私、わからぬ
空間ゼリー
赤坂RED/THEATER(東京都)
2008/04/09 (水) ~ 2008/04/13 (日)公演終了
満足度★★★★★
5年前を思い出した
「空間ゼリー」の芝居は、初めて見た人は、大抵、「とても面白い」と思う筈。
一方、テーマ性やテイストが似ているので、二度目以降は、最初ほどの感動を味わうことは出来ないと思います。料理に例えると、腕の良い料理人だが、素材の違いは有っても、味付けが似ている、数か月に一回食べる分には十分なおいしさだけど、欲を言えば、もっと新しい驚きが欲しい、という感じがします。
今回は、抑制の利いた演出だったので、初めて見た人にとって「平凡な話」と思った方も多かったかも知れません。肉料理ではなく魚料理という感じで。肉を食べたい、と言う人には、始めからアウトだったでしょう。
その分、過去何作か見ていた私は、少し新鮮に感じました。ヒステリックで分かり易い演出が多かった斎藤ナツ子さんの演技が、いつもと違っていたのが、特に良かった。
☆
丸5年前の春、初めて「空間ゼリー」を観て、たまたま、観客との懇親会があって、斎藤さんと長話する機会がありました。
その時の斎藤さんは、謙虚で、非常に周囲に気を遣う方で、ちょうど、今回の「一子」の様な印象でした。今回の芝居を観て「あの時の『ペルソナ』に似てるな~」という思い出したのでした。ペルソナ。パーソナリティ。仮面。人見知りで他人に素顔を魅せるのが怖くて、優等生に振る舞ってしまうと言う、キャラクター。それを芝居で表現してくれた様に見えました。
そもそも、何故長話になったかと言えば、斎藤さんが演技について熱く語ってくれたからです。5年前なので内容は良く覚えていませんが、演技が好きだ、という話は特に熱心で、彼女の別の『ペルソナ』が垣間見えた様な気がしました。
そんな、未だ20歳くらいだった彼女を見て、私は思いました。「彼女はずっと、芝居を続けるだろうな」と。で、仕事に悩んでいた私は、思いました。「彼女が芝居をやめない限り、私も仕事を続けてみよう」と。そんな感じで賭けてみたくなった、というか感化されました。
☆
人間の感情は複雑怪奇で、自分の事すら、まるで捕らえ所がない面があります。自分がどうしたいかさえ、良く分からなくなる。でも、強い感情は、時として人の心に影響を与え、人生の判断の指針となる事もあります。
私はそういう事を思いながら、このお芝居を観ていました。
~昭和歌謡シアター『横須賀ストーリー』~
オデッセー
THEATRE1010(東京都)
2007/04/24 (火) ~ 2007/04/30 (月)公演終了
満足度★★★★
意外とエンターテインメントしていた!
割とメディアに載っているメインストリームな芝居ってどんなものか、興味があって行ってみました。
結構笑える内容で、ほのぼの系。期待値が高くなかったためか、割と満足出来る内容でした。オマケの歌謡ショーもそれなりに良かった。
課題を挙げると、後藤真希は後藤真希でしかなかった。役作りゼロ。正確にはタレント・後藤真希のキャラのままでしかなかったのが残念。芝居も歌も上手で、ある意味パーフェクトにこなしていますが、「後藤真希」という殻の中で成立しているという印象を受けました。
あたらしいバカをうごかせるのは古いバカじゃないだろう
劇団道学先生
新宿シアタートップス(東京都)
2007/05/03 (木) ~ 2007/05/13 (日)公演終了
満足度★★★★
普通に面白い
普通に面白かった・・・というのが素直な感想です。家族で観て、笑えるタイプの内容でした。
ただ、演劇なのだから、「ドラマティック」な展開力や説得力のある演出・構成を観たかったなぁ・・・というのが欲張りな希望です。
「ゼリーの空間」
空間ゼリー
シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)
2007/03/03 (土) ~ 2007/03/11 (日)公演終了
満足度★★★★
「嘘と真実」
嘘と真実の境界線は非常に曖昧です。もし、貴方が誰かを騙そうと思って嘘をついているのは嘘かも知れませんが、嘘を演じている時の貴方は、本当にそう思っているのかも知れません。
弱肉強食が真実であったとしても、食物連鎖の頂点にいる者は、その下にいる無数の生き物に支えられ、助けられなければ生きていけません。でも下にいる生き物たちは上にいる人たちが居なくても生きていけたりするものです。「強」は「弱」で、「弱」は「強」なのかも知れません。
そんなことを考えながら見ていました。