kyuhoの観てきた!クチコミ一覧

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ピグマリオン

ピグマリオン

新国立劇場

新国立劇場 中劇場(東京都)

2013/11/13 (水) ~ 2013/12/01 (日)公演終了

さすが、バーナード・ショー!
ブラボーでした。
バーナード・ショーの代表作であるだけあり、構成は素晴らしかった。観客を飽きさせない。教えにも満ちており、まさに、見る者に教養を与えてくれるような素晴らしい劇でした。
また、石原さとみさんの演技、素晴らしです。テレビ女優で、実力もあまりないのかと思っていましたが、失礼。声といい、雰囲気といい、素晴らしいです。
小堺さんも良い味出していましたね。

2013年、最高の劇だったかも。。

エドワード二世

エドワード二世

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/10/08 (火) ~ 2013/10/27 (日)公演終了

満足度★★★★

人間の欲望を大胆に
マーロウ作の劇を初めて鑑賞した。よくシェイクスピアと並べられて評される人物だが、シェイクスピア劇よりも、より単純で大胆という印象。本作ではマーロウの権力なんてくそくらえ、というような反骨精神のようなものも感じる。
二つの愛(王とギャビンストン、モーティマと王妃)とそれぞれの権力闘争は、一体愛と権力のどちらがその者にとって優先だったのか。上記4人は決して割り切ることなく愛も権力も両方維持しようとする。ここに、人間のエゴイズムが如実に現れていて、昔も今も、人間って変わらないんだなあと思ったりもした。欲望こそ、人間の根源的な「生」を突き動かしているものなのかもしれない。
構成としては、舞台構成は見事であった。服装を現代的にしたり、一面金色の壁、戦闘シーンの紙吹雪など、「おお、すげえ。面白い。」と何度も思った。役者の演技はどれも優れているが、王や家臣の欲望がこれでもか、というくらい直情的に訴える必要があったためか、終始役者は声を張っていた。演出には理解できるが、見る側としては、とてつもなく疲れた。評価できない点としては、この一点のみ。
古典をこんなに親しみ易くできるのは、森さんの手腕にほかならない。

みんな我が子

みんな我が子

Artist Company響人

テアトルBONBON(東京都)

2013/09/21 (土) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

小劇場で見れる価値ある舞台
人は過去を変えられない。未来も予測することはできない。けど、人はより幸せになりたいと思う。今しか生きられないからこそ、幸せにつながる最良と思われる決断をする。ではその時、当人が下した決断は、何を持って良となるのか。誰かのための決断が、誰かのためにならない時。その決断に巻き込まれた人々はどうなるのか。観る者に考えさせられる舞台であった。

ジョーとケイトのコンビがなんとも絶妙である。前列で拝見したが、感情表現に嘘偽りがない。父として、仕事・家族を大切にする姿とおもいきりのある性格を演じた広瀬さん。母としてその弱さと、芯の強さを演じた愛くるしい末次さん。海外戯曲は、訳によって独特の違和感を感じやすい。が、今回はそのような違和感を全く感じなかった。役者は相当量読み込み、セリフを自分のものにしている。

こういう狭い空間で、このような演者の迫力を味わえることにこそ、小劇場の最高の贅沢がある。今回は、しっかりと味わいせていただいた。

OPUS/作品

OPUS/作品

新国立劇場

新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)

2013/09/10 (火) ~ 2013/09/29 (日)公演終了

満足度★★★★

現実的なコメディ
実力俳優5人による見ごたえのあるコメディだった。

まず、舞台構成がいい。
木椅子四脚と譜面台を主体にし、若干の小物のセッティングなどして、人物の部屋を表す。必要最低限の装置で、うまくその都度空気を変化できている。客席に囲まれた舞台なので、客への見せ方に苦労したと思うが、四方へまんべんなく、どの役者も語りかけてくる。背中を見つめながら、良いシーンをむかえることもあるが、逆に私たちがその場に居合わせてしまったような、妙なリアリティがあってよい。音楽も恐らく今回のために収録したのだろう。良かった。

芸術活動に限らないが、人間は時として、名声や金、道具に踊らされ、自身の研鑽には目を向けなくなり、その環境に安住しようとする。
都合の悪いことを受け入れるのは難しいが、その人間の弱さを描いた、現実的なコメディであった。

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