ソウナンですか? 演劇版
劇団ミスマガジン
シアターブラッツ(東京都)
2018/11/07 (水) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★★★
■約90分■
脚本・演出を竜史に託した成果? サバイバル描写に重きを置きすぎることなく、きめこまやかなガールズ青春演劇に仕上がっていた。演技が初々しすぎる人もいたけど、そういう人に朴訥な役を振るなど、適材適所な配役もいい。一部キャストの水着も見られて一男性客としても満足。竜史不在で行われた女子会ノリのアフタートークも千秋役のコの達者な仕切りで和気藹々とにぎやかに進んで、楽しめました。アフタートーク付きの回を選んでよかった♪
しかし、劇団ミスマガジンとはよい試み。いろんな演劇人を起用して毎年やってほしいもの。個人的には、悪い芝居の山崎彬、劇団5454の春陽漁介、玉田企画の玉田真也が手掛けるものなど観てみたい。
『ソウル市民』『ソウル市民1919』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/10/14 (日) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
『ソウル市民』『ソウル市民1919』
青年団
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/10/14 (日) ~ 2018/11/11 (日)公演終了
満足度★★
■『ソウル市民』鑑賞/約95分■
話が散漫で求心力を欠き、劇に対して前のめりになれず、約90分の上演時間が体感的には2時間以上に感じられた。加えて、力業による大味なギャグが目立ち、その点もつらかった。
手の平
かわいいコンビニ店員 飯田さん
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2018/10/19 (金) ~ 2018/10/28 (日)公演終了
満足度★★★★
■約110分■
●話はありがち。けれど、数多あるその種のドラマの上っ面をなぞるような書き方はしておらず、各劇中人物に骨の髄まで感情移入して書いている。そういう渾身の作品は、やっぱり胸を揺さぶります。
修道女たち
キューブ
本多劇場(東京都)
2018/10/20 (土) ~ 2018/11/15 (木)公演終了
コンビニ
月刊「根本宗子」
すみだパークギャラリーささや(東京都)
2018/10/12 (金) ~ 2018/10/17 (水)公演終了
満足度★★★★
■約85分■
実験というより、実験という態のエンターテイメントを見せられた感じ。大まかな答えは根本さんの中にあらかじめあって、それに寄るように創っている印象。ガチンコの実験をするつもりは最初っからなかったように私には思えたけれど、まずまず楽しめました。
根の張る方へ
劇団かもめんたる
本多劇場(東京都)
2018/10/14 (日) ~ 2018/10/14 (日)公演終了
満足度★★★★★
■約95分■
どういうわけだかジィーンとさせられてた。。
それより何より、前作との趣向の違いに度胆を抜かれた。ひとりの人間の想像力で、あっちも作り、こっちも作り……。凄い。
あじのりの神様
あひるなんちゃら
ザ・スズナリ(東京都)
2018/09/26 (水) ~ 2018/09/30 (日)公演終了
満足度★★★★★
■約85分■
公募で決まったタイトルありきで、ここまでのものに仕上げるとは…。いつもながらにバカバカしいばかりでなく(それだけでも十二分だが)、二つの時制を設けるというあひるとしては珍しい試みが奏効し、観たあと何度も反芻したくなる、奥行きがあって味わい深い一作になっている。どこに感応するかは人それぞれだろうが、私は、自分が子供時代にどんなことを面白がっていたか、久しぶりに思い出し、楽しかったあの日々の取り返しのつかなさに涙腺がわなないた。
きつい旅だぜ
yhs
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/09/29 (土) ~ 2018/10/03 (水)公演終了
満足度★★★
■約75分+『駆込み訴え』約30分■
私には、核となるあの設定が、劇を盛り上げるための小道具としか思えなかった。そう思わせないだけの迫真性が、残念ながら感じられなかった。
反復と循環に付随するぼんやりの冒険
演劇屋 モメラス
北千住BUoY(東京都)
2018/09/20 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
■約105分■
お金と価値、ホンモノとニセモノ、反復と循環、境界、ぼんやり……。はじめはバラけて感じられた諸テーマが徐々に結び合い、その果てに、それこそぼんやりとした、それでいてエロティックな境位へと連れて行ってくれる、不思議な味わいの劇。世知辛い話なのに、最後は少し恍惚とさせられた。
上空に光る
やしゃご
アトリエ春風舎(東京都)
2018/09/13 (木) ~ 2018/09/24 (月)公演終了
満足度★★★★
■115分強■
東日本大震災の被災地を“たまたま”舞台にした人間ドラマ、という印象。たまたまなわけはないのだが、そう思わせる普遍性がある。自然にドラマが生起しそうな登場人物の配剤、小道具の望遠鏡の効果的な使用などに冴えを感じた。ただ、“普遍”は“月並み”と背中合わせ。若干の月並みさを感じたことは正直に記しておく。
カニ工船
東葛スポーツ
浅草九劇(東京都)
2018/09/13 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
満足度★★★
■約95分■
“左翼の変貌”を皮肉っているのかもしれないが、現代にもいろんなタイプの左翼がいる。劇中で船に乗っている人たちばかりが左翼じゃない。そこに目をつぶって“一例”だけを取り上げ、それが全てであるかのように提示するのは、対象のステレオタイプ化を必須とする笑いをやる上では仕方のないことなのかもしれないが、社会派の劇をやる団体として適切な態度なのか、疑問が残った。
ふくしゅうげき <東京>
ブルーエゴナク
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/09/13 (木) ~ 2018/09/17 (月)公演終了
「サマータイムマシン・ブルース」「サマータイムマシン・ワンスモア」交互上演
ヨーロッパ企画
本多劇場(東京都)
2018/08/17 (金) ~ 2018/09/09 (日)公演終了
満足度★★★★★
■『サマー・タイムマシン・ワンスモア』鑑賞/約155分(途中休憩込み)■
楽しかったぁぁ〜っ! 続編は作りづらいと言われるなか、パート1との繋がりを大事にしながら面白おかしく話を先に進めていて、申し分なし。演劇界には純粋なエンタメ作品を見下す傾向がある気がするが、優れたエンタメ演劇を作るほうが、思わせぶりなだけで実(じつ)のないアートもどきを作るよりもずっとずっと偉業。と本作を観て痛感した。
ロマン
水素74%
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/09/06 (木) ~ 2018/09/10 (月)公演終了
満足度★★★
■90分強■
軸がブレてしまっている。チラシの文章にあったような、婚姻関係に縛られないパートナーシップのあり方を、もっと真摯に追求して欲しかったのに。これじゃあ、低きに流れるダメ~な人間たちの群像を見せられただけで、性悪説的人間観に支えられたよくあるそこらの小劇場演劇と何も変わらず、『ロマン』ってタイトルとまるで噛み合わない。まあまあ笑ったので★★★とさせてはいただきますが…。
笑う茶化師と事情女子
匿名劇壇
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/08/31 (金) ~ 2018/09/03 (月)公演終了
満足度★★★★★
■約85分■
絶対的な価値観なんてないってことを、理屈っぽい関西男女の舌戦を通じて浮き彫りにしてゆく傑作議論劇。誰もがしんどい境遇にあり、本気で口論するだけに、自分の発言が空砲だと分かった時の取り乱しようはひときわ滑稽。何度も笑った。
しかし、盤石なよすががないとき、あらゆる発言は空砲と化すことを宿命づけられているのかも。
白雪姫という女
ライオン・パーマ
駅前劇場(東京都)
2018/08/23 (木) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★★★
■125分弱■
単なるパロディ、単なる童話いじりに終わらない、翻案の妙を堪能。本家『白雪姫』よりもずっと豊かで味わい深い。加えて、いつもながらのバカバカしいギャグの数々…。楽しみました♪
スマートコミュニティアンドメンタルヘルスケア
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2018/08/18 (土) ~ 2018/08/27 (月)公演終了
満足度★
■95分強■
教師が風刺的なセリフを吐いたりと思わせぶりではあるものの、その実(じつ)は混沌としてとりとめのないオカルト・ドタバタ劇。というのが私見。作りがこれだけ野放図だと、頑張って「理解」しようという気も起こらない。同調圧力に抗えない日本人を嗤ったつもりかもしれないが、それをもっと上手に戯画化した作品は他にいくらもある。しっかし、やかましい劇だったな。これが一番の印象。もっと抑揚を持たせてくれ。
あの子にあたらしいあさなんて二度とこなきゃいいのに
升味企画
アトリエ春風舎(東京都)
2018/08/22 (水) ~ 2018/08/26 (日)公演終了
満足度★★★
■約90分■
同時多発会話が多すぎたり、キーパーソンをあえて登場させなかったり、手法に淫している印象は否めないが、これ以上ないほど酷薄で惨い青春群像劇を老練に、緻密に作り込んでいて、不快感に苛まれながらも惹き付けられる。作劇の手腕だけについて言うなら、とてもとても、23歳の作とは思えなかった。ただ、やはり、キーパーソン、特に男のほうが舞台上に現れないのは物足りない。演劇部員たちの会話だけからではその人物が単なるロクデナシ野郎としか感じられず、その人間的な厚みの無さが劇を安っぽくしているようにも思え、私には勿体なく感じられた。それにしても、開演前に前説をしていた主宰女性は人並み以上の社会性を感じさせるパッと見きわめてまっとうそうな人物なのに、暗い激情にあふれたこんな作品を作るとは…。最後まで、主宰と作品とが繋がらなかった。でも実際は繋がってるんだろうなぁ~。スゲエな。
『首無し乙女は万事快調と笑う』&『漂流ラクダよ、また会おう』
ポップンマッシュルームチキン野郎
シアターサンモール(東京都)
2018/08/10 (金) ~ 2018/08/15 (水)公演終了