なしかの観てきた!クチコミ一覧

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海と日傘

海と日傘

松本紀保プロデュース

シアター風姿花伝(東京都)

2014/11/21 (金) ~ 2014/11/30 (日)公演終了

満足度★★★★★

互いの愛おしむ姿にいろいろ思う
20年前の戯曲だが、作品を見るのは今回が初めて。
夫婦2人暮らしの日常生活。日々の積み重ねで月日が経つだけ、奇抜な事が起こるわけではない。暮らしていくうちに自然に生まれ身についた生活動線、毎日の食事や生活音、何気ない間、等々、わかりやすい分、見終わった後はそれらがダイレクトに響く。
何年か後に来るであろう自分の夫婦環境を重ね合わせている自分がいて、いつしか、さめざめと涙が溢れていた。
縁側で爪切ってるだけなのに、それで話を見せるなんて向田邦子作品以来かも。
良か舞台でした。
約110分。

ネタバレBOX

元々、長崎が舞台。話の中では言及しなかったが(なくても別に構わないが)時代的に直子さんは原爆の犠牲者だったのだろうか。夫婦2人とも生まれ育った地ではない場所に根を下ろし、つつましく2人で暮らし、また隣近所の好(よしみ)で世話を焼く母屋の大家夫婦。
作家らしいが、まだそれで生活できるほどの余裕はない夫。そんな夫を支える妻。
静かに冷静に自分を見ている妻、同性として接している時の妻、どこかで全てを悟っているとわかるのか、言葉にしなくてもわかる夫婦の以心伝心が舞台上からヒタヒタと伝わってくる。
妻の年下看護婦への夫の気遣いの仕方と、浮気相手と思しき女性編集者への接し方、平常心を装っているのか無表情ながら目元に現れる物言わぬ嫉妬、嫌悪や複雑さ。交差した取り乱し方。女として、各々が目の当たりにした妻の覚悟に、また切なく胸が締め付けられそうになった。
夫が話しかけた時、それが独り言になってしまった瞬間の悲しさにまたもらい泣きしてしまった。
虹の端に立つ妻の横顔はとても綺麗だった。

とても日本的な話ではあるが、ヨーロッパあたりでも通用しそうな話だなと思った、素人考えだけど。日本で海外戯曲が上演出来るなら、この座組を逆輸入して上演したっていいじゃないw なーんちって。
有名戯曲のため、今後も別の団体が舞台化することもあると思うけど、初見で見た舞台はとても良い舞台だった、別団体の公演を見るときはやや厳しめに見ることになるかもw。
おもてなし

おもてなし

玉造小劇店

ザ・スズナリ(東京都)

2014/11/18 (火) ~ 2014/11/26 (水)公演終了

満足度★★★★

テンポ良いセリフは聞いてて気持ちよい
大正末期、大阪船場の商人でもある女将が商いする一室を舞台に、御店を維持する節制やしきたり、色恋事情が入り組む。少し話が混み過ぎの気もしたけど。
女の格が違いすぎるので比較出来ないのが口惜しいが、どんな生き方しても生き様が綺麗な女はシワの一本まで美しい。約2時間。

ネタバレBOX

失明寸前の兄とその弟、東京からやってきた男との女将のちょっとした恋模様、おかめ下女も愛嬌あってかわいかった。駆け落ちこいさん話は演歌の世界みたいだった。
皆既食 ~Total Eclipse~

皆既食 ~Total Eclipse~

Bunkamura

Bunkamuraシアターコクーン(東京都)

2014/11/07 (金) ~ 2014/11/29 (土)公演終了

満足度★★★

静寂美というか。
配役は10人以上いるし、舞台上の目張りの多さも目を引いたが、ほとんど2人芝居のような会話劇。
美青年にすがる男の様相が凄かったアラン。ランボォと対峙しての会話は時に性的であり、歓喜と絶望が混じり合う詩の応酬のよう。2人ともいろんなもん放り出して、模範的な生き様ではないけどw
アランのビジュアル、設定上は30歳くらいだったと思うが、あの姿は晩年をイメージ優先だったのかな?
繊細と狂気さと美貌が光るランボォ、まるで竹宮惠子漫画に出てきそうな人みたいだった。
二幕の其々の独白に、ようやくその世界観に浸れたが一部観客の呆れた行動で惜しむべき観劇になってしまったのは残念。アクシデントあったにも関わらず滞りなく進行していった舞台上の俳優陣は素晴らしかった。

トーキョー・スラム・エンジェルス

トーキョー・スラム・エンジェルス

Théâtre des Annales

青山円形劇場(東京都)

2014/11/14 (金) ~ 2014/11/24 (月)公演終了

満足度★★★

2日め観劇
金融IQ値が低い為、途中、サンデル教授の白熱講義を聞いてるみたいでしたが、生きる為には知恵と生活基盤と人との繋がりが根本的に大事という事かな。
亨さんの嵌り過ぎる登場には吹きだしそうになるし、要所で2人が対峙するシーンの濃密な会話と芝居、円形の舞台を効果的に使った演出も楽しかった。
観劇後、無性にアレが食べたくなりましたw。
台詞カミも多々あったけどまだ始まったばかり、空席がもったいないと思えた舞台でした。
約2時間。

ネタバレBOX

加治さん、古河さん、井上さんの時に過激で両極端な役柄の違いに驚いたけど、変化の違いが見事でした。
儚みのしつらえ

儚みのしつらえ

TRASHMASTERS

紀伊國屋ホール(東京都)

2014/11/07 (金) ~ 2014/11/12 (水)公演終了

満足度★★★★

模索するそれぞれの生き方
ゲストアクターからか、若い女性が多く、いつもとは違う客層にやや戸惑ったw。それ以外は安定のヒゲ率w
今までとは多少趣が変化している気も見えたけど、内面を抉られるような感覚はかわらず。
極限から来た人間の怒りや衝突、足掻きの中で考える現代と直結した反戦舞台、だったのかな。ここ最近、固定舞台で瞬間高速セット移動とあのナレーションがなくなったのは残念。
約2時間30分。

ネタバレBOX

内田慈さんの役割が今まで見たトラッシュの作品の中ではかなり異種(性的描写)的な存在で驚いたし、戦場でのレイプシーンではつい目を覆いたくなる描写だった。極限下で起こる人間の「酷」について、辛く重い気持ちになった。
水の戯れ

水の戯れ

森崎事務所M&Oplays

本多劇場(東京都)

2014/11/01 (土) ~ 2014/11/16 (日)公演終了

満足度★★★★

女の訳のわからない理由と男の理屈
16年ぶりの再演、初見。
互い違いの男の純情と女の変容、口論する気はないとわかっているのについ出てしまうトゲのあるやり取り。ボタンのかけ違いから時間だけ淡々と過ぎる。テーラーなのに‼︎
水溜りから波紋が胸奥に拡がる感じがしばし持続、思い悩み、緊張と哀愁を一挙に感じた成熟した舞台でした。
円熟味ある俳優陣の中で、久しぶりに若造の位置づけの公園くんを見られてちょっと嬉しかった。瑛蓮さんの中国語イントネーションの片言日本語も聞いてて楽しかった。
休憩15分込み、約2時間20分。

扉座イカサマ歴史劇シリーズ第1弾 『おんな武将NAOTORA』

扉座イカサマ歴史劇シリーズ第1弾 『おんな武将NAOTORA』

劇団扉座

座・高円寺1(東京都)

2014/10/23 (木) ~ 2014/11/03 (月)公演終了

満足度★★★

いかにも本物らしいお話のお芝居
冒頭から一気呵成に会話を畳み掛け、史実とフィクションが疾風怒涛の如く展開するイカサマ歴史劇、クライマックスまで横内さんの筆圧が翻訳劇仕様みたいな迫力だった。なるほど、だから「イカサマ」なのか。
照明の色遣いもわかり易く、舞台上での多重な生鳴り物も面白い。
約135分。

霊感少女ヒドミ

霊感少女ヒドミ

ハイバイ

アトリエヘリコプター(東京都)

2014/10/18 (土) ~ 2014/10/28 (火)公演終了

満足度★★★★

「視」激的な舞台でした。
マッピング映像と身体の動きがとてもいい具合に思考感覚を合わせ、ヨシヒロさんの行動には見ていて多少引いたり苦笑いする場面はあるものの、好きな人を切なく想う気持ちや、男子女子の埋められない距離間隔にどこか共感したりして。あの場面で流れるキリンジのエイリアンズが良い‼︎
ヒドミちゃんの衣装も可愛かった。約60分。

カサブタかきむしれっ!

カサブタかきむしれっ!

演劇ユニット3LDK

ザ・ポケット(東京都)

2014/10/21 (火) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★

(山)の回、観劇
初見の劇団。
なので、チラシ裏面のキャストプロフ写真と劇中人物の表情の違いに一部キャストの顔が一致するのに時間がかかってしまった。
客演者に惹かれたことと、震災から3年経過し、それまで自分の中で直球で震災を扱う題材を見ることはあえて拒絶していたのだけど、気持ち的にそろそろちゃんと向き合うべきか、と踏ん切りをつける為に。
実際見てみれば農業高校を舞台にした、恋愛や進路、思春期等々、各世代の人間関係と対峙したウエルメイドプレイだった。
ただ、音響設備が良いのか、冒頭から会話のほとんどが声を張り上げてるように聞こえ、台詞の節回しがうるさく聞こえたのは残念。また、副担任の行動に嫌悪感まではいかないが、終始違和感が伴う事もあったが、客席の反応は大きかったので男女の考えの違いからくるものなのかな、と思ったり。
約2時間。

ネタバレBOX

福島県の農業高校の職員室が舞台。
畜産課授業実習で、牛の出産が今にも始まりそうな為、それに控えている生徒と担当教師と獣医、校内で宿直している教師や学校関係者のJA職員、その中で隠密行動で取り上げられてたスマホを取り返したい女子生徒。保護者よりもPTA会長である母の立場とか入り組んで、テンション高めに会話が進んでいく。
それぞれの人間性が上手い事出てわかりやすい。が、前半、各人物のエピソードを盛り込んでいる為か中盤まで長く感じた。

気になったのが副担任の園部さんへの対応(この子もどうかと思う性格だったが)。妊娠の疑いがある生徒に対し、成り行きとはいえパニくりまくり。動転し力任せな態度に、教育者の前に同性として母体を気遣うセリフ位あっても良かったのではないか、と違和感付き纏った。

その土地に住んで居なくても、震災をきっかけに状況や感情が一変した人は多いと思う。心に受けた傷の大きさも様々。手当して時が経てば、いつしかその傷もカサブタが出来、元の姿に戻る事もある。ここに暮らしている人達のカサブタが戻るのはまだまだ長い月日がかかるだろうが、特に生徒達の未来に立ち向かう姿勢につい頑張れ、と応援したくなる終わり方だった。

端の座席で見ており、職員室と台所部屋の仕切りで、砂利のような音が出入りの度聞かれたが、あれは玉暖簾の音だったのかな?
また劇中舞台のいわき市?小名浜?の位置関係を把握していないので、原発風評被害の程度をよく理解していない。無知ですみません。
鷗外の怪談

鷗外の怪談

ニ兎社

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/26 (日)公演終了

満足度★★★★

文豪からの教訓
森鴎外といえば、舞姫、エリス関連しか知らない。
大逆事件前後の森鷗外とその家族や関係者。国のトップに位置する立場の鷗外が裁判に関わる事により解る事実とそれらの葛藤と苦悩、当時の重要法案作成、家長としての責任、他人様の嫁姑問題に笑える。それにしても明治の女は強いわ^^;
いつの時代も私用と公用の悩みは似ているし、怪談=畏怖と思えば腑に落ちた。
衣装が和装姿。当たり前だが、それが馴染んだ姿の生活。久しく着物着ていないが、その振る舞いを見てて安らぐ気持ちになるのは自分も日本人なんだなーと思ったりして。しげさんの浅葱色の着物姿綺麗だった。スエさんの足袋、地味ながら色使いが仕立てに似合ってた。

しげ役の水崎さん、初めて見る方だったが気っ風の良い利発さが見て取れて印象に残った。お姑さんの大方さんも人生経験の達者さがイキイキ見え、自分が子供の頃、多くいたと思われる大人たちの姿を想像してしまった。良い舞台でした。

ジュリアス・シーザー

ジュリアス・シーザー

彩の国さいたま芸術劇場

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2014/10/07 (火) ~ 2014/10/25 (土)公演終了

満足度★★★

ブルータス夫婦の年齢差がよくわからんw
阿部ちゃんがまんま古代ローマ人だし、横田さんはこれまで見た事なかったような陰影さが独特で力強て迫力あった。鋼太郎さんは可愛くも凶暴で剛毅。そんなマダムキラーばかりの中に入ると自然にアイライン濃いめ(に見えた)の硬派なアントニーも周囲にまったく引けを取らない凄みぷり。もう、このまま引き継いでクレオパトラにダメにされるとこまでやってほしいw、が、釣り合う女優さんが思い浮かばない。
ブルータスとキャシアスの口論がまるで痴話喧嘩のようでもあり、お茶目だったり。殺陣シーンより台詞=劇的な会話が多く聞かれた王達の心理状態MAXの熱気舞台でした。眼福。

ネタバレBOX

ブルータス夫婦が並ぶとなぜか姉さん女房に見えてしまったw。
肝の部分のスピーチ、確かにいい事言ってるけど文節「〜‼︎」の「‼︎」までが弱く人心を掴む程の説得力は感じなかったけど、その後のアントニーのスピーチとの対比であの感じにしたのかな?ブルータスのモノローグのシーンも膨大な台詞量だったけど、そちらの方が語りかけの部分ではよりよかった感じかな。うーむ、蜷川メソッドめ。
御ゑん祭

御ゑん祭

バンダ・ラ・コンチャン

青山円形劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

近藤さん、八面六臂の大活躍
チケットプレゼントにて観劇。
蓋を開けてみれば、こんどーさんのこんどーさんによる、こんどーさんの為のdead or alive公演。多種多様な劇団に弄ばれているのかいないのか、ミヤタケイコさんのpopな背景の中、くだらなさと面白さと切なさとノリの良い音楽に彩られ、近藤さんの魅力が目一杯詰め込まれた楽しい舞台でした。
初見の劇団を一挙に見る事が出来、そちらもお得感がありました。
開演前のみ舞台セットの撮影許可サービスあり。
本編約2時間。 約5分休憩後、AT約20分。(観劇日ゲスト、鈴木浩介氏)

ネタバレBOX

上演順はネタバレの為、書き込まないが確かにあの上演順が妥当だと思った。
全て初見の劇団。五十音で
・青☆組
乙女チックな世界観だったが、別れの切なさをきれいに見せて、ついジーンときた。
・オールド
このメンツの中では特別枠扱いのような気も。フリー演技かと思うような自然な芝居の導入に、どこまでがセリフでどこまでがアドリブなのかわからなかったくらい。もう少し、大人のおちゃらけをやってほしかった。
・ナコゴー
くだらないけど笑った、本当に笑った。インパクト勝負みたいだったけど面白かった、特に、一言発しただけなのに、全てを持っていった太鼓の達人に釘付け!
・ぬいぐるみハンター
出だしのアッコちゃんのセリフから一挙手一投足まで可愛い。中学生日記のような宇宙初恋物語。中学生なんてそんなもんだよね、と妙に納得。
・Mrs.fictions
過去の美化、まだらボケと向き合う夫婦。夫と妻が正装して近所に買い物行くのに、年月が培った妻の愛情あるセリフには単純に良い話だなーと思った。

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本編終了後、ここでも出ずっぱりの近藤さんと半海さん進行によるアフタートークあり。当日ゲストは役者の鈴木浩介さん。トーク覚え書き。
強大ウサギさまを背に、近藤さん、鈴木さん、半海さん の並び。(発言簡略、発言者末尾、氏名抜きは3人の総合発言)

・登場時、先輩から「ゲストなんだから真ん中に座れ」と勧められるも「いえいえいえ」と恐縮しまくる浩介氏。「相変わらず律儀なんだから〜」と先輩方の評。
・電話でトークゲストの依頼受けた。緊張するっ。(浩介氏)
・今回の公演の劇団経緯。元々、近藤さんがいろんな劇団の公演を見ていて今回一緒に公演出来るようになった。それに伴い、全ての演目に近藤さんをどんな形でもいいから参加させる事を条件にしたら、こうなってしまった。他に円形劇場も取り壊されるし、ここでやった事ある人、近藤さんに一度でも関わった人達が参加。
・スズカツさんの「LYNX」「CLOUD」河原(雅彦)さんの「NECK」シスカンパニー「叔母との旅(初演、再演)」の計5回、円形劇場に立った。円(状の舞台)は落ち着く、好きな劇場(浩介氏)
・自由に動ける分、観客が近くにいるとかえってやりづらい場合もある、全体見られると思うと緊張する、さらされてる感が半端ない、観客の顔見えるし。舞台が回る演出の公演に出た事はあるが、円形(劇場での舞台)は初めて。背中が気になる。今回(の出番のきっかけ)も客電点いての登場でいじめかと思ったw(客席に向かって話しかける)あの会話は緊張の裏返しからやっている。(半海氏)
・「オールド」はもともと大森さんの(戯曲?)作品、演出は近藤さんが担当、いい話だったねー。他の役は童貞なのにっ。

・初めて見る劇団ばかりだった、その中でも「ナカゴーは凄い‥!」とその噂だけはよく耳にしていた。近藤さんがサポーター着けた時点で「ン?」と思ってたが、今日見たらほんとに凄かった‥!ぬいぐるみハンターのアッコちゃんもキレッキレっじゃないですか、なのにピアノ弾いてる意外性あるし!(と静かに熱く語る浩介氏)
・(関係する)全部(の公演)見に行った。フィクションズはクリエーター集団でそれだけはビデオで。(今回の企画発案者の)CMプランナーさんと知り合いになり、色々なコンセプト、企画が出来た(冒頭の内容)。端役で良かったのになー。(近藤氏)
・(見ての通り)ナカゴーの後だと、休憩させないと体もたないからw
・太鼓叩いてた鎌田君のあの一言は絶対真似出来ないっ!全部もっていった!
・稽古期間は1ヶ月半〜2ヶ月くらい(近藤さんの仕事の都合で)主役抜きで稽古する時もあった、青☆組のように一字一句、台本通りのセリフ稽古もあれば、ぬいぐるみハンターは比較的自由だった、ナカゴーは鎌田君の口立てで(一人で)全部やる、それがまた上手い、それ見て落ち込んだ、鎌田君の手が柔らかくて妙に落ち着くし、接し方が優しいw(それぞれの芝居に出て)大変だったけど楽しかった。(近藤氏)
・アフタートーク恥ずかしいですね。一食一飯の恩じゃないけど、舞台「ハゲレット」の時、近藤さんにご飯いっぱい食べさせてもらって恩があるから〜、に、先輩2人のやさしい突っ込みがあったり。
・円形劇場の初出演の舞台は「笑いの大学」だった。(自身の)ダンダンブエノの舞台もここでいくつかやった。(独特な形状の舞台設備なので、他の劇場ではこのようなステージがあまりないが)ダンダンブエノでも、同じ(円の形のままの)舞台セットで地方公演をやったら「なぜ、円の形でやったの?」とかなり言われた。(近藤氏)

・円形劇場あるある、色々ありますよね、に
円形ステージの中心部分でセリフ喋っていると、声色が変化するんですよ。え、ほんと?、の浩介氏の発言に、3人順番に直線距離から真ん中に向かって「あ〜あ〜」言いながら歩いて確かめる。が、特に変化見られずw。役者の間では、舞台上のそこに立つと、こもった声色に聞こえるとの噂があるそう。
・観劇中、自分の座席から見えていた、客席の観客の一人が某氏に似ていてずっとその人かと思って、そっちも気になっていた。似てませんでしたか?とその近くに座っていた観客に同意を求めるも、先輩達の「そんな人居たか〜?」と微妙な反応に「でも似てましたよ〜」と明るく拗ねる浩介氏可愛かったw。
そこで時間切れになり終了。
六悪党

六悪党

トライヲンズ

下高井戸 HTS(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★★

高密度な舞台
初期ガジラ舞台を千葉さん演出監修、との事で出演者の経歴とか二の次で観に行く。
役柄の年代が近い所為か、どの配役も見事にマッチしていたし、幕末Rockな世界観で客入れ選曲も上手くハマっていた。
息抜き場面の着付け動作はたどたどしかったが、緊迫感ある間合いと殺陣には瞬きする間もなく集中して見る事出来、迫力あって面白かった。気になる役者さんが増えた。
約110分。終演後、当日出席者告知のアフタートークあり。

入場時に下足し、素足観劇となる。
中に入ると客席40席弱、混雑時は座布団席スタンバイ(=ツバ被り、汗被り席)出来れば、場内の状況を前もって知りたかったが指定HPやブログ上では詳細不明。
次回公演を行う場合、この辺りを改善していただければ、と思う。

ネタバレBOX

この作品と関係あるガジラの「かげろふ人」は見たが「六悪党」は初見。
尊王攘夷、勤王志士、倒幕、水戸藩、天狗党、憂国、郷士、足軽、忠義、等々、時代の変革期の出来事とはいえ、全ては武士としての信念や誇りが役者の顔に生き様となって現れていたかのよう。刀を交わせば生きるか死ぬか、の正に真剣勝負。
協力と友情を育くむような会話があったかと思えば、一瞬で敵対する関係となるが、待ち伏せのあった先に起こった惨状、それを焚き付けたのは誰なのか、誰が間者で誰を信じていいのか、疑心暗鬼の時間が交差しての進行だったが、場面転換ごとの役の切り替えが上手で理解しやすい。話そのものも面白かった。

対面客席が舞台を挟むようにスクエアなスペース、突き当たりには酒樽が置いてあり、壁面には天狗面と蝋燭台。たったこれだけの世界で、腕を伸ばせば役者に手が届いてしまいそうな、そんな距離。目の前で繰り広げられた世界はダイナミックで壮絶感ある世界だった。
社長吸血記

社長吸血記

ナイロン100℃

本多劇場(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/10/19 (日)公演終了

満足度★★★★

奇妙奇天烈なブラック会社話
子供の時の会社ごっこ遊びを眺めていたような、スラップスティックな世界を体験してたみたい。自覚したくない仕事の忙殺や私情の滑稽さが日々平行に動いているという不条理さ。見ているうちに一気にテンションが上がってくるような話ではなく、一定の体感温度を維持してたのに徐々に熱が上がってきたかのような感覚。こんな不可思議な事が出来るナイロンの役者さんて凄いわ。スローモーション場面の不気味な格好良さは痺れました。
面白かった。約2時間25分。

ネタバレBOX

会社の屋上をメイン舞台に、クレイジーキャッツ、森繁、フランキー、のり平らが揃って出演しているような会社泰平愉快話、になる訳ではないと予想はしていたが。
明確な何かがわかる訳ではないが、終わった後、不思議に不快感も湧かず、むしろ時間が経つにつれ、その場その場の会話と可笑しさが蘇り、クセになる面白さが出てきた。

行方不明の社長を捜す探偵、自殺した会社員の死因とその家族、社員の営業内容、夜の屋上の警備員と老人?達‥色々と入り組んだ人間模様が出ては消え、不毛な会話に聞こえるようなセリフでも、よくよく思い出してみればこんな会話した事あるかも‥と思ったらその舞台世界にはまり込んでしまった。どことなく「労働者M」の世界を思い出した。

ミミと曲の、マンションベランダと屋上でもやり取りはロミジュリみたいでお似合いだった。平井さんが「お尻見せようか!?」と連呼したら、これまでの みのすけさんの役柄上脱ぐのかな、と一瞬構えてしまったw。三宅さんと大倉さんの2役、愛嬌と男の葛藤が見えてどちらも好きな人物だった。
落伍者。

落伍者。

ラチェットレンチF

Route Theater/ルートシアター(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

初見。
チケットプレゼントにて観劇。
古典落語「死神」を軸に、本編話と落語噺の寸劇を交互に進行させながら途中からリンクしていく。演じる役者の経験の差というかプロとセミプロ位に力量の違いを感じてしまうような人物造形がそれらしく見えない人もいて、惜しい、と思う場面もあったが、転換時のダンスや照明遣い、作品テンポの良さには引き込まれた。
前座落語15分+本編約2時間。

ネタバレBOX

谷畑さん演じる噺家 真打の爽雲 、目配せの仕方やふとした仕草がどことなく劇団座長の吉田鋼太郎さんを彷彿とさせたが、粋で洒脱で気迫ある噺家ぶりやライバルとも言える友人とかつての思い人に見せる態度の繊細さ、それを受ける船戸さん演じる銀次の我が道を行く生き様、その2人に愛される南口さん演じる小百合の短くも幸福な時間の表情、この3人が絡んだシーンで、特に丁半博打のシーンはいい歳した大人の遊び方が垣間見えて面白かった。

涼子と夏風らんらんのヘアスタイルが同じだった為、高座あがりからの葬儀のシーンあたり、最初は同一人物が着物脱いだ姿の普段着で話しているのかと、やや混乱してしまった。
涼子の「お母さん」の姿はやっぱりエプロン姿で現すのがわかりやすいんだろうか。涼子にとっては働いているお母さんより家事をしている印象の方が強かったか。
いろいろと思うことはあっても、とても面白い舞台でした。

終演後、場内混雑の為、アンケート記入出来ずここに記載。
開場から開演までの間、毎回15分程度の前座落語の企画あり。
観劇当日も開演前でありながら、前座落語始まる前から座席がほぼ埋まる状態。座席を探しステージ前を横切る観客に対し、ステージ上に誘導スタッフはいるものの、あまり機敏に誘導しているとは思えず。前座とはいえ、噺のオチまでしっかり聞きたかったのだが‥。
上演開始しても、出入り口付近や場内に誘導スタッフ不在のため、遅れてきた観客誘導も手薄、話の設定上暗転場面も多く、座席確認に戸惑う観客も見受けられた。
公演や企画は面白かったので、次回からはその辺りを考慮していただければ、と思う。
炎 アンサンディ

炎 アンサンディ

世田谷パブリックシアター

シアタートラム(東京都)

2014/09/28 (日) ~ 2014/10/15 (水)公演終了

満足度★★★

力作
母を訪ねて現代中東編というか。
平地舞台に周囲は漆黒、人と椅子しかない舞台なのに、その余白部分を埋めるような波乱のような真実、激動?劇的?で緊張感ある展開に次第に重苦しくなったりした。言葉がうまく見つからないまま肩凝ったw
10代から終盤の麻実さんがギリシャ悲劇然、どの舞台よりも控えめなしゅうさん、全員良かったです。
海外のニュース映像を見ているかのような、あまり慣れ親しんだ題材ではないし、悲惨な事例があるにはあるが、凄惨な描写がある訳ではない。だけど、強烈な余韻ある舞台だった。体調を万全にして見た方が良いと思う。
休憩込み約3時間15分

きらめく星座

きらめく星座

こまつ座

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2014/09/08 (月) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

観劇日振替鑑賞
出演している役者陣に惹かれチケット取るも、観劇当日休演発表、別日振替にて観劇。
初演から30年、何度となく上演されている戯曲だけど、個人的に今作は初見。
オデオン堂のお茶の間を舞台に、前半はささやかな日常生活に程よく笑い、後半の日捲りカレンダーの日付と共にオデオン堂に関わる人達の行く末に哀しさに泣けてきそうになった。
チラシ絵のマスク姿で登場した時、怒りと怖さと今後の警鐘の印象もあり最後には緊張もしたが、総じて良い舞台だった。

夏公演の「てんぷくトリオ」の舞台を見ていたせいか、一幕の場面事の終わりにはつい「ジャンジャン♪」とSE聞こえてきそうで、転換事に暗転オチをつける手法は井上作品だな、とふと思ったり。
公演プログラムの終頁に、次号から井上都さんのエッセイ告知あり。掲載の継続を期待している。(あと、チケット代もう少し値下げして‥)

ネタバレBOX

傷痍軍人の妻となる娘のみさを、非国民の家族から美談の家族の一因となるし、その娘を娶る軍人の高杉、時代的な背景もあるがあまりにもすんなり受け入れ、家庭を厳しく律しつつも脱走兵の長男のペースに呑まれ、いつの間にかその行動を認める事に。その葛藤もあったと思うがその後の心境を吐露する場面にはつい同情したくなる。
信吉さんや広告屋さんの懐の大きさ、父性としての器の大きさというのか。

代役登板の峰崎亮介さん、脱走兵ながら剽軽さや家族思いの真面目さがいい感じに見られ、他舞台だと強烈イメージ菜津子さんもここでは抑制みせながらも底抜けの朗らかさ、軍人として時勢の流れを複雑に感じた表情の山西さん等々、全員、歌上手いし面白可笑しく、切なく悲しく。
下宿人でピアノを奏でる後藤さんも、飼い猫のような和み的存在感。

今回の舞台では秋山さんと深谷さんの婦人部によるキビキビしたバケツ体操に、昭和の流行歌、昨年のあまちゃんでも歌われた宮沢賢治の「星めぐりの歌」も聴かれストリートプレイとはまた違う音楽劇。
歌い継がれる流行歌の素晴らしさ、あーだこーだと言える世の中はまだ良い時代なんだろう、と思った次第。
怪人21面相

怪人21面相

パラドックス定数

SPACE EDGE(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★★

面白かった
アジトのような場所で扉に鍵が掛かった瞬間から、彼らの共闘を目撃し、途中からは清張+栗本+阪本映画を見ているような硬質感もあり。
登場人物は4人、劇場と言えない芝居小屋から見える、演者達の足音や闇、4人の男達の背景を思ったら、この舞台は本当にフィクションの話なのかと考え込み、外の騒音すら効果音みたいに聞こえてくるようで、その世界に入り込んでしまった。
面白かったです。約115分。

ネタバレBOX

退場時、一斗缶に捨てられた、破かれた写真も覗き込んで見てしまったw

今回の劇団チケット特典は某製菓のチョコボールでした。
久しぶりに食べたが美味しかった、食品に毒を仕込むなんてやっぱ卑劣行為だよなー、と空き箱見ながらぼんやり思った。
風の吹く夢

風の吹く夢

THE SHAMPOO HAT

ザ・スズナリ(東京都)

2014/09/10 (水) ~ 2014/09/23 (火)公演終了

満足度★★★★

覚悟してみる事に
アンチホワイトカラーでもなく厳しい現実世界を見せてる訳でもなくいつも通り電車やバスで隣に座ってそうな人達の、彼らの日常会話と責任転嫁w
労働賛歌のような、ちっさくも大きい幸福感とについ笑ってしまう。でも会話の間の絶妙さにしんみりしたりして。
赤堀さん、本当にラストにするの?と思いながら覚悟して見てた。
約110分。

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

親愛なる我が総統【ご来場ありがとうございました!次回は4月!】

劇団チョコレートケーキ

サンモールスタジオ(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

マチソワの真ん中、追加公演で観劇
強制収容所の所長だった男、監視する役職の男達。
台詞一語一語が鋭く重い、自らを貫く姿勢から怒りやら哀しみやら緊迫感がボディブローのように効いてくる観劇でした。
いろいろ思いはぐるぐる巡ってくるけど、自分の頭の中で陳腐な言葉しか出てこないのがもどかしい、今回も濃密な舞台でした。

舞台とは全く関係ないが、自分が座った近くに言葉は発しないものの、終始落ち着きのない男性がいて目障りだった。
80分程度の芝居なのに、ジッとして見るってことが出来ないのかな?

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