正義の人びと
オフィス再生
六本木ストライプスペース(東京都)
2023/07/13 (木) ~ 2023/07/17 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
5月に、チェコ内でのヒトラー・ヒムラーに次ぐナチスナンバー3のラインハルト・ハイドリヒ暗殺計画の顛末を描いたサルメカンパニー「スウィングしなけりゃ意味がない」を観た時も、ロシアの圧政を憂い革命を志す若者たちが権力の象徴である皇帝の叔父・セルゲイ大公の暗殺を企てるこの作品を思い出してしまった。
カミュは病気・死・殺人・テロ・戦争・全体主義など、人間を襲う不条理な暴力に対してキリスト教や左翼革命思想のような超越的価値に依存することなく、人間の地平にとどまって生の意味を探し求めたとされる。「正義の人びと」もオフィス再生での初演時には~神の裁きと訣別するための残酷劇~という副題が付されていた。高木尋士は見沢知廉や三島由紀夫に拘りをもっての劇作もあるが、もはや「正義の人びと」こそが彼の代表作といってもいいだろう。
或る女
演劇企画集団THE・ガジラ
シアター風姿花伝(東京都)
2023/06/30 (金) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
つい先日、紀伊國屋サザンシアターで民藝の「カストリ・エレジー」を観た時に、折り込みチラシでこの公演のことを知った。
「或る女」は国木田独歩の最初の妻であり当時としては奔放な人生を送った佐々城信子をモデルに有島武郎が書いた小説だが、私が最初に知ったのは前回の東京五輪が開催された1964年にテレビで放送されていた昼間の連続ドラマで、しめぎしがこと安部徹との激しいラブシーンが今も頭にこびりついている(このドラマ、今にして思えば増村保造が脚本を担当し、三津田健なども出演した本格的なものだった)。
鐘下辰男がこの作品をどう舞台で観せてくれるのか、期待が大きい。
チョビ
ここ風
シアター711(東京都)
2023/07/05 (水) ~ 2023/07/09 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
知人の中に、胸にケロイド状の大きな火傷の痕があるという女優がいた。結局その火傷痕を見ることはできなかったものの、今も時々どうしているかと思い出すことがある。この舞台を観るとまたぞろ思い出すことだろう。
青春の会 第四回公演「熱海殺人事件」
ゴツプロ!
新宿シアタートップス(東京都)
2023/06/20 (火) ~ 2023/06/25 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
佐藤正和は昨夏の「父と暮せば」や先月の「宇宙の旅、セミが鳴いて」での味のある演技が忘れがたいが、ここに丸山正吾が加わるとどういう熱海が出来上がるのだろう。最近は「売春捜査官」の上演が多く、オリジナル版の熱海は久しぶりなのも楽しみ。
ホテル・ミラクルThe Final
feblaboプロデュース
新宿シアター・ミラクル(東京都)
2023/06/08 (木) ~ 2023/06/20 (火)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
シアター・ミラクル最後の公演。思いかえすといくつもの忘れがたい場面が浮かんでくる。西武新宿駅前というこの好立地での低料金での劇場運営は池田智哉氏にとって様々なご苦労があったことだろう。脚本陣も豪華だし、このミラクル最後の作品も忘れがたいものになるに違いない。
雨の世界
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2023/06/14 (水) ~ 2023/06/18 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
びしょ濡れで迷い込んできた女と、雨女の呪いがかかった女…その秘密と展開を秋葉舞滝子はどのように無理なく説得性をもって観せてくれるだろう。梅雨の時期にぴったりの内容だ。
La Vita é Bella ──とある優等生と壊れた世界
劇団東京座
中板橋 新生館スタジオ(東京都)
2023/06/01 (木) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「東京」という歌があった。地方の若者の東京への憧れといったものを歌ってミリオンセラーになった曲だが、「♪東京へはもう何度も行きましたね/君の住む美し都」というフレーズが今も忘れられない。劇団東京座という名前も地方から何かを求めて集まってきた劇団員達がこの都会で出会うことで劇団が出来上がっていく様が、この“東京”という街そのものを表しているのではないか、という意味が込められているのだという。
「うるわしき若さもとどむすべなし」というキャッチが記された今回のチラシにもそんな青春への思いが籠められているようだ。
STAY“A T”Home
オフワンズ
高円寺K'sスタジオ【本館】(東京都)
2023/05/27 (土) ~ 2023/05/28 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「全部覚えてる…でも知らなかった」って、某アイドル事務所の創業者社長の性加害に対する現社長の言い訳によく似た表現だなあ(爆)。
閑話休題、ウイルス蔓延防止のための緊急の都市完全封鎖によって5年ぶりのゴミ部屋でのカップルの共同生活はどういう展開と結末をむかえるのだろうか。
初老の血
劇団 枕返し
北池袋 新生館シアター(東京都)
2023/06/09 (金) ~ 2023/06/11 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
衝撃的だったバイオレンス映画「弧狼の血」を意識したタイトルとチラシだが(さしずめ私は「孤老の痴」か、笑)、劇団の作風からいって当然コメディだし、モーレツ侠客コメディと謳ってもいる。果たして今回はどんな妖怪が飛び出すのだろう。
CAFE BIANCA
兎団
プロト・シアター(東京都)
2023/05/17 (水) ~ 2023/05/21 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この作品は兎団の代表的作品だが、私が最初に兎団を観たのも11年半前に学習院女子大のやわらぎホールで上演されたこの作品だった。映画と同じ料金でナマの舞台を、という理念で他に比べて安価な料金設定を続けていたが、このコロナ禍ではそうそう無理もできなくなったのだろう。それでも2,500円だ。
GW明けの5月8日から新型コロナの感染症法上の位置づけが2類から5類に格下げされ、様々な規制が大幅に緩和されたからには、「CAFE BIANCA」も無事に大団円を迎えることができるだろう。
ARTE Y SOLERA CONCIERTO Vol.27
ARTE Y SOLERA 鍵田真由美・佐藤浩希フラメンコ舞踊団
めぐろパーシモンホール(東京都)
2023/05/21 (日) ~ 2023/05/21 (日)公演終了
劇団壱 CE A WEEK
壱劇屋
萬劇場(東京都)
2023/05/15 (月) ~ 2023/05/15 (月)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
壱劇屋東京支部の作演出・竹村晋太朗が講師を務めた全10回の稽古を経てのワークショップ型集大成公演だという。昨年、劇団チョコレートケーキ初のWSは、参加者のみによる上演を含めた公演が読売演劇大賞の大賞と最優秀作品賞を受賞したが、壱劇屋のWSはどのような成果をみせてくれるだろうか。
26/26
!ll nut up fam
萬劇場(東京都)
2023/05/10 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
この団体は以前「LAST RENTAL VIDEO」という作品で、チケットのセンスや設定の奇抜さにびっくりした記憶がある。先日の大塚駅前での告知イベントには行けなかったものの、今回はテレビ局を舞台にしてのスペクタクルコメディショーだという。椎名亜音や渡辺咲季といった「LAST RENTAL VIDEO」にも客演していた役者をはじめとして、またも舞台狭しと大暴れしてくれるだろう。
桃太郎の大冒険
劇団龍門
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2023/08/03 (木) ~ 2023/08/06 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
祝!第20回公演。
この作品は2017年4月に初演されているようだが、この頃からの龍門の公演はほとんど観ているはずなのに、この作品はなぜか未見。ある場所に理由もわからずに集められた見知らぬ面々だったが、その理由が明らかになった時に驚愕の真実が彼らを襲う―う~ん、惹かれる内容だなあ。初演時の「社会の闇をスッパ抜く」というコピーが尚更に……。
フィクション・モテギモテオ 2023
ライオン・パーマ
赤坂RED/THEATER(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
6年前の初演時はライオン・パーマの下北沢初進出だったが、赤坂での第二弾(一昨年が初進出の予定だったのだが、コロナ禍で延期になったのだった…)にもこの作品をもってきたか。2月の9-States 「点と線のオブリビオン」での加藤岳仁の演技も心に残るものだったなあ。
そういえば前作「大豆生田家の庭に咲く花は薔薇かスミレか!」の直後に常連客演同士の橋本一郎と春木彩香(あや)の結婚が発覚したのだった。橋本が某著名俳優の息子だと知ってはいたが、あやという美女歌姫を射止めるとはまさにモテギモテオだなあ。今回は春木は出演しないものの、舞台に幸せムードが漂うんだろうなあ。公演案内には“圧倒的、悪魔的時間”と書かれているが……。
引き結び
ViStar PRODUCE
テアトルBONBON(東京都)
2023/05/31 (水) ~ 2023/06/04 (日)公演終了
糸地獄
劇団うつり座
上野ストアハウス(東京都)
2023/05/11 (木) ~ 2023/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
「因果はめぐる糸車」という言葉があるが、岸田理生はどのような地獄車(これは「柔道一直線」の決め技だったか……)を描き、それを篠本賢一がどう演出するのだろう。興味深い公演だ。
アクターズハイ
LUCKUP
劇場MOMO(東京都)
2023/05/10 (水) ~ 2023/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
幾多の苦難を乗り越え、とうとうトップスターの仲間入りを果たしたトニー、が、それはとんでもない未来の始まりだった……! どういう展開と結末が待ち受けているのだろう。
原色★歌謡曲図鑑
株式会社ビーウィズミュージック
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2023/05/11 (木) ~ 2023/05/14 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
昭和の歌謡曲と令和の新しい歌謡曲……その違いが主人公にどう影響を与えるのか。私は字幕を見なければ歌詞がわからない今の歌より、歌詞をしっかり伝えようとする昭和の歌謡曲の方が好きなのだが。
「4…」
四分乃参企画
JOY JOY THEATRE(東京都)
2023/05/18 (木) ~ 2023/05/21 (日)公演終了