じべ。の観てきた!クチコミ一覧

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乱

チームジャックちゃん

シアター風姿花伝(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/06 (土) 13:30

価格4,000円

当日パンフレットにもあるように史実を基にしていながら史実と異なる部分もあるといういわば「パラレルワールドの」新選組の末期。
オール女性キャストの【乱れ髪】版を観たが、驚くほど違和感も「宝塚っぽさ(?)」もなく、ごく自然に滅びの美学・様式美的なものを受け取る。
また、障子戸2枚を蝶番で繋げたような2組の可動式装置のギミックや照明に「Voyantroupeの血筋」も感じる。

単純明快なラブストーリー

単純明快なラブストーリー

制作「山口ちはる」プロデュース

小劇場 楽園(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/07 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/04 (木) 19:00

価格3,500円

2014年4月の浮間ベースプロジェクトによる初演、2017年2月の「ちはる塾」版それぞれの印象的な部分が脳内に蘇ったりもしながら観ていたが、会場・演出の違いもさることながら主役の春のキャラの違い(前年は真面目、今年はくだけた感じ)でこんなにも印象が変わるのか!?というオドロキ。
また、過去2回と較べて手狭というか「直線コース」がないこの会場でも○○○を使ったこともオドロキ。(笑)
なお、この日の昼に観たものもこれも出演者(男女とも)が生歌を披露し、男性はギターも弾く、そして欧陽菲菲の楽曲が歌われるという小劇場シンクロニシティもあり。

ところで2014年7月の浮間ベースプロジェクト「ラブストーリー2」(未見)で上演されたのは再演ではなく書き下ろしだったらしい。
これも山口Pで観たいぞぉ!!!

ハイライト

ハイライト

うさぎストライプ

こまばアゴラ劇場(東京都)

2019/04/03 (水) ~ 2019/04/08 (月)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/04/04 (木) 15:00

2014年12月に観た「空想科学」と同様、「Don't think, feeeeeel!」系。よって起承転結がはっきりした「物語」を期待するムキには「何じゃこりゃ?」「意味ワカんなーい」かも知れないが(よって万人にオススメとは言えない)、深読み・誤読が得意(爆)な身にはあれこれ推し測りながら観るのが愉しい。
冒頭からブッ跳んだ設定だし、それ以降も飛(翔)びまくる展開に振り落とされないようしがみつきながら(爆)観る感覚は「ロデオ演劇」かもなぁ。(笑)
あるいは「夢のような芝居」。(謎)
(以下、これからご覧になる方に先入観を与えるおそれがあるのでネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

最初の場に東京オリンピックで何らかの事故・事件があったような台詞がありつつ、そこから時間的には繋がっている筈の次の場で(黒沢の同僚交通誘導係だった高瀬と島崎がなぜか運転手とガイドを務める)観光バスから建設中のオリンピック設備が見えるという時間軸などが四次元的に捩れたような、あるいは話をしながら「〇〇と言えば……」とわき道に逸れ続けた挙句に最初と辻褄が合わなくなったような展開に「まるで夢の中における内容の飛躍のよう」な印象を持ち、「そうだったかもしれないパラレルワールド」を巡っているのか?とも思ったが、終盤に「テロ」という言葉も出てきたことで「オリンピックを狙ったテロの被害者が生死の間をさまよいながら見ている夢ではないか?」に落ち着いた。(物騒でダークですねぇ)

あと、東京オリンピックと荒廃した(?)東京ということで背景がどこか「AKIRA」に通ずるような気もした。
時をかける稽古場2.0

時をかける稽古場2.0

Aga-risk Entertainment

駅前劇場(東京都)

2017/03/22 (水) ~ 2017/03/28 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/03/27 (月) 14:00

3月1日の試演会後に終盤を更に書き直したそうでプロトタイプから実戦仕様に進化。ある場面以降、演劇愛がてんこ盛りで何度か目が潤んだ。
で、試演会で観ていたので伏線もよくワカったし♪

また、
起:時間SF
承:「ある系統」のSFサスペンス
転・結:演劇愛+(特定2ジャンルの)SF論
な構成が鮮やか。
もう少し詳しく言えば、この作品、実は時間SFを導入に使ったバックステージもの、というのが正体ではなかろうか。「バックステージもの」の個人的定義は、表見的には「進行中の芝居あるいは予定されている公演などが見舞われたピンチを関係者が何とか切り抜けようとする様子を描くもの」で、内面に「現実の作家・スタッフ・出演者たちの演劇愛をたっぷり盛り込んだもの」と思う。
そうして、「ナイゲン」では冨坂さんの母校愛がダダ漏れだったが、本作は演劇愛がダダ漏れ、という感じ。

思い返すとやはりかなり理屈っぽい部分もあるのだが、それをあれだけ楽しく見せて、今までもやもやっとしていた時間移動と並行世界の関係性を明解かつワカり易く説明しているのも巧い。

あと、初演から言えることだが、「違う同一人物」の演じ分け/スイッチも見事。

他に個人的な坪は
・2022年のクマガイの熱弁(途中から誰も聞いていない)
・クマガイとハマカワの友情
・ハマカワの主張とアサコシの論破
かな。

さて、この版の再演はあるのか?あるいはさらに進化した3.0か???

とはいうものの。

とはいうものの。

なかないで、毒きのこちゃん

駅前劇場(東京都)

2019/04/02 (火) ~ 2019/04/04 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/04/02 (火)

価格3,300円

普段は大リーグボール級を含む変化球やヘタをするとビーンボールな際どい球が主体の投球ではあるが、その気になれば直球も投げることができますよ、と言わんばかり(笑)の正統派ドラマ。その意味では2016年5月の「やさしいムスコ」に近い感覚か。
がしかし、物語もどちらかと言えばシリアスながら随所にくすぐりがあるし、会場の使い方もただの対面客席でなく……なところはいかにも毒きのこちゃん。
こういうのもできるんだぁ、というか、忘れた頃にまた演って欲しいな。

ネタバレBOX

客席の背後・左右も演技上の「通路」的に使う手口、最初のジョギング中の場でガンツさんを何周か走らせた上で「走りながら話すのは……」と言わせるのはリアリティあり。(笑)
硝子細工のイヴ

硝子細工のイヴ

ウテン結構

d-倉庫(東京都)

2019/03/22 (金) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/22 (金) 19:30

価格3,500円

開演直前なのに……な演劇公演の楽屋での会話をプロローグに始まる本編はサイボーグ技術が確立された未来世界を発端として複数の「層」を為す構造。出だしの設定と相俟ってしばしば「今はどの層?」と翻弄される。
それに加えてSF的設定もありながらあまりSF臭がしないことやオープニングテーマが5分くらいあることもあって、まさしく「楽園王の血筋」(笑)。
いやしかしこのパターンで2時間を超えるとちょっとしんどいかもなぁ……

第27班 本公演9つめ『蛍』

第27班 本公演9つめ『蛍』

オフィス上の空

萬劇場(東京都)

2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/03/21 (木)

21日に14時の【B】と19時の【A】を続けて観劇。 
スケッチ集のように次々に見せた場はやがて4つの流れにまとまり、全体の三分の一あたり(推定)でそのうちの2つの関係が判明、さらに三分の二あたり(推定)で残り2つの関係も判明、そしてやがて……というトリッキーな構造は好みのパターンの1つ。
なので1回目はそれらの関係を推し測りながら観て、2回目は知った上で観ることになり、見えてくるものも違ったり違わなかったり。(Bを観ながらAに出演するよく存じている方々の役を推測するのも面白かった)

また、短い場を次々にテンポを損なわず見せる複数の場を同居させた装置や、現在と過去の同じ人物を舞台に登場させて台詞をユニゾンや分担で言わせる手法、ラストで舞台上の2人に視線を集中させておいて照明を落とすことで観客に残像を見せる演出など、「演劇ならでは」のテクニックがふんだんにちりばめられているのもイイ。

構成、演出とも第27班らしいもので大いに満足。

ネタバレBOX

併走する複数の場は序盤で4つの流れに統合され、全体の三分の一あたり(推
オシダの流れとヤマトの流れが現在と過去の同一人物だと明かすのは「15歳違う姉がいる」というオシダの台詞から。
また、同様にサトルとエイジが同一人物と明かすのは「エイジ」が(というかサークル内での呼び名がすべて)実名ではなくニックネームだと語ることで。
このように2人の棋士の過去と現在を見せて終盤の竜王戦でその2人が対戦するという4つの流れが2つに統合され、それがまた交わるのはトーナメント戦の如し。
で、その場面、天才と凡人(自称)の対局にどこか既視感を覚えたが、すぐに「ピンポン」のペコとアクマと気付く。終演後に深谷さんにその旨を伝えたら、意識されたそうで……当たりぃ♪
伯爵のおるすばん

伯爵のおるすばん

Mrs.fictions

吉祥寺シアター(東京都)

2019/03/20 (水) ~ 2019/03/25 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/25 (月) 15:00

座席G列9番

価格4,000円

2013年10月にサンモールスタジオで上演した「伯爵クロニクル」の増補改訂版、的な。
休憩前の2場が「過去編」、休憩後の3場が「未来編」という構成だが、順に「基本」「王道」「変化球」「終わりの準備」「完結」と言えるのではあるまいか?そして全体できちんと起承転結になっているのが実に見事。
また、演者の使い方にしても装置・衣装・メイクなど舞台美術にしても「さりげなく贅沢」で、観ていてゴージャスな雰囲気に浸る。

ネタバレBOX

初演時には気付かなかったが第一幕第二場はまさしく本作の「コア部分」。
毎年卒業する生徒たちを送る教師は先に逝く知己を「見送り続ける」伯爵の「縮図」ではなかろうか?
ひびのばら

ひびのばら

キ上の空論

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2019/03/27 (水) ~ 2019/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/03/28 (木) 19:00

座席H列18番

序盤では比較的短めの場をスケッチ集のようにスピーディーに積み重ねて人間関係などを提示した上で本筋に入ってゆくスタイルで語るのはキ上の空論には珍しい「どストレート」な恋愛物語。
珍しいと言えば前後する時制とか、似て非なる場面の繰り返しとかのトリッキーさがほとんどなくオーソドックスとさえ感じるのも珍しい。
(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

序盤の短い場の積み重ねはいわばドミノの牌を並べている段階であり、ある時点でその並べた牌の1つを倒すと次々にそれらが繋がって倒れるように物語が展開してゆく感覚。
がしかし、すべてが倒れるのではなく一部残ったように感じられる部分があり、後からそこも倒れるように「あれはどう繋がるの?」と思った場面を残し、それを少し後で改めて明かすのがキ上の空論らしい。

主人公・寿(小島梨里杏)の母を岩井七世が演じ、その若い頃を清水みさとが演じているのが巧妙なトリック。
観ていると小島パートと清水パートの2つの流れがあるのは察するが、清水パートに岩井も登場しているし(後から考えるとその時はまるで霊であるかのようにその場の人物には存在が認められていない?)、年齢が近いために小島・岩井が電話で会話する前半の場面では友人・知人にしか見えないのがミソ。
終盤で親子であることが判明した瞬間に残っていた疑問が一気に消え去るシカケはいかにもキ上の空論。(笑)

近日上演の劇団鋼鉄村松も恋愛ものだそうだし、「まさかの団体が恋愛もの」は小劇場シンクロニシティ?
また、つい先日の第27班「蛍」も現在と過去の場を特に時制を示さず並走させる手法を使っていたし、それもシンクロニシティ?
しかし
ナイゲン【劇団ミックスドッグス】

ナイゲン【劇団ミックスドッグス】

劇団ミックスドッグス

ひつじ座(東京都)

2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/26 (火) 19:00

会議劇ハシゴの後半戦。
どちらも「学内での会議」という設定、観客に劇中で使われる資料が配布されるという点が共通な一方、「オトナな大学生」と「まだガキ(笑)な高校生」、「地方自治に関する議題」と「自クラスの演し物の存否」という点が対照的で、後者の方が良くも悪くも「白熱する」というのが丸わかり。

そんな「ミクドクナイゲン」、かなり早い段階から早口で、若さ(劇中設定に加えて演者もおそらく今まで観た中で一番若い?)を感じる一方、知っている身には良いけれど初見のお客さんには聞き取りづらいのではないか?とちょっと気になる。
出だしのあたり、それに議論が白熱してからも「流れの中で重要な台詞」はもう少しスローダウンした方が良くはあるまいか?

キャスティングに関しては当日パンフレットを見て「あの人はそっちの役なんだ」と思った部分もありつつ、いざ始まってみれば極めて的確、それでいてこの座組としての個性もちゃんと出ていて申し分なし。

今後もいろんな座組・演出で観てみたい作品である。

あと、この日ハシゴした2作品(や「未開の議場」)は会議の結果が参加者に直接影響を及ぼすものだが、会議劇の原点とも言える(私見)「12人の怒れる男」を筆頭とする陪審員/裁判員ものは結論が参加者に影響を及ぼすことはほとんどない、ということに気が付いた。

ネタバレBOX

ミックスドッグス色を出すということで時折入れていた音楽、感覚として映像化した時にはここにこんな風に入りそうだな、と納得した部分アリ、ちょっと煩わしく感じた部分もアリで一長一短といったところ。
R.U.R.

R.U.R.

ハツビロコウ

小劇場 楽園(東京都)

2019/03/26 (火) ~ 2019/03/31 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/27 (水) 19:00

価格3,000円

本作を初めて観たのは1999年5月、俳優座の「ロボット」で、休憩を挟んだ二幕、2時間を超えていたように思う。(うろ覚え)
それを95分弱とコンパクトに刈り込んで、観易い。
一方、2012年12月の演劇集団 砂地版(上演時間については記憶がないが俳優座より短かったと思う)の自「観てきた!」コメントを読んで「これは今回感じなかったな」と思ったりするのも刈り込みゆえか?
これ、もっといろんな団体のアレンジも観てみたい。

ネタバレBOX

で、その後の定番となった「感情は宿るのか?」が出てくるし、「機械人形ではなく人造人間」にして「人間の代わりに労働する」という設定は「ブレードランナー」のレプリカントに受け継がれ、人類に反旗を翻すのはターミネーター・シリーズの基本設定だし、やはり「ロボットものの原点」だな、と改めて思った。
そうそう、鉄腕アトム後期に出てくる「ロボイド」は終盤で進化の兆しを見せる2人の子孫ではないか?などとも。
桜の森の満開のあとで

桜の森の満開のあとで

feblaboプロデュース

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2019/03/21 (木) ~ 2019/03/27 (水)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2019/03/26 (火) 15:00

価格2,500円

初演・再演とも観ているが、記憶力の衰えにより(爆)概略はともかく細部の記憶がとんでいるため割と新鮮な感覚で観る。(「あぁ、そうだった!」な部分もあり、全く忘れてしまった部分もある)
そして、「発見した」と思ったこと2つのうち、1つは初演・再演時とも感想に書いていたことにビックリ!(爆)

それにしても、「ある部分」が、以前観た時より現実味を帯びて感じてしまうのは恐ろしい。

また「入れ子構造」の使い方が本当に巧み。

ネタバレBOX

議論が膠着した時に多数派リーダー(?)である「議会」が「採決して反対派の数が変わっていなければ折れろ」というのは「12人の怒れる男」にもある論法だが。「12人」では少数派がそれを口にするから良いが、本作のように多数派がそれを提案するのはいかがなものか?……と思ったが、それは初演時、再演時にも思っており、再演時には初演時にそう思ったことを忘れていたのも過去ツイートを検索して判明。(爆)

もう1つ、ミユキとワカナがルーズリーフの1ページを引きちぎって「書かれていないことを読む」のは「勧進帳」だねぇ、というのはおそらく3度目の今回初めて気付いたこと。
降っただけで雨

降っただけで雨

埋れ木

シアター711(東京都)

2019/03/21 (木) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/23 (土)

3月23日、14時の【傘】と18時の【合羽】をマチソワ観劇。
街に出現する「怪人」に立ち向かう民間の個人ヒーローが引退を表明したことで広がる波紋……な物語は一見現実離れしているようだが「ヒーロー」を一般的な仕事に脳内変換すればサラリーマン経験者には何とまぁ身につまされること。
「やりたい仕事・するべき仕事」「仕事をする意義・理由」などのキーワードが浮かんでは消え、個人営業の工務店事務所のような装置と相俟って身近と言おうかリアルと言おうか。
また、2回ばかりメタ気味の台詞で笑わせるのも好み。

なお、警察の二人、【傘】は現場にもバリバリ出る実戦派、【合羽】は民間とのパイプ役を果たしている事務系、な真逆の印象だったのはダブルキャストの醍醐味? そしてもちろんどちらも「アリ」。

あと、場転時の独白、先に観た【傘】では傘に関するものがあったので【合羽】は違うのか?と半ば期待していたら同じだったのが残念と言えば残念。(笑)

あゆみ(長編)

あゆみ(長編)

劇団トキ

シアター・バビロンの流れのほとりにて(東京都)

2019/03/22 (金) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★

鑑賞日2019/03/24 (日) 13:30

まずは惜しかった点から。

例えば新幹線内の公衆電話、母子での買い物場面での買ったアイテムなどに小道具を使うため、そのセッティングに微かながら時間を取られる、また、演技エリアに誰もいない瞬間が少なからずある(せいぜい1秒程度とはいえ)ことにより、それらの累積も上演時間に加わり結局100分弱という今まで観た「あゆみ」で最長のランタイム(今まではだいたい80~90分に収まっていた)となり、さらに先述の要因により本来は流れるように滑らかな進行がブツ切り状態になり芝居が「蹴躓く」あるいは「咳込む」ような印象(もちろん比喩で演者が蹴躓いたり咳込んだりしたのではない:為念)となったのが残念。

また、終盤で山に登りながらの回想(一部は幻想?)部分に登っている当人が登場して本人を演じたり、あるいはその部分が演じられている時は演技エリアの外にいて全く視野にいなかったりするために、その回想/幻想が独立した印象になってしまうのも芝居の流れを分断する結果になって残念。

一方、戯曲自体は好きなものであるし、子供時代の表現が秀逸だったし、エピローグ前の演出も良かったので「それなりに」満足。


あと、フリーカンパ制の場合、ガラス瓶や箱、缶などに剥き出しの現金を入れさせるよりも、当日パンフレットに事務用封筒を添付しておいて、それに入れて渡すようにした方がスマートではないか?
少なくともσ(^-^) はその方が気が楽だ。

ネタバレBOX

新幹線の中の
「アイスクリーム、食べる?」
「いらない」
「チョコ?白いの?」
「白いの」
「じゃあ買いに行こうか」
のトコが一番好きかも……
ELECTRIC GARDEN

ELECTRIC GARDEN

楽園王

d-倉庫(東京都)

2019/03/19 (火) ~ 2019/03/21 (木)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/20 (水) 14:00

価格3,000円

5人の若者を殺したという男の独白に始まり「2つの世界」が交錯する物語はどこかつかみどころが希薄で、あたかも夢を見ているような感覚。長堀さんは「胡蝶之夢」がお好きと伺ったことがあり(ちなみにσ(^-^) も大好き)、本作はそれが顕著に出ているかも?
そして「胡蝶之夢」では「どちらが本当の世界だろうか?」と考えるところで終わっている(?)が、もしかして、そう考えている人物はその二つの世界を客観的に見ており、実はそのどちらの世界とも違う「第三の世界」に生きているのではないか?……なんてことも観ながら考えたのだった。

なお、開場して客席に入った途端、本来の客席エリアは4列くらいしかなく舞台上にも客席がある三方客席という使い方にビックリしたが、思い起こせば2005年上演時のムーブ町屋・ムーブホールでは演技エリアをイントレで囲み、「二階席」から見下ろすこともでき、さらに後半では一部がスライドするというダイナミックな客席だったワケで、それと較べれば至ってノーマルだな、と。(笑)

FIRE LIGHT

FIRE LIGHT

たすいち

劇場MOMO(東京都)

2019/03/20 (水) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/20 (水) 19:30

座席F列7番

価格3,500円

7年前の吉祥寺シアターより小さな会場となったことで内容も凝縮された感覚?……というか、当初は新宿シアター・ミラクルでの上演を想定して書かれたものだけに初期構想に近くなったと言うべきか。

「見たいものの幻想を見せる薬物」についつい頼ってしまう人の心の弱さ(とそれに溺れてしまうことの危険)を芯に据えたサスペンス。たすいちてサスペンスって珍しいのでは?
また、従来は「イヤなヤツ」「憎まれ役」程度しか出てきていなかったのに対して本作では狭義の「悪役」が出てきてこれもたすいち作品で珍しいのではないか?
そんなところにふとキャラメルボックスの「嵐になるまで待って」に通ずるモノを感じた。

前後するが、薬物に頼る人々の動機が切ないと言うかズルいと言うかで、そこんとこも上手いやね。

なお、部分部分が煤けているような装置の汚しも4年前の大火をイメージさせていかにも「舞台美術」らしくてイイ。

キャンパーズ シークレット

キャンパーズ シークレット

Oi-SCALE

サイスタジオコモネAスタジオ(東京都)

2019/03/19 (火) ~ 2019/03/24 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/19 (火) 19:30

価格4,000円

いつもの「真冬の良く晴れた日の午前2時」を思わせる澄んでいてそれでいて張りつめた空気感ではなくちょうど今の時期の遅い夜のような少し冷えるがだいぶ穏やかになってきた感覚で進行しつつ、終盤でOi-SCALEらしさが全開に。タマらん♪
大半を占めるキャンプ場での会話スケッチ集的な部分はそのリアルな舞台美術(キャンプ用品は林さんの私物だそうで)も相俟ってまるで本当の会話をすぐ横で見聞しているようだが気分はあくまで傍観者。
が、終盤のある時点で風太の心情を我が事のように感じられて一気に劇中に引きずり込まれる……と言うか、もしかすると自分が風太としてあのキャンプ場の夜にいたかも知れない、と思ってしまうのはある意味メタ?(以下ネタバレBOXへ)

ネタバレBOX

さらに林さんの語りで「物語の共有」「想像力の翼」「居場所」などについて考えさせられて「あー、やっぱりOi-SCALEだぁ!」状態。(笑)

で、作・演出で出演もする方(林さんの他にはX-QUESTのトクナガさん、Peek-a-Booの武末さん、リジッター企画の中嶋さんなど)って、芝居の中で自在になおかつ自然にふるまっているように見えることが多いが、本作終盤の林さんは作品を司る神、ゲームマスターならぬプレイマスターではなかろうか?
終盤の語りに入る直前の林さんを(役としての)神ではないか?としばし思ったことから考えを発展させてそんなことも感じた。
『熱狂』『あの記憶の記録』

『熱狂』『あの記憶の記録』

劇団チョコレートケーキ

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2017/12/07 (木) ~ 2017/12/19 (火)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2017/12/19 (火) 18:00

座席G列17番

価格3,500円

【あの記憶の記録】
過去の2回は会場サイズからその場に居合わせているような臨場感があったがこの規模になると……などと油断していたらやはり「地獄」の情景にどっぶりレベルで引き込まれる。 加えてその後の親子・先生の会話が今の日本に当てはまるようでズシリ。
観ながら「忘れてはいけない、忘れたふりをするのはもっといけない」「過去の失敗を覚えていない国の将来は暗いよ(←大意:記憶が不確か)」という井上ひさし「闇に咲く花」の台詞がよみがえったりも
椅子を遺体に見立てての「状況再現」もけっこう響いたし……そんなところも含めて「劇場版」と言えよう。
戦争の体験を語ることのできる人が減ってゆく中、代わりに文学や演劇などで「語る人を描く」ことも有効・有用なのではないか?とも考えた。

山の中、みたらし

山の中、みたらし

おにぎり、ください

RAFT(東京都)

2019/03/16 (土) ~ 2019/03/18 (月)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2019/03/18 (月) 15:00

価格2,300円

小学生時代に埋めたタイムカプセルを開ける約束の日、中を見られたくない井浪は何時間か早く来て先に掘り出すが、何故か牧原も早く来ていて……という出だしからワン・シチュエーションのオーソドックスな二人芝居と思いきや、終盤で複数の意味でぶわっと広がる「熊手構造」。
「どこにつながるの?」と思っていた回想場面や何やら隠し事をごまかしているような牧原の言動、会話に出てきた好きな映画のタイトルなどを伏線としてファンタジー要素も加えた怒涛の展開(笑)となる終盤にホント、ヤラれた。(笑)

それにしてもここのところ二人芝居が多いな。今年前半の小劇場のトレンドは二人芝居かもなぁ。(半ば真顔)

NAGISA  巨乳ハンター/あたらしい「Lady」

NAGISA 巨乳ハンター/あたらしい「Lady」

サムゴーギャットモンテイプ

RAFT(東京都)

2017/08/23 (水) ~ 2017/08/27 (日)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/08/25 (金) 14:00

価格1,800円

どことなく枝雀師一門のENGLISH RAKUGOを想起させる「あたらしい「Lady」」、冒頭からおバカ丸出しながら「あのテの話」のセオリーを踏襲しさらに「そんなネタ」まで絡ませた「NAGISA 巨乳ハンター」、タイプは異なれどいずれも「観終わって何も残らないが観ている間は非常に愉しい」「おバカ大行進」な内容で、良心的(?)な値段と共に絶賛に値する……というのはさすがに言いすぎだな。(爆)

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