうがトイレに行きたくなっても何もできない状態
そりゃあいっぱい詰め込んだほうがお金になるのはわかるけど、客側のことを全く考えない人たちが作った作品が何を言っても説得力がない
高速道路を作ろうとしている人たちはそこに住む人たちのことを考えているのかということが劇中で言われているが、この劇を作った人たちは酷い環境の客席に座って観なければいけない客のことを考えているのかと思ってしまう。
結局、人の気持ちを一番考えることができていないのは劇団側だったというのは非常に皮肉が効いている
幻壊パラダイム
演劇企画ヱウレーカ
荻窪小劇場(東京都)
2018/09/28 (金) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★
電撃文庫的セカイ系のような野田秀樹のような
節回しの遊びやダイジェスト的スピード感で作者の趣味的世界に迷い込まされる作品
逆に今こういった世界観で攻めてくる作品は少ないし
世代の言葉がしっかりと入っているのは良い
30分長くした上で2倍台詞増やしたら好みかな
舞台装置や構図にも現れてる
観ているのか観られているのか見えているのか見えていないのか
境界であり鏡である表現には空想的刺激を受けた
眼の前に見えている光景も現実のものか夢の中なのか本当はあやふやで
現実と夢の中間に演劇の舞台というものがあるのかもなと
役者さんでいうと
あらためて藤真廉さんの存在感とビジュアル力が半端ないなと
特に人外のハマりようったら…
藤真さんがただただ映ってるだけのDVDとかあったら買ってしまうな、、、
荒井さんの和装も大好物だったし、佐瀬さんは相変わらずただただ天才だった
あじのりの神様
あひるなんちゃら
ザ・スズナリ(東京都)
2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
涙出てくるくらい平和で幸せな時間で心を張る必要がなくて楽しくて
あひるなんちゃらの作品は脚本の構造が音楽的で心地よくて
役者さんはそれぞれに特徴のある音色を持ってる楽器で
繰り返す旋律のような台詞と、キャラクターが和音となって響いてくる感じ
ビューティーコロシアムの憂鬱
劇団森キリン
ライブハウス 新宿SAMURAI(東京都)
2018/09/27 (木) ~ 2018/10/01 (月)公演終了
満足度★★★
ハロプロやAKB、アイドリング‼︎!といったアイドルのバラエティやドキュメンタリーのテンプレートをふんだんにまぶしてて、そういうのが好きな人間としてはアイドルパロディ物としてシリアスな場面も含め凄い笑った
ただ、アイドルドッキリやバラエティという見方でないとそれぞれの物語が投げっぱなしで、縦軸として機能しておらず「物語」にはなっていなかった(そこら辺を考えずに衝撃的なものを次々起こすのはまさしくドッキリだなと思った)
数名の役者も演技が拙く、ドッキリだとそういう演技をするアイドルとかいるのでまさしくリアルだったんだけど、ドッキリという見方でなければただ作品的あった演技ができていないという状態
第30回池袋演劇祭参加作品『ギンノベースボール』
ラビット番長
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★★
めちゃくちゃ面白かった
役者の演技も演出も物語の構成も全て基礎がしっかりしていて
奇抜なことをやらなくても登場人物の物語をしっかり紡いぐことで
作品としての抑揚もテンポもアクセントも生まれていて
野球も演劇も基本に忠実が大事だなと思わされた
部分的に取り出せばベタでありコテコテなんだけど
演劇としての基本的な部分が非常にしっかりしているんで
臭みも嫌味も感じない、有名シェフの作ったオムレツに感動する感じ
テーマの押し付けやクドい主張が無いのも良い塩梅
爺さんたちがほんとに格好良くみえた
ロックでもない人生〜ライブバージョン〜
制作「山口ちはる」プロデュース
下北沢近松(東京都)
2018/09/21 (金) ~ 2018/09/23 (日)公演終了
満足度★★★★
下北ライブハウスでの上演。ライブVerということで所々に歌がはさみこまれる歌謡演劇
このVerは狂言回しの2名も存在し、だいぶコメディ寄りの演出
タネも仕掛けもわかっていても異なる演出ってやっぱ楽しい
歌上手い人が3人位いて聴き惚れた
フォーチュン!ウェディング
人間嫌い
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2018/09/21 (金) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
ヒーローのいない会議劇であり、解法の無い問題集
コメディに足がかかりそうになった瞬間にひらりと重心を変える指向性
会話の味付けに作家独特の匂いがするのが凄い良い
またこれは客席と舞台間で思考が交わされるという意味での会話劇だとも感じた
自分を守ろうと置いたはずの言葉が
人を傷つける地雷のような武器になり
会話で探って踏んだり爆死したりマインスイーパーの様な舞台上
でも爆弾を取り除いて、マスを開いていった先に見えたのは
他でもない自分の価値観であり、その姿だった
役者さんで特筆すると
星澤さんのサディさんを彷彿とさせる魔女っぷり
今までにあまり見たことない星澤さんでありつつ、最高の星澤さんだった
今後もこういった役柄見たくてたまらない
あと岩﨑さんとばぶさんが会話するだけでコメディが成立してた
とりゅふ
劇団きのこ牛乳
ギャラリーしあん(東京都)
2018/09/14 (金) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
新作+再演の短編5作品。自分は全て初見
各作品きのこが登場するけど
どちらかというと共通のテーマは「ここにいるけどいない」って感じ
「ひとりあそび」と「コンティニュー」が秀逸
全編にフェイスレスな印象の千草さんが登場
「モク拾い」
大真面目にやっている馬鹿作品
想像が膨らむ入り口まであと少しといったところ
観客にとって普遍的な筋が欲しいかな
「妄想姉妹」
こちらはコントの雰囲気からの閉塞感
想像によって観客が浮かべる情景も作品の小道具
馬田さんの末っ子感が凄い
「ひとりあそび」
るんげさん幼稚園児と女の子と女がシームレスに遍在する姿は
可笑しみと愛らしさに溢れてて
アニメのフィルムのように重ねられてく世界と展開は
そんな姿をハイライトして
色々なものが増えていくのに、ひとりという姿が浮き上がっていって
これは好きな作品
「コンティニュー」
ハジメという名前を聞いて、ツヤマジケンが完全に流れ込んできて
千草さんの姿に赤猫座さんを投影したまま観ていた
ああ中学の頃からハサミとかそういう片鱗見えてるなぁと笑
やりとりを俯瞰で見てたはずなのに突然ハジメの内面に引きずり込まれる衝撃
「R」
不条理な世界の不条理な作品
彼女の言うことなんて僕は何もわからなかった
彼女は彼女の中で正しいことを言っていたが
その条理には、その内面に抱えているものには
僕は触れられない
だから僕は嘘をついた
わかったふりをして嘘をついた
夕日が登る心をわかってみせた
ロックでもない人生
制作「山口ちはる」プロデュース
下北沢 スターダスト(東京都)
2018/09/12 (水) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★★
喫茶店を舞台にした犯人探し物なんだけど
終始ちょけている登場人物たちによって物語性と演出が剥離してて
でもみんな嘘を付いているという主題からすれば
演出や作品自体にごちゃまぜにされた嘘で真意を隠されているようでもあった
音響が的確で効果的で凄い良かった
Wells-博士とはじまりの恋人-
Rebel
新宿スターフィールド(東京都)
2018/09/05 (水) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★
いわゆる小劇場系とはちょっとレイヤーが異なる系列
役者を見る作品・公演というのは有って、それはきっとWin-Winの関係なので否定はしないけど作品内容についてはちょっと物語の世界観や人物像のレイヤーが浅かった
戦争嫌いの軍人というのは便利すぎるし、軍事国家のはずなのに権力や武力を使って博士を捕まえない理由が書かれていないという物語的矛盾も気になった
架空の国とか世界を描くのであれば、ディティールをしっかり設定しておいてもらいたいなと
あとBGMが確実に邪魔な場面が多かった
笑いを取る部分は役者の性質に合わせてあり的確で良かった