南無阿弥陀ババアの観てきた!クチコミ一覧

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枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ

はらぺこペンギン!

新宿眼科画廊(東京都)

2024/11/01 (金) ~ 2024/11/05 (火)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

『ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ』を観劇。

フツーに「イイ話」なんだと思う。
朝日新聞の「ひととき」みたいに、身近にありそうな話し。
でも「ひととき」みたいな「ほっこり感」はない。

母親はヤク中で、娘はAV女優、親父は娘の親友と逃亡…みたいな、小劇場によくあるブッ飛びシチュエーションじゃないのが、すんごい良かった。
身近にあることをどれだけ掘り下げられるか、広げられるかってのが観客にジワジワと効いてくるんだと思う。
ちなみに朝日新聞の「ひととき」は、橋田壽賀子がスクラップしてたそうです。

村田康二…
やっぱイイ俳優だわ〜。
俳優っぽくない所と誠実さが滲み出ていて、観客を抵抗感なく劇世界へ引き込む。
どのオカズとも合う「ご飯」みたいな俳優だねー。
ファンとしては「ガッツリ村田康二」みたいなもっともっと出番の多い芝居が観たい!

コスモス洋子は、あんだけインパクトあるのに出番が少ないのは勿体ないよ。
コスモスにも「ジョージ相原」語らせなきゃ!
あと10年経っても同じ服着てるのは、さすがに無理があるだろwww

ピーチボーイズ

ピーチボーイズ

Peachboys

シアター711(東京都)

2024/04/23 (火) ~ 2024/04/29 (月)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

毎年、観終わると来年が待ち遠しくて仕方なかったです。
そんな公演って、ピーチボーイズだけでした。

12年も笑わせていただいたんですねー。
いち観客として、ほんとうに楽しませていただきました。
本当に、ありがとうございました!

最後にして気づいたのは、ピーチボーイズの魅力って「役者が活き活きしてる」ところだなぁ。
これほど俳優たちの活き活きしている姿を見られる公演って、そうそう無いよねー。
「活き活き」って、やろうと思って出来ることじゃない。
自身が愉しんでないと出てこない生理現象とでも言おうか…
観客も、俳優たちのそういう姿は観ていて気持ちがいい。
笑いにしても、ただ単に「可笑しい」んじゃなくて、そこに愛情があり体温がある。
でなきゃ、しっちゃかめっちゃかな宴会芸に2時間以上も付き合えませんよーwww

12年、ほんとうにお疲れさまでした。
俳優はじめ今まで公演に関わった皆さんの今後に、どうか幸多からんことをいち観客として願っております!

ネタバレBOX

開演前「三宅法仁の前説も、これで見納めか」と淋しくなる。
でも、本人が出てきて話しはじめると爆笑してたわw
この人の凄いのは、観客の懐に入ってくるんだよねー。
この人からだったら、磁石のついた布団も買っちゃうかもしれない。

熊野善啓。
「水を得た魚」ならぬ「水を得たオジサン」でしたwww
持ってる魅力を全部活かし切った感じ。
岸田総理のことをよく研究されていて岸田の、あの他人の入知恵で喋ってるから、変なとこでブツブツ切る話法が、ほんとにムカつきました(笑)
あと、ピーチの御家芸「グカグガ」と狂う芝居も会得していて笑わせて戴きましたwww
いろんな所でやって欲しいものです。
個人的に今公演のMVP。

福永理未
美女がフツーに出て来たときの「場違い」感に笑う。
まさか「美貌」に笑わせられるとは思わなんだ。
その後、キプチョゲに扮してたっけwww

つつじあゆこの古畑任三郎も健在で嬉しかったなー。
 
島田雅之・園田シンジ・山田健太郎の「ピーチ御三家」の「力技」にも笑う。
島田雅之のワイシャツの釦をしない反町隆史。
園田シンジの原型を留めていない竹野内豊。
こんなにメチャクチャでも、ちゃんと成立させてるのは凄いわ。
みんな舞台に釘付けだもんねーwww
山田健太郎のパンイチで黒い鞄持って電車で帰る流れは「よく考えたなぁ〜」と思った。



トリプルパパパーズ!

トリプルパパパーズ!

はらぺこペンギン!

新宿シアタートップス(東京都)

2023/12/13 (水) ~ 2023/12/17 (日)公演終了

実演鑑賞

年に一度しかない公演。
年に一度しか観られない村田康二の演技と絶叫…www
もはや「ゆく年くる年」ですよ。

今回は、
白坂英晃を「武田信玄」と見間違えるほどの猛将揃いの布陣。
将棋でいうたら、キャストは飛車と角行ばっか。
熊野善啓が香車のごとく一手一手指してきますw

とにかく全員、演技が巧い!
キャスティングもミスって無い。
だけど…

他者に影響されない限り、人間って変われないんだなぁー…親にしろ、子にしろ。

とりあえず今は、ここまで。

立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー

立ちバック・トゥ・ザ・ティーチャー

Peachboys

ザ・ポケット(東京都)

2023/04/19 (水) ~ 2023/04/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は時空を超える物語だけど、この人たちは「矩を踰え」てましたwww

物語の「筋」が弱かった印象。
それだけに各々の場面で、個々の俳優の力量に委ねるところが大きかった。
要は、シーンの出来にばらつきがある。

ネタバレBOX

レヴューは、良かったぁ〜!
マイケルおじさんとタンクトップおじさんが、バーカウンターから出てきて歌い、またバーカウンターへスゴスゴ戻ってゆくのが、個人的にツボだったなーwww

ただ「オレの左の金玉は少し大きい」の曲は、長かった。
もっと詰めて、別の曲をブッ込んだ方がスッキリしたと思う。

つぎに、芝居。
はっきり言いますわ。
今回の芝居の方は、イマイチやったな…。

喩えるなら「糸の切れた数珠」ですわ。
「下ネタ」やら「宴会芸」やらを数珠玉とするなら、その一つ一つを繋ぐ「糸(物語の筋)」が無いねん。
だから、ダダーッと玉がとっ散らかってる感じ。
敵と味方、善と悪、その対立軸がボヤけてる。弱かった。
そうなると、観客は置いてけぼり…。
これは、勿体ない。
最近の「吉本新喜劇」みたいなもんで、単に持ちネタ披露みたいになってしまう。

今までは、なんだかんだで対立軸や筋はあった。
まあ、普通の物語に「時空を超える」っていうイレギュラーな展開をプラスしちゃったのと、「過去」と「現在」の2つを描く必要が出てきてしまい行き詰まってしまったんだろうか…

それでもキャストが猛将揃いだから、ドン白けにはならずに成立させちゃってるんだよねーwww

今回も、島田雅之は獅子奮迅の働き。
レヴューでは「シルクドゥソレイユ」みたいな身軽さを披露していた。忍者もできるね。
公演1回につき、3kgくらい痩せてそうw
山田健太郎と園田シンジも、目立たないようにシーンをリードしてた。
園田に至っては、尻のみならず檸檬まで出しての奮闘!
客演なのに、ここまで親身に回してくれる俳優ってそうそう居ないよ。
今回、芝居の展開自体が不安定だっただけに、この三人の身体を張った演技と熱量に観ている方も救われた。普段は気付かないけど、こういう頼りになる俳優たちに、芝居の出来は支えられてんだよねー。
まさに勲功第一の「殊勲賞」!

敢闘賞は、つつじあゆこと熊野善啓。
ザコシの古畑任三郎も面白いけど、あゆこの古畑も負けてなかったwww
ちなみに今月3日は、田村正和の三回忌でした(合掌)。

熊野善啓のマイケル・ジャクソンも笑ったな〜www
一人だけ霞ヶ関からきた官僚みたいな風貌だけど、レヴューではひときわ輝いていたね。
まさに「小劇場のビジュー(宝石)」でした。
OJISAN'S4

OJISAN'S4

はらぺこペンギン!

赤坂RED/THEATER(東京都)

2022/10/19 (水) ~ 2022/10/23 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

先ずは、
20周年おめでとうございます!

20年って、長いね…
オンギャーって産まれてきた赤ん坊が、ハタチの成人式ですよ。当たり前だけど。
その間、受験だの反抗期だの…と色々あるわけでさー。

この4人にも、山あり谷ありあったでしょう。
ただ、演劇を20年続けられるって、ほんとに幸せなことだと思う。
それも劇団としてさ。
20年もあると、多くは還俗しちゃうわけで…。
そう考えると、夢破れた元演劇人たちのヒーローとも言えるね。
名実ともに、かれらは「OJISAN’S 4」ってわけだ。

さて。

自覚の無いままに歳をとり、
いつの間にか社会から淘汰されてる存在。
それが、オジサン。
そんな4人のオジサン達が、持ち前の責任感と社会生活で培った処世術を武器に、とある都市を救う物語。

舞台が温ったまるまでに時間がかかっていた印象。
「死に間」が多く、テンポが悪い。
カミさんの浮気現場を目撃して「ウォォー」っと絶叫するシーンから、ようやっと芝居が動き出した。
動き出してからは、文句なしに面白い!
賑やかに大団円、勢いそのままにカーテンコール。
とっても明るい終わり方でした◎

「中待合室にお入り下さい」を待ちながら

「中待合室にお入り下さい」を待ちながら

劇団「地蔵中毒」

新宿シアタートップス(東京都)

2022/08/24 (水) ~ 2022/08/28 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

普段は、見て見ぬふりをしている自分の闇に、おバカな笑いのトッピングをした現代版のアングラ演劇。

ちろうに検診

ちろうに検診

Peachboys

サンモールスタジオ(東京都)

2022/03/30 (水) ~ 2022/04/03 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

鑑賞日2022/04/02 (土)

価格3,800円

宝塚歌劇と同じく、芝居とレヴューの二部構成。

毎年たのしみにしている舞台。
この人たちの演っていることは、一般的な舞台とは全く違う。だから、ここでしか体感できない。
よくありがちなテーマや主張、って言うか作品自体をブン投げて、個々の俳優の限界を晒してる感じ。
料理でいうと、かなりスパイスが効いてるんだけど、素材の味がちゃんと判るみたいな。
普通は、東出みたいなのが紛れ込んで味を悪くしちまうもんだけども…。
よくも、このメンバーを集めたものだと感心してます。

すんごいシュールで歳甲斐のないことを演ってんだけど、新国や帝劇あたりの「キザ」な舞台も霞む原始的な魅力がある。
毎回、どんな役とも、またどんな客席ともがっぷり四ツに組む攻めの姿勢は、いち観客として心から敬服しますね。

まだ完成度は低いけど、レヴューは将来的には強力な武器になりますよー。
せっかく階段があるなら、もっと活用しよう!
ヅカファンとしてのアドバイスは、レヴューやるならミラーボールを用意しよう!
あれ一個あるだけで、空気がガラッと変えられるから。なんなら芝居でも使えるし。

今回の殊勲賞は、馬場史子と島田雅之だね。
もはや恥の概念を完全に喪失している馬場と、舞台上のカロリー消費量が一番の島田。
毎回、付け合わせ的な立ち位置なんだけど、観客の集中力が逃げないようにしっかりアシストしていてお見事。

山田健太郎の「初心LOVE」も、沁みたなぁ〜。
オッサンが唄うと、なんだか若者への応援歌に聴こえるから不思議…

園田シンジは、中華人民共和国ならその場で射殺だね。

ネタバレBOX

昭和のセールスマンの雰囲気ただよう三宅法仁のお馴染みの前説でスタート。
観客の懐中に入る前説で、爆笑の渦。

例の如く記者会見で時事ネタ茶化して、暗転。
暗転明けて現れたGOが歳とってて、個人的に爆笑。
そうだ、そうだった「童貞の20歳だったかれらも、いよいよ童貞の35歳になっていた」とチラシにあったではないか。

そのあと、キンタマが一個獲られただのと、内閣官房を巻き込んで支離滅裂で破茶滅茶な物語りが、低予算高衝撃で展開される。
紙屋町さくらホテル

紙屋町さくらホテル

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2016/07/05 (火) ~ 2016/07/24 (日)公演終了

ちゃんと台本読めっ!
★…無星

初演は、新国立劇場の杮落とし公演として、故・井上ひさしの書き下ろし。
キャストは、神宮淳子が森光子、長谷川清が大滝秀治であった。
その後、神宮淳子を宮本信子にして再演。
アタシは、どちらの公演も観ている。
台本も買って愛蔵するほど大好きで、初めに購入したのは二つに割れて、現在は2冊目を愛読している。

今回の公演は、最低の出来。
ま、今回が初見だったり、作品を活字で読んでない方にとっては、それなりに楽しめる???のかもね……(謎)
あのねー、この程度の公演しか提供できないなら、いっそ再演なんかしないで欲しい。
あと、この程度の公演しか提供できないなら、こまつ座自体も先が見えてると思う。
だって、作品に対する真剣味や敬意や愛着が全く感じられないだもん!
「台本が良いから誰に演らせても、客は喜ぶっしょ!」くらいのノリで作ってないか?
作品を理解して、登場人物の性質や役割も理解して、これを演じられるだけの表現力のある俳優を連れて来るのがキャスティングなわけでさ。この俳優に、この役が出来るかどうかの篩がまったく機能しててないんだよ!昔のこまつ座は、この篩にかけてキャスティングしてたんだよね。
昨年末にNHKでやった「きらめく星座」にも言えるけど、冗談交じりの笑える科白を大真面目に言ったり、逆に大真面目に言って笑いを獲る科白を完全に殺しちゃったりと、台本分析の甘さからくる空振りが目立つ。
しがらみを優先してキャスティングを疎かにしたり、クオリティーを下げるなら、間違いなく観客に見離されると思う。

井上ひさしが描くのは、不器用でどこか憎めない。一生懸命やればやるほどなんか笑えちゃうみたいな愛すべき日本人の姿だと思う。
こういう登場人物を演じるには、ユーモアの解る俳優じゃなきゃダメでしょ!
最近のこまつ座は、この点を理解していないんだなぁ〜。
ひとつの科白を書いちゃ消し書いちゃ消しで、いつまでたっても台本が上がって来ない。練りに練った名作でならし、「遅筆」でなかせた井上ひさしも、これじゃあ泉下で泣いてるよ!

ネタバレBOX

まず、
始まりの長谷川と針生のシーン。
2人の視線が、一度も交わらないのが不自然。
長谷川は、自分は戦争犯罪人だ!って押しかけてるわけでさ。自分の要求を相手に呑ませようとする時、相手の顔なり眼なりを見据えるでしょ。視線を外して、斜め下を見ながら要求して、誰が聞くのかね!

「閣下は浮かれておいででした」以下の流れ。
2人に通い合うものは無いのかね?
ココって、2人の距離が一気に縮む所だと思うんだけど…。観ていて、何の変化も無い!

あと、もぉ〜科白回しがクサくてクサくて……。
まるで洋画のアテレコですよ(呆れ)
針生武夫が、なぜかニヒルなキャラクターになっている!?
不必要にカッコつけた科白回しとニヒルなキャラクターだから、ボソボソ言っててるだけで盛り上がらない。
このニヒルなキャラクター設定のおかげで、どれだけの笑いや山場が失われたことか……。
どうして針生がニヒルなキャラクター設定になるのかが、そもそも謎?
あのキャラなら、敗戦した時点で割腹すると思う(笑)
ちょぼくれ花咲男

ちょぼくれ花咲男

文月堂

座・高円寺1(東京都)

2015/06/10 (水) ~ 2015/06/14 (日)公演終了

満足度★★★

〝構成″勝ち!
話の持って行き方が、じつに巧い!
登場人物の身の上まで引っ括めて本筋に絡ませている点は、冗長になりがちな物語に表情を与え、じつに秀逸。
「階級」と「ことば」の関係に着目した点は、素晴らしいですね!
江戸弁や廓言葉などは、現代人に馴染みが無いだけに正しい運用かどうかは不明だけど、少なくとも俳優のレベル差を誤魔化すのには一役買っていたのは確か。
これだけ構成がしっかりしてると、誰が演ってもそれなりのクオリティは維持できると思う。
それだけに「俳優泣かせ」ではあるが……。

もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★

敢えて〝批評″
✳︎美術 ★5
✳︎物語 ★3

上下四分割された舞台。
それぞれ部屋になってて、そこに住む4組の男女の話し。

まず、他人の部屋を覗き見してる様な造り込んだ舞台美術に感動!
舞台にシンクまであるのですっ!
「夢も、希望もなく。』の時もシンクに感動!
今回は、エアコンもある⁉︎
それも、2台も…ww
舞台美術で節約しようとする公演が多い中、ちゃんと造り込んでる舞台って「覚悟」が伝わって来るようでワクワクする!
もう、この舞台美術だけで星5つですよ。
物語が気に入らなくても、舞台美術を観に行ったと思えば元が取れるというか…
演劇というものをしっかり理解している稀有な例ですね。

ネタバレBOX


ダメンズに振り回され、救い用のない状態まで堕とされた女が、ダメンズという「障害」をどう乗り越えてゆくのか…

これは、ネモシュウの作品の共通点なのでしょう。
今回も、最終的にダメンズに女がキレて「出てって!」ってなる。
男女の喧嘩はリアルで堂に入ったものだが、それを4組分も見せられるのにウンザリ…。
「いつまで喧嘩すんだよ〜」「もう勘弁してよ〜」と気持ち悪くなっちゃった。

んで、けっきょく彼女たちが選択したのは、ダメンズでもいないよりはいた方がマシっていう「妥協」でしょ。
これじゃあ、観客としてはスッキリしないよ!

これがさ、悪い男でも金だけは稼いで来るとか、器はちっちゃいけど売れてる俳優とか…女のために何か一つくらいできる事のある男なら、彼女たちの「妥協」も理解できる。
そうすれば、男より一枚も二枚も女の方が上わ手だねって方向に持って行けたし、そっちの方が観やすかったと思う。

でも、これに出てきた男たちは、逆さにしても、裸にしても、何も出てこないサイテー男どもなワケ。
そんな男どもと撚りを戻したって、苦労するの目に見えてるし。
スモーク焚いて時間を戻しても、資生堂〝TSUBAKI″真似ても、ダメンズはダメンズ…。
誤魔化せないよ!
これじゃあ、彼女たちの「妥協」という選択をまったく肯定できないでしょ!腑に落ちないよ!

ま、クズ男どもを棄てずに受け入れるという「悟り」にも似た広い心を彼女たちは手に入れたと考えれば、『もっと超越した所へ。』いうタイトル通りなんでしょうけどね…。
でも、アタシは妥協だと思うし、彼女らの負けだと思った…。

役者については、男優陣のテンションが最初から最後まで全部同じなのが残念。

右下のセリカ棒男子。
初めて訪問した女の部屋で、フツーにベッドに座るか?
添い寝後の暗転あけから、ベッドに座るなら解る。

あと、せっかく「覗き見」舞台なのに、ウケ狙いという程ではないが客席意識の台詞や演技は必要だったのか?
4部屋の物語が淡々と進む。
だけど、上下でシンクロしちゃってるよwみたいなんが良い感じがした。

他劇団の公演と比べれば「別格」も過言でない出来。
だが、この公演単体では、それほどでもない印象。

絶賛の中、こんなこと書いてすんません…。
カクシンハン版 オセロー Black Or White

カクシンハン版 オセロー Black Or White

Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー

シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/04 (月)公演終了

満足度★★★★

行って良かった!!
〝白″を観劇。

3時間半の長丁場だったが、長く感じなかった。
これって、凄いこと。
出演者らの「集中力」の成すところが大きい。
しかし、各出演者のレベル差があり過ぎて、物語の世界に入り込むまでに時間がかかった。

アタシは、シェイクスピアは大の苦手…。
あの「修辞」のまどろっこしさにウンザリするのと、修辞が長くて「結局、何が言いたいんだっけ?」みたいな主張がぼやけるのが嫌い。
だけど、この公演は「修辞」を上手に処理していて実に秀逸であった!

舞台美術もよく練られていて、無駄がなく、徹底的に活用できる物を作っているところに感心!
照明と舞台美術を駆使して、舞台全体に表情を生み出していた。

演出としては、役者の出し入れが上手。
いつまでも舞台上に晒さずに、鮮度の落ちない内に上手に引っ込めてた。

シェイクスピアで面白い作品に出会えるのは貴重。
もう一回観たい作品。


アセリ教育

アセリ教育

夢ノ島企画

ART THEATER かもめ座(東京都)

2014/11/01 (土) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

「Fランク」芝居
この公演に関わった凡ての人たちは、猛省すべきだと思う。
「劇評」以前の問題ですよ。
演技・演出・舞台…何一つ、観劇に耐え得るレベルに達していない!
要は、煮詰まって無い!
稽古を観せられてる感じ。
結婚式の余興より酷いよ!

まず、役者の掛け合いが甘い。
ものすっごォォォく、甘いっ!
練習不足そのもの。
ただ、シャウトして、ハイテンションで押せ押せドンドンで終盤まで持ってけるわけねーだろ!
中屋敷の芝居って、そんな単純じゃありましぇーん!

何か面白いこと書かれてるから、それっぽく演ったらウケるんじゃね?みたいな…。
あのねぇ…もっと書かれいる事とちゃんと向き合うべきでしょう。
台本の上っ面だけなぞっても、身内(サクラ)だけしか喜ばねーよ!

先生のオリザニン

先生のオリザニン

劇団俳優座

三越劇場(東京都)

2014/06/12 (木) ~ 2014/06/27 (金)公演終了

満足度★★

キャストを変えて、もう一度!
目の付け所は、素晴らしいですね。
歴史という砂の中から、よくぞ!発掘して来たものだと思います。
読み物としてなら大宅壮一NF賞も夢じゃなかったんじゃないでしょうか?

ただ、芝居は「読み物」ではありません。
どんなにネタと台本が優秀でも、作り手に実力がないとアカン!
この芝居観て思ったのは、作り手側が「鈴木梅太郎博士の苦労話」を持って来た時点で満足してんなぁ〜って事。
加藤剛や知り合いが出演してるだけでお腹いっぱいな人とか、観劇自体が非日常の方なら場の雰囲気に呑まれちゃって「とりあえず感動!」みたいな(笑)

でも、あくまで「いち芝居」としてしか観てないと、役者の演技はせいぜい30点でしょう。
全くもって、役者が育って無い事を露呈してました。
だって、「明治」という時代も人も何も表現できてないんだもん!
特に女優は、戦前の女性の持つ品も知性も育ちの良さも何にも無い!
栗原小巻が辞めるのも解るような気がします(だって、彼女と正反対な女優ばっかだもんな…)。
役作りくらいしろよ!何にもリサーチしてないだろ!
役者がアホなら、演出が教えたれや!

演出家は、書店員じゃありません。
「マイナー名著」掘り出して来るだけじゃ駄目なんです。
ただ、台本は良いので劇団/演出/キャストをみんな変えて再演して欲しいですね!
西川信廣あたりが演出したら、読売演劇大賞狙えるかも…(笑)

あと、観劇料ボッタクリ過ぎっ!
実力が、観劇料に見合ってません!身の程を知りましょう。
知人の招待だから行きましたが、身銭を切るなら同じ三越劇場でも新派の方がクオリティ高いです!

リーガルハイハイ

リーガルハイハイ

Peachboys

シアター711(東京都)

2014/04/21 (月) ~ 2014/04/27 (日)公演終了

満足度★★★★★

ナイスですねぇ〜
✳︎評価★4.5

下ネタの使い方が、じつに巧み!
下ネタにつきまとうあの気恥ずかしさはなく、下ネタを凡て笑いの実弾に変換させているところは、よく練られている。

ぬれぎぬ

ぬれぎぬ

アマヤドリ

シアター風姿花伝(東京都)

2014/04/01 (火) ~ 2014/04/23 (水)公演終了

満足度★★

わけワカメ……
どう書いてよいのやら…
後日、まとまってから書きます。

ただ、すっごく「浅い」創りでした。

阿Q外傳

阿Q外傳

NAT

こまばアゴラ劇場(東京都)

2013/10/31 (木) ~ 2013/11/04 (月)公演終了

満足度

んーーーーっ
たしかに「熱演」はしてました。
つまり・・・・・・オーバーヒートしちゃってる場合、クールダウンしてから初期化して再起動しなきゃダメってことですね。
よくわかりました(笑) →この点は、解かるヤツだけ解かればいい!

「権力」と、それを持たない「大衆」との関係について、とても単純明快に描いた作品。権力と大衆の構図は、政体の変化にかかわらず存続するわけで、それだけに現在を生きるあたしたちも自己投影して観られるんだと思います。

ただ、この公演からそれを感じるのは深読みかなと・・・



ネタバレBOX

処刑の場面で、あたしはてっきり阿Qを知る取り巻きたちが名乗り出ようとするものの、そんなことをして自分も阿Qの二の舞はゴメンだと思いとどまる葛藤を描くのかと思ってました。
しかし、「殺せ!殺せ!」と大盛り上がりしている連中に「お前たちの中の、誰か一人でも阿Qの無実を主張すれば、阿Qの死刑執行は取りやめにできる」と言って名乗り出る者は、果たしているだろうか?
あたしは、この科白を完全に殺しちゃってるな・・・と思いました。

普段、あたしたちも「政府は、何やってんだ!」とか批判することもあるかと思います。
が、だからといってデモに参加したりはしません。
自分に影響のないところでは、言いたい放題批判してるくせに実際に行動する人間は圧倒的に少ないものです。

阿Qが無実なのは、みんな知っている。
自分が名乗り出れば助けられた命を自己保身のために見殺しにする。
そこんところを描くのかなと思いきや、あんなに盛り上がっちゃっては無理ですよね。
ま、そもそもそういった認識はなかったのかもしれませんが・・・。

上記のような理由で、あたしがあげられる★は1つですね。
ほかにもいろいろありますが書きません。
星の数からご推測を!
音楽劇「それからのブンとフン」

音楽劇「それからのブンとフン」

こまつ座

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/10/03 (木) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度★★

不完全燃焼!!
市村さんは、イメージと違うな・・・
大友憤は、デブで不潔なイメージを想像していたので、市村さんではスマートすぎます。

でも、小学校とか行って演ったら、子供だったらケタケタ笑って喜んでくれると思います。

ずっと二人で歩いてきた

ずっと二人で歩いてきた

演劇集団キャラメルボックス

サンシャイン劇場(東京都)

2013/08/06 (火) ~ 2013/08/17 (土)公演終了

「鮒寿司」みたいなもの
「好み」の問題って言ってしまえばそれまでなのです。
ただ、あたしには合わなかったってことなんです。

演ってる方も、観てる方も「キャラメル・ワールド」とでも言うべきすっごくクセのある芝居が自分の好みに合えば、迷い無くナンバー・ワンでしょう。
でも合わないと辛い。まるで「鮒寿司」です。
アニメの声優みたいな発声と、これまたアニメみたいな演技。
自然体でリアルな演技を追求している今の日本演劇界の流れに逆行しています。

ただ、物語はやっぱり面白いです。

頭痛肩こり樋口一葉

頭痛肩こり樋口一葉

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2013/07/11 (木) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

満足度★★★★★

なんてったってキョンキョン!!
俳優、演出、舞台美術・・・総てにおいて「丁寧」な仕事っぷりに感動。
最近の舞台に言えることは、「雑」とか「粗い」というのではないけれど、どうも各セクションが分離・独立しすぎていて一体感がないと言うか何と言うか・・・
普段は別に気づいてないのだけれど、こういう舞台をみると「そうだったのか」とハァっとしちゃう。
すっごく「昔ながらの~」って感じがしました。
あたしだけかな・・・

今回の一番の楽しみは、連ドラ『あまちゃん』のヤサグレ感に「本物」を感じていた小泉今日子の演技。
叩き上げの舞台女優とは違う、独自の役との向き合い方をしているなと感じました。
要は、目的地にたどり着けば言い訳で、そこまでの行き方は俳優に任されている。どのルートを選択するかは俳優のセンスの問題。どの道を通るかでゴールの見え方も違ってくる。もちろん観客からの見え方も。

実力のある多彩な顔ぶれが揃う舞台って、ほんとに面白い!
いくら多彩でも「実力」が無いヤツは、駄目だけどね。

小野寺の弟・小野寺の姉

小野寺の弟・小野寺の姉

ホリプロ

天王洲 銀河劇場(東京都)

2013/07/12 (金) ~ 2013/08/11 (日)公演終了

芝居の属性
※無星

ベタですねぇ~。ベタベタですねぇ~凡てが。
「見たい!」で書いたとおり予想の範疇を出ませんでした。

でも、キャスト目当てで観劇した方なら、星5つでも足りないでしょう。
って言うか、キャスト目当てじゃないと元取れない芝居です。
片桐はいり、ユースケ・サンタマリア、向井理・・・スケジュール抑えるのも一苦労な売れっ子でしょうから、9000円くらいするでしょう。
けど、アタマじゃ解かってるんですけど「高けぇーよ!」って思わされる芝居って・・・・・・5800円前後なら許せるかな。これがキャストのファンじゃない観客の感想です。

この種のお芝居を評価するって、ある意味「邪道」だなってつくづく思いました。だから、キャストの演技がどーのとか、筋がどーのとかは書きません。

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