身毒丸 Link Project vol.13
Link Project
d-倉庫(東京都)
2013/10/22 (火) ~ 2013/10/27 (日)公演終了
満足度★★★★
星3.8(台本に難)
俳優陣、特に主演二人(身毒丸役市川洋平と撫子役花村雅子)の気迫が客席に伝わる。市川は最初のシーンから最後までテンションを落とすことなく、誠実に身毒丸と向き合っていたようだ。最初から苦痛を吐露する冒頭の台詞は心を打つ仕上がり。花村は、蛇女、撫子、継母との変化をつけながら美しい。天井桟敷、蜷川演出のイメージ強く撫子は妖女(怪)の印象が根付いていたが、「美しい」もアリだと気づかされる。撫子を演じるには良い年齢だったのでは。
山海塾石井則仁は、喋らないからこその身体の威圧をよく心得ていた。
実際の寺山台本には無い役で登場しており、台本上その役の登場に禁忌を感じたのは私だけか。石井の存在感を否定しているわけではない。
言葉のある舞台では無言が光る。役者にとっては手厳しい舞台だったのでは。ダンサーや歌のバランスをとっていたのは佐藤沙予だ。
これだけダンサーを使うのだから、役者が必要なのかも今後の課題ではないだろうか。
チームの纏まりはあったと感じた。
同方向を向く、慢心しない、は、観る者の心を埋めてくれる。
【16日17:00追加公演決定!!】かあいい日本~ごどーちゃんの居る77の風景~
鮭スペアレ
ギャラリーLE DECO(東京都)
2014/02/11 (火) ~ 2014/02/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
不条理描写
ゴドーという不条理劇を不条理劇であるままに、女からの目線として書き換えられていた。誰かが突貫しては「ゴドー」がやってきてしまう。不条理劇の難しさは存在を均一化するからこそ浮き出る個々の虚無、孤独。「昨日の私と今日の私の埋められぬその孤独」という唄が、各々の役者、ダンサーに見えて大変素晴らしい。楽団のチームワークも大変素晴らしい。見たことのない楽器も沢山あり、生音の振動に良い意味で酔う。
劇団銅鑼の土井真波の凛とした座り姿と目線が大変美しい。土井をはじめ、そこに静かに居られる女優陣の存在に感心する。静かに立つ美しさが孤独をあらわし、女性の不条理を感じる。
劇団員清水いつ鹿の声、勿論、演出である中込遊里の声も素晴らしい。花村雅子の唄も良く、珍しく芝居が空気に馴染んでおり、年齢不詳の感じといい哀しさといい、新たな面を見た。
どの出演者も、たんたんと情念に包まれていく。
「ストーリーではない、詩の後味」が残り
浮遊感あるまま帰路につく。良い観劇体験だった。
ネタバレにて。
『起て、飢えたる者よ』ご来場ありがとうございました!
劇団チョコレートケーキ
サンモールスタジオ(東京都)
2013/09/19 (木) ~ 2013/09/23 (月)公演終了
満足度★★★
情緒か……
ルデコでの初演を観ているからか、これは新しい作品だと先入観を拭おうとしても、あのときの硬質感は感じられず。文学座渋谷はるかの「魅せる力」に頼るなかれ、と思いつつも、彼女を豹変させるべき各々の豹変はもう一息、彼女が自ら変化を起こしている感あり。とはいえ、古川氏の脚本は、集団心理を若いながらに真摯に穿っており、今後の執筆にも期待がつのる。
【全日程終了しました!ありがとうございました!】『サド侯爵夫人』不連続上演
絶対安全ピン
都内各所【2013年7月〜12月の半年間、都内各所で不連続に上演】(東京都)
2013/07/07 (日) ~ 2013/12/23 (月)公演終了
満足度★★★
聴覚を特化する視覚とは?
聴覚を特化するには視覚効果についても穿った方が良いと感じた。特に明暗で聴覚がどう変化するのか。その変化がどこで馴れてしまうのか。馴れる手前での策が欲しい。演技?は、稽古不足もあったのか?折角個性的な面々であるからもったいない。ストレートのサド侯爵夫人には胃もたれしていたので、気分転換になった。また観ようと思う。
偽典・地獄変
鳥の血に悲しめど、魚の血に悲しまず
pit北/区域(東京都)
2013/04/12 (金) ~ 2013/04/14 (日)公演終了
満足度★★★
アングラ風
アングラは、現在清潔静謐ブームの小演劇界で再び若者に必要とされている?喋られる役者多し。殺陣良し。女優は胸のはだけを気にするべからず。世界をつくる意気込み良し、あと少しの異様さを。サトウケンジ、次回も楽しみ、固い台詞への慣れに挑むと更に良いのだろう。
ペコラムートンの羊(再演)
劇団MAHOROBA+α
遊空間がざびぃ(東京都)
2013/05/17 (金) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤をもう少し
序盤は乗っていたけれど、終盤の演技のツメが甘い。たっぷりやることは悪いことではない。システマチックな印象の舞台に情緒を足してくれる。間に雨音のようなポツポツとした言葉の音があれば、もっと舞台に客を惹きつけられたのでは。目当ての花村雅子は少年役、活発に動く役者だったとは。
『正解は、喜劇』
8割世界【19日20日、愛媛公演!!】
劇場MOMO(東京都)
2013/05/14 (火) ~ 2013/05/19 (日)公演終了
『ANARCHIST』アナーキスト
anarchy film
新宿アシベ会館B1(東京都)
2013/02/09 (土) ~ 2013/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★
若い熱量
☆、◎両方を観劇する。それぞれに違った仕上がり。芝居は長く技量でみせる俳優は少ないものの、ラストシーンの熱量に胸が熱くなる。他の舞台とは比較できない若い熱さだった。若さにまかせた荒い役作りが目立つなか、◎の花村雅子は、キメの細かいリアクションで好感が持てた。◎のサトウケンジは、話の軸になっていて、彼ありきの後半だった。今後も気になる。