じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

1人芝居『てのひらの夜/とみこのむすこ』

浅見臣樹1人企画

風みどり(新中野)(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

対照的な2編のカップリングを堪能
往年のアナログレコードの17cmシングル盤のように対照的な2編。
前半の「くちびるの夜」は帰宅したサラリーマン1人の台詞だけで構成するスタイルだが対話の相手がミソで、フェチと言おうか江戸川乱歩風味と言おうか独特のアヤしさアリ。
5分ほどの「お召し換え」を挟んでの「とみこのむすこ」は「ある報告」で帰省した男の台詞に客への語りかけや質問も交えて進み、意外(むしろ真っ当なのにそう思わせるのが巧い)なオチまでユーモラス。
ところでこれ、かなり事実に基づいているとのツイートを見た気がするが、ホンマかいな?(笑)

誰がための笛は鳴る

誰がための笛は鳴る

空間交合〈アサンブラージュ〉リジッター企画

吉祥寺シアター(東京都)

2015/05/08 (金) ~ 2015/05/18 (月)公演終了

満足度★★★★★

リジッター企画の真骨頂
試合中に退場処分を受けたアマチュアサッカー選手オオサトはオーナーが用意したチケットで渡米することになるが遭難し島に打ち上げられ…な物語。
「愛と戦争と音楽」三部作の最終作ということで、戦争のいくつかの側面・戦争に至る要因の1つ2つ・戦争の終わらせ方などを暗喩で描いているが、歴史上の一連の流れ全体を見せるのではなく、部分部分をコラージュ的に使って再構成しているのが巧妙。
光の当て方や見る方向で色・形が変わるオブジェのように観る側の知識や解釈によって受けとり方が異なるのではないか?
そしてそれは結果的に様々なことを訴えるのではないか?
例えば舞台となる島は時として日本列島、時として戦闘が繰り広げられた南太平洋の島、あるいはルバング島なグァム島とも受け取れる。
そんなストーリーを彩る歌やムーブメントもここらしいもので、序盤の嵐の表現や後半での脚の負傷の表現はいかにも「森脇スタイル」で印象的。。
そう言えばアマヤドリの身体表現は抽象、空間交合リジッター企画のそれは(時として?)具象…などとも考えた。
そんなこんなでリジッター企画の真骨頂を堪能。

ネタバレBOX

「レッドカード」と「赤紙」の言葉遊びは野田秀樹っぽいよねぇ(笑)。
消失点

消失点

JACROW

【閉館】SPACE 雑遊(東京都)

2015/05/13 (水) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

肩の力は抜けないがグイグイ引き込まれる
娘を放置して死なせた被疑者女性の取り調べを担当する刑事も実は似た境遇で…な物語。
刑事と被疑者、現在と過去を絶妙のバランスでクロスさせる構成と照明を巧みに使った演出が相俟ってグイグイと引き込まれる。
その刑事の揺らぐ(?)心情にクリント・イーストウッド製作・主演の映画「タイトロープ」を思い出したり、子供の泣いているところや不在の表現に舌を巻いたり。
そうして迎えるラスト、被疑者・刑事の双方に小さな安堵があるのが救い。
あと、奇しくも二夜連続で「ダメ男見本市」的になったが、世代差が如実に顕れていたと思う。
また、脚本家と演出家の組み合わせが芝居屋風雷紡と同じではあれ、棲み分けはちゃんとできており…と言うより、問われるまではそんなことを意識しない程にJACROWの色が出ていたとも思う。

いずい熱

いずい熱

the pillow talk

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

自然かつユーモラスに描く二浪受験生の1年
東大を目指すも二浪が決まった受験生の1年。
いかにもありそうなエピソードを少し戯画化しているので自然でかつユーモラスなのが巧み。
また、円形ステージにして時が経過すると机・椅子などに見立てた箱を暗転中に120度ずつ回転させたり同じ装置内で異なる空間を交わらせたりする演出や地元組は白で東京モノは色付きという衣装、それに情交の見せ方なども効果的だったり面白かったり。

ネタバレBOX

いやしかし「国立名門大学を目指す受験生が主人公だが、影の主役(?)はその血縁者」という芝居が今週カブっていたとはねぇ…小劇場シンクロニシティの不思議。(驚)
あ、本作での「影の主役」は、親バカそのもので強烈な印象を残す主人公の母ではないか?と思ったもので。
『ロマンチック・ハードボイルド・ハードボイドル』

『ロマンチック・ハードボイルド・ハードボイドル』

劇団SUBUTA!

ザ☆キッチンNAKANO(東京都)

2015/05/16 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

惜しい部分もあるが総じて満足
霊が出るという部屋で開業している探偵事務所を舞台にした物語。
強いて言えばキモである霊を中心とした部分に至るまでに若干の冗長感が漂うのと時として会話の間合いが不自然(相手の言うことを聞いて自分で考えてから答えるにしては早過ぎてまるで相手の言うことが事前にわかっていたように感じてしまうとか)になるのが難点だが、総じて悪くない。
定番的とは言えボケとツッコミの役割分担がしっかりした会話とか、霊の記憶の問題とその解決とか、きちんと組まれていて安心して観ていられるし、一件落着後の場は全体を知っているだけにホロリとするし、このクオリティで1000円ならもう御の字ですわ。
次回公演が早くも楽しみ♪

ネタバレBOX

しかし現世に思いを残した霊を成仏させる物語を2日続けて観るとはなんたる偶然。
「小劇場シンクロニシティ」、またもや…。
ガリベン・レクイエム

ガリベン・レクイエム

劇団ミックスドッグス

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/05/14 (木) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

「キャラメルの小箱」?(笑)
よくできるが夭逝した兄の遺志を継いで東帝大合格を目指す「努力する才能だけが取り柄」の弟の受験騒動記。
キャラメルボックス系の王道物語で安心して観ているうちに起こる「意外性も欲しいな」な気持ちを察するような終盤の意外な展開は「え、それでイイのか、それは違うんじゃないか?」なものだが、それは罠で最後にちゃんと納得させられるという手口にまんまとノせられる。
以前も似た手口があったのにまたも騙されてクヤシイ!(笑)
ところで劇中のアレは実際の入試問題?

ネタバレBOX

タイトルも実は途中まで「レクイエムよりもラプソディーでは?」と思っていたが、その件もラストで納得。いやぁ、ヤられたなぁ。
もっと超越した所へ。

もっと超越した所へ。

月刊「根本宗子」

ザ・スズナリ(東京都)

2015/05/09 (土) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★

真価を問われるのは次回作
4つの部屋での4組の男女を併行して見せることで描くのは「ダメ男見本市」?(笑)
4人のうちの1人は比較的まともかと思っていると実は一番残酷だったりもして「ホントにどうしようもない奴等だな」と客観視していると時々流れ弾が…(爆)
で、彼らの隠された繋がりなども明かしつつ一件落着かと思わせてからが今回のミソでありこのタイトルの所以。
飛び道具的な、あるいは反則に近い(笑)テを使っての落としどころは鮮やかと言おうか何と言おうか…あ、アレだ、「アッパレ」だ。
そんなこんなで知っている範囲内の根本宗子作品中最高傑作であることについて異論はないが、絶讚の声があまりに多いことには疑問を抱かざるを得ない。
従来と一線を画しはしたが、1度しか使えない切り札的な手法によるものであり、むしろ本作を経ての次回作で真価が問われるのではあるまいか?

明治悪党奇譚

明治悪党奇譚

(有)オフィス パラノイア

「劇」小劇場(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

骨太さ健在
三人吉三を明治初頭に翻案。
文字通りの「親の因果が子に報い」など、ベタなまでの関係性が縺れ絡まる様は韓流ドラマのルーツか?(笑)
登場人物がことごとく悪党なのにどこか憎めず同情すらしてしまうのは運命に抗えずそんな因果に絡めとられて行くことへの憐れみか?
そうして迎える終盤は「滅びの美学」的なものが漂い、ラストには某ギャング映画も連想。
設定を明治初頭にしたのは、時代の流れに押し潰される人々、な効果も狙ったか?とも思ったり。

NICE EIJI

NICE EIJI

丸福ボンバーズ

APOCシアター(東京都)

2015/05/08 (金) ~ 2015/05/17 (日)公演終了

満足度★★★★★

こんな良作が2000円均一だなんて!
父・英治の介護に疲れた真紀はふとしたことから小学生時代を思い出し…な物語。
何人かの個性的な人々が出入りしていた回想部分と問題が少しずつ見えてくる現在部分を対比して見せる構成が巧み。
そして楽しかった過去に対して今は…と思わせて(他人事ではないとも思わせる)からの逆転ホームラン的な結末が鮮やか。福島三郎、やはりイイわ!
しかもこんな良作が2000円均一だなんて!

『冒した者』/『ウィンドミル・ベイビー』

『冒した者』/『ウィンドミル・ベイビー』

アマヤドリ

スタジオ空洞(東京都)

2015/05/07 (木) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

ウィンドミル・ベイビー
かつて働いていた牧場を訪れたアボリジニの老女が語る回顧譚。
可愛らしいお婆ちゃんからエラそうな雇い主、さらには犬までという中村早香嬢の演じ分けが愉しい。
そして冒頭こそ広田さんがご覧になったという大方斐紗子さん版を想像するも、進むに従って「これを、大方さんが…どう演じたの?」になるほど個性が出ていたように思われる。
ところで彼女の訪問の目的は鎮魂? また、「ジャガイモ」とは彼女たち地震のこと?
あと、線香花火の「玉」が落ちるようなあの終わり方もイイな。

すべての犬は天国へ行く

すべての犬は天国へ行く

ぬいぐるみハンター

王子小劇場(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★★

長さを感じずあれこれ堪能
殺し合いにより男がいなくなった町の日常(?)。
それでも男を待ち続ける日々に「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」を連想するもケラさんの「西部劇でゴドーをやってみたかった」とのコメントを後から目にして大いに納得。
ケラさんと言えば「自作はあて書きなどもあり他者が上演しにくい(大意)」とのコメントを観劇前に目にしていたが、役と演者がまるであて書きのようにしっくり馴染んでいることにビックリしつつ感心。
配役については事後にナイロン100℃のオリジナル版(未見)を調べ、確かにあの役はあの人だ、と納得したり(エルザとかクレメンタインとか)、タイプは違うがどちらも納得できたり(エリセンダ、カミーラなど)面白さ倍増。
また、久しくナイロン100℃の公演を観ていなかったので、微妙に食い違う会話のオカしさやナンセンスなギャグに「そうそう、これこれ」と懐かしさを感じたり。
さらに、実はあの全員も既に死んでいて、あの日々を永遠に繰り返す一種の地獄なのではないかとも思ったり…。
なんだかんだでいろいろ愉しかったなぁ。

銀河旋律

銀河旋律

風鈴堂

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2015/05/01 (金) ~ 2015/05/03 (日)公演終了

満足度★★★★

鬼に金棒状態?
キャラメルボックスが上り調子だった頃(←)の時間ものファンタジーの傑作である脚本に、オオツ、サルマルを筆頭にキャラクター造りがしっかりできた演技が加わって「鬼に金棒」?(個人の感想です)
なお、この場合、どちらが鬼でどちらが金棒かは問わないものとする。(爆)
それにしてもあの頃のキャラメルは…いや、何でもないです。

舞首ー三つ巴の里ー

舞首ー三つ巴の里ー

鬼の居ぬ間に

シアター711(東京都)

2015/05/06 (水) ~ 2015/05/10 (日)公演終了

満足度★★★★

和製「セブン」?
金田一耕助が呼ばれて訪れるような地方の村で起こる惨劇…。
人の「業」がねっとり(べっとり?(笑))と渦巻いて各人物はそれらに抗えず押し流されて行くが如し。
当日パンフレットに記載され、劇中でも語られる仏教の「三毒(貪・瞋・癡)」がモチーフとして活かされているあたりは和製「セブン」か?
あるいは昭和50年代の松竹映画?
ラストシーンも衝撃的だったなぁ。

眼浸

眼浸

激団リジョロ

ザムザ阿佐谷(東京都)

2015/04/24 (金) ~ 2015/04/27 (月)公演終了

満足度★★★★

罪を犯す男の脳内?
罪を犯した男の見る幻影…と言おうか、罪を犯すに至る脳内を見せる、な感じ?
幻想とワカる部分もあるが、そうでない部分もあり、しかもそれが前後で相反したりするので観ている側として迷宮に足を踏み入れて抜け出られなくなったような感覚に囚われる。
また、はっきり幻想とワカる部分も主人公と血縁者が反映されているのが巧み。
さらにかなりリアルに1Kのアパートを再現した装置と終盤での仕掛けも見ものだった。

夜が明けたとしても…

夜が明けたとしても…

リブレセン 劇団離風霊船

ザ・スズナリ(東京都)

2015/04/23 (木) ~ 2015/04/29 (水)公演終了

満足度★★★★

やはり離風霊船らしい芝居
さびれた商店街の再生プロジェクトをめぐる物語。
前半は穏やかな展開…と言うより「今回のテーマはそれ?ちょっとユルくないか?」な印象ながらプロジェクトリーダーが登場してからは離風霊船の真骨頂、キュッと締まり「今はソレだよね」に変貌、キナ臭くなりつつある今の日本への風刺と皮肉に加えて警鐘まで鳴らすという…。
さらにそれをマイルドに一件落着かに見せておいて更にひとひねりして余韻の残る結末にしたのはさすが。
屋台崩しや突如出現するお花畑などはなかったけれど、やはり離風霊船らしい芝居だったな。

無常ホテル

無常ホテル

劇26.25団

サラヴァ東京(東京都)

2015/04/17 (金) ~ 2015/04/19 (日)公演終了

満足度★★★★

客船内のバーラウンジにいるような錯覚にとらわれる
動くホテルとも呼ばれる豪華客船での日本一周クルーズの客・関係者たちが織り成す物語。
冒頭、乗務員に扮した劇団員全員によるタップに始まり生歌なども挟みつつ進行するので会場のツクリや雰囲気も相俟って、自分も客船内のバーラウンジにいるような錯覚にとらわれる。
そうして、序盤にあった思わせぶりな台詞をすっかり忘れた頃に訪れる意外な結末。
ここで「そう言えば最初の方にあった台詞はこのことか!」と思わせるのが上手いんだよなぁ。

愛し平成、また昇る

愛し平成、また昇る

第27班

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2015/04/29 (水) ~ 2015/05/06 (水)公演終了

満足度★★★★

全体が満遍なく良いが…
全世界的に起こった特殊な状況下で戸惑いながらも自分の行くべき道を模索する人々を描いた群像劇。
普通は主人公だけとか、せいぜいバス1台の乗客とか学校の1クラス程度の人数に起こる事態を全世界的な規模にしたのが着想の妙。
が、様々な対応が同時併行的に進行するのが諸刃の剣?
誤解を恐れずに言えばメリハリに欠け、どこが良かったか問われると答えに窮するが、換言すれば全体が満遍なく良い(恋人のどこが好きか問われて「全部」と答える語彙不足の輩みたいだ(爆))…な感じ。
なので155分の長尺が中だるみしたりダレたりしない…どころか長さをあまり感じないのはある意味不思議(笑)。
欲を言えばどこか軸になるものが欲しかったか?
なお、全体の雰囲気は2013年12月上演の初長編「(morning sun...)」に通ずるような。
また、「特殊な状況」の設定に2人のSF作家を、途中で語られる一部の人物の設定に映画化もされた小説を連想。

ネタバレBOX

【補足】
連想した2人の作家は広瀬正と小松左京、小説は梶尾真治の「黄泉がえり」。
あと、ニコ生の表現や装置の意匠も良かった。
独りぼっちのブルース・レッドフィールド

独りぼっちのブルース・レッドフィールド

ポップンマッシュルームチキン野郎

シアターサンモール(東京都)

2015/02/22 (日) ~ 2015/03/01 (日)公演終了

満足度★★★★

テーマを浮上させる終盤の衝撃たるや!
老いたガンマンとヘンな仲間たちの愉快な旅…。
お得意のナンセンス・ギャグ(今回は下ネタは控え目)に大笑いしてすっかり忘れた冒頭で張られた伏線を回収してテーマを浮上させる終盤の衝撃たるや!
おバカな笑いをちりばめつつ、実はきちんとしたテーマが潜んでいるというのはいつものことながら、今回はのテーマは「人を殺す“罪”の重さ」ということで、よりシリアス。
あと、銃撃戦の表現が愉しかった♪

ネタバレBOX

終盤で明かされる衝撃の事実に映画「エンゼル・ハート」を連想したりも。
立体文学 「十二歳~おれはねこだぜ~」

立体文学 「十二歳~おれはねこだぜ~」

ストーリーテラーズ

竹林閣(東京都)

2015/02/20 (金) ~ 2015/02/22 (日)公演終了

満足度★★★★

シンプルになった分、想像力をより刺激される
佐野洋子の随筆数編と絵本用の物語1編で構成した60分。
従来よりも小道具などがシンプルになった分、想像力をより刺激される感じ。
パックマンのような形状のモノの切り欠き部の向きを変えたり組み合わせたりでいろんなものを表現するアイデアも良かった。

30光年先のガールズエンド

30光年先のガールズエンド

The end of company ジエン社

早稲田小劇場どらま館(東京都)

2015/04/08 (水) ~ 2015/04/12 (日)公演終了

満足度★★★★★

ワカり易いカタチで歳月を感じさせる
貸しスタジオでの待ち時間にライターの取材を受けるガールズバンドのメンバーと、その12年後にスタジオを訪れた彼女たち…。
今まで観てきた中では最もワカり易いのは本介さん曰く「前作の反動」(笑)。
とはいえお得意の同時多発会話も使いながら写実的な装置の中で描かれるのは「歳月」?
12年後の自分をライターから問われた彼女たちは「想像できない」と答え、30歳になった彼女たちは当時の自分の記憶が曖昧…。
そこに横たわる12年の歳月に何だか胸がきゅん。
10年後などを想像できない若者、というのは割とありがちながら、同じ人物が過去を振り返った時に…という対比にしたのが鮮やか。
うーん、好きだな、この作品。

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