じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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幕張の憶測

幕張の憶測

劇団献身

シアター711(東京都)

2017/05/12 (金) ~ 2017/05/21 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/05/17 (水) 14:00

価格2,700円

基本的には典型的なシチュエーションコメディの1つのパターンながら終盤で一転しさらに想像の上を行くシカケまで登場という構成が巧みでそのシカケも含めて物語的にも好みだった。
モラトリアムシンドローム的なダメ男たちの物語、終盤で彼らを諫める存在がいるのもイイし、シカケも唐突でなくちゃんと伏線をはってあるのできちんと溶け込んでいたし。
さらに、配役の妙と言うか、それぞれの役に説得力もあった。
あと、奥村主宰の前説での客席のあたため方も上手く、総じて満足。

戦浄のパンクロッカー

戦浄のパンクロッカー

レティクル座

王子小劇場(東京都)

2017/04/13 (木) ~ 2017/04/16 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/14 (金) 14:00

価格3,000円

最初に不平を2つ。まず「なげーよ!」。あれこれ盛り込み過ぎで120分弱はチョイ長。いや、それはサービス精神の顕れだし冗長ではないからまだイイのだけれど、もう1つの、そして最大の欠点は「M16使えよぉ!」(笑)。←これゆえに画竜点睛を欠く、な感アリ……なのだけれど、逆に言えばそれ以外は上出来でとっても愉しかった♪

予期したほどお下劣ではなく、むしろおバカ/ノーテンキさと意外にも(失敬!)しっかりした痛快王道ストーリーとの配合具合は「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」に通ずるのではないか?(あくまで個人の印象であり異論・反論は認めますが自説を変えたり撤回したりする気はありません(爆))

実はある定番ネタが中心なのでそっち方面のオマージュも複数あり、元ネタ(=ほとんど有名なもの)を知っていればその分楽しめるし、地口やパロディの小ネタ満載でいちいち覚えていられない状態♪ で、それらのセンスが良い……と言うと語弊もありそうだから「σ(^-^)の好みに合致」としておこう。

さらにキャラクター設定とネーミング、そしてその造形(衣装・メイクとか)・表現(演技)も良い意味で定番に則っており、それぞれ「あー、いるいる」「やっぱりそうなるよね」だったさ。

ネタバレBOX

「時をかけるパンクロッカー」なだけにターミネーター、バック・トゥ・ザ・フューチャー、ドラえもんなどに加えてスターウォーズもあってニヤニヤ。
別役実「正午の伝説」フェスティバル

別役実「正午の伝説」フェスティバル

die pratze

d-倉庫(東京都)

2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/05/05 (金) 14:00

【トレモロ/IDIOT SAVANT theater company】
前半のトレモロは冒頭の「下駄タップ」はいかにもトレモロだった(笑)もののそれ以降は極めてオーソドックス。
がしかし控え目な照明とエッジの利いた台詞回しによって生み出す緊張感と「フィーチャリングえみりーゆうな」によって漂う(「エロティック」でも「色っぽい」でもなく)「えっちな」感覚が特色。
また、あの会場の舞台機構/構造を利用したラストシーンの構図もステキ。

後半のIDIOT SAVANT theater companyは「そのテもあったか!」なリーディングの第1場、他所で撮った映像中心の第2場、その第2場では舞台から客席を通り抜けるだけだった2人も交えた第3場、という変則的な構成が考えようによっては一番前衛的。
第1場での「男」の徹底して誇張した台詞回しと動きがウザく煩わしく喧しく、そのおかげで「女」は彼に対してこういう印象を抱いていたのかもぁと気付かされる。
が、第2場の映像は意図が読めず(かつて観たボクサーが主役の芝居でクライマックスの試合場面において第1ラウンド終了後にスクリーンをおろして映像を見せ、最終ラウンドでまた芝居に戻したことを思い出した)むしろ邪道に思えてしまい、そうして迎えた第3場はそのちぐはぐさに輪をかけるような混沌状態でもはや何が何だか……。
後日気付いたのは第2場「だけ」が映像メインだったからかも、ということ。
あれで第3場がリーディングと映像のセッションのようなものであればまだまとまりを感じることができたのではないか?

とはいえこの組み合わせもそれぞれ特色があって楽しめた。

別役実「正午の伝説」フェスティバル

別役実「正午の伝説」フェスティバル

die pratze

d-倉庫(東京都)

2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了

満足度★★★★

【しおめも/劇団じゅんこちゃん】
前半のしおめもは少し前の「お昼と言えば……」なアレから始め、イントロ的なトークが終わって以降は2人のパフォーマーによるほぼ言葉を排した身体表現の60分。
ここまで言葉を排するともはや何がなんだか(Empty-Kubrickでさえオーソドックス寄りに感じられるほど(笑))ではあるが、これまでの4団体を観ているので動じることもなく、「あ、そうなの」的に受け止める。

5団体目と前半最後であったしおめもで一番の深淵まで来たと思ったら、後半の劇団じゅんこちゃんは折り返した途端に急浮上、な印象で1場での男女の性別入れ換えはあったものの、手法としてはアムリタよりもオーソドックスだったかも。
で、この性別入れ換えに青年団リンクRoMTと劇団やぶさかの「夏の夜の夢」を(考えようによっては楽園王もそうか?)、終盤での幕を使って演者の影を見せる手法に有末剛 緊縛夜話「盲獣 -あなたの世間に唾を吐く-」を、とそれぞれここ2ヶ月ほどの間に観たものを思い出し、やはり「小劇場シンクロニシティ」か?みたいな。

ところでここまでの6団体の組合わせと上演順(総合)、神レベルでは?

ここは宇宙の入り口です

ここは宇宙の入り口です

in企画

イリヤプラスカフェ@カスタム倉庫2F(東京都)

2017/04/29 (土) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/29 (土) 18:00

星にちなんだ(ぼかし過ぎ?)メルヘンチックなものと月にちなんだ(ぼかし過ぎ?)センチメンタルなものというファンタジー系連作短編(+α)。
音楽の使い方……というより「組み込み方」も巧く、大人から子供まで楽しめる、そしてスタンダードになり得る広角作品と言えるのではなかろうか?
客席となった階上のスペースの木材丸出し的な内装も優しさのある内容に合致していて良かった。

別役実「正午の伝説」フェスティバル

別役実「正午の伝説」フェスティバル

die pratze

d-倉庫(東京都)

2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/29 (土) 14:00

【楽園王/Empty-Kubrick】
先攻の楽園王は設定まで大きくいじって(傷病兵を女子高生に置き換えるとは!)1組目のアムリタ版でさえオーソドックスに感じられてしまうほどのアレンジでありながらやはり別役作品であり楽園王、な感じ?

後攻のEmpty-Kubrickはダンスカンパニーゆえ台詞もあるもののメインは身体表現で(3場なんて台詞なしだし:そもそも身体表現専属が3名いるし)楽園王版でさえオーソドックスに思えてくるほど?(笑)
がしかし、それまでの3団体で内容を呑みこんでいるので「ははぁ、なるほど」な感覚。
思いの外激しい動きや最近のトレンドになりつつある(?)舞台床面に灯体を置いて演者の影を舞台の壁に大きく投射する手法も印象的。

そんな楽園王とEmpty-Kubrick、1場と2場を平行して進めるという構造の共通点があろうとは!

ということで1組目、2組目と次第に深みにハマって行く感覚だったが、今後の3組6団体の攻め方やいかに? オーソドックスありバリエーションありなのかしらね? ますます楽しみになってきた♪

別役実「正午の伝説」フェスティバル

別役実「正午の伝説」フェスティバル

die pratze

d-倉庫(東京都)

2017/04/25 (火) ~ 2017/05/09 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/25 (火) 19:00

【アムリタ/P-Farm】
作品初見ながら当日パンフレットに掲載されたあらすじを読み概要を踏まえていたので、そしてアムリタはよく観ているので前半のアムリタ版は「そこをそう変えましたか」であったり「あぁ、いかにもアムリタらしい奇策!(笑)」であったり。
休憩を挟んだP-Farm版は例えば演劇集団円、文学座、俳優座など老舗団体を思わせる(私見)オーソドックスな「これぞ別役」という演出につき、あたかも「答え合わせ」をしているよう(笑)。
ということで前半はアムリタの芝居、休憩後は別役の芝居、な印象。通し券であとの4組・8団体も観るので、それぞれどうアレンジするかが楽しみ♪

空と雲とバラバラの奥さま

空と雲とバラバラの奥さま

クロムモリブデン

吉祥寺シアター(東京都)

2017/04/20 (木) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/24 (月) 19:30

座席H列14番

(作品の私的解釈になるのでネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

最初は山野を「悪魔的な存在」と思っていたが、ねこを妻と瓜二つキュウリ三つと言って過去を明かすあたりからその過去と現在起きていることとの相似性に気付き始め、起こっている大半のことは山野の「内的世界」あるいは「心象風景」なのではないか?と推察。
そんな風に内的世界と外的世界がクラインの壷の如く継ぎ目なく繋がっているのが「ドグラ・マグラ」を想起させる。
ラストシーンの赤子は何だろう?いろんなものに思えるようでもありよくワカらないようでもあり、そんなつかみどころのない終わり方がやはりクロム風?
LiTERaLY WoRKs

LiTERaLY WoRKs

劇団やぶさか

高架下スタジオSiteーD集会場(神奈川県)

2017/04/22 (土) ~ 2017/04/23 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/23 (日) 14:30

価格2,000円

古典あるいはスタンダード級の小説2編(宮沢賢治・志賀直哉)と戯曲1編(沙翁)、それに書下ろし1編というおトク詰め合わせ。
がしかし、そんな構成でも劇団の個性(演出・衣装のセンスなど)が溢れているのがスゴい。
「予告編」と銘打ち、森での騒動が始まったところまでを30分弱で見せた「夏の夜の夢」だって笑いの入れ方や台詞回し、衣装など見事なほどに「やぶさか色」だったもんなぁ。
ところで雷THUNDER……もとい雷三太……もといライサンダーを女優が演ずるの、トレンド?(笑)
なお、スペースの真ん中に太い柱が1本あって、どのように使ってもそれが演技エリアに存在して死角ができてしまうこの会場で、(一部が時々)見えないことにストレスを感じさせない(極私的な印象です)演出も鮮やか。

場違いの一日前

場違いの一日前

電動夏子安置システム

赤坂RED/THEATER(東京都)

2017/03/29 (水) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/30 (木) 19:30

座席C列13番

パラレルワールドも絡めた末に実はバックステージものというアガリスクの時かけと異なり純然たる(笑)時間もの(BTTFとかね)。
初日に流れた「ある情報」を知っていたのでより「ヤラれたぁ!」感が大きかったかも?
序盤の複数の会話のクロスぶりや中盤以降の認識の誤りによる会話のズレの可笑しさはお家芸的なものだね。

ネタバレBOX

とある方の出演を知り「いつ登場するのか?」と思いながら観ているうちに引き込まれてすっかりそのことを忘れてしまい、最後のオチ的に登場した時には「あ、そうだった、ヤラれたぁ!」と
独立愚連飯店

独立愚連飯店

トツゲキ倶楽部

「劇」小劇場(東京都)

2017/04/19 (水) ~ 2017/04/30 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/19 (水) 19:30

価格3,900円

ユーモラスな中に「こんな世界になってはイヤだ」「こんなことになってはいけない」というテーマが見え隠れするのが「マイルドな井上ひさし」な印象。(あれほどはテーマを押し出す部分がなく控えめなのが「マイルド」を附す所以)
キャラクター造形も登場した時点から「いかにも!」な方や終盤で正体が明かされた時に「あー、確かに!」な説得力がある方を筆頭に鮮やか。
が、あのラストの解釈は二つに分かれるかもなぁ。希望的には「あの映画」的ではない方を望むが(謎)。……できればあのラストシーンから始まる続編を観たいものです。

ネタバレBOX

無口・無愛想でコワく感じてしまう店主や皇族っぽさがある皇太子を筆頭に、配役が的確でニヤニヤ。
ラストには(不本意ながら)「明日に向って撃て!」を連想。彼らが蜂の巣にされていないことを証明するために(ロッキーシリーズのように)本作のラストシーンから始まりあの状況をいかにすり抜けその後どんな活躍をしたかを描く続編を熱望!(笑)
祇園

祇園

大統領師匠

【閉館】SPACE 梟門(東京都)

2017/04/04 (火) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/04 (火) 19:30

価格2,800円

演劇的な「真面目なコント」あるいは「コントへの演劇的アプローチ」。
今回は特に前半の(ある意味「知的な」)着想が良く、そこからおバカ・ナンセンス系に転じて行くのが構成の妙?

代役!

代役!

劇団ヨロタミ

シアターグリーン BOX in BOX THEATER(東京都)

2017/02/22 (水) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/23 (木) 14:00

座席F列9番

価格2,800円

男性アイドルグループのリーダーの出身地でのコンサート当日、メンバーたちが食あたりで開催が危ぶまれるがスタッフ陣はリーダーに瓜二つな父親を代役に立ててコンサートを決行しようと企て……な物語。
バックステージものにハズレ無し……なところに「いつものアレは?……(しばしの時間経過)……あぁ、そう来たか!」や「ソレはそこで使うのね」も加わったコメディ。
劇中ステージのフィナーレであたかもその舞台の観客であるような錯覚があり、しかも(劇中の)スタッフの苦労を知っている分、劇中の客よりも感動は大きいのではないか?とも思ったり……
劇中現実の部分には時々現実が混じるメタ構造もあり、メタって「絵の一部が額からはみ出しているだまし絵」的でもある、と今さら気付いたりも。

ネタバレBOX

開演前にいつもの前説がなく、どうしたのかな?と思ったら劇中序盤でコンサートの進行担当が前説の稽古をするカタチで行われ、常連客ならニヤリとでき、もちろんお初のお客さんにも楽しめるという趣向もさすが。
すかすからす

すかすからす

ムシラセ

RAFT(東京都)

2017/03/23 (木) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/26 (日) 14:00

価格2,000円

教師が手を焼く問題児・えりだったが実は……な物語。
ツイッターで流れていた感想を思い出しながら「それな」「なるほどこのことか!」などと納得しながら観たりして。
いやしかしこういうド定番ネタをちゃんと見せてしまう温故知新スタイル、この少し前に観たpeachboysもそうだったけれど、イイね。

おぼろ

おぼろ

ゲキバカ

新宿村LIVE(東京都)

2017/04/05 (水) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2017/04/05 (水) 19:00

座席F列16番

ピカレスク・ロマンでありアクション時代劇な力作。
軽さやSFファンタジー的テイストからダーク&へヴィーまで含むスタイルは劇団☆新感線に通ずる感覚?
もちろんこれもアリで諸々の必然性も納得した上で言えば「ある部分」により「痛快」「娯楽」などの語で表現できなくなってしまったのが惜しい。(私見)

ネタバレBOX

ゲス吉は復活するからまだしも、お花を殺してしまうことが「個人的には」残念。
それ以降、おぼろ小僧をより一層奮起させる原動力であるのは十分すぎるほど理解するし「ストーリー構造として」否定する意図はないのだが、そこに至るまでの「痛快時代劇」もしくは「娯楽時代劇」な愉しさが一転してしまう落差の大きさが承服しかねる。

劇中の「人死に」について、悪役側・主人公側あるいは一般人を問わず、必然性の有無や適切・不適切を問わず(必然性がなかったり不適切だったりなら論外だね(笑))批判的になりがちなσ(^-^)、根底には「虚構なんだからハッピーにしてよ」な気持ちがあるのかも?

なお、上手側の通路を花道的に使うことが何度かあったので後方でその通路に近いF列16番は絶好のポジションだった。
第十五夜『盲獣ーあなたの世間に唾を吐くー』

第十五夜『盲獣ーあなたの世間に唾を吐くー』

有末剛 緊縛夜話

ザムザ阿佐谷(東京都)

2017/04/08 (土) ~ 2017/04/09 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/04/08 (土) 14:00

価格3,000円

2人の女優(+α)が朗読(+α)する乱歩の「盲獣」に合わせて緊縛師と3人のモデルによる緊縛ショウが繰り広げられる趣向にして小劇場系のトレンドになりつつある(私見)「光学効果」満載(しかも最近観たいくつかとはまた異なるパターン)で想像力を刺激しまくる朗読緊縛劇。
脚本・演出がオフィス再生の高木尋士さんだけに入場した時点で目に入る舞台両脇のアレに「それな」(笑)だし、以降も再生色が随所に。

アフタートークで出た有末さんの「海外のもの(あるんだって!)と較べて日本の緊縛は多様性がある 」との言葉に風呂敷や折り紙に通ずる日本の伝統文化か、などとも思う。
また、欲情を促進するものがカストリ雑誌のエロ小説→画像(=挿絵・イラスト→写真)→映像(ポルノ映画・アダルトビデオ)と次第に具体的なものに変遷して行くのにつれて想像力・妄想力が衰えてしまったのではないか、とも考えた。

ネタバレBOX

ステージは白い幕で遮られており、その手前両サイドに電気スタンドが乗った机が1つづつ。オフィス再生の読書劇で「前科」がある手口だね。
その幕は結局終演まで落ちたりせず、奥での緊縛の影や画像(版画(?))映像(緊縛の様子の生撮影しているビデオ)を投射するスクリーンというシカケ。
光源に近い位置にあるものの影は大きくなるという「影の遠近法」を利用して人の全身と同じくらいある大きな手が人物を愛撫する……などの「SFX」も使うのも面白い。

また、アフタートークで「すべて見せないことによるエロス」などの話も出たのもこの手法に合致しており納得。
3年B組金玉先生

3年B組金玉先生

Peachboys

シアター711(東京都)

2017/03/24 (金) ~ 2017/04/02 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/24 (金) 20:00

価格2,000円

大のオトナの本気の悪ふざけ、カカフカカ企画と同じくらいヤバくてカカフカカ企画よりオトナでカカフカカ企画より大人気(おとなげ)ない。
ネタがてんこ盛りで次から次へと繰り出されて一つ一つを反芻する余裕を与えないのは「ネタのわんこそば」状態?(笑)
あと、使い方を誤ると「反則!」とのそしりを浴びかねないテで「綺麗に一本取った」と思わせてしまうのは何?(爆)

その団体への初参加の役者であっても(経緯はどうであろうと)その個性・特性を活かした使い方でちゃんと溶け込ませるのが演出家の手腕か?などとも思った前日に観たたすいちと本作。

夏の夜の夢

夏の夜の夢

Theatre Company カクシンハン/株式会社トゥービー

シアター風姿花伝(東京都)

2017/03/19 (日) ~ 2017/03/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/03/22 (水) 19:30

まずは当日パンフレットの配役表を見て「そう来るかぁ」とニヤリ、それ以降は「これが、カクシンハンの、やり方かぁ~っ!」な「確信犯的犯行」。
とはいえ「あそこ」を「そう変えた」ことと大幅につまんだ以外は一応原典に忠実で、ラストも変更というよりは「ある解釈」に基づいた感じ?(ちょっと違うか)

で、観ながらσ(^-^)にとって「夏の夜の夢」というのは音楽におけるヴィヴァルディの合奏協奏曲「四季」みたいなモンかな、と思ったり。本来の編成以外にソロがフルートのものや中国の古楽器によるもの、ポップなレッド・ブリースト版からエレクトリック・ギターの多重録音のものなどそれぞれ違った面白さがあると思うもの。
その喩えで言えば本作はパンクアレンジなのかも知れない(爆)。

なお、ごく一部(うんと引いた画を見せるところ)で惑星ピスタチオの手法を思い出した。あと、舞台美術(装置ならびに「光学効果」)が好みだったな。

ラボ4~こおりおに~

ラボ4~こおりおに~

ノアノオモチャバコ

小劇場 楽園(東京都)

2017/02/21 (火) ~ 2017/02/26 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/21 (火) 19:30

とある自治体で行われた「貨幣経済から脱却(?)するために将来導入することが検討されている新システム」の実地試験の顛末。
副題をつけるなら「便利な制度の導入に関する考察、もしくはルールの抜け道やそれに伴う本末転倒について」か?
序盤でのこおりおにの場面に象徴させたもの(=例外的に設けたルールをみんなが使うと行き詰まる)が「こういうことか」とあとから納得できるのも上手い。本来自発的にするべきことを制度によって推進しようとするとその裏をかく輩が現れるとか、報奨で釣っていると一般化して報奨がなくなった時に揺り戻しが来るとか、「落とし穴」を判りやすく描いていることに感服。

『こんこん』 『跡』

『こんこん』 『跡』

世田谷シルク

さくらWORKS<関内>(神奈川県)

2017/02/11 (土) ~ 2017/02/19 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/02/11 (土) 18:00

両編とも「光学効果」あるいは「超小規模プロジェクションマッピングもどき(笑)」が独特にして面白く、それ以外にも(堀川主宰によれば偶然の)共通点がありニヤリとした。

「跡」
1人の男性の一生を軸として100年近くに亘る年月を定点観測的に40分余に圧縮して見せるが、幼年からの加齢が見て取れるし、その一方で「ある手法」により観客の想像に委ねる部分も大きいのが上手い。

「こんこん」
複数の昔話をメドレーのようにうまく繋いでいて楽しい。
pit北/区域での初演を観ていたがそれとは印象がガラリと異なり上書き保存されてしまうほど(笑)なのは装置による部分もあるかしら。

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