じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

死ぬまでに一度でいいから、ロマンス・オン・ザ・ビーチ

20歳の国

三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)

2014/10/04 (土) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

群像劇からの収斂が見事
東京に近い海辺の街でのひと夏の恋愛模様ア・ラ・カルト。
登場人物も多く、群像劇の体で始まりながらも終盤、きちんと1つに収斂する構造が鮮やか。
夏にちなんだ歌の使い方やこの会場ならではの演出も巧み。
照明は中盤で夕暮れから星空になり、その後雷雨となるシーン(5場〜6場)が白眉。
内容ではホスピスでのテルオとみさきのやりとり(9場)が滑稽でありながらもテルオの切実さやみさきの想いが察せられて切ない。
また、大場家の母の「使い方」が劇中ポジションとしても劇場内での具体的な位置としても上手くて感心。
あと、ラストの映画における「クレジットの後に…」風な部分があるのも好みだったな。

ところで4場のテルオの妄想に「あれ?俺じゃ役不足?」という台詞があるが、「あれ?俺じゃ“役者不足”?」にすべきだろう。(ありがちな“力不足”との取り違えとは微妙に異なる?)
まさか「テルオならそんな間違い方をするよね」という深慮遠望ではないよね?(笑)

福島真也×ブラジリィ―・アン・山田「酔いどれシューベルト」

福島真也×ブラジリィ―・アン・山田「酔いどれシューベルト」

劇団東京イボンヌ

ザ・ポケット(東京都)

2014/10/08 (水) ~ 2014/10/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

独自のスタイルをほぼ確立
作曲家の評伝…もとい、偽伝シリーズ(笑)の第2弾。
今回は会場も広くなり楽器もピアノに加えて4管1弦1打の「東京スザンヌ」が務め、本編も前作より「架空度」は増したものの、むしろよりしっかりした感じ?
途中で何曲か歌が入る小劇場系芝居も増えてきたが、知っている範囲内ではポピュラー系が大半であり、クラシックは珍しい上に声楽家を迎えて伴奏も生という本格派は稀有で、しかもそれがミュージカルのように唐突でない(笑)のが見事。
本筋についても突拍子もない人物(?)を出したり、シューベルトの「多作のとんでもない秘密」を描いたり現実離れしながらもフィクションとして筋が通っているというか、娯楽作品として上出来で楽しかったなぁ。

なお、昨年秋の「活動再開」以来、作曲家の偽伝シリーズ(「イッヒ リーべ ディッヒ」は偽伝(評伝?)+現代劇)となった東京イボンヌだが、以前のような「現代劇にクラシック音楽を練り込んだ」スタイルもまたいつか(再演も含めて)観たい気がする。
また、アンケートに書く時点では思い付かなかったけれど、伊福部昭などの邦人作曲家や、演奏家・指揮者を題材とするテもあるんじゃないかな?

ネタバレBOX

本来ならオーケストラによって奏される交響曲などの「東京スザンヌ」版編曲も面白く、魔王(役)に「魔王」を歌わせるなんてアイデアも愉快だった。
キズツクキカイ

キズツクキカイ

たすいち

ザムザ阿佐谷(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/14 (火)公演終了

満足度★★★★★

目崎剛おそるべし(笑)
かなりベタでマンガをそのまま立体化して舞台に乗せたような冒頭部分でツカミはオッケー、以降、使役する妖怪たちと同居する陰陽師一家を描いたホームコメディ風味で進みながらも中盤で妖怪というものに関する民俗学的な考察(?)が披露されてからは一転。
民俗学的・歴史的に妖怪は減って行くという説を覆し、新たなファクターから現代にも妖怪が生まれる可能性を(劇中で)実証してみせるとは、目崎剛おそるべし(笑)。
そのあたりからタイトルの意味もワカってきて、身につまされる部分も少なからず。
そんなシリアス寄りの後半にも程よく笑える部分を配してカタくならないのも巧いんだなぁ。
あと、古材を使った会場内装を活かした舞台美術や照明 (コックリさんの時とか)もステキで大いに満足♪

ネタバレBOX

キャラクター設定と演技の相乗効果で人物がそれぞれ生きて(活きて?)いたんだが、中でも中盤での登場以降、物語を締めたサディ嬢、終盤で泣かせるいっちゃん、意外な(?)コメディリリーフが妙にハマっている肉丸さん、のお三方が特に印象的だった。(←「女優ばかりじゃないか!」というツッ込みは黙殺(爆))
御ゑん祭

御ゑん祭

バンダ・ラ・コンチャン

青山円形劇場(東京都)

2014/10/09 (木) ~ 2014/10/13 (月)公演終了

満足度★★★★

各団体、個性丸出し
近藤さんを迎えても容赦なく我が道を行くナカゴーを筆頭にぬいぐるみハンター、青☆組とも個性的な作風丸出し(笑)。
唯一既製脚本であったMrs.fictionsは設定年齢に近い演者を得て初演とは異なった味わいがあり、謂わば「舞台作品の映画化」的な印象?これはこれでアリだな。
ところで、オールドのパートはきちんとした台本があるのかしら?(笑)

イエドロの落語 其の弐9月 目白 古民家ゆうど公演

イエドロの落語 其の弐9月 目白 古民家ゆうど公演

イエロー・ドロップス

ゆうど(東京都)

2014/09/06 (土) ~ 2014/09/07 (日)公演終了

満足度★★★★

愉しかったぁ♪
単独で上演したこともある「死神」を中心に複数の怪談噺をミックスする得意技に、落語ゆえの時代考証など半ば無視したくすぐり(アレやソレも出しますか!)加え、会場の雰囲気を借りるだけでなく、その構造を活かして出ハケ口を3つ設けるなどの演出もなかなか。
いやぁ、愉しかったぁ♪

殿(しんがり)はいつも殿(との)

殿(しんがり)はいつも殿(との)

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

スケールの大きなナンセンスギャグと夫婦愛と
「下でない」吹原戯曲の真骨頂?
スケールの大きなハナシにナンセンスな笑いもたっぷり盛り込んでいながら、最後には夫婦愛でホロリとさせて…ま、「泣かせ逃げ」なのはズルい気もするが。(笑)
かつての「よ〜いドン!!死神くん」における親子愛もそうだったけれど、家族愛をこんなにもストレートに描きながら、クサくならないのは凄いことだと思う。
ナンセンスギャグとの絶妙なコンビネーションのなせる技かしら?

出会わなければよかったふたり

出会わなければよかったふたり

Aga-risk Entertainment

シアター風姿花伝(東京都)

2014/09/18 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★★

タイムスリップ+ファルス+α
構想は知っていたので出だしから状況を把握して大いに笑う。
せっかくのタイムスリップを、ほぼ状況設定のためにしか使わず、結局ウソをウソで上塗りする典型的なファルスになるのがある意味贅沢。
でありながらも、終盤はみゆきの健気さで泣かせるだけでなく、他の皆の優しさでまた泣かせるというのが巧いんだなぁ。

この街の片隅の何処かで

この街の片隅の何処かで

:Aqua mode planning:

ターナーギャラリー(東京都)

2014/10/05 (日) ~ 2014/10/07 (火)公演終了

満足度★★★★

言葉・台詞を大切に、丁寧に発することに好感
「お前に捧げるその花は」
内容とゆっくり目で丁寧に発せられる台詞とが相俟って醸し出す昭和中期の雰囲気が懐かしい。

「収納がある部屋」
コミカルな台詞のやり取りに始まりながらいつの間にか不穏な感覚が漂ったと思ったら…な幕切れはまさにショートショートの醍醐味。

「あとの祭のまえ」
Mrs.fictionsでの上演を前提としたものだったとのことで(当日パンフレットより)まさにそんな味わい。
で、勝手に配役を想像したりも。(だいたいアタリ(笑))

「綺羅星ダイアログ」
視覚障害者の方々向けとして創られた作品ゆえに勧めに従って瞑目して鑑賞。
言葉を言葉のみならず「音」としても使うのが面白く、あちこちから聞こえる声を楽しむ。

あと、オープニングのタイトルコールもゲーム的な感覚とハプニング感があって面白かった。
上演時間約65分。

タダデネ!

タダデネ!

発条ロールシアター

タイニイアリス(東京都)

2014/10/02 (木) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★

ラストはステキ
大雨のために図書館に幽閉状態となった人々と、海の民たちの暮らしぶりと…な物語。
現代パートと「海の民」パートに接点があまり見えず、並行して進んでいるように感じられてしまうのが賛否両論ありそう。
個人的にはそこのところがもどかしく感じられながらも場転というか衣装替えの妙技(?)で辛うじて救われ、なおかつ我慢の限界に達する直前に両者の関係を明らかにして結末を迎えたので賛といったところか。
でもあのラストはステキだったな。「ヤられた!」と思ったもの。
いや待てよ、そこに至るまでじらされた反動もあるのか?(笑)
ところで「あの映画」の「あの台詞」、観客のうちの何割くらいに伝わったろうか?
ちなみにσ(^-^)はもう1本、別の映画も連想。

ネタバレBOX

最初はそれぞれがもう一方を夢で見たりしていることから「胡蝶の夢」的なものかと思いきや、実は祖先と子孫の関係で、あれこれでヘコんでいた主人公を祖先が励ますカタチで終わるのは快感。
なお、勝手に思い浮かべた映画は相米慎二監督の「台風クラブ」。
しかし「ポセイドン・アドベンチャー」ならば
刑事「アンタを見ていると腹が立ってくるのは何故かな?」
神父「私と貴方が似ているからじゃないか?誰でも自分を見るのは嫌なものだ」
というやり取りも使って欲しかったな。
Back Stage

Back Stage

賞味期限

Geki地下Liberty(東京都)

2014/10/01 (水) ~ 2014/10/05 (日)公演終了

満足度★★★★

結末も爽やかな上出来コメディ
掛け合い漫才さながらの軽妙な前説で客席をあたためておいて語られるのはデパートのイベント会場でのヒーローショーのステージの合間、楽屋で起こるあれやこれや。
ショウ・マスト・ゴー・オン的な「狭義のバックステージもの」ではないが、王道の勘違いネタも含むコメディで、前説の通り(笑)大爆笑はないがニヤニヤ、クスクス。
が、後半には長年続けてきたものを辞める気持ちやチーム解散の危機と再生などもあり、「雨降って地固まる」的な結末が爽やか。
司会者とそのマネージャーなど、一部の「濃いキャラ」のアクセントぶりもなかなか。

鈴木家の幸福

鈴木家の幸福

ワイアールジャパン

劇場HOPE(東京都)

2014/09/23 (火) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

よく練れたホームコメディ
家族の朝の会話でツカミはオッケー、それに続くオープニングダンスで客のクラッピングを誘って引き込んでおいてのオーソドックス…もとい、基本に忠実なホームコメディ。
が、終盤は人間ドラマに転じて締め括るのが巧み。三演目とのことで、よく練れてるわ。
片岡鶴太郎のようなじいさんのアクが強過ぎる感もあるが、ある意味アクセントではあるか。(地口ではない)
高額当選によって起こるかも知れない事態もさることながら、戦時中の男同士の友情や親友に嘘をつくことのくだりも良かった。

この岐阜の果て

この岐阜の果て

劇団献身

プロト・シアター(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/29 (月)公演終了

満足度★★★★

120分の長さは感じず
ナンセンスだったりブラックだったりシュールだったりな笑いの中に「死にたい」が常套句の若者の心情をバランス良く練り込むセンスが光る。
序盤のネタが終盤で実るのも巧かった。
若干の既視感はあるも120分の長さは感じず。

弄ばれて

弄ばれて

劇団競泳水着

スタジオ空洞(東京都)

2014/09/17 (水) ~ 2014/09/25 (木)公演終了

満足度★★★★

「ドグラ・マグラ」的ラブコメディ
若き劇作家の恋愛事情。
芝居関連の自虐気味のネタなどありつつも本筋はコワくてイタくて胸キュンなラブコメディ、オノコなら誰しも似た経験・思いはあるのでは?
かくいうσ(^-^)も古傷からまだ血が止まっていないできたての傷まで障りまくり…いてててて。(爆)。
また、主人公・渋谷役の和知さんの出オチ(笑)に始まり、どこまで虚構でどこまで実体験か観客を惑わせ(=観客が「弄ばれて」状態?(笑))、さらに作品中で本作の解説(あるいは批評?)までするとは…!
これまたある意味「ドグラ・マグラ」的で大好き。
あと、映画ネタにも笑ったなぁ。

さくらんぼ畑 四幕の喜劇(桜の園)

さくらんぼ畑 四幕の喜劇(桜の園)

オクムラ宅

ギャラリーしあん(新御徒町駅より徒歩1分)(東京都)

2014/09/19 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

元の戯曲の構造がクッキリと
カジュアルな古典と言おうか古典で遊ぶと言おうか、人物を戯画化することでとっつき易くしながらも…いや、そうすればこそ起承転結丸出しの四幕や貯まっていた水が渦を描いて排水口に消えて行くように落ちるべきところに落とす結末など元の戯曲の安定した構造がクッキリ見えてくる感じ?
「かもめ」の時もそうだったが、実時間(10分と20秒の休憩を含めて165分)の長さは感じなかった。

流刑の島ー監獄の唄ー

流刑の島ー監獄の唄ー

平熱43度

萬劇場(東京都)

2014/09/11 (木) ~ 2014/09/15 (月)公演終了

満足度★★★★

随所に男の粋・意気
「ニューヨーク1999」と通ずるところもある近未来の「監獄エリア」を舞台にした物語。
どこか既視感はあるが、元となったであろう作品たちの単なる模倣でなく、それらを消化・吸収した上でオリジナリティを加えて練り上げた印象。
随所にある「男の粋・意気」や序盤・終盤での「剣の稽古」の言い訳、そして歌とダンスによる姉妹の和解シーンが特にステキ。
ところでヒロインは、リン・ミンメイの祖先なんでしょうか?(笑)

回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

回禄のニライカナイ【アンケート即日公開】

劇団バッコスの祭

あうるすぽっと(東京都)

2014/09/05 (金) ~ 2014/09/08 (月)公演終了

満足度★★★★

イマ、意義のある作品
終盤は風呂敷を広げ過ぎの憾みがないでもないが、劇団…というより演劇人としての決意表明を受け取った。
問題を投げかけた形の幕切れや、空手の比喩なども好み。
また、序盤での「法律が間違っているんです!」という台詞、いろいろ考えさせられる。
そんな日本にしてはいけないよね。…というか、そんな方向に行きかけているような今、意義のある作品だった。

非常の階段

非常の階段

アマヤドリ

吉祥寺シアター(東京都)

2014/09/12 (金) ~ 2014/09/21 (日)公演終了

満足度★★★★

広田戯曲としては異色?
様々な出自の面々で構成された詐欺集団がその1人のメンバー宅に居候することで織り成される物語。
広田戯曲では珍しく基本設定の「架空度」が低く、まさにイマの日本の物語、特徴的なムーブメントを封印した(?)こともあり、リアリティがある。
広田さんは執筆にあたり詐欺グループのルポルタージュやドキュメンタリーで研究されたとのことで、それぞれのバックグラウンドや言い分の説得力たるや…。
そんな「グループ」と「家族」の対比を鮮やかに見せておいての「5日目」の前の空間構成が見事。
場を終えた役者が舞台上の各地に動きを止めてとどまるのはあたかも「これで駒は出揃いました、ここからは収束に向かいます」と宣言するようでアクセントとして印象深い。

あと、終盤のタイトルと密接に関わる展開になったあたりの語り口(台詞回しから「カット割」的なもの、物語の流れまで含む)は、いかにも広田作品、という感じだったなぁ。
もちろんそこだけではなくモノローグの入れ方とかそういうものもそうなんだが。

さすがに「長さを感じない」とはならないが、冗長などという単語とは無縁、内容相応の上演時間に思えた。

ネタバレBOX

序盤で使った「サプライズパーティー」を終盤で活かすのも巧み。
さらに、このシリーズでは封印したのか?と思わせた特徴的なムーブメントを終盤で炸裂させるのも、死と生の対比と言おうか生命の躍動と言おうか締めくくりに最適。
広田さん、ホントにそのあたりを意識されなかったんですかぁ?(笑)
騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

騒音と闇 ドイツ凱旋ver.

革命アイドル暴走ちゃん

こまばアゴラ劇場(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/30 (火)公演終了

満足度★★★★

良くも悪くもアゴラver.
喧騒と猥雑と狂乱(笑)と…その一方で見事なまでに統制されてメリハリの利いたパフォーマンス、さらにあんな曲やそんな曲もあるトリッキーとも王道とも言える選曲・構成は毎度の見事さ。
が、会場のサイズの関係(よりは現代口語演劇の拠点という会場イメージ?オリザ王子の呪縛?(笑))もあってか横浜版と較べて良く言えば洗練された、悪く言えばいいコぶっている感じも…。
これはこれで悪くないが、横浜ver.の粗削りなパワーの炸裂もまた捨てがたい。
なお、バナナ学園純情乙女組時代からの大好きなモチーフや意表を突かれた曲に涙腺が弛みそうになったのはここだけのハナシ。

あの空の向こうへ

あの空の向こうへ

ノーコンタクツ

萬劇場(東京都)

2014/09/26 (金) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

主題とその表現方法が◎
時間ものSFではお馴染みの「理論」と主題の結び付け方が絶妙で、その主題に感銘を受ける。(注:「時間ものSF」ではありません)
また、ここではお馴染みの「アレ」はあるもパロディ系はほぼ封印…がしかし、新境地に挑んだことも含め、個人的には高評価。
ただ、「泣かせ逃げ」のラストはズルいな、減点モノだよ(笑)。
あと、音楽(選曲・使い方)にどことなくCャラメルBックスを想起してニヤニヤしてしまった。

ネタバレBOX

「途中の過程は変わることがあっても結果は変わらない」という時間SFの理論(劇中で実例付きの簡単な説明もある)と、海戦ゲームの担当部門毎のエキスパートが集まってシミュレーションを繰り返しても戦艦大和を撃沈から救うことはできない(=一旦戦争が始まれば多くの人々の死は不可避)という主題の取り合わせが、そしてもちろん主題そのものも良かった。
余談だが、序盤のある部分から岡嶋二人の「クラインの壷」を思い出した。アレも面白かったなぁ…(ドラマを観てから原作を読んだ)
ヨロタミュージカル2 Ready Go ~あいのままで~

ヨロタミュージカル2 Ready Go ~あいのままで~

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2014/09/25 (木) ~ 2014/09/28 (日)公演終了

満足度★★★★

必ずしも巧くはない歌にも味わいあり
客席に入りまず「ホテルのような温泉旅館」のフロント、ロビーを具現化した装置に感心。
そして開演すると冒頭のあの手この手で笑いを引き出すセンスある会話・台詞に感嘆。
それはやがて「朝霧母娘」を中心とした昼メロばりのシリアスな展開になり、他のいくつかの挿話も交えて進むが、しかし総てを拾って収束させる流れの巧みさたるや!
一方、ラップから演歌まで幅広く取り揃えたミュージカルナンバー(=オリジナル楽曲)、敢えて言えば歌唱は(本物のミュージカル俳優と較べて)決して上手くはない。
が、むしろ人物の心境吐露であり台詞の延長という気がして、心に響く。
これ、巧いと「歌」あるいは「音楽」として聞いてしまうのでは?
「思ったことをそのまま歌うんだ」的な台詞もあったが、まさにそのまんまで「伝えようとする(役者の)気持ちに「共鳴」あるいは「共振」したのかな?涙が出そうだったもの。
ミュージカルとはそういうものだ、とする台詞がある一方で、ミュージカルの違和感を訴える歌があるのも愉快。
あと、冒頭パートに「“風の噂”ってのは間違いで、正しくは“風の便り”だからな」という台詞があって「よくぞ言って下さった!」とも(笑)。
(補足:誤用は「風の便り、巷の噂」の短縮化か?)

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