満足度★★★★★
悲恋→心中→世話→転機→危機→!!
伝統芸能の部類だけどセリフは一部現代口語、照明は明るく時にミラーボールまで使い、人形なのに表情から仕草のスムーズな動き、悲哀と滑稽さのバランスと義太夫、三味線、人形遣いの活躍はもちろんの達者さ。
誰でも楽しめ、お話も最終的にめでたしめでたしで終り。
三谷流男女のお話、おもしろかった。
満足度★★★★
休憩後、お隣は戻って来なかった
再再演。
その当時、グループ魂で雑誌ビックトゥモローの事ネタにしてたのに、今では看板役者がそれに紹介されるまでに出世?したもんなー。
予め題材の内容を知って見るという事や、国から表彰される役者を出演させる事とか、元々リスクあるわけで、当時とは違う劇場サイズの環境で見る舞台は新しくもあり、懐かしくもあり。
膨大な情報とスピード、最後の晩餐のようなエンディングはいつもながら痛烈。
あの当時と今の世の中はあまり進歩していないが、普通に目にしてたエロスはますます隠れた方向になっていき、普通の「はじらい」という行為は減退しつつあるような。
世の中を這いつくばって生きている者こそ見えるものがある道徳・倫理の強烈なメッセージ。
出演者さんは皆良かったです。
エスダマスさんは場面によっては、独り舞台の様だった。
満足度★★★★
初見。
安部公房作品で興味深い演目だったので観ました。
説明文の通りの内容でしたが、コメディ要素のある「人命救助法」と、真逆のシリアスさを持つ「タニンノカオ」
両作品ともそれぞれの違いが明確で面白かった。
ネタバレBOX
個人的には「人命救助法」のブラックユーモアな結末の方が好みかな。
「タニンノカオ」の事故による悲劇、孤独な生き方、愛する人に去られていく男の人生が何とも物悲しい。シェイクスピア劇の十二夜みたいな鏡の使い方は眼を惹いた。
不条理というものの、ちゃんとしたストーリー性を感じた舞台でした。
満足度★★★
再演だが大幅に改訂してた
12年前の作品に一部設定は沿うものの、いろんなモノをふるい落し、今の生き様みたいなのが見え隠れしていたガジラらしい硬派舞台。
ケラさん的要素を求める部分は消失している。
広々な舞台上に、象徴的な井戸と柱と車椅子があるのみ。
正気と狂気が同レベル、暴力と死と生存について見えない状況の中、息を潜めて過ごす三兄妹の顛末。
ネタバレBOX
やくざと一心同体の長兄=栄一、土地家屋売って娯楽施設建設目論んでいるが、そこが産廃による汚染地である事は隠している。
母の死について疑問のある末弟=晃、ルポライターだが、ある噂を聞きつけ帰郷。
母を看取った長女=怜子、行動範囲が狭くなっているせいか生き方も場当たり的。
母の痴呆と介護の末に病死、産廃で汚染された土地の実情が井戸から伝わってくるかの様。話の物事が昨年からの原発を彷彿とさせて胸が痛む。
見ているだけで酷、緊迫感あり過ぎてちょっと疲れたけど。
シロアリの羽音と天井から一定即で落ちる滴が印象的だった。
ランドセル背負ってフツーにシビアなセリフ喋る千葉さんと、酷い事になっているのに額から血を流す姿のジツナシさんに笑ってしまいました。
塩野谷さん全裸!期待を裏切らないヤクザっぷりが逞しい!
中年妊婦の暗部が見え隠れした柿丸さんが良い。
元は優しい女の子だったと思うが、母の介護と諸々から自分の行き先を悲観と苦悩した先に耳をつんざくような絶叫セリフ使いぶりが良い意味で苛つく、とみやまさん。
皆戸さんの一癖ある女ぷりが小悪魔的で綺麗、出番少なかったけど。
柴田役の山口さんはヤクザの舎弟だったのか?風見鶏的な役割に見え、よくわからなかった。
満足度★★★
時空を越えたメッセージ
毛利衛氏の原作を舞台化、原作未読。
出だしから某劇団が頭をかすめるもアクティブな動きに直ぐに消失。
少年少女の頃に思い描く未来と心と成長を社中版らしく軽快な疾走感で通した夏休みにふさわしいサイエンスファンタジー舞台。
今の子供は楽しめる舞台が沢山あって良いなぁ。
ネタバレBOX
舞台セットが「天守物語」の構造、ステージ中央にストーンヘンジ様の建造物?がある。
父親と約束した人類初の火星探索の為、宇宙船カムイの乗船員となったモマ。常々、人間はどこから来てなぜ生きているのか、という事を明るく(っていう風に見えた)考えている。
生まれる前に火星に宇宙飛行士の任務に就き、そのまま帰らぬ人になってしまった父へメッセージを送ろうと友達とロケットを作っている北国に住む少女ユーリ。
彼女の前にある日幽霊が現れ、宇宙の境界線について問いかける。
メインの3人に絡む人達、原作には多分使われていない発言や行動に舞台用の演出、台詞廻しなんだろうなという事が思いつく。そんな中での生命や宇宙に関する発言は興味深かった。まわり回って皆いい人ばかりだったな。
宇宙ロケット発射の時、身体を使いダンスで表現していた手法は面白かった。
ラストシーンの美しさとファンタジーに壮大な宇宙空間が拡がって見え、とても綺麗。また、ユーリの歌う詩の内容も素敵だった。正にイメージソング。
終盤の台詞「全部繋がっている」の意味が哲学的で深かった。
満足度★★★★★
傍聴席より観劇
派手な装飾不必要、肉厚のセリフの応酬とその行方につい身を乗り出す。昭和史のデリケートな題材を扱った、立派なエンタメ舞台だった。
ネタバレBOX
舞台上には5人の日本側弁護人と、卓上には彼らの命綱ともいえる膨大な資料と彼らのコップと水差し。一階を判事、検察人、戦犯と見立てた客席と二階から見る傍聴席。
通訳を通しての議事進行なので、口喧嘩になりそうな事態に陥りそうになる所を冷静に判断しつつ、裁判は進む。終始一貫役柄の性格がしっかりしていて、時折、検察や裁判長達(客席)に唾を飛ばしながら睨まれる為、その迫力に思わずビビるが緊張を強いられるだけでない、細かい台詞のやり取りの中、時折軽妙な笑いも入る。
終盤、短いながら淡々と体験を語りかける姿勢に思わず胸が締め付けられた。
自分が観覧した日は、たまたま長崎の原爆の日。平和のメッセージを継承していくように、この舞台も定期的に再演してもらいたいと思った。役者さんはシンドイだろうけど(苦笑)
満足度★★★
最終日観劇
オリジナル未見。
改訂脚本と演出により、昭和のエッセンスに平成の千葉風味を加えた為か、多少猫ホテのテイストが見え隠れしていたような気がし、全体の焦点がぼやけて見えてしまった印象が無きにしも非ず。
前半のアドリブ応酬合戦についニヤニヤ、十人十色のある意味やりたい放題の曲者役者芝居。
辛気臭く損な人生を軽く笑い飛ばせるいい〆方でした。
ネタバレBOX
良い子・悪い子・普通の子、小ちゃな頃から悪ガキで〜ではないが、幼稚園時代から健全とは真逆の生き方を強いられてきた、連れ子・パンパンの子・捨て子・死刑囚の子・乞食の子5人と、学生時代に普通の子が加わる。その中に男子を虜にする?噂の転校生がやってくるが、妊娠したまま誰の子かも告げず、彼らの前から居なくなる。
時代が変わっても彼らの境遇はそれほど改善されていないが、ある手紙がキッカケで川治温泉へ行く事に。
温泉地では、当時とは変わり果てた一軒家の子と転校生が暮らしており、その子供が仲居で働いている。作家を気取っているが実は母子に暴力?を振るう始末。
訪れた5人の誰とでも駆け落ち出来るチャンスはあったと思う母、そのキッカケを作った娘に見えた息子もまた、母の業を繰り返しているようで切ない。
最後、普通の子が温泉に浸かり「あ〜」「う〜」って言葉が自然に出てくるシーンに、過去よりも未来(という大それた言い回しでなく)明日が良い日だったらそれで良いじゃないという気にさせられる。
スナックのママさんは安定の鉄板ぶり。どこの土地でも、「ゆみ」は実際いそう。かおるちゃんが切なく健気。
じゅんじのてんやわんやぶりに一緒にもがきそうになり、こういちの身体能力の素晴らしさに目を奪われ、たけおの美声に酔い、みちやの口八丁に笑わせられ、はるおの立場に眉をひそめそうになるもあの笑顔に安心し、かずやの潔さに熱くなる。
その当時の舞台を観ていないのでどの辺りが改変されているのか不明だけど、最初から最後まで一定のテンションの高さを要求されて、またそれに役者さんがちゃんと対応し見せ場が用意され、見ている方も盛り上がる。
全員の個性が強過ぎて話の筋が大雑把にも感じたが、登場人物の紹介から見える悲壮感とかはなく、むしろユルい。明日からも力を抜いて生きて行けば良いじゃないかな、とぼんやりと思った次第。
満足度★★★★
ちゃんと魔法も使ってました
魔女の館で展開する、神父と魔女の噛み合ない会話やそれぞれに似合った衣装、どれをとっても見飽きない。不条理劇と言われると敬遠されがちだが、そんな事はなく、素敵な役者二人による雰囲気の良い劇場で過ごした濃密な70分舞台。
ネタバレBOX
壁の魔女の衣装や魔女アイテム、箱庭みたいな街の模型。全てにおいてかわいくってお伽話のよう。
魔女は風邪をひいて小間使いのエミリーを呼びまくるが、いつまでたっても出て来ない。魔法は使えるけど、この世界でも病気を治すのはやっぱりお医者さんらしい。魔女仲間に電話はしても一方的に話が終ってしまう。
魔女は出した覚えのない招待状を持って無賃乗車で訪れてきた神父。
招待状の文面から明らかになっていく孤独な魔女と、魔女裁判に関わったため、教会の協会?から破門された神父。
流石に魔法は使えるが時間泥棒までは出来なかったか。
噛み合ないと思っていたやり取りも、旅立つラストに二人の孤独さがより際立って見え、最後まで見飽きなかった。
面白かった。
満足度★★★★★
対象年齢:幼児~大人まで
あの感覚を一瞬で呼び覚ますのは日本人特有のDNAからくるものなのかも。いつもより、目線の下がったイキウメ舞台だけど、懐かしさと面白さ加減が絶妙。
音響含め照明などの効果も楽しかった。
大窪さんの子役ぶりも見事でした。
極一部、マナーのなってない親子連れがいたのは残念。
満足度★★★★
最終日ソワレ観劇
昨年のvol.1は出演者4人が各責任者で、バラエティ豊富な内容でしたが、今年のvol.2は山中弟が責任者。
タイトルの「おかげ参り」は、公演が開催されるにあたり関係者、劇場、観客等多方面から受けた厚情に対してのタイトル。
話の内容が、'08年公開のウェス・アンダーソン監督の映画「ダージリン急行」という作品にインスパイアされて脚本を書き上げたそうで、山中弟氏の記念すべき一編の処女作戯曲(!?)。
一部映像を交えた、約90分のロードムービー風芝居。
映画は未見、なので見ていたらもっと観賞ポイントも違うと思うけど、言葉や行為に頼らず、優しくって、少し憎めない兄弟の再生物語。
母の愛情はでーん!と大きく強く、そして優しい。
出演者は2~4役の掛け持ちのため、早入れ替わり。歌があったり、おなじみのキャラが出たりと内容盛り沢山。休憩コーナーの幕間には日替わり担当者による出し物があり、自分が見た時は山中兄の劇中キャラのまんまの一人芝居?でした。←用事あってちゃんと見られなかった。残念。
劇中、篠井さんの美と歌声を間近で見聞きできる贅沢さに感動倍増。
それぞれ、力のある役者さん達ばかりだけど、適度なユルさもあり。ただ、小劇場等で見てる舞台ではないし、お酒飲みながら見る分にはちょうど良い、充実した面白味ある舞台でした。
今回の舞台をDVD化するという事で予約はしていたが、今のところ、通販等の予定はない模様。
ネタバレBOX
コロッケにするならムネ肉がお薦め←見た人にしかわかんないけど。
映像作品の出演も多い聡さんが作った作品故か、前作(vol.1のガラスのお面の時と)同様、今回も映像使用し、冒頭の映像挿入から物語が進む。
オープ二ングの映像導入部でなぜ旅に出る事になったのかと、軽く触れるが、その映像の中に、どっかで見たような顔がちらほらと見え隠れしてて‥w
ある日、事故で長男が瀕死の状態にあう。その時、あるメッセージをキッカケに疎遠になっていた兄弟と、父親の遺言を果たす為、子供の頃に離ればなれになった母親に会いに行く事になり、新幹線で待ち合わせる事に。地味で静かなペースで進み始め、兄弟の結束を固める為の珍道中。映画がインドを舞台なら、ここでは四国巡礼みたいな感じ?
妻の実家がタクシー会社を経営している一郎。
事故の為、頭に包帯、首にはコルセット、足は引きずり、そして胸には決してブラジャーなんかではない大胸筋サポーター装着。小袋に詰めた白い粉を持っている。それがどこか怪しげで疑心が募るニ郎と四郎の弟二人。
羽振りの良さそうな兄に仕事の無心をする二郎。
白スーツに白い靴、テアドロップ型サングラス、チャラさが妙に似合う無職。実はvol.1でも登場し、華々しく解散したエアバンドボーカルのレオナルド・デカチンチン。
三男の三郎が不在の訳は‥。
売れないライターの四郎。
幼少時の兄弟間の話をネタに本を出版している。
金銭的に余裕ありそうで、そうでもないそんな三人。兄が握手をしようとするが長年の気負いがある為か微妙な空気も醸し出す。
久しぶりの再会にぎこちない三人、並んで座った座席はどこか狭苦しくも見える。
新幹線の車窓から見える風景は、見る人によって悩みや不安を抱え込んだ分、違う景色にも見えているのかもしれない。
トンデモない伝染病で隔離された母親と再会して、後に歌手となって回復した母親。ここら辺はお馬鹿テイスト満載。だけど、なぜかその境遇に澄んだ気分?にもなれる不思議さ。
舞台上には登場しない父親。遠い存在かと思い、交わる事のなかった父と子。父の希望で縁の地に遺灰をまく一郎の長兄としての潔さ。兄と弟、これからの関わりを模索している二郎の表情。自分の幼い記憶の中では覚えきれなかった父の存在感の行動と、それを静かに聞き入る三郎の表情に思わず心が揺れた。
最終日という事で、終演挨拶時、劇中使用した私物小道具のオークションを開催。これはどっかに寄付、などではなく単に「赤字なので!」という事で実施。
草野さんはグッチの紙袋に入ったバンドメンバー時代のネクタイ
山中兄は旧国鉄時代の車掌さんの帽子
山中弟は腕時計
篠井さんは着用しているステージ衣装とスカーフ等の小物4点セット
・・英介さん、せめて衣装と小物は別にして欲しかった‥w
昨年に近い感じかなーとぼんやり思い込んでて、開場後、暑かったんでお酒呑んでややほろ酔い状態の観劇。が、予想外に真面目で良い話だったんでビックリした。なので、ちゃんと理解しきれない部分が多々あると思いまーす。でも、満足、充実した舞台観劇でした!
満足度★★★★
アフタートーク付き
小学生時代の切な過ぎ、でも笑っちゃうような生き様に、自分の半生と照らし合わせて、つい不思議な思い出し笑い感覚。
当日、岩井氏一人でアンケートを基にしたアフタートーク有り。
覚えている分だけ、ネタバレ記入。
ネタバレBOX
順不同で思い出し書き。多少言葉違いがあると思います。記述の(〜〜)は個人的な意見です。
・ファミコンのゲームはやっているのか
→録画した映像テープを流している。なので連打している所はそういうフリをしている。ただ、平原さんには稽古休みの時に一日で全面クリアさせた模様。
・映画の方は
→映像の仕事もやりたいが、カメラマンとか絵の構図がしっかりと出来る人がそばに居ないと出来ないと思う。基本的に色彩がめちゃくちゃ、やはり役者や人を見ているので監督とかは‥?(どうかな、と言うニュアンス)
・好きな劇団は
→しばし考え、「ない」
・劇中の橋本について
→実在の人物を基にしているらしく、その演出法を取り入れた模様。
その人は演劇界の東大こと某学校(学校名は自粛)にいた。
・ミュージカルは
→引きこもり体験があり(ここら辺は有名だと思うので割愛)その後カルチャーセンターの社会人の為の役者体験講座みたいな講座に入校。 一番若いのが自分、その次が47歳の女性、他はジジババ。
そんな中、岩井さん主役でミュージカルをやることに。青いアイシャドー塗って外人メイクで、話も最初に成功するが途中からアル中になり、アル中のまま死んでしまう内容を陽気な歌や踊りで通したミュージカル作品。(タイトル失念)「(質問には)やらない」
・登場人物の役名について
→「冬月」とかカッコつけた名前は嫌い。「田中」「山田」「佐藤」〜基本的にこれらを使う事が多い。
「吾郎」については、元から吾郎!って言う名前しか思いつかなかった、と。
・劇中のオシッコは本物?
→即スルー!
・好きな劇場は
→考え込み「ない」結局中身を見ているので、ない。逆にどこの劇場が良い?嫌いな劇場ってありますか?と質問返し。お客さんの一人が某劇場を挙げるも、岩井氏はそこの劇場で舞台は見た事ない模様でイマイチ、話に乗れなかった模様でした。
・漫画を投稿しようと思うが「りぼん」と「なかよし」どちらが良いか
→少女漫画は「あさりちゃん」しか知らない。考えた挙げ句ちびまる子ちゃんはどこに載っているかで「じゃあ、りぼんで!」
・今朝の朝食は何食べた?
→こーゆーの思い出さないと脳が〜としばし考え、「食べてない!」
他、詳細は忘れたが
・劇中、自分はソフト持っている側の人間だった。
・芝居同様、ゲームをやりに友人宅へ行っていたがそこは父子家庭。 友人のお父さんは(分け隔てない気さくな人柄のようで)普通に声をかけてくれるような人。
・ある日、今作の舞台セットと似たような部屋でゲームをやっていたら若い女性とお父さんが居て、そのソファーの辺りから「(小声で)やめろよー」とか今まで聞いた事ない少し乱れたお父さんの声が聞こえてきた、背中越しに後ろで何をやっているのか子供心に不安と好奇心がでたが、ドキドキしてエロの不安の方が勝り、今も多少トラウマになっている。実際は耳かきやっていただけだった。
・タイトルの「ポンポン」はチアガールとかが持っているあのポンポンの事らしい。
・流行したゲーム器材を集めるのに少し苦労した様子。
小学生時代の自意識過剰な性格行動がメインかと思いきや、後半、社会人劇団の稽古場風景の一コマに移り、友達と同じ事して仲直りという、その結末にどこかノスタルジックな親近感もあり、懐かしい体験を思い出したような不思議な感じで劇場を出た。
満足度★★★
境界線の交差部分からひき締まった展開へ
戯曲で内容把握、舞台は初見。
上演前、客席の雰囲気が学校の文化祭のような活気だった。
特に改変もせずに原作通りで驚き、客席には初演には生まれてなかった子が多勢居たと思われるが、その年代でもしっかり笑わせてたので二度びっくり。元々の戯曲の面白さ故の強みという事かな。
その当時の役者=昭和のおっさんが喋った方が似合いそうなセリフも多々残っていたので、そこら辺は変えてもよかったんじゃないかな、と思った。上演時間約80分。
ネタバレBOX
話の虚構と現実とナンセンスさを、台詞と最低限の小道具や照明で上手い事整理して見せた、舞台作らしい内容。
年齢的な役柄が配役に合っていないような気もしたが。
終演後のトークがややグタグタ気味。頑張っているのはよくわかったから、そんなんはブログでまとめて簡潔に話してくれw。
刑事と誘拐犯の二役同時進行、最初は暗転で区切っていたのが時間が経つにつれ境目がなくなり、現実と虚構世界が交差。
虚構世界の出来事だから、誰が誰を射殺しても可能な終らせ方、現実世界の受け捉え方に、いろいろと考えが広がり面白かったが、どこかすっきりとしない印象も残った。
話の迷路にまんまとハマったと言う事か?
満足度★★★
初日観劇
はて、三人姉妹ってこんなんだったけ?
昨今の日本の恋愛中毒を反映したような想像を掻き立てるような話だけど、肩苦しくない、ウイットに富んだ笑いもある舞台だった。上演時間約2時間。
ネタバレBOX
登場人物名は全てチェーホフの作品のままだけど、純和風の冠婚葬祭と現代恋愛産業と恋愛事情を絡ませ、雑談アドリブのような丁々発止会話の内容にさもありなん、と思ったり。
舞台奥に小窓のような空間、木製の長椅子が一つ置いてあるだけの舞台。
長女:オーリガ、28歳、婚活したいが怪しい婚活サイトにハマるのを危惧している。
次女:マーシャ、26歳、18歳でクルイギンと結婚。表立っての夫婦仲は良い。しかし、手首斬ったり首斬ったりとよく自殺未遂起こす奥さんを持つヴェルシーニンとダブル不倫中。そんなクルイギンはマーシャを振り返らす事に努力している?
三女:イリーナ、20歳、電話交換手だったっけ?事ある毎に歌うソリョーヌイとちょっと頼りにならないトゥーゼンバフに求愛されまくり。
三人の唯一の男兄弟:アンドレイとその妻:自由な気ままな発言ばかりするナターシャの結婚披露宴から話は始まる。
三人姉妹と対極にある現代のガーリー三人娘、世田谷のユダヤ人には笑えました、てか三人とも良い。
チェプトキン:60歳を越えて独身。ためになる事を言っているようだけど、んん?と思うような情けなさも見えたりして。
夫とは違う男性への気持ちの揺れと、自分の世界観を合わせ持った表情、時折ドスを利かせる占部さん良い。
不器用だけど恋に溺れたい女の一面を見せた西田さん、そんな女の人実際いそう。
二人の男に言いよられて、毅然と対応するのかと思ったらそうでもなく、どーしよーかなーと迷ったあげく、選んだ男は後に死んでしまい‥。若さ故の痛々しい姿が切なーい!
女の人が元気だと、男性陣は人生の力加減が弱くなるのが見える気がした。
昔よく見た結婚式の親類とご祝儀風景から始まり、お葬式の風景で終る。雪景色や喪服姿で全員が一斉に台詞を喋る場面は迫力あり。
途中、小窓と舞台に登場したヒゲ面の男性はチェーホフ?だったのかな‥?
満足度★★★★
奇妙な感覚
赤と黒を強調して、場面によって廻り舞台の速度が速かったり遅くなったり。
小島聖さんは益々色っぽい。
常に笑顔が張り付いているがそれが次第に不気味に見えるギブス。
時折出てくる愛嬌と凶暴さのバランスが良いラッシュさんとか、良かった。
この出演者、ここで終わるの?って終わらす手法を最近よく目にする気が。久々に不穏な面白さのある舞台でした。
ネタバレBOX
冒頭から、所長と職員=権力を持った者による官僚的な発言の数々。
所長と職員の愛人、人体実験、閉鎖的な施設内での出産による父親=犯人探し、閉鎖的な施設内の環境は、秩序の崩壊した現在の国の内情にも見えたのかも。
舞台が回る事によって、見ている迷宮感覚が深まる。
満足度★★★
満席でした
今まで見たかったけど都合つかず、今回初観劇。
さりげなく登場して何気なく去っていく約70分の一人芝居。
去っていくその姿まで意志のある行動のようにも思え、漠然とした欠片を集めたら最後には何らかの結晶を掴んでいたような夢見心地気分の舞台。
乙女女子の思考は、今も昔もそう大差ないと思った。
ネタバレBOX
題材の「女性徒」未読。
台詞の韻に合わせた動きや照明、効果的なピアノの音色と映像が印象的だった。
簡素なセットが所々変化してて、ちょっとしたアハ体験。
満足度★★★★★
衝撃的で面白かった!
現代口調と歌舞伎口調が殺伐とした話になりそうな箇所を上手い事中和し、妙にマッチしていた。
衣装がアメフトみたいな肩パットで、歌舞伎演目らしい徹底したデフォルメぷり。お六の髑髏柄着物カッコ良い。
コクーンで見る萬屋さんは誰よりも歌舞伎役者らしい立ち振る舞い、アンコールのはしゃぎっぷりは盛り上げ役に徹してて◎
巳之助、新悟の大和屋の凛々しくて愛嬌ある活躍も楽しい。
真那胡さん、白井さん、近藤さんの小劇場チーム?も歌舞伎芝居に最後まで違和感なく溶け込んで見えた。
コクーン歌舞伎、もっと安い席増設するとか、リピーター割引作ってくんないかな。
折角の面白い舞台なのに、見に来る人が限られているのは惜しいと思う。
ネタバレBOX
歌舞伎演目特有の、偶然から来る因縁と複雑さのハイブリットスピード展開話。
法策、お六、自分を証す事の喪失、価値の消失。
法策を問いつめる久助としての感情と廣元の切なげな表情。
何も置いてない黒い壁に囲まれた中での壮絶な大立ち回りとトランペットの演奏は、格好良過ぎて鳥肌立った。
満足度★★★★
真っ直ぐな気持ちや生き方
太平洋戦争末期から戦後の樺太(サハリン)で暮らしている親の代から続いている理髪店を舞台にした、約8年間に渡る真摯で愛情ある舞台。
この時代の市井の人々の日常生活を描いているだけなのに、戦争が重くのしかかり、過ぎていく。
その当時の思想、民族、本土、樺太、日本人、男と女。
感情に流されず、だけど冷徹になる訳でなく、真っ直ぐな気持ちや生き方がだた素直に胸を打つ。
ネタバレBOX
理髪店の兄妹が小樽?に引き上げる事になり、理髪店は朴が引き継ぐ。
朴は戦争前に結婚しているが、その生活も半年位で愛情も芽生える前に日本に来た。生まれてきた国のシステム上、妹と結婚する事は出来ない。言葉では表してないが、互いに惹かれ合っているのは周囲の目からも薄々わかっていた妹と朴。
店を出た妹が「10分だけ」と戻ってきて髪を切ってほしい、と言う。
妹はサハリンに残る決心をし、朝鮮人の女友達から教わった朝鮮語で、鏡ごしに「サランヘヨ/愛しています」と告白するが、彼の決意は変わらず引き継いだ「津田理髪店」の看板と共に一人で生きる事に。
朴の愛しい人の事を思いながら漂う静かな幕切れが印象的。
ラブストーリーと言ってしまえば簡単だが、この手の作品は見る方の人生観も反映しているような気がする。
満足度★★★★
ユニット名はかわいいけど、中身は凄い展開になってた。
ある事件から、負い目と対峙しながら暮らしている一家。
この作品の為に選ばれたらしい若手の役者、全員良かったー。
5分休憩あるがほぼ通しの3時間近く、見ながら水分補給が必要な舞台。
ネタバレBOX
商店街で健康食品を取り扱う商売をしている一家。
過去に殺人事件が起こるが、引っ越さずそのままそこで暮らしている。
複雑な人間関係を時間をかけ、じっくりと深層まで見せる。
前半一幕と一年後の展開の二幕では、物語が全く別の様相を展開しているがちゃんと地続きになっているが凄く面白かった。
雫の彼女の行動がいちいち癪にさわるが、その手の彼女の若気の至りで言いそうな発言ばかりで余計に憎たらしいわー。
スナックのママは42歳だったのか‥、実際居そうだな・・。
満足度★★★
過去も未来も乗り越えて
笑わす要素は緩いがライブシーンはエネルギッシュ。
バンド演奏+芝居だから、ノル素ぶりしか出来ないのがもどかしかった。
時系列と物語を関連させる予言めいた歌詞「僕の〜〜が魚だとしたらその〜〜さに〜〜するに違いない」聞く度にクセになってきた。
ネタバレBOX
本日の岡達酒屋はしりとりオーダー。
西川岡達コンビはこの二人だからこそ出来る会話の応酬。みのすけさんは相変わらず振り幅広いわ~。
体調不良と言う事で主演されなかった哲人さん、お大事に。
満足度★★★
こまつ座メインでは初見
以前コクーンの蜷川演出・古田出演を見た。
コクーン版のテーマソングが未だに口ずさめるけど、今回のギター演奏もいい。シナリオは同じなので主に役者さんばかり見ていたけど、いぶし銀のようなずっしり感覚で見応えあり。
でも灰汁の強さではコクーン版の方がインパクトあったような気がした。
なんというか、悪いものを一回浄化させて、また汚してみたって印象。
ネタバレBOX
杉の市が人殺しを行う度に赤い綱が増えていく。因業から極悪非道に至るけど、不思議と「悪」人の顔には見えなかった。背負ってるものにどっか下衆さがないというか‥萬斎氏のキャラクターによるものなのかな?